JPH04252193A - 蛋白質の産生方法 - Google Patents

蛋白質の産生方法

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JPH04252193A
JPH04252193A JP3007898A JP789891A JPH04252193A JP H04252193 A JPH04252193 A JP H04252193A JP 3007898 A JP3007898 A JP 3007898A JP 789891 A JP789891 A JP 789891A JP H04252193 A JPH04252193 A JP H04252193A
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JP
Japan
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gene
protein
selection marker
dna
thermus
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JP3007898A
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Yasuo Oshima
泰郎 大島
Akihiko Yamagishi
明彦 山岸
Masatada Tamakoshi
玉腰 雅忠
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子組換え技術によ
り、非耐熱性蛋白質遺伝子を好熱性菌であるサーマス属
菌中において発現させ、耐熱性蛋白質を産生させる方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする問題点】一般
に、蛋白質は熱に対して不安定である。しかし、好熱性
菌はその生育温度が50℃以上と高く、その菌の持つ酵
素は、そのような高い生育温度付近で最大活性を示す。 また、好熱性菌の構成蛋白質は、高い生育温度において
も十分高次構造を保っている。
【0003】そこで、常温では安定だが高温では不安定
な酵素などの蛋白質を、高い温度においても安定にその
機能を発現するような蛋白質に置き換えることができれ
ば、その酵素などの蛋白質を使用した系が安定化され、
特に、工業的なプロセスにおいての使用に有益である。
【0004】近年、種々の好熱性菌から各種蛋白質が分
離精製され、常温で安定な蛋白質と同様な機能を有する
蛋白質が幾つか見出されている。しかし、このような方
法では、見出される蛋白質の種類も制限される。常温で
は安定だが高温では不安定な酵素などの蛋白質を、人工
的に、高い温度においても安定にその機能を発現するよ
うな耐熱性の蛋白質に変えることができれば、それら蛋
白質の利用範囲は著しく広がる。
【0005】Liaoらは、中度好熱菌であるバチルス
属菌に、外来遺伝子を核外遺伝子として導入し、カナマ
イシン耐性遺伝子を選択マーカーとしてカナマイシン耐
性の菌を選択し、該外来遺伝子を発現する菌を得ている
〔Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A
.,83,576−580(1986)〕。
【0006】本発明者らは、高度好熱性菌であるサーマ
ス属菌を用い、耐熱性の蛋白質にしたいと考える蛋白質
をコードする非耐熱性構造遺伝子を形質転換し、相同部
位組換えにより上記非耐熱性構造遺伝子を染色体に導入
し、耐熱性蛋白質を得る方法に着目し、鋭意検討した結
果、70℃以上の高い温度においても安定に機能を発現
するような耐熱性の蛋白質が得られることを知得し、本
発明に到達した。
【0007】以下本発明を説明するに、本発明の要旨は
、選択マーカーとなり得る遺伝子を欠失させたサーマス
属菌を、該選択マーカー遺伝子と非耐熱性構造遺伝子が
該選択マーカー遺伝子のフランキング領域ではさまれた
DNA断片を含むDNAで形質転換して、相同部位組換
えを行い、次いで昇温して、該選択マーカーおよび非耐
熱性構造遺伝子を発現する形質転換体を選択し、さらに
該形質転換体を培養して、該非耐熱性構造遺伝子のコー
ドする蛋白質を耐熱性蛋白質として発現させることを特
徴とする蛋白質の産生方法に存する。
【0008】以下に本発明を説明する。 ■  宿主(ホスト) 本発明で用いられる宿主は、サーマス属菌由来で選択マ
ーカーとなり得る遺伝子を欠失した、あるいは欠失させ
