JPH04262791A - モラノリン誘導体の製法 - Google Patents

モラノリン誘導体の製法

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JPH04262791A
JPH04262791A JP3192290A JP3192290A JPH04262791A JP H04262791 A JPH04262791 A JP H04262791A JP 3192290 A JP3192290 A JP 3192290A JP 3192290 A JP3192290 A JP 3192290A JP H04262791 A JPH04262791 A JP H04262791A
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洋治 江連
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丸尾 重昭
Makoto Sugiyama
信 杉山
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、次の一般式〔I〕で表される、医薬品として
有用な、N−置換モラノリン誘導体の効率的かつ低廉な
取得方法に関する。 ここにRは、水素又は低級アルキルを表す。 一般式〔I〕においてRが水素の物質は、モラノリンと
して最初、生薬桑白皮より抽出され医薬品としての有用
性が確認されたものである(八木ら「日本農芸化学会誌
」〔50、571、(1976)〕。 一般式〔I〕においてRが低級アルキルのものは、例え
ば特公昭59−43459号(特許第1268030号
)等により血糖上昇抑制等の薬理作用とともに公知にさ
れている化合物である。 本発明に係る化合物はその後、抗ウィルス作用のあるこ
とが確認されており(Proc.Natl.Acad.
Sci.USA、9229P 1988)、医薬品とし
ての重要性は非常に高いものである。
【従来の技術】
モラノリンは、モラノリン産生菌を培養することにより
取得する方法が確立されている(特公昭56−0991
95号等)。 一般式〔I〕においてRが低級アルキルであるものは、
モラノリンを通常の方法により、例えば、適当なアルキ
ル化剤(例えば、アルキルハライド等)を反応させる方
法、N−アシル化した後に還元してN−アルキル体とす
る方法、アルキルアルデヒドと還元剤を作用させる方法
等により、随時取得することができた。 ところで、上記したこれまでの方法を適用させるために
は、モラノリンをいったん純粋な形で取得することが必
須であった。 本発明者らは、モラノリンの高産生能を有する菌株を取
得するべく研究を重ね、多数の成果を挙げたが、これら
によるモラノリン産生培養液中には、目的物たるモラノ
リンの他、1、5−ジデオキシ−1、5−イミノ−D−
マンニトールや2−アミノ−2−デオキシ−D−マンニ
トール等の複数の低分子の塩基性水溶性物質が含まれて
いることが判った。 これまでは、培養液中からモラノリンを取得するために
、例えば、イオン交換法、活性炭素吸着法、セファデッ
クス、セルロース、シリカゲル等のカラムクロマト分画
等を適用して精製してきた。 これらの方法はなるほどモラノリンを単離する方法とし
ては順当なものではあったが、今日のように、モラノリ
ンが医薬品として又は医薬品の原料として極めて重要な
物質であることが判明してくると、更に効率よい方法が
望まれるようになり、高産生能を有する菌株の発見によ
り、培養液中からの目的物たるモラノリンの単離方法が
極めて重要な技術的課題として注目されるに到った。
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、一般式〔I〕で表される化合
物を効率よい方法により取得することにあった。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題解決のため鋭意研究を重ねた結
果、■サイクロデキストリングリコシルトランスフェラ
ーゼ(CGTase)による糖転移反応は、モラノリン
及びN−低級アルキルモラノリンには反応するが、混在
する塩基性物質には反応しないこと、■上記反応により
取得されるモラノリン及びN−置換モラノリン誘導体の
グルコースオリゴマーは、本発明者らの開示した方法に
より(特公昭60−2038号公報)、容易にグルコシ
ルモラノリン及びグルコシル−N−低級アルキルモラノ
リンに変換しうること、■グルコシルモラノリン及びグ
ルコシル−N−低級アルキルモラノリンは本発明者らの
開示した方法により(特開昭62−242691号公報
)、容易に単離しうること、■グルコシルモラノリン及
びグルコシル−N−低級アルキルモラノリンは、酸又は
グルコアミラーゼ(GA)によりモラノリン及びN−低
級アルキルモラノリンに誘導しうること、等に着目し、
これらの過程を経てゆけば、培養液から高収率で目的物
を取得することができることに想到した。 更に、実に意外なことではあったが、上記した過程を研
究するうち本発明者らは、モラノリン等をCGTase
により糖転移反応にかける際、及びその後モラノリン等
のグルコースオリゴマーをGAによってグルコシルモラ
ノリン等に誘導する際の酵素反応において、基質である
モラノリン等の存在により、酵素活性が非常に安定化さ
れる事実に遭遇した。このことは、後に更に詳しく説明
する。 本発明は上記新知見を見出したことにより、初めて完成
