JPH04257659A - ターボ冷凍機の容量制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】〔発明の目的〕

【０００２】

【産業上の利用分野】本発明は原子力発電所等に使用さ
れ高信頼性および自動運転機能が要求されるターボ冷凍
機に係り、特に冷凍機起動時の容量を制御するターボ冷
凍機の容量制御装置に関する。

【０００３】

【従来の技術】一般に、ターボ冷凍機は換気空調設備へ
冷房用の冷水を供給するために用いられる。図２にター
ボ冷凍機を用いた空調用冷水系の系統構成を示す。

【０００４】ターボ冷凍機１は系統水を定められた温度
の冷水にするものであって、冷却された冷水は冷凍機用
のポンプ２により配管３を通して冷却コイル４，５およ
び６へ送られる。冷凍機１で作られた冷水はこの冷却コ
イル４，５および６にて空気と熱交換され、換気空調設
備を冷却する。冷凍機１の排熱は冷却水配管７により系
外へ運ばれる。

【０００５】ここで、ターボ冷凍機は原子力発電所等に
使用され、系統の連続運転に関し高い信頼性が要求され
る場合、予備用として他の冷凍機１ａ、ポンプ２ａを設
置し、常に待機機（予備機）を有する構成としている。 因みに、予備用冷凍機１ａおよびポンプ２ａは運転中の
冷凍機１、ポンプ２の故障，停止時に起動することで、
系統の能力を維持するようになっている。

【０００６】ところで、ターボ冷凍機は常に一定の温度
の冷水を供給すべく自動的に容量制御を行う。すなわち
、冷却コイル４，５および６にかかる負荷が季節的な要
因等によって変化した場合でも、冷凍機は常に一定の温
度の冷水を供給できるようになっている。その具体的な
構成を図３に示す。冷媒はターボ圧縮機１１で圧縮され
、凝縮器１２で冷却水により冷却され、膨張弁１３から
蒸発器１４へ入り系統水と熱交換し、系統水を冷却する
。そして、冷媒は系統水の熱により蒸発して再び圧縮機
１１へ戻る、いわゆる冷凍サイクルを構成している。 また、図３において、１５，１６は系統水（冷水）の入
口，系統水の出口を、１７，１８は冷却水の入口，冷却
水の出口をそれぞれ示している。

【０００７】ここで、冷凍機の容量制御は、ターボ圧縮
機１１の吸込側に設けたサクションベーン１９の開閉に
より冷媒の吸込量を変更することにより行う。これはタ
ーボ冷凍機の目的が常時一定の温度の冷水を供給するこ
とにあるため、冷水出口ノズルに設けた温度計２０から
の測定信号をコントローラ２１に送出し、このコントロ
ーラ２１によって冷水温度が設定値より高ければ、サク
ションベーン１９を開け冷凍能力を高める一方、冷水温
度が設定値より低ければ、サクションベーン１９を閉止
し冷凍能力を低くする。また、冷凍機自体の保護回路と
して一般に冷水の過冷却を防止するため温度スイッチ２
２や、蒸発圧力スイッチ２３、凝縮圧力スイッチ２４が
設けられ、異常時にはこれらが作動して冷凍機を自動停
止させるようになっている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、予備機
を有する系統で大型のターボ冷凍機を起動する際、特に
系統の負荷が小さく、冷水の冷凍機入口温度が低い場合
には、冷凍機本体の容量制御系の反応が実際の冷水温度
の変化に追従できず過冷却となり、保護回路が作動し、
起動したばかりの冷凍機が自動停止してしまうことがあ
る。以下にその理由を説明する。

【０００９】停止中の冷凍機には冷水が循環されていな
いため、温度計２０は滞留水の温度を測定している。冷
凍機の停止期間が長くなると、滞留水の水温は冷凍機の
設置されている室の温度と同等となる。そして、予備機
の運転指令信号と同時に冷凍機ポンプは起動し、滞留水
より温度の低い系統水が冷凍機内に入る。