たサーマス属菌である。この場合の選択マーカーとは、
外来遺伝子で宿主を形質転換させた場合、容易にスクリ
ーニングできるものである。抗生物質は、一般に、熱に
弱いので、70℃以上の温度においても安定な蛋白質を
得ようとする場合には、選択マーカー遺伝子としては、
抗生物質抵抗性遺伝子以外の宿主由来の構造遺伝子を選
択マーカー遺伝子とするのが好ましい。このような選択
マーカー遺伝子としては、例えば、実施例に示すような
IPMDH(イソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ)
を挙げることができる。IPMDHを選択マーカーとし
た場合、この遺伝子(leuBまたは、leuB遺伝子
)を含む外来DNAで形質転換した上記宿主だけがロイ
シンの含まない培地で生育することができる。選択マー
カーとしては、このロイシン合成系の蛋白質以外でも、
例えば、栄養素を合成する過程で用いられる酵素でも良
いし、いわゆる生育するのに不可欠な酵素あるいは蛋白
質(house  keeping  protein
)であれば、それを用いることも可能である。
【0009】選択マーカーを欠失させるには、例えば、
後述の実施例Aの■に示すように、選択マーカーとすべ
き、該選択マーカーをコードする遺伝子を欠失させた、
プラスミドpTH4LP5を用いて野生株を形質転換さ
せ、その後、相同部位組換えにより、容易に得ることが
できる。
【0010】■  発現ベクター 上記■の宿主を形質転換するために本発明で使用するD
NAの特徴は、■で記載した選択マーカー遺伝子と耐熱
性蛋白質として産生させたい所望の蛋白質をコードする
非耐熱性構造遺伝子を、該選択マーカー遺伝子の5′側
と3′側の近傍領域、即ちフランキング領域ではさまれ
たDNA断片を含むことにある。本発明においては、か
かるDNAは、形質転換体のなかで核外遺伝子として存
在させて発現させるのではなく、後述の相同部位組換え
によって染色体の選択マーカー遺伝子の位置に組み込み
、染色体にもともとあるプロモーター領域、オペレータ
ー領域等を利用して目的の非耐熱性構造遺伝子を発現さ
せるので、選択マーカー遺伝子と非耐熱性構造遺伝子が
該選択マーカー遺伝子のフランキング領域ではさまれた
DNA断片は、宿主の染色体と相同組換えし得る形態で
あれば特に制限はない。もとよりかかるDNA断片を発
現ベクターに組み込んで使用してもよい。
【0011】本発明の非耐熱性構造遺伝子とは、常温で
は正常な蛋白機能を有するが、温度を上げるに従ってそ
の機能が低下し、ついには失われてしまうような蛋白質
をコードするような遺伝子であり、その由来は種を問わ
ず全てのものが適用できる。例えば、大腸菌のIPMD
Hや制限酵素(EcoRI、EcoRVなど)、市販さ
れている制限酵素のうち37℃付近で反応させるもの(
BamHI、PstI、PvuIIなど)、ヒトのt−
PA、ApoE、カリクレン、IL−1からIL−11
まで、GM−CSFとその受容体、ウイルスの構成蛋白
質などの遺伝子が挙げられる。
【0012】前述のフランキング領域、即ち、「選択マ
ーカー遺伝子の5′側と3′側の近傍領域」としては、
通常、選択マーカーをコードする遺伝子の開始コドンか
ら上流に存在する約200bp以上の長さを持つ領域と
終結コドンから下流に存在する約200bp以上の領域
が使用される。5′側領域と3′側領域の長さは、長い
分には差し支えない(染色体そのものも、この役割を果
たすことができる)。しかしながら、非耐熱性構造遺伝
子を設計通り宿主に導入するためには一般に大腸菌など
の宿主・ベクターを用いて該発現ベクターを構築して形
質転換を行うのが好ましいのであるが、余り長い領域を
用いると、大腸菌などの宿主・ベクターでの形質転換の
効率が悪くなるので、あらかじめこの事を考慮して5′
側領域及び3′側領域共、約200bp〜約3Kbp、
好ましくは、約400bp〜約1Kbpの長さの範囲か
ら選んで用いると良い。
【0013】発現ベクターとしては、図1−図5に示す
プラスミドpTH4BLP5,pL95C,pIT12
,pIT13,pIT12などが使用することができる
。これら発現ベクターに、所望の非耐熱性構造遺伝子を
導入する。基本構成としては、該選択マーカー遺伝子と
非耐熱性構造遺伝子の両方あるいはどちらかが、該選択
マーカー遺伝子の両側の領域ではさまれたDNAを含む
発現ベクターである。
【0014】■  宿主の形質転換 宿主の形質転換は、例えば、Y.Koyamaら(J.
