JPH04260898A - 一体型の結合システムを有する宇宙船の回転機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、宇宙船の一部分を構成
する又は宇宙船上に搭載される回転機構に係わる。この
回転機構は、宇宙船打ち上げ段階の間に宇宙船が回転す
るのを完全に防止する一体型の結合手段を備え、前記結
合手段は、前記回転機構の正常な運用を可能にするため
に、打ち上げ段階完了後には解除されることが可能であ
る。

【０００２】

【従来の技術】人工衛星と軌道宇宙ステーションとのよ
うな宇宙船は、太陽電池パネルやアンテナ等の装置を有
し、これらの装置は、宇宙船が軌道上にある時にその装
置を構成する部品間で相対的な回転が生じるのを可能に
する機構を備える。これらの機構は玉軸受を組み込むこ
とが一般的であるが、ねじ／ナット方式又は他のタイプ
の軸受も備えることも可能である。

【０００３】宇宙船の打ち上げ段階の間は、上記の様々
な機構が高い機械的外力を受けている。玉軸受の場合に
は、こうした力がボールを経由して一方のリングから他
方のリングに伝達される。従って、この打ち上げ段階の
間においては、遊びが存在する又は出現するによって、
玉軸受のボールと輪との間の衝突が発生し、その結果と
して表面劣化が生じ、この表面劣化は長期的には前記軸
受の故障と更には破損とを引き起こす可能性がある。

【０００４】従来においては、打ち上げ段階時に前記機
構の間に遊びが生じることを完全に防止するために、前
記機構に予備荷重が加えられていた。しかし、正常な運
用モードではこうした遊びの存在が許容され、むしろ、
こうした遊びが無い場合には、前記機構の性能に対して
有害な障害がもたらされる可能性がある。

【０００５】これに加えて、軸受の寸法的特徴は、これ
らの軸受の最大耐荷重に応じて当業者によって決定され
る。宇宙船に搭載される軸受の場合には、打ち上げ時に
この軸受に加えられる応力が大きいが故に、前記軸受寸
法と従って前記軸受重量とが、そうした宇宙船にとって
一般的に許容不可能な大きさにならざるを得ない。

【０００６】従って、打ち上げ時に発生させられる荷重
の一部分を伝える剛性な結合部材によって、前記機構の
可動部品又は前記可動部品に結合された要素が連結され
ることも従来的な慣例である。この剛性な部材は、その
宇宙船が正常な運用状態に達した時には、火工技術によ
る操作装置によって切断される。しかし火工技術による
操作装置の使用は、その結合部材を軸受の直ぐ近くに配
置することを不可能にする。従って、打ち上げ時に発生
させられる荷重の大部分が軸受を通過し続けることにな
る。従って、軸受の大きさと重量とが最適化されること
が不可能である。宇宙船においては体積と重量との低減
が重要であるが故に、このように軸受の大きさと重量の
最適化が不可能であることは、重大な不利益をもたらす
ことになる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に火工技
術による操作装置の使用を必要とせずに解除される結合
手段を備えた、宇宙船用の回転機構に係わる。火工技術
による操作装置の使用が不必要であることが、前記回転
機構内に前記結合手段を一体化することを可能にし、更
に前記回転機構が玉軸受を有する場合には、この玉軸受
の輪の直ぐ近くに前記結合手段を配置することを可能に
する。従って、打ち上げ段階の間に前記回転機構の接触
表面を通過する荷重は実質的にゼロになり、その結果と
して、前記回転機構が軸受を含む場合に、その軸受の大
きさと重量とが、既存の回転機構の場合に比較して著し
く低減される。宇宙船の正常な運用状態において、遊び
又は非常に小さい予備荷重が前記回転機構に任意に与え
られることが可能である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、宇宙船
の打ち上げ段階の完了後に相対的な回転運動を与えられ
ることが可能な内側部品と外側部品とを有する宇宙船用
の回転機構によって、この結果が得られ、前記回転機構
が、打ち上げ段階の間の前記内側部品と前記外側部品と
の間の相対回転を完全に防止する結合手段と、打ち上げ
段階の完了後に前記結合手段を解除する手段とを有し、
前記解除手段が形状記憶材料で作られた部材を有し、前
記材料の相転移温度を超過する時に前記部材が前記結合
手段の解除を引き起こすことを特徴とする。

