JPH0426015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は天板に配置された電話機、OA機器等
に接続されるケーブルの余剰長さ部分、或いはコ
ネクターのようなケーブル連結部材等を、机の外
観を損なうことなく、好適に収納することがで
き、しかも天板と脚とで囲まれた空間を閉成する
バツクパネルの剛性をも向上させた机に関する。

（従来の技術） 机の天板に配置された電話機、OA機器等に、
床面から立ち上るケーブルを接続するのにあた
り、そのケーブルの長さを当面の使用長さより必
要以上に長く確保して、電話機、OA機器等の配
置変えなどに備えるのが普通である。しかして、
そのケーブルの余剰長さ部分を、机の外観を損な
うことなく収納できるように構成された机が種々
提供されている。例えば、天板と脚とに着脱可能
に取付けられる第１バツクパネルの内側面に対向
して、第２バツクパネルが天板と脚とに取付けら
れ、この第２バツクパネルの内側面、つまり第１
バツクパネルとの対向面に、上下方向所定の間隔
を有して幅方向にのびる複数の断面Ｌ字形金属支
持棚を固着し、これら支持棚に前述のケーブルの
余剰長さ部分を適当に束ねて支持させるもの、あ
るいは第２バツクパネルの内側面に複数のフツク
を固着し、これらフツクにケーブルの余剰長さ部
分を束ねて懸吊支持するようになされたもの等が
ある。

（考案が解決しようとする問題点） これら従来の机では、外観を損なうことなくケ
ーブルの余剰長さ部分を収納する目的を達成する
ことができるけれども、前述の支持棚およびフツ
クはメーカーサイドで設定した既設のものである
から、電話機およびOA機器等の配置数が少ない
場合、あるいはケーブルの余剰長さ部分が短い場
合において、支持棚およびフツクの使用が少な
く、未使用部分が多くなる無駄を生じる。

逆に、電話機およびOA機器等の配置数が多い
場合、あるいはケーブルの余剰長さ部分が長寸の
場合、あるいはケーブルを片寄つて集中的に収納
させる必要が生じた場合においては、既設の支持
棚およびフツクをもつて整頓よく個別に支持する
ことができない制約をうける。つまり、前記支持
棚およびフツクは、未使用部分が多くならないよ
う予め想定して第２バツクパネルに２〜３個固着
してあるので、ケーブルの本数が多い場合、ある
いはケーブルの本数が多くなくても余剰長さ部分
が長寸の場合、あるいはケーブルを片寄つて収納
した場合には、一つの支持棚あるいはフツクに複
数本の異なるケーブルを積み重ねるように使用せ
ざるを得なくなる。このような状態になると、天
板上の電話機、OA機器等の配置変えなどのとき
に、取り出そうとするケーブルと他のケーブルが
こんがらがり、配置変えを容易かつ迅速に行えな
くなるのである。

一方、上記のような従来の机に用いられている
バツクパネルは、天板と脚で囲まれた比較的大き
な空間の後端部を閉成するものであるため剛性が
低いものであつた。すなわち、上記のようなバツ
クパネルは、机に幅方向へのゆがみを防止する機
能が小さい他、わずかな衝撃を受けただけで、比
較的長時間にわたて大きく振動し、不快感を感じ
易く質感も低いという問題があつた。

本考案はこのような事情に鑑みなされたもの
で、天板に配置された電話機、OA機器等に接続
されるケーブルの余剰長さ部分、或いはコネクタ
ーのようなケーブル連結部材等を、机の外観を損
なうことなく好適に収納し得ることは勿論のこ
と、さらに、不使用部分が多くなる無駄を省略で
き、かつケーブル本数が多い場合あるいはケーブ
ルの余剰長さが長寸の場合でも整頓よく収納で
き、天板上の電話機、OA機器等の配置変えなど
のときもこれを容易かつ迅速に行うことができる
とともに、剛性度の高い机を提供することを目的
とする。

本考案の他の目的は、上記のような第１の目的
を達成すると同時に前述の如きバツクパネルの剛
性を向上させることができるようにした机を提供
することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る机は、少なくとも１つのバツクパ
ネルの内側面に、周縁をバツクパネルに固着する
とともに中央部とバツクパネルとの間に隙間を有
するハンガーパネルが装着され、このハンガーパ
ネルには多数の係止孔が穿設され、これらの係止
孔の内の少なくとも一部にその係止孔の形成に伴
う切り起こしにより形成されたステーが連設さ
れ、このステーの先端がバツクパネルの内側面に
当接され、前記多数の係止孔から選択された係止
孔にハンガーが係止され、このハンガーに、前記
ハンガーパネルの外面側に導入された、天板に配
置される電話機、あるいはOA機器等に接続させ
るためのケーブルを掛支するようにしている。