【００１０】つまり、温度計２０の設置位置の冷水温度
は、比較的数十秒という短時間で温度が低下するものの
、温度計２０は温度検出端の保護および保守・点検用に
ステンレス製の保護管に挿入されているため、急激な温
度変化に追従できず、温度検出の時間遅れが数分間生ず
る。すると、容量制御系は実際の系統水温度がさほど高
くないにも拘らず、温度計２０からの時間遅れのある信
号によりサクションベーン１９が全開となるような制御
をしてしまう。その結果、冷凍機出口の冷水温度は低下
し、数分後冷凍機の過冷却を防止するための保護回路で
ある温度スイッチ２２または蒸発圧力スイッチ２３が作
動し、起動した冷凍機は数分で停止してしまう問題点が
ある。

【００１１】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、冷凍機冷水系において、系統の負荷が小さく室温と
差のある場合にも、ターボ冷凍機が確実且つ自動的に起
動するようにしたターボ冷凍機の容量制御装置を提供す
ることにある。〔発明の構成〕

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るターボ冷凍機の容量制御装置は、圧
縮機入口部に配置し容量を制御するサクションベーンと
、冷凍機冷水出口温度を測定する温度計と、この温度計
の測定結果に基づいてサクションベーンの開度を制御す
るコントローラと、冷媒の蒸発圧力を計測する圧力計と
を有し、冷凍機起動時に上記圧力計の計測結果に基づい
てコントローラを通して上記サクションベーンの開度を
制御することを特徴とする。

【００１３】

【作用】このターボ冷凍機の容量制御装置において、冷
凍機起動後、冷凍機出口冷水温度が安定するまでの時間
、冷凍機の容量制御は冷凍機の運転状態を最も感度良く
検出できる冷媒蒸発圧力信号により、サクションベーン
の開度を制御して行う。

【００１４】

【実施例】以下、本発明に係るターボ冷凍機の容量制御
装置の一実施例について図１を参照して説明する。なお
、従来の構成と同一または対応する部分には図３と同一
の符号を用いて説明する。

【００１５】図１において、ターボ圧縮機１１は冷媒を
圧縮し、この冷媒は凝縮器１２で冷却水により冷却され
て液化し、そして膨張弁１３から蒸発器１４へ入り系統
水と熱交換し、系統水を冷却する。また、冷媒は系統水
の熱を得て蒸発し再び圧縮機１１へ戻る、冷凍サイクル
を構成している。

【００１６】ターボ圧縮機１１の吸込側には、容量制御
用のサクションベーン１９が設けられ、その開度を制御
することにより冷媒の吸込量を調節している。つまり、
冷水出口１６には温度計２０が設置され、温度計２０の
測定信号をコントローラ２１に送出し、このコントロー
ラ２１によってサクションベーン１９の開度を制御する
。また、蒸発器１４には圧力計としての圧力スイッチ３
１が設けられ、この圧力スイッチ３１は冷媒蒸発圧力を
検出し、その検出信号はタイマー３２を介してコントロ
ーラ２１に入力され、圧力スイッチ３１は冷媒蒸発圧力
が設定値に達したとき、サクションベーン１９の開度を
制御する信号を送出する。タイマー３２は容量制御時間
を設定している。

【００１７】次に、本実施例の作用を説明する。

【００１８】冷凍機起動時からタイマー３２にて計測し
た一定時間、例えば１０分間は、冷水出口１６に設置し
た温度計２０からの冷却水出口温度測定信号による通常
のサクションベーン１９の開度制御の他に、蒸発器１４
に設けた圧力スイッチ３１からの冷媒蒸発圧力測定信号
をコントローラ２１に入力して以下の制御を行う。

【００１９】冷媒蒸発圧力が冷水出口温度に換算し例え
ば約６℃に相当する−４００ｍｍＨｇＶａｃ　まではサ
クションベーン１９は温度計２０からの冷却水出口温度
信号により制御される。次いで、冷媒蒸発圧力が冷水出
口温度に換算し例えば約６．２℃に相当する−４００ｍ
ｍＨｇＶａｃ　となったときは、サクションベーン１９
がそれ以上の開度とならないように、温度計２０からの
“開要求信号”に拘らず、サクションベーン１９の開度
を固定する。