Bacteriol.121,338−340(198
6))の報告した方法に従って行うことができる。形質
転換させる時、DNAまたは、形質転換させたい遺伝子
を持つプラスミドを保持する菌(たとえば大腸菌)を培
養液に混ぜるが、その時の温度は約50℃から80℃の
適度なものを選び培養する。
【0015】また、形質転換時に用いる培養液としては
、サーマス属菌用最少培地を用いカルシウムイオンとマ
グネシウムイオンの2価のイオン濃度を、それぞれ1〜
3mMに調製することにより、形質転換の効率を上げる
ことができるので好ましい。 ■  相同部位組換え 上記■のようにして形質転換し、約50〜80℃の温度
の条件下において相同部位組換えを行う。例えば、図6
に示すように、染色体DNAの選択マーカー遺伝子のフ
ランキング領域と発現ベクター中の該フランキング領域
との相同の2つの領域が組換えをおこし、染色体上に発
現ベクター中の非耐熱性構造遺伝子が組み込まれる。
【0016】この組換えは、形質転換後、サーマス属菌
用最少培地プレートで、約50〜70℃の温度の条件下
で24〜48時間培養している間におこる。充分に相同
組換えを行わせるため、再度、同じ培地プレートで同じ
条件下で培養し、続いてサーマス属菌用栄養培地で約6
0〜70℃で12〜24時間培養後、最後にサーマス属
菌用最少培地で約60〜80℃の温度の条件の下で48
〜96時間培養する。このように、培養を繰りかえし行
なうことは、相同組換えを充分に行なわせるのに効果的
であると同時に、導入した非耐熱性構造遺伝子を、耐熱
性の構造遺伝子に変えるのにも効果的である。
【0017】■  目的の蛋白質が発現している形質転
換体を得る手順。
【0018】上記のように形質転換を行った後、例えば
、後述の実施例に示すようなサーマス属用最少培地プレ
ートで形質転換の時より5〜15℃程度低いか同じ温度
で、24時間から48時間ぐらい培養する。生育してき
たものを、同培地プレートで今度は、形質転換後の最初
の培養より5℃〜10℃高いか、同じくらいの温度で、
24〜48時間培養する。ここで生育してきた菌をサー
マス属菌用の栄養培地で充分培養し該菌が生育できる範
囲のなるべく高い温度(この温度は組込む非耐熱性蛋白
質の性質による)の条件下でサーマス属菌用最少培地を
用い、48〜96時間培養する。
【0019】このような、培養の繰りかえしや培地の種
類を途中で変えることは、必ずしも、この通りやらなく
てもよいが、重要なのはこのような方法を行なうことに
よって、相同部位組換えや、導入された非耐熱性構造遺
伝子を耐熱性構造遺伝子に変異させることを、充分に行
なわせることにある。
【0020】生育してきた菌を単離して染色体に目的の
該遺伝子が組込まれているかどうかをサザンハイブリダ
イゼーション等の方法を用いて調べ、該形質転換体から
組込まれた非耐熱性構造遺伝子がコードする蛋白質を精
製し耐熱性を調べる。例えば、それが酵素なら、高い温
度(50−85℃)における活性を調べて耐熱度を測定
し、耐熱性を持った目的の蛋白質が得られていることを
確認する。耐熱性を持った目的の蛋白質を産生する菌の
染色体から、始めに組込まれた該非耐熱性構造遺伝子を
クローニングし塩基配列を確認すると、通常、1以上の
塩基が元の塩基から変化している。この塩基の変化によ
り1以上のアミノ酸が変異をおこしている。この変異に
より、この非耐熱性蛋白質は耐熱性のものとなる。この
変異の場所と種類をあらかじめ予想することは難しいが
、上記の様な方法で行なえば、非耐熱性蛋白質を耐熱性
のものとして得ることができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えないかぎり以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、以下
の実施例における操作は、特に記載する場合を除き次の
I−Vの方法によった。
【0022】I  制限酵素によるDNAの切断は、市
販されている制限酵素を用い、その標品に示されている
組成の緩衝液を用い、1μgのDNAに対し2単位の酵
素を使用して、37℃で1時間反応させた。
【0023】II  大腸菌の形質転換はMolecu
lar  Cloning(1982)p249,Co
ld  Spring  Harbor  Labs.
