JPH04272764A - 創傷被覆材 - Google Patents

創傷被覆材

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JPH04272764A
JPH04272764A JP3287891A JP3287891A JPH04272764A JP H04272764 A JPH04272764 A JP H04272764A JP 3287891 A JP3287891 A JP 3287891A JP 3287891 A JP3287891 A JP 3287891A JP H04272764 A JPH04272764 A JP H04272764A
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JP
Japan
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wound
wound dressing
film
acrylate
polyurethane elastomer
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Application number
JP3287891A
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English (en)
Inventor
Mikio Koide
小出 幹夫
Masato Onishi
誠人 大西
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、創傷被覆材に関するも
のである。詳しく述べると、創傷、熱傷等による皮膚欠
損受傷の際、該皮膚欠損部位に適用され、かつ該皮膚欠
損部位と接する創面を水和潤滑状態にし、表皮再生を促
進する創傷被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】外傷性の皮膚創傷および採皮創傷等の創
傷および疾患に伴う創部に対する創傷保護および治療方
法としては、大別して創傷部を乾燥状態に保ち、痂皮を
形成させて治癒を行なういわゆるドライドレッシングと
、適度な湿潤環境を作り出し、速やかな皮膚細胞の遊走
を行なうウェットドレッシングとが知られており、後者
は、創傷の治癒も速やかであり、創傷部表面の乾燥壊死
が少なく、創面の保護効果も有することなどが知られて
いる。
【0003】しかしながら、ウェットドレッシングの一
方法であるサージカルドレープを用いる方法では、滲出
液の貯留が多く、創面に再吸収されるおそれがあり、ま
た感染の危険も大きく、接着剤が直接創面と接するため
、創傷治癒に有害と思われる問題点があることが指摘さ
れている。また、創面から剥がれ易いこともあり、創面
と接する部分に小さな突起を付けたものがあるが、逆に
除去困難という欠点を有するなど問題があった。
【0004】これらの問題点を解決するため、近年では
被覆材が創傷部と接触し得る部位にコラーゲン、キチン
、フィブリン等の生体高分子を用いるもの、あるいはゴ
ム系の素材中に保湿成分を分散させて密着、非癒着、高
含水状態の確保等を図ったもの、さらには、本発明者ら
が以前提案した創傷部に接触し得る部位の少なくとも一
部が撥水性物質により被覆された生体適合性のヒドロゲ
ル形成性の支持層(例えば、カルボキシメチルセルロー
ス、アルギン酸塩系、ヒアルロン酸塩系、ポリ(メタ)
アクリル酸塩系)と、該支持層の創傷部に接触し得る部
位とは反対側に形成された水分透過調節層とからなる創
傷被覆材(特開昭62−18376号公報)等が有り、
一定の効果をおさめている。
【0005】一方、ドライドレッシングとしては多孔質
高分子膜があるが、この場合、ドレッシングが創面に固
着してしまい、剥がす際に出血を伴うため、最近では、
創面と接触する部位には非粘着性の多孔質フィルム(M
elolin,Smith & Nephew Lim
ited の登録商標)を使用したドレッシングが市販
されている。
【0006】これら従来より用いられている創傷被覆材
のひとつとして、ポリウレタン製の被覆材があり、水蒸
気透過性や伸縮性には優れているが、液体の透過性が悪
かった。そのため、創傷を覆っても創面からの滲出液が
、被覆材と創面の間に溜ってしまい、滲出液の創面への
再吸収や感染症等の虞もある。
【0007】また、創傷面や傷口の縫合部では感染が起
こりやすいため、抗菌剤を含有したクリーム基剤を使用
して感染防止を行なっている。しかし、抗菌剤をガーゼ
に塗り込んだ場合、滲出液とともにガーゼ包帯に約57
%が染込み、創面に約21%しか到達しない。またクリ
ーム基剤では毎日のように創面に塗り込む等操作上面倒
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の被覆材でも、ある程度の効果を有しているものの、