をみた発明である。 以下に、本発明の構成を更に詳しく説明する。 本発明においては、まずモラノリンを産生する菌を培養
する。このような菌としては放線菌を挙げることができ
、例えば本発明者らが特公昭56−9919号公報で開
示した菌等を用いることができる。 培養液中には、目的物たるモラノリンのほか、前述した
ように、1、5−ジデオキシ−1、5−イミノ−D−マ
ンニトールや2−アミノ−2−デオキシ−D−マンニト
ール等の複数の低分子の塩基性水溶性物質が混在するこ
ととなる。 最終目的物としてN−低級アルキルモラノリンを取得し
たい場合には、この培養液をアルキル化反応に掛ける。 本発明において低級アルキルとは、例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、150−プロピル、n−ブチル、
iso−ブチル、tert−ブチル等を挙げることがで
きる。 アルキル化は、例えば、適当なアルキル化剤(例えば、
アルキルハライド等)を反応させる方法を適用すること
ができる。 培養液中には、この状態ではN−低級アルキルモラノリ
ンのほか、N−低級アルキル−1、5−ジデオキシ−1
、5−イミノ−D−マンニトールやN−低級アルキル−
2−アミノ−2−デオキシ−D−マンニトール等が混在
するところとなる。 本発明においては、その後、澱粉、デキストリン、サイ
クロデキストリン等のグルコースの供与体を培養液中に
加える。その後、サイクロデキストリングルコシルトラ
ンスフェラーゼ(CGTase)によって一般式〔II
〕 (ここにRは、前記と同じ。nは0から24までの整数
を表す)で表されるグルコースオリゴマーに変換し、そ
の後必要に応じてグルコアミラーゼ(GA)によって、
一般式〔II〕においてnが0である化合物(グルコシ
ル体)に変換する。 一般式〔II〕においてRが水素の化合物については、
GAを作用させるのが最も良い。後述するように一般式
〔II〕においてRが水素でnが0である化合物(グル
コシルモラノリン)はメタノールとの分子化合物を形成
して分別結晶することができるという特異的性質がある
からである。 GAを作用させる必要のない場合には、収量を上げたり
操作の利便の目的のためにGA反応を省略することがで
きる。 この過程において、混在する1、5−ジデオキシ−1、
5−イミノ−D−マンニトールや2−アミノ−2−デオ
キシ−D−マンニトール、及びこれらのN−低級アルキ
ル化物は、CGTase等の作用を受けることがない。 上記したCGTase及びGAに基づく反応は酵素反応
であり、本発明の重要な要旨のひとつは、後述するよう
にこの酵素反応を有利に実行することができる手法を確
立したところに存在する。 上記によって取得した〔II〕で表される化合物は、本
発明の目的化合物についてのみ生成する。 〔II〕は、一般式〔I〕で表される化合物に比して、
例えば、分別結晶という経済的な操作で非常に効率的に
単離することができる。これは〔II〕が〔I〕のグル
コースオリゴマーであることによる物理化学的性質を利
用しようとするものである。 例えば、グルコシルモラノリンについては、含水メタノ
ール中で攪拌することにより、メタノールとの分子化合
物を形成するから、非常に効率的に結晶化することがで
きるし、またN−低級アルキルモラノリンについては、
アリールスルホン酸を用いて、同様に非常に効率的に結
晶化することができる。 また、この反応においては、母液から〔II〕化合物を
回収した後にも、再度その残渣を原料として同じ操作を
繰り返すことにより、未回収の化合物〔II〕を容易に
回収することができるから、最終的な回収率を高めるこ
とができる。 このように、本発明の目的は混在物からの効率的な単離
にあり、〔II〕に誘導するのもその単離を高収率化す
るためであって、本発明の効果はこの時点で発揮される
ところとなる。 上記の単離方法としては、例えば、本発明者らの発明に
係る特開昭61−115093号公報記載の方法等を適
用することができる。 上記により取得された〔II〕は、更に、例えば塩酸水
溶液等の酸性水溶液中で加熱して加水分解することによ
り、又は過剰のGAを作用させて、モラノリン又はN−
低級アルキルモラノリンとグルコースとに分解すること
ができる。 グルコースは中性物質であり、目的物は塩基性であるか
ら、例えば、強酸性イオン交換樹脂にかけて常法により
処理することにより、目的物のみを取得することができ
る。これらの実施にあたっては、本発明者らの発明に係
る特開昭62−242691号公報、特開昭62−24
2692号公報に開示された方法を適用することができ
る。 この場合において、もし最終目的物を他の化合物に誘導
する反応に供するときには、必ずしも結晶化する必要は
ない。〔II〕化合物を加水分解した後においては、目
的物は、事実上合成反応に供することができるほどの純
度を有しているから、そのまま合成反応に適用すること
ができる。 さて、以下に本発明の重要な要旨である、本発明に係る
酵素反応について述べる。 酵素反応の技術についての近年の技術的進歩は目覚まし
く、まさに隔世の感があり、ことにキトサンビーズを応
用した固定化酵素法は、例えば溶液中での酵素反応等の
これまでの従来方法に比べ使用酵素量が少なくて済む点
や効率的な反応を行うことができる点で格段の効果があ
った。 キトサンビーズ応用の固定化酵素法については複数の特
許出願がなされており、例えば、特開昭63−1962
90号公報には、多孔質のキトサンビーズに、サイクロ
デキストリングルカノトランスフェラーゼを固定化させ