【０００９】結合手段の解除を確実に行うために、形状
記憶材料で作られた部材を使用することによって、回転
機構内部に且つその回転機構の接触表面の直ぐ近くに前
記結合手段を配置することが可能になる。従って、宇宙
船の打ち上げ段階の間にその回転機構によって伝えられ
る荷重が実質的にゼロになる。そこでその回転機構の寸
法と特徴とが、宇宙船の正常運用状態における前記回転
機構の耐荷重だけを考慮して決定されることが可能であ
る。従って、その回転機構の大きさと重量とが最小化さ
れることが可能であり、このことは宇宙船の場合には大
きな利点である。更に、課せられた作動条件を満たすた
めに、正常な運用状態において遊び又は非常に僅かな予
備荷重を有するように前記回転機構が設計されることが
可能である。

【００１０】形状記憶材料とは、この材料を特徴付ける
構造変態温度をこの材料の温度が上回るか又は下回るか
に応じて、２つの安定した結晶相（オーステナイト相と
マルテンサイト相）を有する材料であるということが留
意されるべきである。マルテンサイト相にある形状記憶
材料が機械的ストレスを受ける時には、この材料は可塑
的に変形され、この材料の温度が相転移温度又は構造変
態温度より低い温度のままである限りは、この変形が維
持される。温度がこの転移の閾値を越えるや否や、形状
記憶材料の構造が再びオーステナイト相に戻り、この材
料は初期形状を回復する。

【００１１】相転移温度の超過によって引き起こされる
形状記憶材料の形状変化が、その材料の伸長であること
が可能である。この場合には、形状記憶材料部材がジャ
ッキのように作用し、このジャッキは、打ち上げ前には
、回転機構の結合を可能にするような計算寸法に調整さ
れている。

【００１２】前記形状記憶材料部材の付近に配置された
電気抵抗体のような加熱手段によって、又は太陽エネル
ギーによって、前記形状記憶材料が加熱され、この加熱
によって前記形状記憶材料が伸長させられ、この伸長の
結果として前記回転機構の自由回転が可能にし得る。

【００１３】本発明の好ましい実施例では、内輪と外輪
とを有する少なくとも１つの軸受が、回転機構の内側部
品と外側部品との間に配置され、特に玉軸受であること
が可能な前記軸受の内輪と外輪とに対して、結合手段が
直接的に作用する。

【００１４】この場合、結合手段は、前記内側部品の延
長部分の周囲に同軸中心に配置されたスリーブを有する
。このスリーブは、前記軸受の外輪と、前記軸受の内輪
を支える前記内側部品上を圧迫する締め付け手段との間
で、軸方向に圧縮されている。

【００１５】この場合には、形状記憶材料部材は、相転
移温度の通過時に前記延長部分を押圧して前記延長部分
の伸長を引き起こすことが可能であるように、前記スリ
ーブと前記内側部品の延長部分との間に取り付けられて
いる。

【００１６】前記スリーブが、前記外側部品に固定され
た端部板を介して軸受の外輪を圧迫し、前記スリーブと
前記端部板とが相補的な円錐形の当接面によって互いに
連係動作することが有利である。更にこのスリーブは、
前記軸受の直ぐ近くに配置された前記内側部品の延長部
分の一部分上に形成された円筒形当接面と、穴を介して
連係動作する。