大腸菌からのプラスミドの精製は、同p86の記載方法
に従った。
【0024】III T4DNAligaseによるD
NAの連結は、以下のようにして行った。連結する2個
の断片は、1μg/10μlになるように、連結用緩衝
液〔66mMのトリス塩酸(pH7.5)、6.6mM
の塩化マグネシウム、10mMのジチオスレイトールか
らなる。〕に溶解し、66μMのATPを加え、さらに
T4リガーゼを0.1単位/μgDNAとなるように加
えて4℃で18時間反応させた。
【0025】IV  DNA溶液からのDNA精製のた
めには、次のような操作を行う。反応液等のDNAを含
む溶液に対し等量のフェノール/クロロホルムを加えた
後激しく混和し、遠心分離操作により核酸を含む水相を
回収するいわゆるフェノール/クロロホルム抽出を行う
【0026】この様にして得られた水相に、10分の1
量の3M酢酸ナトリウムもしくは等量の4M酢酸アンモ
ニウムと水相の2倍容のエタノールを加えて混和し、−
20℃で一晩もしくは−80℃で15分以上静置した後
、15,000回転で遠心を行い核酸を沈澱物として回
収する、いわゆるエタノール沈澱を行う。
【0027】V  DNAのゲルからの切り出しは、M
olecular  cloning(1982)p.
164,Cold  Spring  Harborに
記載の方法に従った。
【0028】VI  好熱菌サーマス属の形質転換は、
基本的にはY.Koyamaら(J.Bacterio
l.121,338−340(1986))の報告した
方法に従った。また培地組成については、2価イオンの
濃度による影響を考え次のようなものを用いることもで
きる。これをサーマス属菌用最少培地(8gポリペプト
ン、4g酵母エキス、2gNaCl/滅菌水1リットル
;上記組成の他に2mM  MgCl2 ,2mM  
CaCl2 の濃度で2価イオンが含まれている。これ
らを混合後、NaOHでpH7.5に調製した。)と呼
び用いることとした。
【0029】またプレートを作成する場合、1リットル
用の組成にまず滅菌水500ccを加え、それとは別に
ジュランガム10g/500cc調製し別々にオートク
レーブ後、混ぜ合わせ、冷めないうちに(約60−70
℃以上あるうちに)シャーレにまく。またジュランガム
を溶かすときに水を加熱しながら、スターラーで攪拌し
、ジュランガムを少しずつ入れ溶かすようにして泡を作
らないようにする。この操作は好熱菌を死滅させるのに
有効であった。また形質転換する場合でなく、普通の培
養の時は、Tanakaらの方法(Biochem.8
9,677−682(1981))に従い、これをサー
マス属菌用栄養培地として以下に用いた。この培地での
プレートの作成は、前記のプレートの作成方法と同様に
おこなった。
【0030】VII DNAの突出末端を平滑末端化す
る方法は次の様にして行った。つまり、約0.1−2μ
gのDNAに20μlの滅菌水、10×nick  t
ranslation  buffer(この溶液の組
成は、次の文献Molecular  cloning
(1982)  Cold  Spring  Har
borの記載の方法に従った)2.5μlを加え、さら
にこの溶液にdATP,dGTP,dCTP,dTTP
のそれぞれの濃度が2mMになっている溶液を1μl加
え、最後に東洋紡(株)製のKlenow  frag
mentを0.5μl(5単位)加え、16℃、30分
反応させた。
【0031】A  leuB遺伝子を欠損させた好熱菌
(サーマス属菌)の作成 ■  好熱菌(サーマス属菌)のleuB遺伝子とその
周辺の領域の単離 該遺伝子の単離は、Tanakaらの方法(Bioch
em.89,677−682(1981))に従い、H
indIII 認識配列を両側に持ちleuB遺伝子を
含むDNA断片(この様なDNA断片を両末端の制限酵
素の種類の名前を使って今後呼ぶこととする。つまりこ
の場合は、HindIII 断片ということとなる)を
プラスミドpBR322のHindIII 認識配列に
ライゲーションしてpHB1を得た。更に、上記の報告
に従い前記DNA断片を短くし、BamHI認識配列を
中に一つと両側に持ち、leuB遺伝子を含む長さ約9
60bpのDNA断片を得て、報告通りのプラスミドp
HB2を得た。
【0032】■  HB27のleuB遺伝子のみ欠損
させた株MT106の作成 図1に示すpHB1  2μgを10mM  Tris
−HCl(pH7.5)、100mM  NaCl及び
6mM  MgCl2 から成る緩衝液(以下、「緩衝
液H」と称する)100μl中で、制限酵素BamHI
  0.2単位と37℃、1時間反応させ、このDNA
を部分切断させた。この反応液を0.8%アガロースで