た後、さらに架橋剤で架橋処理する技術が開示されてい
る。 本発明においても、固定化酵素法を適用することができ
る。 本発明において適用する固定化酵素の製造法について例
示すると、架橋剤をまずキトサンビーズと反応させて、
キトサンビーズ表面のアミノ基に架橋を形成させる。そ
の後、本発明に係るCGTase又はGAを架橋剤の末
端に固定する。 本発明に係る架橋剤として、例えば、グルタールアルデ
ヒド等を用いることができる。 本発明に係るキトサンビーズとしては、例えば、キトパ
ール(冨士紡績(株)製)BCW−1000シリーズ等
を使用することができる。本発明に係る固定化酵素を生
成させるためには、例えば適当な温度(例、室温)で適
当な緩衝液(例、pH6.0の0.1M酢酸バッファ)
中に上記キトサンビーズを加え、緩やかに振盪し、適当
な濃度(例、25W/V%)のグルタールアルデヒドを
加え、適当な時間(例、1〜48時間)、緩やかに振盪
した後、濾過し、水洗した後、適当な緩衝液(例、pH
6.0の0.025M酢酸バッファ)中で、適当な濃度
(例1〜500mg/ml)のCGTase溶液を加え
、適当な時間(例1〜48時間)緩やかに振盪した後、
濾過し水洗して得ることができる。 上記の方法は、本発明者らによって初めて確立された手
法であって、これにより上記特開昭63−196290
号公報に開示された技術を使用しなくても固定化酵素法
を実施することができる。 以下に、本発明の実施に関する重要な新知見について詳
述する。 本発明者らは、本発明を完成させる過程で、上記した本
発明に係る酵素反応において、本発明に係るモラノリン
又はN−置換モラノリン誘導体、又はこれらのグルコー
スオリゴマーが存在すると、当該酵素反応が安定化し、
一定時間を経過してもその酵素活性が減衰しない、とい
う驚くべき新知見を見出した。 例えば、固定化CGTaseにおいては、55℃で36
6日経過しても初期活性の90%以上を保持することが
でき、固定化GAでは、55℃で43日経過しても初期
活性の80%以上、50℃、175日では80%以上、
40℃、133日では90%以上を保持することができ
る。 この事実がいかなる理由により生じるかについては必ず
しも定かではないが、酵素反応の基質は酵素反応に対し
ては阻害剤として働くことから、この阻害作用との関係
において何らかの機能が発揮されているものと推測する
ことができる。 上記の知見は、この明細書において初めて開示する事実
である。 このことにより、固定化酵素は極めて安定化され、本発
明に適用するに際して、有利な条件を提供するところと
なる。
【実施例】
以下に、本発明に係る参考例及び実施例を掲げて、本発
明を更に詳しく説明する。 参考例1 CGTaseの固定化(1) 10lの富士紡績社製キトパールBCW−3010を2
.5w/v%グルタールアルデヒドを含む0.1M酢酸
緩衝液(pH6.0)40lに、室温で24時間浸漬処
理した後、充分にイオン交換水で洗浄した。ついでキト
パール1ml当たり蛋白質20mg相当のCGTase
〔林原生物化学研究所社製。バチルス・ステロサーモフ
ィリス(Bacillus stearothermo
philus)由来〕を加えて、さらに酢酸緩衝液(p
H6.0)を最終濃度が0.025Mになるように加え
て、全液量が30lになるようにした。このまま室温で
24時間浸漬してその後イオン交換水で充分洗浄して、
固定化CGTaseを得た。得られたビーズの蛋白吸着
量は、19.5mg/ml(ビーズ)であった。 参考例2 CGTaseの固定化(2) 参考例1と同様にして、蛋白質吸着量5mg/ml(ビ
ーズ)となるように、バチルス・ステロサーモフィリス
(Bacillus stearothermophi
lus)由来のCGTaseを固定化した。 参考例3 GAの固定化 天野製薬社製グルコザイムNL−3を透析した後、60
〜65mg/mlの蛋白質濃度にしたものをGA水溶液
として用いた。 富士紡績社製キトパールBCW−3010の1lを2.
5w/v%グルタールアルデドを含む50mM酢酸緩衝
液(pH5.0)3lに室温で24時間浸漬処理した後
、充分イオン交換水で洗浄した。ついで、キトパール1
ml当たり蛋白質100mg相当のGA水溶液を加え、
さらに水を加えて、全液量が3lになるようにした。 このまま室温で24時間浸漬して、その後イオン交換水
で充分洗浄して固定化GAを得た。得られたビーズの蛋
白質吸着量は、12.8mg/ml(ビーズ)であった
。 参考例4 固定化CGTaseの安定化(モラノリンの糖転移反応
) モラノリン2.5w/v%、アミコールNo.6L〔日
澱化学社製〕25w/v%、pH未調整の水溶液100
mlに、参考例1で得た固定化CGTaseを10ml
加え、55℃で回転振盪を続けた。一定時間経過後にグ
ラスフィルターでビーズ(固定化CGTase)を瀘過
し充分水洗した後、次のようにして固定化CGTdse
の酵素活性を測定した。 (固定化CGTaseの酵素活性測定法)モラノリン2
.5w/v%、アミコールNo.6L25w/v%、p
H未調整の水溶液10mlにビーズ(55℃で一定時間
経過後の洗浄固定化CGTase)1mlを加え、55
℃で24時間反応させた。反応液3mlを強酸性イオン
交換樹脂ダウエックス 50W×2(H+)7mlに通
過させ、充分水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し、
溶出液を減圧下に濃縮乾固して、3mlの水に溶かし、
