JPH04264357A - 密閉形鉛蓄電池 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は密閉形鉛蓄電池に関し、
特に排気口の防沫構造を改良した密閉形鉛蓄電池に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】密閉形鉛蓄電池は最近ＶＴＲなどの小形
電子機器用に需要が急増し、その生産技術の進展ととも
に性能も著しく向上している。

【０００３】従来、この種の密閉形鉛蓄電池は例えば図
３に示すように、正極板と負極板及びセパレータからな
る極板群２６を電槽２５中に収容するとともに、防沫紙
２４が断面がＵ字形状に折り曲げた状態で極板群２６の
上部に位置し、かつ極板群２６の棚部２７間に固定され
、更に、電槽２５と蓋２３を接着剤により接着して、蓋
２３の天面部に設けた電解液の注入口を兼ねる排気口２
２の下方に防沫紙２４を配置して、電槽化成中に起こる
ガッシングによる電解液の飛沫が排気口２２の内側に付
着し、それが排気口２２から溢出するのを防沫紙２４に
より防止するようにしたものが知られている。また、排
気口２２には安全弁２８を装着している。

【０００４】このような構成の密閉形鉛蓄電池は、蓋２
３の排気口２２から電解液を注入し、安全弁２８を装着
した後に化成を行なうのであるが、現在の化成方法とし
ては、正・負極の両方とも、未化成板の状態で電槽２５
内に組込むか、あるいは負極板のみを未化成板のまま組
込み、電槽２５中で化成を行なう、いわゆる電槽化成が
主流を占めている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では排気口２２の内側が完全に防沫紙２４で
おおわれていないので、電槽化成中に電解液の飛沫が排
気口２２の内側に付着するため、排気口２２から溢液す
るのを完全に防止することができないという問題点を有
していた。

【０００６】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、電槽化成中に排気口から電解液が溢液することのな
い密閉形鉛蓄電池を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明の密閉形鉛蓄電池は、蓋の裏面の排気口の内側の
周囲に、断面がＵ字形の防沫紙を、その側面の上端部を
前記蓋の裏面に当接して設け、前記防沫紙の側面と直角
方向に、その上端部を前記蓋の裏面に当接して、前記排
気口の内側近傍の両側に平行に２枚の防沫板を設け、前
記排気口の下面と、前記排気口の周囲４面を、前記防沫
紙と前記防沫板で包み込む防沫構造を具備したもので、
さらに防沫紙の側面の上端部を、蓋の裏面に設けた突出
部に当接することにより、前記防沫紙の側面の上端部と
、前記蓋の裏面との間に間隔を設けるとともに、防沫紙
の底部を極板群の棚部の上面に当接して固定したもので
ある。

【０００８】

【作用】この構成により本発明の密閉形鉛蓄電池は、排
気口の内側の下面と、排気口の周囲４面が完全に防沫板
と防沫紙でおおわれるので、電槽化成中に発生する電解
液の飛沫が排気口の内側に付着しないこととなる。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例の密閉形鉛蓄電池につ
いて、図面を参照しながら説明する。

【００１０】図１において、蓋の裏面９の排気口２の内
側の周囲に、断面がＵ字形の防沫紙４を、その側面の上
端部４ａを、蓋の裏面９に当接して設け、防沫紙４の側
面と直角方向に、その上端部１ａを蓋の裏面９に当接し
て、排気口２の内側近傍の両側に平行に２枚の防沫板１
（片側の１枚のみ図示している）を設け、排気口２の下
面と、排気口２の周囲４面を、防沫紙４と防沫板１で包
み込む防沫構造を構成している。３は電槽５の蓋、６は
正極，負極，セパレータで構成する極板群、７は極板群
６の棚部、８は排気口２の上部に設けた安全弁である。

【００１１】以上のように構成された防沫構造において
は、排気口２の下部近傍の側面が防沫板１によって、ま
た排気口２の底面と残る２側面が防沫紙４によって完全
におおわれるので、電槽化成中に発生する電解液の飛沫
が排気口２の内側に付着することがないので、排気口２
から溢液することはない。