創傷部と接触する部分の生体適合性を有する基剤層の形
成に用いられている材料が分解、脱落しやすく、創傷被
覆材としての使用時における物性に問題があり、さらに
その分解離脱物が、生体に異物として認識されることが
あり、創傷部の治癒を遅延させる危険性があった。また
、支持層の創傷部に接触し得る部位とは反対側に形成さ
れる水分透過調節層は、適度な水分透過能と細菌侵入阻
止能を必要とするが、この両者の性質を満足させる材料
はかなり限定されるものであった。さらに、広範囲熱傷
や第3度熱傷では感染が起こりやすいため、抗菌剤を含
有したクリーム基剤を使用して感染防止を行なっている
。しかし、そのうち滲出液とともにガーゼ包帯に約57
%が染込み、創面に約21%しか到達しない。またクリ
ーム基剤では毎日のように創面に塗り込む等操作上面倒
である。
【0009】したがって、本発明の目的は、創面への良
好な密着性を有し、創傷部と接触しても容易に分解、離
脱することがなく、水蒸気透過性と液体透過性を兼備え
、かつ創面において適度な湿り気を保ち、創傷部の治癒
、特に表皮再生が促進され、創傷部の早期の治癒を行な
うことができる創傷被覆材を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、該創傷被覆材に抗菌
性を付与し、外部からの感染防止および創面が細菌によ
り汚染されている場合にも適応することができる創傷被
覆材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーの膜の表面に親水性ポリマーの
層を化学的結合により形成したことを特徴とする創傷被
覆材によって達成される。
【0012】本発明は、熱可塑性ポリウレタンエラスト
マーの膜の水蒸気透過率が500〜10,000g/m
2・24hrである創傷被覆材である。本発明はまた、
該親水性ポリマーがポリアルコキシアルキルアクリレー
トあるいはポリアルキルアクリルアミドである創傷被覆
材である。本発明さらに、親水性ポリマーがアルコキシ
アルキルアクリレートのホモポリマーまたはコポリマー
で、アルキルアクリルアミドのホモポリマーまたはコポ
リマーである創傷被覆材である。本発明は、アルコキシ
アルキルアクリレートがメトキシエチルアクリレートで
、アルキルアクリルアミドがジメチルアクリルアミドで
ある。
【0013】上記目的は、上記創傷被覆材の親水性ポリ
マー層上に抗菌性を有する金属である銀、銅または亜鉛
を蒸着して抗菌性をもたせたことを特徴とする創傷被覆
材によっても達成される。
【0014】
【作用】本発明の創傷被覆剤は、上記のように熱可塑性
エラストマーの膜に親水性ポリマー層を化学的結合によ
り形成することにより、創面によく密着して傷口への感
染を防止するとともに、皮膚欠損部位に接する面を水和
潤滑状態にして、皮膚再生を促進することができる。ま
た、この親水性ポリマー層上に抗菌性を有する金属を存
在させることにより優れた効果が得られる。
【0015】本発明に用いられる熱可塑性エラストマー
は、いかなるものであっても良いが、その代表的なもの
としては、熱可塑性スチレンージエンブロックコポリマ
ー、熱可塑性ポリエステル−エーテルコポリマー、熱可
塑性ポリウレタンエラストマー等があり、好ましくは、
熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。
【0016】熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ハ
ードセグメントとしてのジイソシアナート、例えば、エ
チレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート、トルイレンジイソシアナート、フェニレンジイソ
シアナート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、4,4´−ジフェニ
ルメタンジイソシアナート等で、熱可塑性ポリウレタン
エラストマーには、4,4´−ジフェニルメタンジイソ
アナートが好ましく用いられ、ソフトセグメントとして
のポリオール、例えば、ポリアルキレンポリオール、ポ
リエーテルポリオール、ポリカプロラクタム、ポリカー
ボナート等と、さらに鎖延長剤となるエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ブタンジオール等よりなるセグメント化ポリウレタンで
あり、ごく一般的に用いられているものでよく特に限定
するものではないが、医療用として用いられている熱可
塑性ポリウレタンエラストマーの成分としてのポリオー
ルは、好ましくは、ポリエーテルポリオールである。し
かして、本発明において使用される熱可塑性エラストマ
ー膜の厚みは10〜200μm、好ましくは30〜50
μmである。即ち10μm未満では基剤としての機械的
