JPH042713B2 - - Google Patents

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JPH042713B2
JPH042713B2 JP59219900A JP21990084A JPH042713B2 JP H042713 B2 JPH042713 B2 JP H042713B2 JP 59219900 A JP59219900 A JP 59219900A JP 21990084 A JP21990084 A JP 21990084A JP H042713 B2 JPH042713 B2 JP H042713B2
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water
polyester resin
soluble polyester
wax
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、糊付け糸の製造に用いる水溶性ポリ
エステル糊剤に関する。さらに詳細には本発明
は、製織に際してフイラメント糸、加工糸、撚糸
及びスパン糸のような製織糸条を糊付けして抱合
力を付与し、シヤツトル織機、ノンシヤツトル織
機、ウオータージエツトルームなど、使用する織
機の種類を問わず製織可能とし、かつ製織後の精
練作業を容易にした、連続精練可能な水溶性ポリ
エステル糊剤に関する。 〔従来の技術〕 製織時に織物糸を糊付けすることは技術上、常
法となつている。糊付けの主目的は製織工程中の
糸に収束性を付与することであり、通常、澱粉、
ポリビニルアルコール、ポリアクリレートのよう
な高分子材料を単独又は併用で糸に適用し、製織
操作後に糊抜きを行なつている。しかし、これら
の材料の使用では、糊付け糸の抱合力及び接着力
が十分でなく、また製織時の落ち糊も多い。特
に、合成繊維中のテトロンないしポリエステルフ
イラメント糸或いは加工糸の場合、その傾向は顕
著に見られる。 一方、例えば米国特許第3546008号明細書に示
されるような水溶性ポリエステル糊剤が既に知ら
れており、このような従来の水溶性ポリエステル
糊剤では、それをポリエステルフイラメント糸或
いは加工糸に使用した場合に糊付け糸の抱合力及
び接着力は十分であり、落ち糊も少ないという利
点がある反面、特殊な精練を必要とするという問
題があつた。近年、ウオータージエツトルームに
よる製織が広まり、前記のように糊剤の主流とな
るポリアクリレート糊剤の精練ではPHが高いほど
糊抜き性が良いという傾向にあり、一般にカセイ
ソーダが使用されており、その精練工程も簡単で
短時間にあつた。これに対して従来の水溶性ポリ
エステル糊剤はカセイソーダ水溶液中では凝固す
る性質を有し、従つて精練不可能であり、ソーダ
灰、トリポリリン酸ソーダなどの弱アルカリを用
いて2時間をかけてバツチシステムにより精練を
行なつているのが現状である。このような精練工
程の困難さゆえに、水溶性ポリエステル糊剤にお
けるポリエステルフイラメント糸との接着力が良
いこと、落ち糊が少ないこと、ポリアクリレート
糊剤に比較して低付着率で製織可能であることな
どの利点が生かされず、実際の使用はごく一部に
限られていた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記のように、ポリアクリレート糊剤その他の
従来常用の糊剤では精練性が良好である反面、糊
付け糸の抱合力や接着力が不十分であり、また製
織時の落ち糊も多いという問題点があつた。ま
た、従来公知の水溶性ポリエステル糊剤では、逆
に、製織時の落ち糊が少なく、糊付け糸の抱合力
や接着力も良好である反面、精練性が極めて悪い
という問題点があつた。 本発明は、上記の従来技術の問題点を解決する
と共に糊付け糸の抱合力や接着力が良好で、しか
も精練性に優れた水溶性ポリエステル糊剤を提供
しようとするものである。 〔問題点を解決するための技術的手段〕 本発明者らは、種々の研究の一環として、水溶
性ポリエステル樹脂の製造工程におけるエステル
化後の重縮合時に、重縮合物に水溶性を付与する
目的でリン酸や亜リン酸などのエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどとのエステル化物
を添加したところ、生成した重縮合物には当初の
目的どおり水溶性が付与されるのみならず、水溶
性ポリエステル樹脂の本来の特徴である接着力な
どの性能を損なうことなしに良好な精練性が付与