その10μlを高速液体クロマトグラフィーに注入して
分析し、未反応のモラノリンの濃度を求めた。高速液体
クロマトグラフィーの分析条件は、カラム(Nucle
osil 5NH2、5μm、4mm i.d.×25
cm)、展開溶媒(アセトニトリル−水=70:30)
、検出器(日立655A−30、RI検出器)、データ
プロセッサー(日立D−2000)。 55℃で回転振盪を開始した時点の反応進行率を100
とした場合の一定時間経過後の相対的な反応進行率を上
記式により算出し、この値をもって酵素活性保持率とし
た。結果を表1に示す。固定化CGTaseが本発明に
係るモラノリンによって酵素活性が安定化された事実が
明白である。 (以下次頁) 参考例5 固定化CGTaseの安定化(N−メチルモラノリンの
糖転移連続反応) 直径1cmのジャケット付きカラムに参考例1で得た固
定化CGTaseの20mlを充填し、N−メチルモラ
ノリン1.5w/v%、可溶性澱粉9w/v%、pH未
調整の溶液を160ml/日の通過速度で55℃で連続
的に通過反応させ、経時的に通過液の反応進行率を求め
た。反応進行率、活性保持率は参考例4と同様にして求
めた。その結果、140日を経過しても、ほぼ100%
の活性を保持していることが判った。 参考例6 固定化CGTaseの安定化(モラノリン、モラノリン
のグルコースオリゴマー) 参考例2で得た固定化CGTaseの1mlにモラノリ
ン(2.5w/v%)、モラノリンのグルコースオリゴ
マー(混合物)(5.0w/v%)を加え、全容10m
lで55℃で振盪した。モラノリンのグルコースオリゴ
マーは、実施例7で得た糖転移反応液を強酸性イオン交
換樹脂ダウエックス50W×2(H+)で処理し、充分
水洗した後、0.5Nアンモニア水で溶出後、溶出液を
濃縮乾固した塩基性フラクションである。 調整時の酵素活性を100としたときの残存酵素活性保
持率(%)を表2に示した。酵素活性の測定方法等はす
べて参考例4と同様にした。 モラノリン、モラノリンのグルコースオリゴマーにCG
Taseの活性を保持する作用があることが明白である
。 参考例7 固定化酵素CGTaseの安定化(N−置換モラノリン
、N−置換グルコシルモラノリン) 参考例1で得た固定化CGTase 1mlに、N−置
換モラノリン(0.5w/v%)、N−置換グルコシル
モラノリン(0.5w/v%)を加え、全容10mlで
55℃で14日間振盪した後、残存酵素活性を測定した
。最初の酵素活性を100としたときの残存酵素活性率
を表3に示した。酵素活性の測定方法は参考例4と同じ
である。 本発明化合物が、良好なる安定化作用を示していること
は明白である。 参考例8 固定化GAの安定化(モラノリンの糖転移反応液)実施
例7の方法によって製造した未反応のモラノリン、未反
応のアミコールNo.6L、オリゴグルコシルモラノリ
ンを含む反応液を、硫酸を用いてpH5.2に調整した
水溶液を、参考例3で得た固定GA20mlを充填した
直径1cmのジャケット付カラムに480ml/日の通
過速度で、50℃で連続的に通過反応させた。一定時間
反応させた後、カラム内の固定化GAをとり、次の方法
で酵素活性を測定し、反応開始時の酵素活性を100%
としたときの活性保持率(安定性)を求めた。結果を表
4に示した。 (固定化GAの活性測定法) 固定化GAの一定量(湿重量30〜80mg)を、G−
2のグラスフィルター上にとり、軽く吸引して水分を濾
過した後、グラスフィルター上の固定化GAをレンズペ
ーパー上に乗せて過剰の水分を除去した後、栓つきサン
プル瓶に入れ、固定化GAの湿重量を求めた。次に、固
定化GAを10mlの5%マルトース溶液(0.05M
酢酸緩衝液、pH4.6)に加え、37℃で20分間イ
ンキュベートした。反応液の100μlを0.05Nの
水酸化ナトリウム中に加え、反応を停止させた。 この反応停止液の10μlを用いてグルコースを定量し
た。グルコースの定量は、ダイヤカラーGC(小野薬品
社製)を用いて行った。 活性は次のように定義した。1分間に1μMのグルコー
スを生成させる酵素活性を1ユニットとした。ブランク
には反応液のかわりに基質と等容に混合した0.05N
水酸化ナトリウムを用いた。 このとき、固定化GAの活性は、5.56×ODSA/
ODSTD/固定化GAの湿重量。ここでODSAは、
サンプル(固定化GA)の500nmの吸光度、ODS
TDは、1mg/mlのグルコース水溶液の500nm
の吸光度を意味する。表4で活性保持率の値が変動して
いるが、これは測定誤差である。本発明化合物の固定化
GAに対する安定化作用が明白である。 参考例9 固定化GAの安定化(モラノリンの糖転移反応液)参考
例8と同様にして40℃で実験した。結果を表5に示し
た。 (以下次頁) 参考例10 GA(水溶液)での安定化(モラノリン、N−メチルモ
ラノリン) モラノリン、N−メチルモラノリンは、グルコアミラー
ゼの酵素活性を阻害するので溶液状グルコアミラーゼに
対する安定化効果は次のようにして検討した。酵素は生
化学工業社製のリゾプス・ニベウス(Rhizopus
 niveus)由来の試薬グルコアミラーゼを用いた
。 酵素5mgを1mlの0.1M酢酸緩衝液(pH5.0
)に溶解したものに、モラノリン、N−メチルモラノリ
ンを6000μg/mlとなるように溶解させ、ネジ口
試験管に入れて50℃にてインキュベートした。 それぞれの酵素液は、測定時に0.1M酢酸緩衝液(p
H5.0)で100倍に希釈してその100μlをとり
、5%マルトース液(0.05M酢酸緩衝液、pH4.
