JPH0426967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はボビンの一部に可撓部材を一体的に設
けて磁気コアを保持体に押圧して成る磁気ヘツド
に関するものである。

一般に、磁気ヘツドは、磁気ヘツド素体をコア
サポート又はケースに対して押圧して固定するも
のである。

例えば、第１図ａに示した従来の磁気ヘツドの
一例（平面図）において、コア半体１ａはボビン
２を装着したコイル２ａを捲回しているが、この
コア半体１ａとコア半体１ｂとを突合わせてヘツ
ド素体３を形成する。次に、該ヘツド素体３をコ
アサポート４（保持体）に嵌合するが、このまま
ではコアサポート４からヘツド素体３が容易に脱
落する。これを防止するために略「く」の字状を
成す板バネ５をコア半体１ａとコアサポート４と
の間に介在させ、ヘツド素体３をコアサポート４
の内側面に押圧して固定するものである。

また、第１図ｂに示した従来の磁気ヘツドの他
の例の斜視図において、コイル６ａを捲回してな
るボビン６にコア半体７ａ，７ｂの一部を挿入
し、コア半体７ａ，７ｂを互いに突合わせてヘツ
ド素体８を形成する。そして、該ヘツド素体８を
ケース９（保持体）の中に収納するが、このまま
ではケース９からヘツド素体８が容易に抜け出
る。これを防止するために略「く」の字状を成す
板バネ１０をコア半体７ａ，７ｂとケース９の内
面９ａとの間に介在させ、ヘツド素体８をケース
９の中で押圧して固定するものである。

しかし、第１図ａ，ｂに示した従来の磁気ヘツ
ドでは、板バネ５，１０を設ける必要があるので
部品数及び該部品の取付け工程が増加し、製造コ
ストが高くなる。

また、該板バネが磁気コアを局部的に強く押圧
するので該磁気コアに歪が生じ、磁気特性（例え
ば透磁率）を低下させる。

本考案の磁気ヘツドは前述の欠点を除去するた
めに、コイルを捲回するためのボビンの一部に可
撓性のある可撓部材を一体的に設け、該可撓部材
で磁気コアを保持体に押圧して固定したものであ
る。そして、製造コストの減少、品質の安定化、
磁気特性の向上を計つたものである。

以下、図に示した実施例を用いて本考案の説明
を行なう。

第２図ａは本考案第１実施例の磁気ヘツドに用
いるボビンの斜視図であり、第２図ｂは第２図ａ
に示したボビンにセンタコアを設けて、第２図ａ
を矢印Ａの方向に向いて見た側面図である。

第２図ａにおいて、ボビン１１は電気絶縁性と
可撓性を有するプラスチツクで形成し、ボビン１
１の両端には不図示のコイルが該ボビンから脱落
する事を防止するための鍔部１２，１３を設け
る。鍔部には略「Ｌ」字状の側面を形成して端子
１４ａ，１４ｂを設け、該端子に不図示のコイル
端部を接続する。鍔部１３は延長した他端に延長
部１３ａを有し、該延長部１３ａには突出した形
状の凸部１５を設ける。そして、一体的に形成し
ている鍔部１３と延長部１３ａとの略中間に折曲
げを容易にするための溝１６を設ける。このよう
に、ボビン１１、鍔部１２，１３、延長部１３
ａ、凸部１５等は可撓性のある部材を用いて一体
的に形成したものである。

第２図ｂは延長部１３ａを矢印Ｂの方向へ折曲
げた場合の側面図であり、前記折曲げによつて延
長部１３ａの一端は鍔部１２に当接する。尚、第
２図ａのボビン１１に設けた穴部１１ａには第２
図ｂに示す如く高透磁率物質（例えばフエライ
ト）のセンタコア１７を挿入する。

第３図ａは第２図ｂに示したボビン１１にコイ
ル１８を捲回してコアサポート１９ａ，１９ｂで
保持させ、ケース２０の中に収納した状態を示す
内部の側面図である。

また、第３図ｂは第３図ａにおける一点鎖線２
１よりも上の部分を矢印Ｃの方向へ向いて見た場
合の内部の平面図である。

第３図ａにおいて、延長部１３ａに設けた凸部
１５がコアサポート１９ｂと当接すると延長部１
３ａには撓みが生じて鍔部１２，１３センタコア
１７をコアサポート１９ａに押圧する。この押圧
力はセンタコア１７に対して局部的な歪を生じさ
せないでセンタコア１７、コイル１８、コアサポ
ート１９ａ，１９ｂ等をケース２０の中に固定す
る事ができる。第３図ｂに示した略「Ｉ」字状の
センタコア１７の両側面には、高透磁率物質から
成り略「コ」字状を成すサイドコア１７ａ，１７
ｂを突合わせる。そして、磁気ギヤツプG₁，G₂
を形成する。