され、カセイソーダによる連続精練が可能になる
ことを見い出し、さらに鋭意研究を重ねた結果、
本発明を完成するに至つた。 即ち、本発明に係る水溶性ポリエステル糊剤
は、少なくとも1種のジカルボン酸と少なくとも
1種のジオールをエステル化し、重縮合して水溶
性ポリエステル樹脂を製造するに際して、遅くと
もその重縮合時にリン酸、ピロリン酸、ポリリン
酸、亜リン酸からなる群から選ばれた少なくとも
1種のリン酸化合物と 一般式 HO−(CH2−)oOH (式中、nは2〜6の整数である)、又は 一般式 H−(OCH2CH2−)nOH (式中、mは2〜10の整数である) で示される化合物のエステル化物をモノマー全量
に対して10重量%以下添加してなる水溶性ポリエ
ステル樹脂からなるものである。 また、本発明に係る第二の水溶性ポリエステル
糊剤は、上記の水溶性ポリエステル樹脂20〜90重
量%と、炭素数14〜28の脂肪酸と1〜4価のアル
コールのエステル、酸化ポリエチレンワツクス、
酸化ワツクス、融点50〜100℃の天然ワツクスか
らなる群から選ばれた少なくとも1種の融点50〜
100℃のワツクスを非イオン活性剤及び/又はア
ニオン活性剤で乳化してなるワツクスエマルジヨ
ン80〜10重量%を混合してなるものである。 本発明における水溶性ポリエステル樹脂を製造
するためのジカルボン酸成分としては、脂肪族、
脂環族又は芳香族酸を使用することができる。そ
のようなジカルボン酸の例は、シユウ酸、マロン
酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール
酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリ
ン酸、2,2−ジメチルグルタール酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペ
ンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、1,
4−ナフタール酸、ジフエニン酸、ジグリコール
酸、チオジプロピオン酸、及び2,5−ナフタレ
ンジカルボン酸などである。なお、本発明におけ
るジカルボン酸成分には、上述の酸に対応する酸
無水物、エステル、及び酸クロライドなどが含ま
れる。 また、本発明におけるジオール成分としては、
脂肪族、脂環族又は芳香族ジオールを使用するこ
とができる。それらのジオールの例は、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチル
ヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル
−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−
ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル
−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−
ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメ
タノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,
2,4,4,−テトラメチル−1,3−シクロブ
タンジオール、4,4′−チオジフエノール、4,
4′−メチレンジフエノール、4,4′−(2−ノル
ボルニリデン)ジフエノール、4,4′−ジヒドロ
キシビフエノール、o−,m−,p−ジヒドロキ
シベンゼン、4,4′−イソプロピリデンジフエノ
ール、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−
ジクロロフエノール)、2,5−ナフタレンジオ
ール、p−キシレンジオール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコールなどである。 本発明における水溶性ポリエステル樹脂の製造
には、生成重縮合物を水溶性にするために芳香族
核に結合した−SO3M基(式中、Mは水素又は金
属イオンである)を含有するジカルボン酸(その
誘導体を含む)又はジオール(その誘導体を含
む)その他の二官能性単量体を併用することがで
きる。そのような芳香族核の例は、ベンゼン、ナ
フタレン、アントラセン、ジフエニル、オキシジ
フエニル、スルホニルジフエニル及びメチレンジ