強度が不十分であり、一方、200μmを越えると水蒸
気の透過が困難となるからであるばかりでなく、コスト
高ともなるからである。
【0017】一般に医療用に用いられている熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーは高い水蒸気透過性を得るため
、ソフトセグメントとなるポリオールに親水性のポリオ
ールを用いているが、本発明に用いる熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーは特に高い水蒸気透過性を有している
必要はない。このため、熱可塑性エラストマーの水蒸気
透過率は500〜10,000g/m2・24hr、好
ましくは2,000〜5,000g/m2・24hrで
ある。
【0018】本発明には、該膜に高い水蒸気透過性を与
えるため、熱可塑性エラストマーの膜に化学的結合によ
り親水性ポリマーを形成することにより解決している。
【0019】さらに本発明は、従来の熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーが水蒸気透過性や伸縮性に優れている
が、液体の透過性が悪いという点についてもこの親水性
ポリマーを形成することにより、優れた水蒸気透過性や
伸縮性はそのままで液体の透過性を改善することができ
る。また、熱可塑性ポリウレタンエラストマー膜が、多
孔質あるいは無孔質に限定されない。
【0020】本発明方法において、親水性ポリマー層を
熱可塑性エラストマーに化学的に結合する方法としては
、化学的グラフト法、放射線グラフト法またはグロー放
電グラフト法等により親水性モノマーを重合させること
により行なわれる。本発明においては、グロー放電グラ
フト法の一種であるプラズマ開始表面グラフト法が好ま
しく用いられる。
【0021】本発明で用いられる親水性モノマーとして
は、アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチ
ル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アク
リレート等のアルコキシアルキルアクリレート、エチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ
レート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、
ジエチルアクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、
ジエチルメタクリルアミド等のジアルキル(メタ)アク
リルアミド、ビニルシラン、ビニルピリジン等で、これ
らのモノマーの1種または2種以上が使用され、好まし
くは、グラフト重合が容易で、しかも生体適応性が良好
な点から、アルコキシアルキルアクリレートおよび/ま
たはアルキルアクリルアミドである。
【0022】プラズマ開始表面グラフト重合は、アルゴ
ン、窒素、空気、水素等の雰囲気中で、0.01〜0.
5torr、好ましくは0.1〜0.2torrの圧力
下にプラズマを1〜300秒間、好ましくは5〜20秒
間照射し、その時同時にあるいはその後、前記親水性モ
ノマーをガス状または液状で供給し、15〜50℃、好
ましくは20〜25℃の温度で1〜200分間、好まし
くは2〜10分間反応に供することにより行なわれる。
【0023】本発明に用いられる抗菌性を有する金属と
しては、銀、銅、亜鉛等であるが、抗菌性の点から銀が
好ましい。膜表面に存在させる金属は、2種類以上あっ
ても良いし、または、酸化銀(1価)、酸化銀(2価)
、酸化銅(1価)、酸化銅(2価)、酸化亜鉛、酸化鉄
亜鉛、酸化鉄銅等の酸化物、塩化銀、塩化銅(1価)、
塩化亜鉛、臭化銀、臭化銅(1価)、ヨウ化銀、ヨウ化
銅(2価)等のハロゲン化物等の状態であっても良い。 なお、これら金属を該膜に存在させる方法としては、ス
パッタリング法、イオンビーム法、真空蒸着等があり、
好ましくは、真空蒸着を用い、アルゴン、窒素等の雰囲
気中で、10−2〜10−6torr、好ましくは10
−4〜10−5torrの圧力下で、蒸着させる金属を
10〜30℃、好ましくは15〜25℃の温度にし、蒸
着させる金属と蒸着する試料のあるベルジャーとを仕切
るシャッターを0.5秒〜10分間、好ましくは2〜5
0秒間開き、金属を所定量蒸着させる。
【0024】存在させる金属の量については、特に限定
されないが、コスト面あるいは溶出金属による2次汚染
等の点から、膜表面のX線光電子スペクトルによる金属
原子/炭素原子比が0.02〜5.0の範囲内にあるも
のが良く、さらに好ましくは0.1〜2.0である。金
属原子/炭素原子比が5.0を越えると、膜表面での金
属存在比が過剰となり、抗菌性を有するものの、孔径が
、付着した金属により縮小して、膜本来の水蒸気透過性