6)400μlを加えて40℃で20分間反応させる。 その反応液の100μlをとり、0.05Nの水酸化ナ
トリウム100μlを加えて反応を停止させる。この中
から更に100μlをとり、3.0mlのグルコース測
定試薬ダイヤカラーGCを加えて、37℃で30分間静
置し発色させ、その後氷冷し、500nmで吸光度を測
定しグルコース量を測定した。このグルコース産生量を
阻害剤共存下での酵素活性とした。初めの酵素活性(グ
ルコース産生量)を100としたときの相対的な酵素活
性を求めた。結果を図1に示した。本発明化合物の酵素
安定化作用が明白である。 実施例1 モラノリン産生菌の培養 澱粉2%、大豆粉1%、塩化カリウム0.05%、硫酸
マグネシウム0.05%、食塩0.2%、炭酸カルシウ
ム0.35%(pH7.2)の組成の培地200mlを
、500ml容三角フラスコに取り、常法通り滅菌後、
これにストレプトミセス・ラベンデュレ(Strept
omyces lavendulae)SEN−158
株の斜面培養から数白金耳胞子を接種し、27℃で3日
間200回転で振盪培養し、これを種培養液とした。 澱粉8%、大豆粉3%、酵母エキス1.5%、塩化カリ
ウム0.05%、硫酸マグネシウム七含水塩0.05%
、食塩0.1%、炭酸カルシウム0.15%(pH7.
2)の組成の培地250lを420l容ジャーファーメ
ンターに入れ、常法通り滅菌した後、種培養液2.4l
を接種した。これを100回転/分、通気量125l/
分、27℃で10日間培養した。参考例4に記載した方
法と同様にして、培養液中のモラノリンを高速液体クロ
マトグラフィーによって定量した結果、約3500μg
/mlのモラノリンが含まれていた。 実施例2 モラノリン含有培養液の部分精製(1)実施例1の方法
で得た培養液を、限外瀘過膜(UF Module;M
U−6303−HG;クラレ社製)にかけ、通過液を更
に逆浸透膜(HR−5155 FI;ホローファイバー
型;東洋紡社製)にかけ、濃縮した非通過液を部分精製
品とした。 実施例3 モラノリン含有培養液の部分精製(2)実施例1の方法
で得た培養液をプレスフィルターで濾過した培養濾液を
強酸性イオン交換樹脂ダンヤイオンSK−104(H+
)70lのカラムにかけ、充分水洗後、1Nアンモニア
水で溶出した。 溶出液を減圧下に濃縮した後、強塩基性イオン交換樹脂
ダイヤイオンSA−11A(OH−)35lのカラムに
かけ、水で溶出した。溶出液を減圧下に濃縮し、部分精
製品とした。 実施例4 モラノリン含有培養液のN−メチル化 実施例1で得た培養液1000mlに、ハイフロースー
パーセル100gを加えて濾過し、培養濾液850ml
を得た。これにホルマリン30ml、市販工業用ラネー
ニッケル触媒約15mlを加えて、常温常圧で接触還元
した。 反応終了後、触媒を濾別し、濾液を強酸性イオン交換樹
脂ダウエックス50W×2(H+)500mlのカラム
にかけ、充分水洗後、1Nアンモニア水で溶出した。溶
出液を減圧下に濃縮しアンモニアを除去した。このよう
にして次反応に用いることができるN−メチルモラノリ
ンを含む培養液の部分精製品を得た。 実施例5 モラノリン含有培養液のN−(n−ブチル)化(1)実
施例1で得た培養液200mlにハイフロースーパーセ
ル100gを加えて瀘過し、培養濾液1800mlを得
た。これを減圧下に濃縮乾固した後、N、N−ジメチル
ホルムアミド200mlを加え、攪拌後、瀘過した。更
に100mlのN、N−ジメチルホルムアミドで洗浄し
た。濾液と洗液を合わせ、これに臭化n−ブチル16.