フエニルを含む。上記のスルホネート塩基の金属
イオンは、Na+、K+、Mg 、Ca 、Cu 、Fe
、及びFe などである。 さらに、生成重縮合物を水溶性にするために少
なくとも1種の水酸化アルカリ金属、アンモニア
水、アルカノールアミンで中和することができ
る。そのような中和剤としての水酸化アルカリ金
属には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどが、またアルカノールアミンとし
てはモノ、ジ、トリエタノールアミン、モノ、
ジ、トリプロパノールアミン、アミノメチルプロ
パノール、アミノメチルプロパンジオール、アミ
ノエチルプロパンジオール、モルホリンなどが使
用される。 本発明に係る第二の水溶性ポリエステル糊剤に
使用するワツクスエマルジヨン(油剤)は、天然
ワツクスとしてカルナバワツクス、カンデリラワ
ツクス、蜜ロウ、白ロウ、モンタンワツクス、ぬ
かロウなどを、また合成ワツクスとして酸化ポリ
エチレンワツクス、酸化ワツクス、さらにソルビ
タン、ペンタエリスリトール、グリセリン、エチ
レングリコールと炭素数14〜28の脂肪酸とのエス
テル化によつて得られるワツクスを原料とし、こ
れらを通常の非イオン活性剤及び/又はアニオン
活性剤を使用して乳化してなるワツクスエマルジ
ヨンである。なお、上記において、低融点の動植
物油或いは鉱物油などを若干併用することができ
るが、糊フイルムの可塑化が大きいので多くを併
用すると糊剤の性能を悪化させる。 〔作用〕 通常のポリエステル樹脂は直鎖状のポリマーで
あり、糊剤としての水溶性ポリエステル樹脂では
糊付け糸の抱合力を高める手段として樹脂に強靭
性を与えるために、直鎖を長くして重合度を上げ
ていたが、そのように直鎖を長くすればそれだけ
カセイソーダによる精練が困難になる傾向にあつ
た。 これに対して本発明における水溶性ポリエステ
ル樹脂では、その製造工程においてリン酸、ピロ
リン酸、ポリリン酸、亜リン酸からなる群から選
ばれた少なくとも1種のリン酸化合物と 一般式 HO−(CH2−)oOH (式中、nは2〜6の整数である)、又は 一般式 H−(OCH2CH2−)nOH (式中、mは2〜10の整数である) で示される化合物のエステル化物(以下、単に所
定リン酸エステルと略称する)が添加されてお
り、直鎖状ポリマーがそのリン酸成分により橋架
け構造になるので、直鎖部分の重合度が低いにも
かかWらず樹脂自体は十分に強靭なものとなつて
いる。さらに、カセイソーダによる精練に際して
は、リン酸成分と直鎖の架橋部分が切断されるの
で容易にポリマーの分解が起こるが、加えてその
直鎖部分自体も低重合度であるためにより分解し
易い状態にあることから、その樹脂からなる本発
明に係る水溶性ポリエステル糊剤では、カセイソ
ーダによる連続精練が可能になると考えられる。
また、従来の水溶性ポリエステル糊剤は、既述の
ようにカセイソーダ水溶液中では塩析効果により
凝固する傾向にあるが、本発明に係る水溶性ポリ
エステル糊剤は樹脂の製造工程で添加された所定
リン酸エステルの作用のためにカセイソーダ水溶
液中で容易に溶解する。 また、本発明における水溶性ポリエステル樹脂
の製造工程における所定リン酸エステルの添加
は、上記の作用に加えて、ポリマーの溶融熱安定
性を向上させ、かつ加水分解の促進その他のエス
テル化触媒の副作用を無くする作用をも併せて奏
する。なお、この所定リン酸エステルの配合量は
モノマー全量に対して10重量%以下であり、特
に、減圧で重縮合する場合は0.5〜2重量%が適
当であり、また常圧で重縮合する場合は5〜10重
量%が適当である。それが10重量%を越えると樹
脂のゲル化や糊付け糸のブロツキングなどの弊害
を生じる。また、添加剤として上記の所定リン酸
エステルではなく単にリン酸、ピロリン酸、ポリ
リン酸、亜リン酸を使用した場合は、樹脂との相
溶性が悪く、重縮合反応性も悪くなつて重合に時
間を費やし、さらに樹脂のヤケなどの弊害を生じ
ることになるので不都合である。なお、上記所定
リン酸エステルの添加時期については、既述のよ
うな所期の作用を奏する限り特別の限定はない
が、エステル交換時に所定リン酸エステルが混在
するとエステル交換の若干の阻害が起こる可能性
があるので、通常はエステル交換後が好ましい。 本発明に係る第二の水溶性ポリエステル糊剤で
は、上記のような水溶性ポリエステル樹脂に所定
のワツクスエマルジヨンを併用しており、精練性
がさらに向上すると共に糊付け糸に平滑性が付与