【００１７】更に、前記外側部品と前記軸受の外輪との
間の分離を容易にするために、前記外輪が、弾性分離継
手を介して前記外側部品の穴の内に取り付けられている
。

【００１８】本発明の好ましい実施例では、その回転機
構が、外輪と内輪とを各々が有する２つの軸受を備え、
２つの結合手段が互いに対向して取り付けられており、
これらの結合手段が、前記外輪の各々と前記内側部品と
の間で直接的に作用し、前記内輪の一方が前記内側部品
に固定され、また前記内輪の他方が前記内側部品上を軸
方向に滑動することが可能であり、２つの形状記憶部材
が各々の結合手段と別々に組み合わされている。

【００１９】以下では、非限定的な実施例と添付図面と
に関連させながら、本発明がより詳細に説明される。

【００２０】

【実施例】図１に示される回転機構は、例えば人工衛星
又は軌道ステーションに搭載される太陽電池パネル、ア
ンテナ又はその他の機構のヒンジ又は自在継手である。 この自在継手は、本実施例の状態では固定されているも
のと仮定される内側の軸１０と、２つの玉軸受１４、１
４′を介して軸１０を回転させるように取り付けられた
外側フォーク又はヨーク１２とを有し、これらの玉軸受
１４、１４′は軸１０と一体を成す固定フォーク又はヨ
ーク１１の両側に配置されている。

【００２１】玉軸受１４、１４′は各々に、内輪１６、
１６′と、外輪１８、１８′と、これらの輪の間を転動
するボール２０、２０′とを含む。玉軸受１４の内輪１
６は、軸１０のねじ山付き部分１０ａ　上にねじ込まれ
たナット２２によって軸１０上に締め付けられ、このナ
ット２２はスラストワッシャ２４を介して内輪１６上に
作用を及ぼし、スペーサ２６が内輪１６と固定ヨーク１
１との間に配置されている。

【００２２】軸受１４′の内輪１６′は、滑りはめ合い
によって軸１０上に取り付けられ、この滑りはめ合いは
、内輪１６′が軸１０と一体化して回転することを可能
にすると同時に、膨張を考慮してリング１６′が軸１０
上を軸方向に滑動することを可能にする。

【００２３】固定ヨーク１１に対向する内輪１６′側面
に対して僅かな予備応力を永久的に及ぼすことによって
内輪１６′を外輪１８′内の所定の位置に保つように、
へリカルコイルばね１７′が前記内輪１６′側面上を圧
迫する。このヘリカルコイルばね１７′のより詳細な配
置は後述される。

【００２４】軸受１４、１４′の外輪１８、１８′の各
々が、回転ヨーク１２の穴１２ａ　、１２′ａ　内に形
成された肩１２ｂ　、１２′ｂ　と、これらに対応する
前記回転ヨーク１２の外側面に（例えばねじ３０、３０
′によって）固定された端部板２８、２８′との間の、
前記穴１２ａ　、１２′ａ　内に取り付けられている。 このはめ合いは、外輪１８、１８′が軸１０の軸に対し
て平行に非常に小さい遊び（約０．０１ｍｍ）を有し且
つ前記軸１０の軸に対して半径方向に前記遊びよりも遥
かに大きな遊び（約１ｍｍ　）を有するようなはめ合い
である。

【００２５】端部板２８、２８′は、各々に対応する外
輪１８、１８′に面するその外側表面の一部分に、雌の
円錐形の当接面２８ａ　、２８′ａ　を有する。端部板
２８、２８′が回転ヨーク１２に固定されている時には
、これらの円錐形の当接面２８ａ　、２８′ａ　が、前
記ヨーク１２内に形成された穴１２ａ　、１２′ａ　に
対して完全に同心である（約０．００５ｍｍ　の偏心）
。

【００２６】本発明によって、互いに対向して取り付け
られた結合手段３２、３２′が、軸受１４、１４′に直
接的に結合され、従って、打ち上げ時に発生させられる
力の全てが、玉軸受の玉２０、２０′を通らずに、前記
結合手段を通って軸１０とヨーク１２との間を伝わる。