常法に従い電気泳動を行い図1に示す欠失領域のみが除
かれた長さのDNA断片をアガロースゲルから切り出し
た。このDNA断片を前述のMolecular  C
loning,p166に従って乾燥させた。このサン
プルを滅菌水40μlで溶解した後、このDNA溶液3
.5μlを用いて反応液tota110μlの系でT4
DNAポリメラーゼ4単位によってセルフライゲーショ
ンさせ、常法によりエタノール沈澱後、このサンプルを
乾燥させた。このサンプルを滅菌水40μlで溶解した
後、このDNA溶液20μlを反応溶液22μlで制限
酵素PmaCI  12単位で37℃、1時間反応後(
この制限酵素PmaCIを用いたのは、前述の除いたは
ずの欠失領域が除かれていなかった場合、欠失領域内の
みで切断されるこの酵素によって欠失領域を除けなかっ
たプラスミドだけが形質転換されないようにするためで
ある。)、大腸菌HB101をこの溶液で形質転換させ
、形質転換体を単離し、そこからプラスミドを常法に従
い調製し図1に示すpTH4BLP5を得た。
【0033】このpTH4BLP5  5μgをHin
dIII 7単位により10μlの系で切断し、この溶
液をサーマス属菌用最少培地488μlに混ぜ、サーマ
ス属菌の野生株の一つであるHB275μl(このよう
に形質転換させる場合、菌を充分に生育させた、例えば
1昼夜、溶液を50%のグリセロールとして保存させた
ものを使用する)を加え70℃で1昼夜培養した。これ
をサーマス属菌用栄養培地プレートに1枚あたり200
コロニー出るようにしてまき、70℃で1昼夜培養した
。次に、サーマス属菌用最少培地プレートに常法に従っ
てレプリカし、70℃で2昼夜培養した。ここでサーマ
ス属菌用栄養培地では生育でき、サーマス属菌用最少培
地で生育できない、つまりロイシン要求性を持った株を
選択した。これをMT106と名づけた。
【0034】B  好熱菌(サーマス属)を形質転換さ
せるインテグレーションベクターの作成 ■  ベクターpBL5Cの作成 図2に示す様に、実施例Aの■と同様の方法でpHB1
より今度はleuB遺伝子を含む領域とその両どなりに
位置するBamHI断片がpHB1と同じ順番になるよ
うにしてpUC19のBamHIの位置に挿入して得ら
れたpTH4BL5  1μgをBamHIで部分分解
し、平滑末端化してセルフライゲーションし大腸菌JM
109を形質転換させた。これからプラスミドを調製し
pBL5Cを得た。このプラスミドは、図2に示す様に
leuB遺伝子を含むBamHI断片の5′側のBam
HI断片の5′末端は、BamHI認識配列が失われて
いる。
【0035】■  異種遺伝子発現用ベクターの作成p
BL5C  10μgをKpnIとHindIII で
切断した。これに滅菌水38μlと5×Ba131bu
ffer(100mM  Tris−HC1(pH7.
2)、3M  NaCl,62.5mM  CaCl2
 ,62.5mM  MgCl2 ,5mM  EDT
A)10μlを加え混和後、Ba131(NEB社製)
2(2単位)を加え30℃、10秒反応後、すかさず0
.5M  EDTA  10μlを混和しエタノール沈
澱を行った。次いで、T4DNAポリメラーゼで平滑末
端化した後電気泳動でleuB遺伝子が含まれている方
のDNA断片を切り出し、Vに従って後処理後乾燥させ
た。これを滅菌水40μlに溶解させた。これをA液と
する。
【0036】次にpUC119  10μgをHind
III とEcoRIで切断し、前述のVII の方法
に従って、平滑末端化し常法によりIVの方法に従いエ
タノール沈澱後、乾燥させ滅菌水10μlに溶解させた
。これをB液とする。A液38μlとB液2μlを混和
させ、ライゲーション後、大腸菌JM109を形質転換
させ、これからpL95Cを得た。このプラスミドは、
いわゆるマルチクローニングサイトを失っている。この
プラスミドを実施例Aの■と同様にしてleuB遺伝子
のみを欠失させたpIT12を(図3)得た。
【0037】また、pHB1をBamHIで切断後、l
euB遺伝子を持つ約1.2kbのBamHI断片をp
UC19のBamHI認識配列部位に挿入したpUle
uBを常法により得て、実施例Bの■示したのと同様に
leuB遺伝子の3′側にあるBamHI認識配列部位
が喪失したプラスミドpUleuBAを得た。これをK
pnIとEcoRIで切断後エタノール沈澱、乾燥後、
滅菌水250μlに溶解した。この溶液10μlと図4
に示した3つの制限酵素認識配列(BamHI,Eco
RI,HindIII )を持つDNAをライゲーショ
ンさせ、pULBHEを得た。(図4)次にpULBH
EをBamHIで切断後、leuB遺伝子を持つ約1.