（作用） 本考案においては、必要に応じてハンガーパネ
ルの係止孔にハンガーを係止させて、ケーブルの
余剰長さ部分等を掛支できるので、未使用部分が
多くなる無駄を省略でき、また、掛支位置の選択
や掛支の数等が、ハンガーパネルに穿設した多数
の係止孔とこれに係止させるハンガーによつて任
意にできるから、ケーブル本数が多数本でも又ケ
ーブルの余剰長さが長寸でも、掛支位置の選択、
掛支の数等を適切に行うことにより、これらケー
ブルを整頓よく掛支することができる。特に、そ
の掛支位置の選択、掛支の数によつては複数本の
ケーブルを個別に掛支することもできる。従つ
て、天板に配置された電話機、OA機器等の配置
変えなどのときも、これを容易かつ迅速に行うこ
とができる。

また、本考案においては、バツクパネルの内側
面に一体結合させたハンガーパネルによつてシエ
ル状閉断面を構成する上、バツクパネルとハンガ
ーパネルの少なくとも一方から他方の対向面に当
接するステーを延設しているから、バツクパネル
の幅方向、面方向とも剛性度が著しく高められ
る。すなわち、ハンガーパネルは、ケーブルを掛
支する部材として機能すると同時に、机の前後方
向および幅方向へのゆがみやバツクパネルの振動
を防止する機能も併せて備えている。

（実施例） 第１図は本考案に係る机の第１実施例を示す外
観斜視図、第２図は第１図における−線に沿
う断面図を示し、これらの図において、机１は天
板２と一対の脚３，３とを有し、これら天板２と
脚３，３とで囲まれた空間の後端部がバツクパネ
ル４によつて閉成され、このバツクパネル４の前
側近傍にもう一つのバツクパネル５が対向配設さ
れている。

これらバツクパネル４，５は薄鋼板をプレス加
工することによつて形成され、それぞれが天板２
と脚３，３とに着脱かつ開閉可能に取り付けられ
ている。また、これらバツクパネル４，５の互い
の対向面側つまり内側面に、それぞれハンガーパ
ネル６が一体結合されている。第２図から明らか
なように、これらのハンガーパネル６は、その周
縁部がバツクパネル４，５に固着されており、且
つこの周縁部以外の中央部はバツクパネル４，５
との間に隙間を有している。ここでは、ハンガー
パネル６の周縁部はスポツト溶接によりバツクパ
ネル４，５の内側面に固着されている。上記のよ
うなバツクパネル４もしくは５とハンガーパネル
６により、シエル形の閉断面構造が構成されてい
る。

ハンガーパネル６には第３図のように多数の係
止孔６ａが、適当な上下方向および横方向の間隔
を有して多数個穿設されている。そして、これら
の係止孔６ａは、第４図に示すように、バツクパ
ネル４，５の対向面に当接する１つのステー１１
を切り起しにより延設させることによつて形成さ
れる。なお、ステー１１は先端部分１１ａを係止
孔６ａと対向するように形成すれば、該先端部分
１１ａとバツクパネル４，５とのスポツト溶接が
前記係止孔６ａを通じて適当な箇所で可能とな
る。そして、このスポツト溶接を行えば、ステー
１１の先端部分１１ａをバツクパネル４，５に単
に当接させている場合に比べこのバツクパネル
４，５をより極薄にしても剛性度の高い机用バツ
クパネルを得ることができる。

また、バツクパネル４，５は、第２図のように
例えばそれぞれの下端部両側を脚３，３の内面に
対してヒンジ結合７，７するとともに、バツクパ
ネル４の上端部が桁材８を介して天板２の下面に
ビス止め（図示せず）され、バツクパネル５の上
端部両側は止め部材９を介して脚３，３の内面に
取付けられている。したがつて、バツクパネル４
は前記ビスを除去することによつてヒンジ結合部
７を支点に仮想線で示すように開成され、また机
１から取り外すこともできる。同様に、バツクパ
ネル５も、止め部材９を取り除くことで、ヒンジ
結合部７を支点に開成されかつ机１から取り外す
ことができる。即ち、互換性をもつているバツク
パネル４と５とが天板２と脚３，３とに着脱かつ
開閉可能に取付けられている。