【００２７】結合手段３２、３２′の各々は、軸１０の
径の細くなった延長部分の周囲に同中心に配置された円
筒形スリーブ３４、３４′を有する。円筒形スリーブ３
４、３４′の各々は、端部板２８、２８′に隣接したス
リーブの端部に、その対応する端部板の雌の円錐形当接
面２８ａ　、２８′ａ　とは相補的な形状を有する雄の
円錐形当接面３４ａ　、３４′ａを備える。各々の円筒
形スリーブ３４、３４′の各々の内側端部を穴３４ｂ　
、３４′ｂ　が貫通する。これらの穴は、円筒形当接面
１０ｃ　、１０′ｃ　を形成する軸１０の延長部分１０
ｂ　、１０′ｂ　の一部分に、遊びが無い状態で受けら
れる。機械の不動化又は焼き付きを防止するために、穴
３４ｂ　、３４′ｂ　と円筒形当接面１０ｃ　、１０′
ｃ　とに対して適切な処理が加えられている。

【００２８】各々のスリーブ３４、３４′の機械加工は
、これらのスリーブが軸１０に取り付けられる時には円
錐形当接面３４ａ　、３４′ａ　が軸１０と完全に同心
であるように行なわれる。

【００２９】図１に図解されるように、軸受１４′の内
輪１６′と、スリーブ３４′の対向面上に形成された対
向内腔の底部との間に、ばね１７′が挟まれている。

【００３０】前記結合手段３２、３２′の各々は、軸１
０に担持された締め付け手段をも備え、これらの締め付
け手段は、スリーブ３４、３４′上に軸方向の力を及ぼ
し、この応力はスリーブの円錐形当接面３４ａ　、３４
′ａ　を端部板２８、２８′の円錐形当接面２８ａ、２
８′ａ　に対し押し付ける。

【００３１】図１の実施例では、これらの締め付け手段
は、軸１０の延長部分１０ｂ　、１０′ｂ　のねじ山付
き端部１０ｄ　、１０′ｄ　の上にねじ込まれたナット
３６、３６′を有する。更にこれらのナット３６、３６
′は、この回転機構の外側に向けられたスリーブ３４、
３４′の端部に（例えばねじ４２、４２′によって）固
定されたプレート４０、４０′上を、スラストワッシャ
３８、３８′を介して圧迫する。

【００３２】ナット３６、３６′の締め付けの際に端部
板２８、２８′上にスリーブ３４、３４′によって及ぼ
される軸方向の力は、一方では円錐形当接面２８ａ　、
３４ａ　の連係動作による作用と他方では円錐形当接面
２８′ａ　、３４′ａ　の連係動作による作用とを受け
て、半径方向の力に変換される。この半径方向の力は、
固定された内輪１６、１６′と可動式の外輪１８、１８
′とを一体的に結合させると同時に、これらの輪を同軸
中心に位置決めする作用を有する。

【００３３】精密軸受では、軸受の外輪とこの外輪が受
け取れる穴との間の半径方向遊びは非常に小さい値に制
限され、概ね１０μｍ　以下である。本発明の場合には
、そうした遊びは超静圧アセンブリをもたらすだろう。 この理由から、軸受の外輪１８、１８′が、半径方向の
大きな遊び（約１ｍｍ）を伴なって穴１２、１２′ａ　
の中に受け取られることが上記で示された。この大きな
半径方向遊びが、各々の外輪１８、１８′とそれに対応
する穴１２、１２′ａ　との間に弾性継手４４、４４′
を配置することを可能にする。これらの弾性継手４４、
４４′の形状は、図２により詳細に示されている。この
Ｂｏｒｅｌｌｙ　リングとして知られる弾性精密継手は
、穴１２、１２′ａ　と、外輪１８、１８′の外側表面
との間を蛇行する金属ストリップによって形成されてい
る。

【００３４】これらの弾性継手４４、４４′は、その回
転機構に振動が加えられた時に、外輪１８、１８′とボ
ール２０、２０′との間の結合を分離させる性質を有す
る。従って、打ち上げに起因する荷重は、軸受の固定内
輪１６、１６′と可動外輪１８、１８′との間で転動す
るボール２０、２０′を通過せずに、可動ヨーク１２か
ら軸１０と一体の固定ヨーク１１へ伝わる。