されるので糸−糸間の摩擦が減少し、抱合力も向
上する。 実施例1〜12及び比較例1〜2 下記のように、本発明水溶性ポリエステル樹脂
水溶液A〜F、比較水溶性ポリエステル樹脂水溶
液H及びワツクスエマルジヨンP〜Qをそれぞれ
調製する。それらの本発明水溶性ポリエステル樹
脂水溶液A〜F及び比較水溶性ポリエステル樹脂
水溶液Hについての各糊フイルムのカセイソーダ
水溶液による溶解性の試験結果を表1に示す。 また、上記の本発明水溶性ポリエステル樹脂水
溶液A〜F及び比較水溶性ポリエステル樹脂水溶
液Hの各糊剤(実施例1〜6及び比較例1)、及
びそれらの本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶液
A〜Fの一部及び比較水溶性ポリエステル樹脂水
溶液Hと上記のワツクスエマルジヨンP〜Qを混
合してなる各糊剤(実施例7〜12及び比較例2)
について、それらの糊剤を125デニール、24フイ
ラメントのポリエステルフイラメント糸に糊付け
し、それらの糊抜け糸についての糸−糸間の摩擦
や落ち糊性の試験結果を表2−1及び表2−2
に、さらにそれらの糊剤の精練性の試験結果を表
3にそれぞれ示す。 本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶液Aの調製 ジメチルテレフタル酸126.1g(0.65モル)、イ
ソフタル酸29.9g(0.18モル)、セバチン酸14.2g
(0.07モル)、5−スルホイソフタル酸ジメチルナ
トリウム29.6g(0.1モル)、エチレングリコール
124gにエステル化触媒を添加したものをフラス
コ中で炭酸ガス雰囲気下で撹拌しつつ、約4時間
をかけて250℃まで昇温し、エステル交換を行な
つた。冷却後、亜リン酸のエチレングリコール
2.0gを投入し、減圧3〜8mmHg、240〜250℃
で約30分間重合することにより融点110℃の硬い
ポリエステル樹脂を得た。次いで、そのポリエス
テル樹脂を水に溶解して25%水溶液にしたところ
透明な液体が得られた。これを本発明水溶性ポリ
エステル樹脂水溶液Aとして使用する。 本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶液Bの調製 ジメチルテレフタル酸77.6g(0.4モル)、イソ
フタル酸74.7g(0.45モル)、コハク酸11.8g
(0.1モル)、5−スルホイソフタル酸ジメチルナ
トリウム14.8g(0.05モル)、エチレングリコー
ル124gにエステル化触媒を添加したものをフラ
スコ中で炭酸ガス雰囲気下で撹拌しつつ、約4時
間をかけて250℃まで昇温し、エステル交換を行
なつた。冷却後、ポリリン酸のジエチレングリコ
ールエステル4.0gを投入し、減圧3〜8mmHg、
240〜250℃で約30分間重合することにより融点
100℃の硬いポリエステル樹脂を得た。次いで、
そのポリエステル樹脂を水に溶解して25%水溶液
にしたところ透明な液体が得られた。これを本発
明水溶性ポリエステル樹脂水溶液Bとして使用す
る。 本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶液Cの調製 テレフタル酸83g(0.5モル)、イソフタル酸
49.8g(0.3モル)、アジピン酸14.6g(0.1モル)、
5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム29.6
g(0.1モル)、エチレングリコール93g、1,4
−ブタンジオール45gにエステル化触媒を添加し
たものをフラスコ中で炭酸ガス雰囲気下で撹拌し
つつ、約4時間をかけて250℃まで昇温し、エス
テル交換を行なつた。冷却後、リン酸のジエチレ
ングリコームエステル8.0gを投入し、減圧3〜
8mmHg、240〜250℃で約30分間重合することに
より融点110℃の硬いポリエステル樹脂を得た。
次いでそのポリエステル樹脂を水に溶解して25%
水溶液にしたところ透明な液体が得られた。これ
を本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶液Cとして
使用する。 本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶液Dの調製 テレフタル酸58.1g(0.35モル)、イソフタル
酸83.0g(0.5モル)、ドデカン二酸25.8g(0.1モ