が失われれてしまう。また、過剰に金属が付着してこの
金属が薄膜化してしまうと、孔が閉塞されたり、金属層
が衝撃等で剥離するばかりか、非経済的である。逆に金
属原子/炭素原子比が0.02未満であると、安定した
抗菌性が失われる虞がある。
【0025】本発明の創傷被覆材は、例えば次のように
して製造される。
【0026】まず、溶媒、例えばテトラヒドロフランと
ジメチルホルムアルデヒドの混合溶液に熱可塑性エラス
トマー、例えば熱可塑性ポリウレタンエラストマーを溶
解させて、熱可塑性エラストマー溶液、例えばポリウレ
タン溶液を得る。次いで、このポリウレタン溶液を離型
紙、例えばシリコーン系の剥離紙上に、精密層状化工具
(アプリケーター)を用いて、一様な厚さで層状化する
。塗布した後、室温で放置し、さらに60〜100℃の
乾燥機に移し、そこで1〜10時間、好ましくは2〜4
時間硬化させ、熱可塑性エラストマー膜、例えばポリウ
レタン膜を得る。乾燥後の膜厚は特に限定されないが、
好ましくは10〜200μm、特に30〜50μmであ
る。該膜に親水性モノマー、例えばメトキシエチルアク
リレートをプラズマ開始表面グラフト重合し、親水性を
付与した熱可塑性エラストマー膜、例えばポリウレタン
エラストマー膜を得ることができる。
【0027】
【実施例】つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0028】実施例1 テトラヒドロフラン(THF)114gとジメチルホル
ムアルデヒド(DMF)6gの混合溶液(THF/DM
F  95/5)にウレタン樹脂(レザーミンP−20
45R,大日精化株式会社製)を溶解させ、20重量%
ポリウレタン溶液を得た。この20重量%ポリウレタン
溶液をシリコーン系の剥離紙上に、精密層状化工具(ア
プリケーター)を用いて、一様な厚さで層状化した。塗
布した後、室温で15分放置し、さらに100℃の乾燥
機に移し、そこで2〜3時間硬化させた。なお、ポリウ
レタン溶液の濃度が20重量%で、アプリケーターの目
盛りを10に設定すると乾燥後には、ポリウレタン膜の
膜厚は約30μmであった。
【0029】この膜にメトキシエチルアクリレートをプ
ラズマ開始表面グラフト重合する。まず、アルゴンの雰
囲気中で、0.1〜0.2torrまで減圧しプラズマ
を10〜15秒間照射し、その時同時に、メトキシエチ
ルアクリレートをガス状で供給し、25℃の温度で5分
間反応させた。
【0030】これによりグラフト率18%のポリウレタ
ンエラストマー膜の創傷被覆材を得た。
【0031】実施例2 まず実施例1と同様の方法により厚さ30μmのポリウ
レタン膜を得た。この膜にジメチルアクリルアミドをプ
ラズマ開始表面グラフト重合する。まず、アルゴンの雰
囲気中で、0.1〜0.2torrまで減圧しプラズマ
を10〜15秒間照射し、その時同時に、ジメチルアク
リルアミドをガス状で供給し、25℃の温度で5分間反
応させた。
【0032】これによりグラフト率16%のポリウレタ
ンエラストマー膜の創傷被覆材を得た。
【0033】試験例1 実施例1および2の親水性を付与したポリウレタンエラ
ストマー膜と親水性を付与していないポリウレタンエラ
ストマー膜(実施例1および2に用いたものと同じもの
)について水分透過試験を行なった(小原一則  他、
基礎と臨床16(2)617〜625(1982)参照
)。
【0034】まず直径90mmの蓋付シャーレに生理食
塩水50mlを入れ、70mm(タテ)×70mm(ヨ
コ)×20mm(タカサ)の大きさのスポンジを浸し、
スポンジに生理食塩水を充分含まる。このスポンジの上
を70mm×75mmのサンプルで被覆し、さらにその
上に50mm×50mmのガーゼ(白十字株式会社製)
8枚(約4g)を重ねた。ついでシャーレの蓋と重し(
合せて約10g)で圧迫し、温度26℃、湿度48%に
て放置した。
【0035】測定は、ガーゼの重量を試験前および経時
的に精秤した。結果を図1に示す。図1から明らかなよ
うに、未処理の熱可塑性ポリウレタンエラストマー膜よ
りも親水化処理した熱可塑性ポリウレタンエラストマー
膜の方が水分透過速度が著しく促進された。一般に膜の
透湿度試験としては、JIS規格(JISZ−0208
)の方法を使用しているが、傷の創面に直接創傷被覆材
を適用することから水分透過試験の方が評価方法として
ふさわしい。
【0036】実施例3 実施例1および2の親水性を付与したポリウレタンエラ
ストマー膜に銀を真空蒸着した。この真空蒸着は、まず
親水性を付与したポリウレタンエラストマー膜を真空蒸
着用のベルジャーに設置し、10−5torrにまで減
圧した後、蒸発源である銀を約20℃にし、シャッター
を開いて所定時間銀を真空蒸着した。これにより親水性
を付与し銀を蒸着したポリウレタンエラストマー膜の創
傷被覆材を得た。
【0037】試験例2 実施例3で得た親水性を付与し銀を蒸着させたポリウレ