【００３５】しかしこれらの弾性継手４４、４４′は、
軌道上での外力の作用下において、位置決めの精確性と
必要な剛性とを確保するために十分な堅固性を有する。 実際上は、軌道上での外力によって引き起こされる荷重
は、打ち上げ段階で発生させられる荷重に比べて非常に
小さい。

【００３６】前記結合手段３２、３２′の各々は、正常
な操作段階において前記結合手段の作用を除去すること
を可能にする解除手段を備える。

【００３７】本発明によれば、これらの解除手段は、形
状記憶材料で作られた管状スペーサ４６、４６′の形状
の部材を有する。これらの管状スペーサ４６、４６′の
各々は、プレート４０、４０′と（延長部分１０ｂ　と
円筒形当接面１０ｃ　との間において軸１０上に形成さ
れた）肩１０ｅ　、１０′ｅ　との間の位置に、軸１０
の延長部分１０ｂ　、１０′ｂ　の周囲のスリーブ３４
、３４′内に同中心に配置されている。

【００３８】図１の左側は回転機構の床台上のはめ込み
位置を示し、その回転機構を装備した宇宙船の打ち上げ
段階全体を通じて、このはめ込み位置は不変のままであ
る。この位置では、管状スペーサ４６、４６′とスリー
ブ３４、３４′との間には軸方向の遊びが存在する。従
って、ナット３６、３６′の締め付けによって得られる
固定ヨーク１１と可動ヨーク１２との間の相対運動を排
除するため必要な軸方向の力は、形状記憶材料スペーサ
４６、４６′によっては担持されていない。

【００３９】管状スペーサ４６、４６′の作製には、特
にその形状記憶合金の相転移温度を考慮して、その使用
条件に応じた適切な形状記憶材料が使用される。本発明
の範囲内で使用可能な形状記憶材料の非限定的な例とし
て、鉄を主成分とする合金（Ｆｅ−Ｃ、Ｆｅ−Ｃｒ　、
Ｆｅ−Ｎｉ　等）、銅合金又は貴金属合金（Ｃｕ−Ｚｎ
　、Ｃｕ−Ｓｎ　、Ｃｕ−Ａｌ　、Ｃｕ−Ｚｎ−Ａｌ、
Ｃｕ−Ｚｎ−Ａｌ−Ｎｉ　、　Ｃｕ−Ａｌ−Ｎｉ　、Ａ
ｇ−Ｃｄ　、Ａｕ−Ｃｄ　等）、チタン及び／又はニッ
ケルを主成分とする合金（Ｎｉ−Ｔｉ　、Ｎｉ−Ｔｉ−
Ｆｅ、Ｎｉ−Ａｌ　等）、特定の純粋な金属（Ｃｏ、Ｔ
ｉ、Ｎｉ）が挙げられる。

【００４０】添付図面に図解される実施例では、形状記
憶材料の変態温度までの管状スペーサ４６、４６′の加
熱は、例えば、スペーサ４６、４６′の周りに直接的に
巻き付けられた電気抵抗体４８、４８′によって形成さ
れるような加熱装置によって得られる。電気導体（図示
されていない）によって、また打ち上げ時には開路状態
にあるスイッチ（図示されていない）を介して、宇宙船
に搭載された電流源（図示されていない）に前記抵抗体
４８、４８′が接続されることが可能である。

【００４１】前記スイッチを閉じる命令が送られると、
形状記憶材料で作られたスペーサ４６、４６′が、その
構造変態温度を越える温度に加熱される。従って結果的
に構造が再びオーステナイト相に戻り、この相転移の結
果としてこの場合は、より長さの大きいスペーサ４６、
４６′に相当する初期形状に回復される。