ル)、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウ
ム14.8g(0.05モル)、エチレングリコール111.6
g、1,6−ヘキサンジオール23.6gにエステル
化触媒を添加したものをフラスコ中で炭酸ガス雰
囲気下で撹拌しつつ、約4時間をかけて250℃ま
で昇温し、エステル交換を行なつた。冷却後、亜
リン酸のエチレングリコールエステル5.0gを投
入し、減圧3〜8mmHg、240〜250℃で約30分間
重合することにより融点100℃の硬いポリエステ
ル樹脂を得た。次いでそのポリエステル樹脂を水
に溶解して25%水溶液にしたところ透明な液体が
得られた。これを本発明水溶性ポリエステル樹脂
水溶液Dとして使用する。 本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶液Eの調製 ジメチルテレフタル酸77.6g(0.4モル)、ジメ
チルイソフタル酸77.6g(0.4モル)、アジピン酸
29.2g(0.2モル)、エチレングリコール124g、
ピロリン酸のエチレングリコールエステル30gに
エステル化触媒を添加したものをフラスコ中で炭
酸ガス雰囲気下で撹拌しつつ、約4時間をかけて
250℃まで昇温する。その後、余分なエチレング
リコールを反応系外に排出し、240〜250℃で約1
時間、常圧で重合を行ない、融点100℃の硬いポ
リエステル樹脂を得た。続いて、そのポリエステ
ル樹脂を10%に希釈したカセイソーダ水溶液78g
で中和し、20%の水溶液にしたところ透明な液体
が得られた。これを本発明水溶性ポリエステル樹
脂水溶液Eとして使用する。 本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶液Fの調製 ジメチルテレフタル酸58.2g(0.3モル)、ジメ
チルイソフタル酸77.6g(0.4モル)、コハク酸
35.4g(0.3モル)、エチレングリコール124g、
リン酸のジエチレングリコールエステル21gにエ
ステル化触媒を添加したものをフラスコ中で炭酸
ガス雰囲気下で撹拌しつつ、約4時間をかけて
250℃まで昇温する。その後、余分なエチレング
リコールを反応系外に排出し、240〜250℃で約1
時間、常圧で重合を行ない、融点90℃の硬いポリ
エステル樹脂を得た。続いて、そのポリエステル
樹脂を10%に希釈したカアンモニア水10gで中和
し、20%の水溶液にしたところ透明な液体が得ら
れた。これを本発明水溶性ポリエステル樹脂水溶
液Fとして使用する。 比較水溶性ポリエステル樹脂水溶液Hの調製 ジメチルテレフタル酸126.1g(0.65モル)、イ
ソフタル酸29.9g(0.18モル)、セバチン酸14.2g
(0.07モル)、5−スルホイソフタル酸ジメチルナ
トリウム29.6g(0.1モル)、エチレングリコール
124gにエステル化触媒を添加したものをフラス
コ中で炭酸ガス雰囲気下で撹拌しつつ、約4時間
重合することにより融点110℃の硬いポリエステ
ル樹脂を得た。次いで、そのポリエステル樹脂を
水に溶解して25%水溶液にしたところ透明な液体
が得られた。これの比較水溶性ポリエステル樹脂
水溶液Hとして使用する。 ワツクスエマルジヨンQの調製 カルナバワツクス40g、酸化ワツクス45g、蜜
ロウ15gからなる組成のワツクスを溶融し、80〜
85℃において、乳化剤としてポリエチレンラウリ
ルエーテル(EO18モル)35gを使用して乳化を
行ない、水を添加して20%濃度のワツクスエマル
ジヨンを得た。これをワツクスエマルジヨンPと
して使用する。 ワツクスエマルジヨンPの調製 白ロウ25g、モンタンワツクス25g、酸化ポリ
エチレン30g、牛脂硬化油20gからなる組成のワ
ツクスを溶融し、80〜85℃において、乳化剤とし
てポリエチレンラウリルエーテル(EO18モル)
30gを使用して乳化を行ない、水を添加して20%
濃度のワツクスエマルジヨンを得た。これをワツ
クスエマルジヨンQとして使用する。 糊フイルムのカセイソーダ水溶液による溶解性試
験 (試験方法) 厚み0.5mm、10mm×20mmの糊フイルムを95℃の
2g/濃度のカセイソーダ水溶液中に浸漬し、
その糊フイルムの溶解時間を測定した。また、そ
のときの撹拌は、マグネテイツクスターラを用い
て300回転/分で行なつた。
【表】 糊付け糸の糸−糸間摩擦及び落ち糊性試験 (試験方法) 付着率(%):精練減量により測定する。 糸−糸間摩擦:糸摩擦抱合力試験器にて、20℃、
65%RH、荷重500g/10本の条件で5カ所の