2kbのBamHI断片をpIT12のBamHI認識
配列部位に挿入したpIT13を常法により得た。(図
5)この様にして得られたプラスミドpIT13の3つ
の制限酵素認識配列(BamHI,EcoRI,Hin
dIII )には他にも任意の制限酵素認識配列を導入
することが可能で(この場合pIT13が切断されない
制限酵素を選択する事が普通である)、この手段により
このプラスミドを改良する事ができる。
【0038】C  好熱菌のIPMDH(イソプロピル
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ)と常温菌である枯草菌のI
PMDHのキメラ蛋白の作成とその耐熱化■  常温菌
蛋白質の耐熱化とその遺伝子の解析該キメラ蛋白質は常
温では活性があるが、好熱菌の生育温度である約55℃
以上では活性を失う。そこで次の様な方法で該蛋白質を
耐熱化した。
【0039】Imaiら(Nucleic.Acids
.Res.15.4988(1987))によって報告
された、バチルス属菌(枯草菌)のIPMDH(イソプ
ロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ)の遺伝子の塩基配列
のナンバー(開始コドンのATGのAを1としたもの)
で229番目から405番目の塩基の領域に相当するD
NA断片を好熱菌であるサーマス属菌のIPMDH(イ
ソプロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ)のアミノ酸レベ
ルで相当するDNAの領域と入れ換え、該キメラ遺伝子
を含むBamHI断片(約1.2kb)を、pUC19
のBamHI認識部位に導入しプラスミドpNOBL2
を得た。次いで、該キメラ遺伝子を含むBamHI断片
を、pBL5CのleuBを含むBamHI断片と入れ
かえ、これをpITINB2とした。
【0040】そこで、MT106をpITINB2で形
質転換(70℃)させ、サーマス属菌用最少培地プレー
トにまき60℃で2昼夜培養後、生育してきたコロニー
を更にサーマス属菌用最少培地プレートにまき70℃で
1昼夜培養した。これで得られた株をNB26と名付け
た。これをサーマス属菌用栄養培地5ccで1昼夜、7
0℃で振とう培養し、この培養液5ccをサーマス属菌
用最少培地プレートにひろげ、80℃で培養した。生育
してきたコロニーを拾いMN261と名付けた。
【0041】この株に該キメラIPMDH遺伝子が入っ
ているか否かを確かめるために■染色体DNAの単離■
サザンブロッティング■ハイブリダイゼーション■キメ
ラ遺伝子の塩基配列の決定を行った。■、■、■は全て
、文献Molecularcloning(1982)
  Cold  Spring  Harborの記載
に従い該キメラIPMDH遺伝子が入っていることを確
認した。さらに、Tanakaらの方法(Bioche
m.89,677−682(1981))に従って該キ
メラIPMDH遺伝子を単離し、該構造遺伝子の全塩基
配列を文献Molecular  cloning(1
982)  Cold  Spring  Harbo
rの記載に従い決定した。元の配列から変異があったの
は、N末端から数えて93番目のアミノ酸であるイソロ
イシンがロイシンに変異し、遺伝子は1番目のコドンで
あるAがCに変わっていた。
【0042】この変異が耐熱化のために起きたことを確
かめるために次の様な操作を行った。前記で塩基配列を
決定した該変異キメラIPMDH遺伝子を含む約1.2
kbpのBamHI断片をpUC119のBamHI認
識配列に常法により挿入しpUIH12を得た。この時
、該キメラIPMDH遺伝子の+鎖が、pUC119の
lacZ遺伝子のプロモーターと同じ鎖になる様に入っ
ているものを選択した。この選択方法の一つとして次の
様な操作を行った。pUIH12で大腸菌JA221を
形質転換しM9培地(大腸菌用最少培地;文献Mole
cular  cloning(1982)  Col
d  Spring  Harborの記載に従い作成
した)にチアミンとトリプトファンを加えて生育するコ
ロニーMN263を選んだ。
【0043】■  該耐熱化キメラ蛋白質の精製と活性
測定■で得たMN263を3リットルの50μg/cc
アンピシリンを含む2×YT(文献Molecular
  cloning(1982)  Cold  Sp