第５図、第６図に示す１０はハンガーで、本実
施例では鋼線を塑性変形させることによつて成形
され、水平方向前方にのびる掛支部１０Ａ、この
掛支部１０Ａの後端から上方にのびる立上り部１
０Ｂ、この立上り部１０Ｂの上端から水平方向後
方にのび、かつ後端部に両側へ突出する係止片１
０ｄを形成した係止部１０Ｄを有し、この係止部
１０Ｄを幅方向に弾性縮小させることができる。

１２はケーブル引出用のスリツトで、天板２の
後端部に幅方向ほぼ全長にわたつて開設され、こ
のケーブル引出用スリツトから引出されたケーブ
ル１２Ａ，１２Ｂ（導電ケーブル、光フアイバー
ケーブル等）が天板２に配置された電話機１３、
OA機器１４等に接続される。

つぎに、使用状態を説明する。まず、前述の手
順によつて、第２図の仮想線で示すように、バツ
クパネル４を開放する。ついで、バツクパネル５
に一体結合させたハンガーパネル６の、例えば２
つの係止孔６ａを選択し、各係止孔６ａにハンガ
ー１０を係止させる。

ハンガー１０は、一方の係止片１０ｄを係止孔
６ａに挿入してその一方の係止部１０Ｄを係止孔
６ａの片側の縁に係止させ、ついで他方の係止部
１０Ｄを前記一方の係止部１０Ｄに向けて弾性縮
小させ、その他方の係止片１０ｄを係止孔６ａに
挿入して前記弾性縮小力を解除することにより、
ハンガー１０を第６図に示すように係止孔６ａに
係止できる。

このように係止されたハンガー１０に対して、
第７図に示すように、電話機１３、OA機器１４
に接続させるために、床面から立ち上るケーブル
１２Ａ，１２Ｂの余剰長さ部分１２Ａ１，１２Ｂ
１、即ち、環状に巻回して束ねた部分１２Ａ１，
１２Ｂ１をハンガー１０の掛支部１０Ａに掛支さ
せる。

一方、コネクター等のケーブル連結部材１５は
ハンガーパネル６の外面に、例えば粘着テープ
（図示せず）を介して貼着して支持させ、適宜結
線を施すものである。勿論、結線を施したのちに
貼着してもよい。いずれにしても、選択した好適
な位置に貼着できる。

なお、このようなケーブル連結部材１５は、前
記ハンガー１０に掛支させるようにしてもよい
し、またハンガーパネル６の係止孔６ａを利用し
て直接または係止具を介して間接的に掛支させる
ようにしてもよい。

このように、ケーブル１２Ａ，１２Ｂの余剰長
さ部分１２Ａ１，１２Ｂ１の掛支とケーブル連結
部材１５の支持が完了し、ケーブル引出用スリツ
ト１２から引き出されたケーブル１２Ａ，１２Ｂ
を、電話機１３とOA機器１４に接続したのち、
バツクパネル４を閉成固定する。その結果、机１
の外観を損なうことなく、ケーブル１２Ａ，１２
Ｂの余剰長さ部分１２Ａ１，１２Ｂ１およびケー
ブル連結部材１５を、バツクパネル４，５、天板
２および脚３，３によつて囲まれた空間に収納で
きる。

さらに、バツクパネル４，５に、それぞれハン
ガーパネル６を一体結合して、それぞれシエル形
の閉断面構造として幅方向の剛性を高めていると
ともに、ハンガーパネル６からバツクパネル４，
５の対向面に当接するステー１１を延設し、この
ステー１１を介してバツクパネル４，５とハンガ
ーパネル６とを互いに干渉させているから、中空
状のシエル形の閉断面構造よりも、さらに面方向
の剛性が高くなり、したがつて薄肉の鋼板を使用
しても、高い剛性度をもたせることができ、軽量
化を有効に達成できるのみならず、このバツクパ
ネル４，５を、天板２と脚３，３とで囲まれた空
間の後端部に取付けることで、机の幅方向および
前後方向のゆがみを確実に防止でき、強固な机を
構成することができる。