糸−糸間摩擦による毛羽立ち状態を観察する。
糸−糸間摩擦の評価方法は、◎(毛羽立ちがな
い)、○(毛羽立ちが殆どない)、△(毛羽立ち
が少ない)、及び×(毛羽立ちが多い)の各記号
を用いて行なう。 落ち糊性:糊付け糸をウオータージエツトルーム
により、回転数400回/分、糸速度20cm/分、
走行張力40gで5000m走行させたときの落ち糊
の状態を観察する。落ち糊性の評価方法は、◎
(落ち糊がない)、○(落ち糊が殆どない)、△
(落ち糊が少ない)、及び×(落ち糊が多い)の
各記号を用いて行なう。
【表】
【表】 糊剤の精練性試験 (試験方法) 精練性:テトロンタフタの中心に円形に3%糊剤
を付着させ、予備乾燥後、ヒートセツトを行な
い、精練−湯洗−水洗の後、染色し、染め斑を
評価する。予備乾燥は130℃で1分、ヒートセ
ツトは180℃で20秒、精練浴組成はカセイソー
ダ2.0g/、トリポリリン酸ソーダ0.5g/
、スコアロール450(花王石鹸製非イオン系精
練剤)2.0g/、精練浴温度は95℃、湯洗は
60℃で10秒、水洗は常温で10秒、また染色浴組
成はローダミンB0.2g/の各条件で行なう。
精練性の評価方法は、○(糊剤の残留がない)、
△(糊剤の残留が僅かである)、×(糊剤の残留
が明らかである)の各記号を用いて行なう。
【表】 以上の表1、表2−1、表2−2及び表3の各
試験結果が示すように、本発明水溶性ポリエステ
ル樹脂水溶液A〜Fは比較水溶性ポリエステル樹
脂水溶液Hに比較してカセイソーダ水溶液に対す
る溶解性が格段に高く、実施例1〜12に係る水溶
性ポリエステル糊剤、中でもワツクスエマルジヨ
ンを含む実施例7〜12に係る水溶性ポリエステル
糊剤は比較例1〜2に係る水溶性ポリエステル糊
剤に比較して格段に精練性に優れ、かつ糊付け糸
の抱合力、落ち糊性共に良好である。 〔発明の効果〕 以上のように本発明に係る水溶性ポリエステル
糊剤では、その水溶性ポリエステル樹脂の製造工
程において所定リン酸エステルが添加されてお
り、糊付け糸の抱合力や接着力が良好で落ち糊が
少なく、しかも精練性に優れ、精練工程を容易に
一連続精練とすることが可能である。 また、本発明に係る、所定のワツクスエマルジ
ヨンを含む水溶性ポリエステル糊剤では、上記糊
剤に比して精練性はさらに向上し、さらに糊付け
糸に平滑性を与えるので糸−糸間摩擦が減少し、
抱合力が向上する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも1種のジカルボン酸と少なくとも
    1種のジオールをエステル化し、重縮合して水溶
    性ポリエステル樹脂を製造するに際して、遅くと
    もその重縮合時にリン酸、ピロリン酸、ポリリン
    酸、亜リン酸からなる群から選ばれた少なくとも
    1種のリン酸化合物と 一般式 HO−(CH2−)oOH (式中、nは2〜6の整数である)、又は 一般式 H−(OCH2CH2−)nOH (式中、mは2〜10の整数である) で示される化合物のエステル化物をモノマー全量
    に対して10重量%以下添加してなる水溶性ポリエ
    ステル樹脂からなる水溶性ポリエステル糊剤。 2 少なくとも1種のジカルボン酸と少なくとも
    1種のジオールをエステル化し、重縮合して水溶
    性ポリエステル樹脂を製造するに際して、遅くと
    もその重縮合時にリン酸、ピロリン酸、ポリリン
    酸、亜リン酸からなる群から選ばれた少なくとも
    1種のリン酸化合物と 一般式 HO−(CH2−)oOH (式中、nは2〜6の整数である)、又は 一般式 H−(OCH2CH2−)nOH (式中、mは2〜10の整数である) で示される化合物のエステル化物をモノマー全量
    に対して10重量%以下添加してなる水溶性ポリエ
    ステル樹脂20〜90重量%と、炭素数14〜28の脂肪
    酸と1〜4価のアルコールのエステル、酸化ポリ
    エチレンワツクス、酸化ワツクス、融点50〜100
    ℃の天然ワツクスからなる群から選ばれた少なく
    とも1種の融点50〜100℃のワツクスを非イオン
    活性剤及び/又はアニオン活性剤で乳化してなる
    ワツクスエマルジヨン80〜10重量%を混合してな
    る水溶性ポリエステル糊剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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