ring  Harborの記載に従い作成した)で培
養し湿菌体約30gを得た。この菌体からTanaka
らの方法(Biochem.89,677−682(1
981))に従い、IPMDHの活性のあるフラクショ
ンを得た。これをSDS−PAGE(文献Molecu
lar  cloning(1982)  Cold 
 Spring  Harbor)にかけ単一バンドを
常法により採取(文献Molecular  clon
ing(1982)  Cold  Spring  
Harbor)し、50%グリセロールを加え−20℃
で保存した。
【0044】活性の測定は、前記のグリセロールで保存
された溶液を用いて、Tanakaらの方法(Bioc
hem.89,677−682(1981))に準じて
行った。結果は、図7に示すようにMN263から精製
した該耐熱化キメラ蛋白質は単にキメラにしただけの該
蛋白質とは明かな耐熱性の差があった。もちろん、この
差はCの■で示した様に常温菌である枯草菌のIPMD
Hの遺伝子由来の塩基配列が一つ変異し、それによりア
ミノ酸が一つ変異したことによる差である。
【0045】
【発明の効果】本発明方法により、人為的に任意の蛋白
質に耐熱性を持たせる事ができる。これにより、従来、
常温でもともと不安定であった蛋白質や、長く活性を保
持できなかった蛋白質をその性質を失うことなく、それ
らの蛋白質の安定性や、活性の持続性を高めることがで
きる。
【0046】本発明のかかる効果は、常温では活性があ
り安定な蛋白質でも、温度を上げるにつれ、その性質が
少しずつ失うような全ての蛋白質に適用し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】選択マーカーであるIPMDHの構造遺伝子を
欠失させたプラスミドpTH4BLP5を作成するため
の概略図である。図中、B,H及びKは、それぞれBa
mHI、HindIII 、KpnIの認識配列を示し
、長方形は欠失領域を示す。
【図2】好熱菌(サーマス属菌)のIPMDH(イソプ
ロピルリンゴ酸デヒドロゲナーゼ)の遺伝子と常温菌で
ある枯草菌のIPMDH遺伝子のキメラ蛋白遺伝子をも
つプラスミドpITINB2を作成するための概略図で
ある。
【図3】図2に示すpBL5Cからのサーマス属菌由来
のDNAと、pUC119由来のマルチクローニングサ
イトを失ったDNA断片を連結したプラスミドpL95
Cを得るための概略図と、pL95CのleuBを含む
BamHI断片のみ欠失させたプラスミドpIT12を
得るための概略図を示す。
【図4】クローニングサイトBamHI、HindII
I 及び、EcoRIをもつプラスミドpULBHEを
得るための概略図である。
【図5】クローニングサイトBamHI、HindII
I 及び、EcoRIをもつプラスミドpIT13を得
るための概略図である。
【図6】本発明における相同部位組換えの例を説明する
ための概略図を示す。
【図7】70℃熱処理後のIPMDHの残存活性(50
℃で測定)を示す図である。横軸は熱処理時間(分)を
示し、縦軸は残存活性(%)を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  選択マーカーとなり得る遺伝子を欠失
    させたサーマス属菌を、該選択マーカー遺伝子と非耐熱
    性構造遺伝子が該選択マーカー遺伝子のフランキング領
    域ではさまれたDNA断片を含むDNAで形質転換して
    、相同部位組換えを行い、次いで昇温して、該選択マー
    カーおよび非耐熱性構造遺伝子を発現する形質転換体を
    選択し、さらに該形質転換体を培養して、該非耐熱性構
    造遺伝子のコードする蛋白質を耐熱性蛋白質として発現
    させることを特徴とする蛋白質の産生方法。
  2. 【請求項2】  選択マーカー遺伝子が、イソプロピル
    リンゴ酸デヒドロゲナーゼ遺伝子であることを特徴とす
    る請求項1記載の蛋白質の産生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10229879A (ja) * 1997-02-17 1998-09-02 Kao Corp 相同組換え体による蛋白質生産方法

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