1gN炭酸カリウム21.8gを加えて110℃で7時
間反応させた。 反応後、濾過して減圧下に溶媒を除去して、次反応に用
いることができるN−(n−ブチル)化された培養液の
部分精製品を得た。 実施例6 モラノリン含有培養液のN−(n−ブチル)化(2)実
施例1で得た培養濾液1000mlを実施例3の方法で
処理した部分精製品を減圧下に濃縮乾固した。 これにメタノール50mlを加え氷冷下で攪拌した。 n−ブチルアルデヒド20.5ml、5%塩酸メタノー
ル溶液12.0ml、水素化シアノホウ素ナトリウム2
.5gを加え、30分攪拌後、室温で16時間反応させ
た。 減圧下に溶媒を留去し、水25mlに溶解し、15ml
のクロロホルムで3回分配した。水層を強酸性イオン交
換樹脂ダイヤイオンSK−104(H+)100mlの
カラムにかけ、充分水洗後、0.5Nアンモニア水で溶
出した。溶出液を減圧下に濃縮して次反応に用いること
ができるN−(n−ブチル)化された培養液の部分精製
品を得た。 実施例7 モラノリン含有培養液の部分精製品(1)の糖転移反応 実施例1と同様の方法で培養した培養液(2000l)
を、実施例2と同様の方法で処理した部分精製品(15
0l;モラノリン約7kg含有)を420l容ジャーフ
ァーメンターと50l容カラムを連結した反応装置のジ
ャーファーメンターに加えた。 更にアミコールNo.6L 70kgを加え加熱溶解し
た。6N水酸化ナトリウムでpHを9.0に調整した後
、水を加えて全容を280lとした。参考例1の方法で
製造した固定化CGTase 30lをカラムに充填し
、3l/分の流速で循環させながら55℃で48時間反
応させてモラノリンの糖転移反応液を得た。 実施例8 モラノリン含有培養液の部分精製品(2)の糖転移反応 実施例1と同様の方法で培養した培養液(2000l)
を実施例3と同様の方法で処理した部分精製品(100
l;モラノリン約7kg含有)を420l容ジャーファ
ーメンターと50l容カラムを連結した反応装置のジャ
ーファーメンターに加えた。 更にアミコールNo.6L 70kgを加え加熱溶解し
た。pH未調整のまま水を加えて全容を300lにした
。参考例1の方法で製造した固定化CGTase 30
lをカラムに充填し、3l/分の流速で循環させながら
55℃で72時間反応させてモラノリンの糖転移反応液
を得た。 実施例9 N−メチルモラノリン含有培養液の糖転移反応実施例4
の方法で製造したN−メチルモラノリン含有培養液(5
0ml;N−メチルモラノリン約3g含有)に、可溶性
澱粉12gを加温溶解した後、水を加えて全容を100
mlとした。参考例1の方法で製造した固定化CGTa
se 10mlを加え、55℃で48時間反応後、グラ
スフィルターで瀘過してN−メチルモラノリンの糖転移
反応液を得た。 実施例10 N−(n−ブチル)モラノリン含有培養液の糖転移反応
(1) 実施例5の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノリ
ンを含む培養液の部分精製品の一部〔18.3g;この
うち約4.0gがN−(n−ブチル)モラノリンである
〕を、水100mlに溶解し、アミコールNo.6L3
0gを加温溶解し、水を加えて全容を200mlとした
。 参考例2の方法で製造した固定化CGTase 10m
lを加え、55℃で48時間反応後、グラスフィルター
で濾過してN−(n−ブチル)モラノリンの糖転移反応
液を得た。 実施例11 N−(n−ブチル)モラノリン含有培養液の糖転移反応
(2) 実施例6の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノリ
ンを含む培養液の部分精製品の一部〔10.0g;この
うち約8.0gがN−(n−ブチル)モラノリンである
〕を水80mlに溶解し、アミコールNo.6L 80
gを加温溶解し、水を加えて全容を160mlとした。 参考例1の方法で製造した固定化CGTase 20m
lを加え、55℃で48時間反応後、グラスフィルター
で濾過してN−(n−ブチル)モラノリンの糖転移反応
液を得た。 実施例12 実施例7に係るGA反応(モラノリン)420l容ジャ
ーファーメンターと50l容カラムを連結した反応装置
において、50l容カラムには参考例3の方法で製造し
た固定化GA 15lを充填し、ジャーファーメンター
には実施例7の方法で製造したモラノリンの糖転移反応
液280l(モラノリン約7kgを反応した糖転移反応
液)を入れ、濃硫酸でpHを5.2に調整した後、3l
/分の流速で循環させながら50℃で19時間反応させ
た。 実施例13 実施例8に係るGA反応(モラノリン)420l容ジャ
ーファーメンターと50l容カラムを連結した反応装置
において、50l容カラムには参考例3の方法で製造し
た固定化GA 15lを充填し、ジャーファーメンター
には実施例8の方法で製造したモラノリンの糖転移反応
液300l(モラノリン約7kgを反応した糖転移反応
液)を入れ、濃硫酸でpHを5.2に調整した後、3l
/分の流速で循環させながら40℃で18時間反応させ
た。 実施例14 実施例9に係るGA反応(N−メチルモラノリン)実施
例9の方法で製造したN−メチルモラノリンの糖転移反
応液100ml(糖転移反応の前にてN−メチルモラノ
リンを約3g含有)を、濃硫酸でpHを5.2に調整し
た後、参考例3の方法で製造した固定化GA 10ml
を加えて50℃で20時間反応させた。 グラスフィルターで濾過して固定化GAを除き、GA反
応液を得た。 実施例15 実施例10に係るGA反応(N−(n−ブチル)モラノ
リン) 実施例10の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノ
リンの糖転移反応液200ml〔糖転移反応の前にてN
−(n−ブチル)モラノリンを約3g含有〕を、濃硫酸
でpHを5.2に調整した後、参考例3の方法で製造し
た固定化GA 20mlを加えて50℃で20時間反応
させた。グラスフィルターで瀘過して固定化GAを除き