また、ハンガー１０は、天板２に配置される電
話機１３、OA機器１４等の配置数、ケーブル１
２Ａ，１２Ｂにおける余剰長さ部分１２Ａ１，１
２Ｂ１の寸法、つまり余剰部分の量に応じて適当
数ハンガーパネル６の係止孔６ａに係止すればよ
いものであるから、ケーブルを掛支するハンガー
の未使用が多くなるといつた無駄を解消すること
ができると共に、ケーブルを掛支する数量が多い
場合あるいはケーブルを片寄つて掛支する必要が
ある場合には、ハンガー１０の数量、係止位置を
適宜設定することにより、整頓よく（ケーブルの
数量によつては個別に）掛支することができる。
従つて、電話機、OA機器等の配置変えなどのと
きも、ほかのケーブルとのほつれに煩わされるこ
となく、容易かつ迅速に行える。

前記実施例では、バツクパネル４，５の対向面
に当接する１つのステー１１を切り起しにより延
設することで、各係止孔６ａを形成した構成で説
明しているが、第８ａ図に示すように、複数の係
止孔６ａから選択された係止孔６ａだけに、ステ
ー１１を切り起し延設する構成としてもよい。

また、係止孔６ａが１つのステー１１を切り起
しにより延設させることによつて形成された構成
に代えて、第８ｂ図に示すように、上下に対向す
る一対のステー１１，１１を切り起しにより延設
することで、係止孔６ａを形成する構成としても
よい。

また、前記実施例では、２つのバツクパネル
４、５を使用する場合について説明したが、勿
論、バツクパネル４だけを使用する机について適
用できるものである。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、机の外
観を損なうことなく隠蔽した状態でケーブルの余
剰長さ部分、あるいはケーブル連結部材等を好適
に収納できる。しかも、必要に応じてハンガーパ
ネルの係止孔にハンガーを係止させることによつ
て未使用部分が多くなる無駄を防止することがで
き、一方、ケーブル本数が多い場合やケーブルの
余剰長さが長寸の場合等にはハンガーの数やその
係止位置等を適宜設定することにより、これら複
数本のケーブルを積み重ねることなく整頓よく掛
支することができる。従つて、そのケーブルに接
続された電話機、OA機器等を配置変えするとき
などにも、他のケーブルともつれることなく容易
かつ迅速に配置変えを行うことができるものであ
る。

また、バツクパネルにハンガーパネルを一体結
合させたこと、およびバツクパネルとハンガーパ
ネルの少なくとも一方から他方の対向面に当接す
るステーが延設されていることによつて、バツク
パネルおよびハンガーパネルを薄板で構成しても
強固な机用バツクパネルを構成することができ、
これによつてバツクパネルの経済性や軽量化を有
効に達成できるのみならず、これを取付けた机の
経済性や軽量化にも寄与することができ、またこ
の強固なバツクパネルによつて、例えば机上の重
量物による巾方向および前後方向のゆがみも効果
的に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る机の第１実施例を示す外
観斜視図、第２図は第１図における−線に沿
う断面図、第３図はハンガーパネルの正面図、第
４図は第３図における−線に沿う拡大断面
図、第５図はハンガーの一例を示す斜視図、第６
図は同係止状態を示す斜視図、第７図はケーブル
の掛支状態とケーブル連結部材の貼着支持状態の
一例を示す正面図、第８ａ図および第８ｂ図はス
テーの他の実施例を示す説明側面図である。 １……机、２……天板、３……脚、４，５……
バツクパネル、６……ハンガーパネル、１０……
ハンガー、１１……ステー、１２Ａ，１２Ｂ……
ケーブル、１３……電話機、１４……OA機器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 天板と脚とで囲まれた空間の後端部を閉成する
   少なくとも１つのバツクパネルが前記天板と脚と
   に取付けられた机において、 少なくとも１つのバツクパネルの内側面に、周
   縁をバツクパネルに固着するとともに中央部とバ
   ツクパネルとの間に隙間を有するハンガーパネル
   が装着され、このハンガーパネルには多数の係止
   孔が穿設され、これらの係止孔の内の少なくとも
   一部にその係止孔の形成に伴う切り起こしにより
   形成されたステーが連設され、このステーの先端
   がバツクパネルの内側面に当接され、前記多数の
   係止孔から選択された係止孔にハンガーが係止さ
   れ、このハンガーに、前記ハンガーパネルの外面
   側に導入された、天板に配置される電話機、ある
   いはOA機器等に接続させるためのケーブルを掛
   支するようにしていることを特徴とする机。