【００４２】図１の右側に示されるように、回転機構を
構成する種々の部品を適切な寸法にすることによって、
各々のスペーサ４６、４６′が伸長する際に、これらの
スペーサ４６、４６′がプレート４０、４０′と肩１０
ｅ　、１０′ｅ　との上を圧迫する。この結果として、
軸１０の延長部分１０ｂ　、１０′ｂ　の永久伸長が引
き起こされることになる。軸１０の正常な直径に比較し
て縮小された校正直径を前記延長部分に与えることによ
って、軸１０の各々の延長部分１０ｂ　、１０′ｂ　の
伸長が調整される。

【００４３】軸１０の延長部分１０ｂ　、１０′ｂ　の
永久伸長の結果として、固定ヨーク１１と可動ヨーク１
２との間に最初に加えられた応力が緩和され、スリーブ
３４、３４′と端部板２８、２８′との間に（一方では
円錐形当接面２８ａ　、３４ａ　の間に、他方では円錐
形当接面２８′ａ　、３４′ａ　の間に）遊びが生じる
ことになる。

【００４４】当然のことながら、上記のアセンブリは逆
にされることが可能である。即ち、軸１０が回転軸であ
り且つヨーク１２が固定ヨークであることが可能である
。結合手段３２、３２′と、形状記憶材料スペーサ４６
、４６′によって形成される前記結合手段解除手段とが
、軸受１４、１４′の各々に組み合わされて上記と同様
に使用される。

【００４５】本発明による小形で単純な結合手段を使用
することによって、回転機構の直ぐ近くに（特に回転機
構の軸受の直ぐ近くに）前記結合手段が配置されるが故
に、非常に効果的な回転機構の結合が実現される。この
結合は、一方では、従来的には必要とされることが多か
った火工技術的結合を廃止することを可能にし、他方で
は、寸法と重量とに関する大きな利点をもたらすことを
可能にする。この利点は、このタイプの軸受の使用が従
来は不可能だった機器構成において、このタイプの軸受
を使用することを可能にする。本発明によってこのタイ
プの軸受の使用が可能になる機器構成には、回転機構の
半径方向寸法が非常に制限されたものでなければならな
い場合や、回転機構内に組み込まれた軸受が打ち上げ時
に非常に大きな荷重に耐えなければならないが故に、本
発明による装置なしでは、その軸受が許容不可能な大形
の寸法になってしまう場合がある。

【００４６】更に、打ち上げの前に前記回転機構に予め
精確に加えられなければならなかった予備荷重が不必要
になり、従ってアセンブリの手順が著しく単純化される
ことが可能である。従って結合に必要な力が正確である
必要は全くない。

【００４７】更に形状記憶材料に固有の利点が、上記の
利点に加えられる。従って、このように操作される回転
機構の信頼性は完璧であり、その動作は衝撃も汚染も発
生させず、その回転機構の全体寸法が小さい。

【００４８】当然のことながら、本発明は上記の実施例
に限定されず、上記の実施例に対する様々な変形が可能
である。前述のように、本発明の適用は玉軸受に限定さ
れない。同様に、本発明の結合手段の構造と形状記憶材
料の形状とが、上記の実施例から大きく変更することも
可能である。更に場合によっては、形状記憶材料の形状
変化が太陽エネルギーによって引き起こされることが可
能であり、従って実施例では回転機構内に組み込まれて
いた加熱手段が取り除かれる。最後に回転機構の２つの
部品の間の相対回転は、無制限であることも、これとは
反対に３６０　°以下の角度に制限されることも可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】正常な運用状態では軸方向の遊びと半径方向の
遊びとを有する２つの玉軸受と、これらの玉軸受の各々
と組み合わされた結合装置（図の左側の結合装置は、打
ち上げ段階におけるその結合装置の結合状態で示され、
図の右側の結合装置は、正常な運用状態におけるその結
合装置の解除状態で示されている）とを備えた、宇宙船
搭載の回転機構の縦方向断面図である。