、GA反応液を得た。 実施例16 実施例11に係るGA反応(N−(n−ブチル)モラノ
リン) 実施例11の方法で製造したN−(n−ブチル)モラノ
リンの糖転移反応液160ml〔糖転移反応の前にてN
−(n−ブチル)モラノリンを約8g含有〕を、濃硫酸
でpHを5.2に調整した後、参考例3の方法で製造し
た固定化GA 20mlを加えて50℃で20時間反応
させた。グラスフィルターで濾過して固定化GAを除き
、GA反応液を得た。 実施例17 グルコシルモラノリンの精製(1) 実施例12の方法で製造したGA反応液280lを、脱
色用樹脂HS(北越炭素社製)のカラム(120l)に
通過させて水洗した。通過液と洗液を合わせ強酸性イオ
ン交換樹脂ダンヤイオンSK−104(H+)180l
のカラムに通過させた。充分水洗後、1Nアンモニア水
で溶出した。溶出液を減圧下に濃縮しながらアンモニア
を除去した。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−1
1A(OH−)のカラム180lに通過させて水で溶出
した。溶出液を約18lまで濃縮し、攪拌しながらメタ
ノール320lを加え、終夜攪拌した。生じた結晶を濾
過して集め、乾燥して、グルコシルモラノリンのメタノ
ール付加物7.9kgを得た。 このものは、参考例4に記載したものと同じ条件で高速
液体クロマトグラフィーで分析した結果、約3%のモラ
ノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上認めな
かった。 実施例18 グルコシルモラノリンの精製(2) 実施例13の方法で製造したGA反応液300lを強酸
性イオン交換樹脂ダンヤイオンSK−104(H+)1
80lのカラムに通過させた。充分水洗後、1Nアンモ
ニア水で溶出した。溶出液を減圧下に濃縮しながらアン
モニアを除去した。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂S
A−11A(OH−)のカラム50lに通過させて水で
溶出した。溶出液を約20lまで濃縮し、攪拌しながら
メタノール350lを加え、終夜攪拌した。生じた結晶
を濾過して集め、乾燥してグルコシルモラノリンのメタ
ノール付加物7.3kgを得た。 このものは、参考例4に記載したものと同じ条件で高速
液体クロマトグラフィーで分析した結果、約0.5%の
モラノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上認
めなかった。 実施例19 グルコシル−N−メチルモラノリンの精製実施例14の
方法で製造したGA反応液100mlを強酸性イオン交
換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカラム100m
lに通過させた。充分水洗後、0.5Nアンモニア水で
溶出した。溶出液を減圧下に濃縮しながらアンモニアを
除去した。濃縮液を強塩基性イオン交換樹脂SA−11
A(OH−)のカラム100mlに通過させて水で溶出
した。通過液と溶出液とを合わせ減圧下に濃縮乾固し、
メタノール50mlに溶解した後、p−トルエンスルホ
ン酸(一水和物)4.8gを加え、室温で終夜放置した
。生じた結晶を瀘過して集め、乾燥してグルコシル−N
−メチルモラノリンのp−トルニンスルホネート4.4
gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約0.5%のN−メチ
ルモラノリンを含んでいたが、その他の不純物は事実上
認めなかった。 実施例20 グルコシル−N−(n−ブチル)モラノリンの精製(1
) 実施例15の方法で製造したGA反応液200mlを強
酸性イオン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカ
ラム200mlに通過させた。充分水洗後、0.5Nア
ンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下に濃縮しながら
アンモニアを除去した。濃縮液を強塩基性イオン交換樹
脂SA−11A(OH−)のカラム100mlに通過さ
せて水で溶出した。通過液と溶出液とを合わせ減圧下に
濃縮乾固し、メタノール50mlに溶解した後、p−ト
ルエンスルホン酸(一水和物)5.2gを加え、室温で
終夜放置した。生じた結晶を濾過して集め、乾燥してグ
ルコシル−N−(n−ブチル)モラノリンのp−トルニ
ンスルホネート5.5gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約1.5%のN−(n
−ブチル)モラノリンを含んでいたが、その他の不純物
は事実上認めなかった。 実施例21 グルコシル−N−(n−ブチル)モラノリンの精製(2
) 実施例16の方法で製造したGA反応液160mlを強
酸性イオン交換樹脂ダウエックス50×2(H+)のカ
ラム200mlに通過させた。充分水洗後、0.5Nア
ンモニア水で溶出した。溶出液を減圧下に濃縮しながら
アンモニアを除去した。濃縮液を強塩基性イオン交換樹
脂SA−11A(OH−)のカラム100mlに通過さ
せて水で溶出した。通過液と溶出液とを合わせ減圧下に
濃縮乾固し、メタノール50mlに溶解した後、p−ト
ルエンスルホン酸(一水和物)5.2gを加え、室温で
終夜放置した。生じた結晶を濾過して集め、乾燥してグ
ルコシル−N−(n−ブチル)モラノリンのp−トルエ
ンスルホネート10.0gを得た。 このものは、その一部をとり塩基性フラクションとした
後、参考例4に記載したものと同じ条件で高速液体クロ
マトグラフィーで分析した結果、約0.5%のN−(n
−ブチル)モラノリンを含んでいたが、その他の不純物
は事実上認めなかった。 実施例22 グルコシルモラノリン精製時の回収母液残渣を用いた糖
転移反応、GA反応及びモラノリンの精製 実施例17において、メタノールによる分別結晶をした
母液の溶媒(メタノール)を回収除去したときに得られ