【００２０】サクションベーン１９の開度固定の結果、
圧力スイッチ３１で検出した冷媒蒸発圧力が例えば、−
３９０ｍｍＨｇＶａｃ　（冷水出口温度６．５℃に相当
）まで回復したら、温度計２０の制御に戻る。上記冷媒
蒸発圧力によるサクションベーン１９の開度制御を行っ
ても過渡的に蒸発圧力がさらに低下するようであれば、
冷媒蒸発圧力が例えば−４１０ｍｍＨｇＶａｃ　（冷水
出口温度５．５℃に相当）になった時点でサクションベ
ーン１９を強制的に閉方向に動作させる。強制的な閉動
作の結果、冷媒蒸発圧力が例えば−３９９ｍｍＨｇＶａ
ｃ　（冷水出口温度６．３℃に相当）まで回復したら、
上記冷媒蒸発圧力によるサクションベーン１９の開度制
御に戻る。なお、上記冷水出口温度への換算にあっては
、冷媒にＲ１１を用いた場合である。

【００２１】したがって、本実施例では、冷凍機起動後
、冷凍機出口冷水温度が安定するまでの時間、冷凍機の
容量制御は冷凍機の運転状態を最も感度良く検出できる
圧力スイッチ３１で得た冷媒蒸発圧力信号に基づいて、
サクションベーン１９の開度を制御することで行う。

【００２２】すなわち、冷媒蒸発圧力がある設定値に達
したらサクションベーン１９がそれ以上の開度とならな
いように、コントローラ２１を通してサクションベーン
１９の動きを停止させる。冷媒蒸発圧力が設定圧力以上
では温度計２０からの温度検出信号によるサクションベ
ーン１９の制御を優先させる。サクションベーン１９が
上記開度制限により停止しても過渡的に圧力がさらに降
下した場合は、圧力スイッチ３１の次の設定値でサクシ
ョンベーン１９を強制的に閉止する。すなわち、圧力ス
イッチ３１は圧力設定値を２つ有し、第１の圧力設定値
ではサクションベーン１９を強制的にロックし、第２の
圧力設定値では、サクションベーン１９を強制的に閉め
るようにしている。この場合圧力による制御が温度によ
る制御に優先するようになっている。

【００２３】以上の制御により、冷媒蒸発圧力および冷
水出口温度を過度に低下させることがないので、冷水出
口１５に設置した温度スイッチ２２（例えば５℃で動作
）や蒸発圧力スイッチ２３（例えば−４８０ｍｍＨｇＶ
ａｃ　で動作）を働かすことなく、安定した運転ができ
る。

【００２４】このように本実施例によれば、圧力スイッ
チの冷媒蒸発圧力によるサクションベーンの開度制御を
冷凍機起動時の規定時間、例えば１０分間のみ働かせる
ことにより、冷媒の漏洩による冷媒量の減少や伝熱管の
汚れによる熱交換量の不足といった本来の意味での冷媒
蒸発圧力「低」による冷凍機の保護機能を損なわないで
済む。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るター
ボ冷凍機の容量制御装置によれば、冷凍機の起動時に冷
媒蒸発圧力および冷水出口温度を過度に低下させること
ないので、冷凍機の過冷却を防止するための保護回路を
作動させず、冷凍機の安定した起動が可能となって、信
頼性が大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るターボ冷凍機の容量制御装置の一
実施例を示す系統図。

【図２】ターボ冷凍機を用いた空調用冷水系の概略系統
図。

【図３】従来のターボ冷凍機の容量制御装置の一例を示
す系統図。

【符号の説明】

１１　　ターボ圧縮機 １２　　凝縮器 １３　　膨張弁 １４　　蒸発器 １５　　冷水入口 １６　　冷水出口 １９　　サクションベーン ２０　　温度計 ２１　　コントローラ ２２　　温度スイッチ ２３　　蒸発圧力スイッチ ３１　　圧力スイッチ（圧力計） ３２　　タイマー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　圧縮機入口部に配置し容量を制御する
   サクションベーンと、冷凍機冷水出口温度を測定する温
   度計と、この温度計の測定結果に基づいてサクションベ
   ーンの開度を制御するコントローラと、冷媒の蒸発圧力
   を計測する圧力計とを有し、冷凍機起動時には温度計か
   らの冷水出口温度信号の他に、前記圧力計の計測結果に
   基づいてコントローラを通して上記サクションベーンの
   開度を制御するように設定したことを特徴とするターボ
   冷凍機の容量制御装置。