タンエラストマー膜の抗菌性を測定した。銀を蒸着させ
たポリウレタンエラストマー膜から1cm2を取り、緑
膿菌を塗布したミュエラー  ヒントン  アガー(M
uellerHinton Agar)の培地上に置き
、温度37℃、湿度90%で、18時間放置し、緑膿菌
の存在について阻止円法により評価を行なった。結果を
表1に示す。
【0038】表1から明らかなように、本発明の創傷被
覆材は、膜表面に金属を存在させたので、この金属によ
る抗菌作用によって細菌の増殖が抑制される。
【0039】表1から銀を存在させていないポリウレタ
ンエラストマー膜は抗菌性が全くなく、銀を0.05分
しか存在させる処理をしていない熱可塑性ポリウレタン
エラストマー膜ではAg/C比が0.01であり、抗菌
性を示さなかった。
【0040】
【表1】
【0041】試験例3 実施例1および3により作製した創傷被覆材を用いて、
ラットの皮膚欠損への組織反応試験を行なった。
【0042】ラット(Wistar−KY系、体重20
0〜300g)の背部を剃毛後、背部皮膚に剥皮具(デ
ルマトーム)を用いて、大きさ20×20mm、深さ1
0/100インチの創傷部を3個所作製し、止血後、実
施例1および実施例3で得られた創傷被覆材をそれぞれ
創部に貼付したものおよび開放創とし、実施例1および
実施例3については、まず実施例1および実施例3の創
傷被覆材に生理食塩水を含ませ創部に貼付、その上にさ
らに伸縮性のインサイドドレープ(登録商標Steri
−Drape、3M製)で覆った後、伸縮テープを用い
て固定し、開放創については止血後そのままとして、自
由給水自由給食で飼育した。3日後に麻酔屠殺した。
【0043】各創面から数個所ずつ組織を採取し、組織
標本を作製した。組織を光学顕微鏡で観察した結果、開
放創と比較して実施例1の創傷被覆材は組織反応が弱く
、実施例3はさらに弱く若干認められるにすぎなっかた
【0044】そして、表皮化率は、創傷部が完全に表皮
で覆われた状態を100%とした場合、開放創は22±
5%、実施例1では70±3%、実施例3では82±3
%であった。なお組織標本の数は各々5個である。この
結果を図2に示す。
【0045】
【発明の効果】本発明の創傷被覆材は、熱傷、採皮創お
よび皮膚剥削傷、外傷性皮膚欠損創等の疾患ないし、創
傷による患部、特に火傷等の広範囲の創傷に適用された
際に、水蒸気透過性とともに適当な湿度を保ちつつ水分
透過性があり、創面との接触面を水和潤滑状態にして創
面に密着し表皮再生を促進することができ、特に抗菌性
を付与するための金属を存在させることによって、傷口
への感染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の創傷被覆材に重ねたガーゼの水分含有
量の経時変化を示す。図1において、横軸は経過時間(
分)、縦軸はガーゼの水分含有量(g)を表す。
【図2】本発明の実施例1および3により作製した創傷
被覆材を用いて、ラットの皮膚欠損への組織反応試験の
表皮化率の結果を示す棒状グラフである。図2において
、縦軸は表皮化率(%)(創傷部が完全に表皮で覆われ
た状態を100%とした)である。
【符号の説明】
○:ポリウレタン、 △:ポリウレタン−g−ポリメトキシエチルアクリレー
ト、 □:ポリウレタン−g−ポリジメチルアクリルアミド。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  熱可塑性ポリウレタンエラストマーの
    膜の表面に親水性ポリマーを化学的結合により形成させ
    たことを特徴とする創傷被覆材。
  2. 【請求項2】  該膜の水蒸気透過率が500〜10,
    000g/m2・24hrである請求項1に記載の創傷
    被覆材。
  3. 【請求項3】  親水性ポリマーがアルコキシアルキル
    アクリレートのホモポリマーまたはコポリマー、または
    アルキルアクリルアミドのホモポリマーまたはコポリマ
    ーである請求項1または請求項2に記載の創傷被覆材。
  4. 【請求項4】  アルコキシアルキルアクリレートがメ
    トキシエチルアクリレートで、アルキルアクリルアミド
    がジメチルアクリルアミドである請求項3に記載の創傷
    被覆材。
  5. 【請求項5】  該膜に抗菌性を有する金属である銀、
    銅または亜鉛を蒸着して抗菌性をもたせた請求項1〜4
    のいずれか一つに記載の創傷被覆材。
JP3287891A 1991-02-27 1991-02-27 創傷被覆材 Pending JPH04272764A (ja)

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Cited By (3)

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