た残渣(実施例7及び実施例12と同様の反応をして実
施例17と同様の処理をした3ロット分の回収残渣)を
原料として、実施例7、実施例12、及び実施例17と
同様の操作を実施した結果、9.0kgのグルコシルモ
ラノリンのメタノール付加物を得た。 実施例23 モラノリンの精製 実施例17の方法で精製したグルコシルモラノリンのメ
タノール付加物1kgを、1Nの塩酸(5l)に溶解し
、90℃で3時間反応させた。反応液を弱塩基性イオン
交換樹脂ダイヤイオンWA−20(OH−)10lのカ
ラムにかけ、充分水洗した。通過液と洗液を合わせ、強
酸性イオン交換樹脂ダイヤイオンSK−104(H+)
5lのカラムにかけ、充分水洗した後、1Nアンモニア
水で溶出した。溶出液を減圧下に濃縮乾固して、モラノ
リン468gを得た。 本品は、結晶化しなくとも高純度であり、このままで充
分に合成原料として使用することができるものである。 実施例24 N−メチルモラノリンの精製 実施例19の方法で製造したグルコシル−N−メチルモ
ラノリンのp−トルエンスルホネート2gを、1N塩酸
(10ml)に溶解し、90℃で3時間反応させた。反
応液を弱塩基性イオン交換樹脂ダイヤイオンWA−20
(OH−)100mlのカラムにかけ、充分水洗した。 通過液と洗液を合わせ、強酸性イオン交換樹脂ダイヤイ
オンSK−104(H+)50mlのカラムにかけ、充
分水洗した後、0.5Nアンモニア水で溶出した。溶出
液を減圧下に濃縮乾固した後、エタノールから再結晶し
て、N−メチルモラノリン590mgを得た。 実施例25 N−(n−ブチル)モラノリンの精製(1)実施例20
の方法で製造したグルコシル−N−(n−ブチル)モラ
ノリンのp−トルエンスルホネート3gを、1N塩酸(
30ml)に溶解し、90℃で3時間反応させた。反応
液を弱塩基性イオン交換樹脂ダイヤイオンWA−20(
OH−)200mlのカラムにかけ、充分水洗した。通
過液と洗液を合わせ、強酸性イオン交換樹脂ダウエック
ス50×2(H+)100mlのカラムにかけ、充分水
洗した後、0.5Nアンモニア水で溶出した。溶出液を
減圧下に濃縮乾固した後、エタノールから再結晶して、
N−(n−ブチル)モラノリン850mgを得た。 実施例26 N−(n−ブチル)モラノリンの精製(2)実施例21
の方法で製造したグルコシル−N−(n−ブチル)モラ
ノリンのp−トルエンスルホネート5gを水に溶かし、
1N塩酸でpHを5.2に調整した。 全容を1000mlとした後、参考例3の方法で製造し
た固定化GA 50mlを加えて50℃で24時間反応
させた。グラスフィルターで濾過して固定化GAを除き
、濾液を、弱塩基性イオン交換樹脂ダイヤイオンWA−
20(OH−)100mlのカラムにかけ、充分水洗し
た。 通過液と洗液を合わせ、強酸性イオン交換樹脂ダウエッ
クス50×2(H+)100mlのカラムにかけ、充分
水洗した後、0.5Nアンモニア水で溶出した。 溶出液を減圧下に濃縮乾固した後、エタノールから再結
晶して、N−(n−ブチル)モラノリン1.6gを得た
【図面の簡単な説明】
図1は、参考例10における、GAでの安定化作用を図
示したものである。横軸は時間(日)を、縦軸は相対的
酵素活性を示す。 ○は、コントロールを、●は6mg/mlのモラノリン
を、△は6mg/mlのN−メチルモラノリンを、それ
ぞれ表す。 出願人 日本新薬株式会社 代理人 弁理士 片岡 宏

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式〔I〕 (ここにRは、水素又は低級アルキルを表す)で表され
    るN−置換モラノリン誘導体を取得するにあたり、 (1)モラノリン産生菌を培養した培養液をそのまま、
    又はこれにアルキル化反応を施し、 (2)グルコース供与体を加えた後、サイクロデキスト
    リングリコシルトランスフェラーゼ(CGTase)を
    作用させて次の一般式〔II〕 (ここにRは、前記と同じ。nは0から24までの整数
    を表す)で表されるオリゴグリコシル−N−置換モラノ
    リン誘導体を生成させ、必要に応じてグルコアミラーゼ
    (GA)を作用せしめて一般式〔II〕においてnが0
    である化合物を生成させ、(3)分別操作を施して一般
    式〔II〕で表される化合物を単離し、 (4)単離した式〔II〕で表される化合物を加水分解
    して一般式〔I〕で表されるN−置換モラノリン誘導体
    を取得し、 上記(1)〜(4)までの一連の操作を順次行うことを
    特徴とする、一般式〔I〕で表されるN−置換モラノリ
    ン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】次の一般式〔I〕 (ここにRは、水素又は低級アルキルを表す)で表され
    るN−置換モラノリン誘導体を取得するにあたり、 (1)モラノリン産生菌を培養した培養液をそのまま、
    又はこれにアルキル化反応を施し、 (2)グルコース供与体を加えた後、サイクロデキスト
    リングリコシルトランスフェラーゼ(CGTase)を
    作用させて次の一般式〔II〕 (ここにRは、前記と同じ。nは0から24までの整数
    を表す)で表されるオリゴグリコシル−N−置換モラノ
    リン誘導体を生成させ、 (3)グルコアミラーゼ(GA)を作用せしめて、一般
    式〔II〕においてnが0であるグルコシル N−置換
    モラノリン誘導体を生成させ、 (4)分別操作を施してグルコシル N−置換モラノリ
    ン誘導体を単離し、 (5)単離したグルコシル N−置換モラノリン誘導体
    を加水分解して一般式〔I〕で表されるN−置換モラノ
    リン誘導体を取得し、 上記(1)〜(5)までの一連の操作を順次行うことを
    特徴とする、一般式〔I〕で表されるN−置換モラノリ
    ン誘導体の製造方法。
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