第４図ａは本考案第２実施例の磁気ヘツドにお
ける要部を示した平面図であり、第４図ｂは第４
図ａを矢印Ｄの方向へ向いて見た場合の側面図で
ある。

第４図ａにおいて、高透磁率物質から成り、略
「コ」字状を成すコア半体２１ａ，２１ｂは、そ
れぞれボビン２２と２４を装着し、然る後にコイ
ル（不図示）を捲回して互いに突合わせるもので
ある。

ボビン２２と延長部２２ａは溝部２３を境にし
て折曲げ、ボビン２４と延長部２４ａは溝部２５
を境にして折曲げたものであり、その様子は第４
図ｂに示す。

第４図ａに示した延長部２２ａ，２４ａの端部
２２ｂ，２４ｂは、第４図ｂに示す如く略「Ｌ」
字状を成してコア半体２１ａ，２１ｂにそれぞれ
当接する。そして、延長部２２ａ，２４ａをコア
半体２１ａ，２１ｂに対してそれぞれ略平行にす
るものである。

延長部２２ａ，２４ａにそれぞれ設けた凸部２
２ａ，２４ｃは第２図ａ，ｂ、第３図ａ，ｂに示
した凸部１５と同様に作用するものである。

第５図ａは本考案第３実施例の磁気ヘツドにお
ける要部を示した平面図、第５図ｂは第５図ａを
矢印Ｅの方向へ向いて見た場合の背面図、第５図
ｃは第５図ａを矢印Ｆの方向へ向いて見た場合の
側面図をそれぞれ示したものである。

第５図ａにおいて、不図示のコイルを捲回した
ボビン２６に、高透磁率物質から成り略「コ」字
状を成すコア半体２８ａ，２８ｂの後部を挿入し
て突合わせる。

ボビン２６と延長部２６ａは溝部２７を境にし
て折曲げたものであり、その様子は第５図ｂに示
す。

第５図ａに示した延長部２６ａの端部２６ｂ
は、第５図ｃに示す如く略「Ｌ」字状を成してコ
ア半体２８ｂに当接する。そして、延長部２６ａ
をコア半体２８ｂに対してそれぞれ略平行にす
る。

延長部２６ａに設けた凸部２６ｃは前記凸部１
５，２２ｃ，２４ｃと同様に作用するものであ
る。

そして、本考案の磁気ヘツドは、ボビンの一部
に可撓性のある可撓部材を一体的に設け、該可撓
部材を保持体に当接させる事により磁気コアを保
持体に押圧して固定するものである。このため、
板バネなどの部品を追加する必要がないばかりで
なく、該延長部は常にボビンに連結しているので
取付け位置が常に一定になつてバラツキの少ない
製品が得られる。更に、該延長部は磁気コアに対
して大きな歪を生じさせる事がないから磁気特性
も優れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来の磁気ヘツドの一例を示した平
面図、第１図ｂは従来の磁気ヘツドの他の例を示
した斜視図、第２図ａは本考案の磁気ヘツドに用
いるボビンを示した斜視図、第２図ｂは第２図ａ
のボビンにセンタコアを挿入して示した側面図、
第３図ａは本考案第１実施例の磁気ヘツドの内部
を示した側面図、第３図ｂは本考案第１実施例の
磁気ヘツドの内部を示した平面図、第４図ａは本
考案第２実施例の磁気ヘツドの要部を示した平面
図、第４図ｂは本考案第２実施例の磁気ヘツド要
部を示した側面図、第５図ａは本考案第３実施例
の磁気ヘツドの要部を示した平面図、第５図ｂは
本考案第３実施例の磁気ヘツドの要部を示した背
面図、第５図ｃは本考案第３実施例の磁気ヘツド
の要部を示した側面図。 １１，２２，２４，２６……ボビン、１２，１
３……鍔部、１３ａ，２２ａ，２４ａ，２６ａ…
…延長部、１４ａ，１４ｂ……端子、１５，２２
ｃ，２４ｃ，２６ｃ……凸部、１６，２３，２
５，２７……溝部、１７……センタコア、１７
ａ，１７ｂ……サイドコア、１８……コイル、１
９ａ，１９ｂ……コアサポート、２０……ケー
ス、２１ａ，２１ｂ，２８ａ，２８ｂ……コア半
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気コアにコイルを捲回するためのボビンを設
   け、該磁気コアを保持体で保持して成るヘツドに
   おいて、該ボビンの一対の鍔部の何れか一方に溝
   部と延長部を形成し、該溝部で折り曲げられた延
   長部の他端を鍔部の他方若しくは磁気コアに当接
   させ、該延長部の中間に形成された凸部を前記保
   持体に押圧して当接する構成で、前記ボビンを介
   して前記磁気コアを保持したことを特徴とする磁
   気ヘツド。