【００１２】一方、電解液を注液する際には、防沫板１
と防沫紙４のすき間及び防沫紙１を透過して電解液が極
板群６内に浸透していくので問題がない。

【００１３】従来構成の電池と本実施例の構成電池をそ
れぞれ３００個製作して同時に電槽化成を行ない、電解
液の溢液調査を行なったところ、従来構成の電池では１
６個（５．３％）に溢液が発生していたが、本実施例の
構成のものでは全くなかった。

【００１４】また、防沫紙４の代わりに電解液を透過し
ない合成樹脂製の防沫板を使用しても、電解液の注液に
時間がかかるが、同様な防沫効果があることがわかった
。次に図２において防沫紙１４の側面上端部１４ａは、
蓋の裏面１９の突出部１８に当接しているため、蓋の裏
面１９から間隔２０の分だけ離れている。電槽１５と蓋
１３を接着する際に使用する接着剤が生産時に蓋の裏面
１９にたれたり、あるいは電槽１５と蓋１３の嵌合時に
接着剤が蓋の裏面１９にあふれ出たりした場合に、従来
構成の電池では防沫紙１４が接着剤を吸収してしまうの
で、防沫紙１４が接着剤により固化してしまい電解液の
透過性がなくなり、電解液の注液に時間がかかったり、
接着剤により注液に必要な空間を完全に埋めてしまった
りして、注液できないという問題があったが、本発明の
第２の実施例においては、防沫紙１４と蓋の裏面１９に
間隔２０があるために上記問題が発生することがない。

【００１５】また、防沫紙１４の固定方法についてであ
るが、防沫効果をあげるために、防沫紙１４は出来るだ
け排気口１２の近くにあることが望ましく、極板群１６
の棚部１７の上に乗せて固定することが有効な手段であ
る。また、上記構造をとることによって従来の構成の防
沫紙よりも小さな防沫紙で済むと同時に、多品種の電池
に共通した防沫構造をとることによって共通の防沫紙を
採用することができ、防沫紙構造の共用化をはかること
ができる。

【００１６】

【発明の効果】以上の実施例の説明で明らかなように本
発明の密閉形鉛蓄電池によれば、蓋の裏面に一体化した
一対の防沫板を排気口の周囲に平行に設け、その防沫板
と断面Ｕ字形の防沫紙により排気口の内側の底面と周囲
４面を包み込むような防沫構造をとることにより、排気
口の内側が完全におおわれるので、電槽化成中に発生す
る電解液の飛沫が排気口の内側に付着することがないの
で、排気口から溢液することがない。また、防沫紙の側
面の上端部と蓋の裏面との間に間隔を設けることにより
、防沫紙が接着剤を吸収することを防止することができ
、電解液の注液に時間がかかったり、注液できないとい
う問題がない。さらに防沫紙を極板群の棚部の上に乗せ
て固定することによって防沫効果をあげるとともに、防
沫紙を小さく、なおかつ多品種の電池に防沫紙を共用化
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の密閉形鉛蓄電池の防沫
構造を一部切欠いて示す斜視図

【図２】本発明の第２の実施例の密閉形鉛蓄電池の防沫
構造を一部切欠いて示す斜視図

【図３】従来の密閉形鉛蓄電池の防沫構造を一部切欠い
て示す斜視図

【符号の説明】

１　　防沫板 １ａ　　防沫板の上端部 ２　　排気口 ４　　防沫紙 ４ａ　　防沫紙の上端部 ９　　蓋の裏面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】蓋の裏面の排気口の内側の周囲に、断面が
   Ｕ字形の防沫紙を、その側面の上端部を前記蓋の裏面に
   当接して設け、前記防沫紙の側面と直角方向に、その上
   端部を前記蓋の裏面に当接して、前記排気口の内側近傍
   の両側に平行に２枚の防沫板を設け、前記排気口の下面
   と、前記排気口の周囲４面を、前記防沫紙と前記防沫板
   で包み込む防沫構造を具備した密閉形鉛蓄電池。
2. 【請求項２】防沫紙の側面の上端部を、蓋の裏面に設け
   た突出部に当接することにより、前記防沫紙の側面の上
   端部と、前記蓋の裏面との間に間隔を設けた請求項１記
   載の密閉形鉛蓄電池。
3. 【請求項３】防沫紙の底部を極板群の棚部の上面に当接
   して固定した請求項１または２記載の密閉形鉛蓄電池。