【図２】図１の線ＩＩ−ＩＩに沿った横断面図である。

【符号の説明】

１０　　軸（内側部品） １２　　外側可動ヨーク（外側部品） １２ａ　、１２′ａ　　　穴 １４、１４′　　玉軸受 １６、１６′　　玉軸受内輪 １７′　　ヘリカルコイルばね １８、１８′　　玉軸受外輪 ２４、３８、３８′　　スラストワッシャ２６　　スペ
ーサ ２８、２８′　　端部板 ３２、３２′　　結合手段 ３４、３４′　　スリーブ ３６、３６′　　ナット ４０、４０′　　プレート ４４、４４′　　弾性継手 ４６、４６′　　形状記憶材料製の管状スペーサ４８、
４８′　　電気抵抗体

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　宇宙船の打ち上げ段階の完了後に相対
   回転運動を与えられることが可能な内側部品と外側部品
   とを有する宇宙船用の回転機構であって、打ち上げ段階
   の間の前記内側部品と前記外側部品との間の相対回転を
   完全に防止する結合手段と、打ち上げ段階の完了後に前
   記結合手段を解除するための手段とを有し、前記解除手
   段が形状記憶材料で作られた部材を有し、前記材料の相
   転移温度を超過する時に前記部材が前記結合手段の解除
   を引き起こすことを特徴とする機構。
2. 【請求項２】　　外輪と内輪とを有する少なくとも１つ
   の軸受が前記内側部品と前記外側部品との間に配置され
   、その結果として、前記結合手段が前記軸受の前記外輪
   と前記内輪とに対して直接的に作用を及ぼすことを特徴
   とする請求項１に記載の機構。
3. 【請求項３】　　前記軸受が玉軸受であることを特徴と
   する請求項２に記載の機構。
4. 【請求項４】　　前記結合手段が、前記内側部品の延長
   部分の周囲に同軸中心に配置されたスリーブを有し、前
   記スリーブが、前記軸受の外輪と、前記軸受の内輪を支
   えている前記内側部品上に担持された締め付け手段との
   間で軸方向に圧縮されていることを特徴とする請求項２
   に記載の機構。
5. 【請求項５】　　前記形状記憶材料部材が、相転移温度
   の超時間に前記内側部品の延長部分を押圧してその伸長
   を引き起こすことが可能であるように、前記スリーブと
   前記内側部品の延長部分との間に取り付けられているこ
   とを特徴とする請求項４に記載の機構。
6. 【請求項６】　　前記スリーブと前記内側部品の延長部
   分との間に加熱手段も取り付けられ、前記加熱手段の動
   作によって前記形状記憶材料部材の前記相転移温度の超
   過が確実に行なわれることを特徴とする請求項５に記載
   の機構。
7. 【請求項７】　　前記スリーブが、前記外側部品に固定
   された端部板を介して前記軸受の外輪を圧迫し、前記ス
   リーブと前記端部板とが互いに相補的な円錐形の当接面
   を介して連係動作することを特徴とする請求項４に記載
   の機構。
8. 【請求項８】　　前記スリーブが、前記軸受の直ぐ近く
   に位置された、前記内側部品の延長部分の一部分上に形
   成された円筒形の当接面と連係動作する穴を有すること
   を特徴とする請求項４に記載の機構。
9. 【請求項９】　　前記軸受の前記外輪が、弾性分離継手
   を介して前記外側部品の穴の中に嵌め込まれていること
   を特徴とする請求項２に記載の機構。
10. 【請求項１０】　　外輪と内輪とを各々が有する２つの
    軸受を備え、２つの結合手段が互いに対向して取り付け
    られており、これらの結合手段が、前記外輪の各々と前
    記内側部品との間に直接的に作用し、前記内輪の一方が
    前記内側部品に固定され、また前記内輪の他方が前記内
    側部品上を軸方向に滑動することが可能であり、各々の
    前記結合手段と別々に組み合わされた２つの形状記憶材
    料部材が備えられている請求項２に記載の機構。