JPH0425001B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数部分から成る開放可能なコーター
を有する型のスキー靴に関するものである。

靴内に足を容易に挿入できるようにするため開
放可能なコーターを有するスキー靴は既知であ
る。

このような従来のスキー靴のコーターは可動の
単一の後部と、セルに固定された前部とにより構
成されている。

セルには靴を閉じ甲を固定することができる機
械的リンク機構や固定機構が設けられている。

本発明の目的は靴に足を入れることがより容易
であり、靴を閉じるときコーターの後部を回動す
ることによつてセルの前部又は甲部を締め付ける
ことができるスキー靴を得るにある。

本発明の他の目的は靴の底面に対するコーター
の傾斜が調節可能なスキー靴を得るにある。

本発明のスキー靴は底部と甲とを有するセル
と、前部と傾動自在な後部とを有する前記セル上
の開放可能なコーターと、前記甲の前部を包む摺
動自在なスリーブと、前記後部と前記スリーブに
連結され前記後部と同時に前記スリーブを移動す
るための調節可能なリンク部材と、前記セルに取
り付けた少なくとも１つのボスと、このバスから
偏心して突出した係合部と、前記前部の移動をガ
イドするため前記係合部に摺動自在に係合するた
め前記前部に形成した少なくとも１つのカム溝と
より成り、前記コーターの前部と後部が閉じたと
き互に僅かに重なり、前記後部が前記セルに枢支
され、前記前部が前記後部の枢支点と偏心した位
置で前記後部に枢支されていることを特徴とす
る。

以下図面によつて本発明の実施例を説明する。

本発明のスキー靴はセル１と、互いに一部重な
り合う前部３及び後部４を有するコーター２と、
靴の甲にのびるセル１の前部を覆う円錐形のスリ
ーブ５とを有する。

スリーブ５は底部（ソール）８をも含めた甲全
体を包むか、又は少なくとも底部８の中心部を除
きその縁に摺動自在に係合される。このスリーブ
５は主として底部８の境界面に沿つて案内され
る。

スキー靴は軟らかい内側部分６を有する。

コーター２の後部４は２つの対称位置の枢支点
７によつてセル１に枢支される。

この２つの枢支点７を結ぶ線はスキー靴の底部
８の面に平行であるか又は水平面上の底部８に載
るスキー靴部分に関連して水平であるか又はセル
１の縦方向の中間面に対して直交するようにす
る。

コーター２の後部４は従つて枢支点７を通る横
軸の周りに回動して靴の垂直方向の中間面に平行
に延びるアークを画くことができる。

弾性リンク部材１０の一端が調節可能な取付機
構９によつてヒール１２の後部においてコーター
２の後部に取り付けられ、他端がヒール１２の中
間部に沿つて形成した溝１１を通して延びスリー
ブ５の下方中間部分１３に連結される。

図面から明らかなようにコーター２の後部４を
枢支点７の周りに時計方向又は反時計方向に回動
することによつて矢印１４によつて示すようにス
リーブ５が後方に動いて靴を閉じるか、又は前方
に動いて靴を開くようになる。

コーター２を閉じたとき、即ち後部４を時計方
向に回動したとき、スリーブ５の下方中間部分１
３、従つてスリーブ５全体が後方に移動し、セル
１の甲部が締め付けられその結果靴内に足が固定
される。

最初の靴閉じ作用は取付機構９、即ち弾性リン
ク部材１０の一端部に形成したねじ部１６に螺合
したナツト１５を調節することによつて制御され
る。

この弾性リンク部材１０の調節は他の手段、例
えばノツチの付いたレバー機構を用いて行うこと
もできる。

弾性リンク部材１０はスリーブ５を後方又は前
方に移動しセル１の甲部を釈放又は圧縮するため
伸張され又は圧縮される。

弾性リンク部材１０は圧縮されたとき曲がらな
いような金属テープのような可撓性のある細長い
部材によつて形成される。

コーター２の前部３の少なくとも一部が２つの
対向する位置の横方向のリベツト１７によつて後
部４に枢支される。

このリベツト１７の位置は枢支点７とは偏心し
ており、コーター２の後部４を第４図の矢印１９
の方向に回動したときリベツト１７は第４図の矢
印１８の方向に抑制される。

靴の両側においてコーター２の前部３には細長
いカム溝２０が形成され、前部３が回動したとき
第５図、第６図に示すようにこのカム溝２０が靴
のセル１に連結したスタツド又はボス２２の係合
部２１と摺触し、ボス２２はピン２３の周りで回
動可能とされる。

カム溝２０を案内するボス２２の係合部２１は
ボス２２のピン２３に対して偏心位置とされる。
係合部２１には第６図に示すようにセル１に連結
したピン２３を回動自在に挿通せしめる貫通孔が
設けられる。

コーター２の後部４を反時計方向に回動するこ
とによつてコーター２の前部３がカム溝２０の形
状に応じて第４図の矢印２４の方向に上方に移動
し且つ回動する。

カム溝２０の形状は矩形状としたが動きをスム
ーズとするため曲線状としても良い。

尚、靴を構成する部分の少なくとも幾つかは弾
性変形可能なものとして、上記移動が容易となる
ようにすべきである。例えば第４図の矢印２４に
示す方向における前部３の移動は通常の状態では
許されないがカム溝２０の回動によつて後部４の
開放移動の間許されるようになる。

本発明の他の実施例においてはカム溝２０が前
部３に形成されずに、前部３内に制御可能な手段
で回動自在に設けた板状部材によつて形成され、
この板状部材を回動制御することによつてカム溝
２０の向きが調節され、セル１に対する前部３と
後部４の相対運動と前部３の端部位置が規制され
る。

後部４が時計方向に回動した後コーター２は２
つのラグ２５，２６によつて閉じられる。このラ
グ２５，２６には締付レバー２７が設けられる。

本発明においては２つの部分を拡げることによ
つてコーター２を容易に開くことができ、靴に足
を挿入するのが容易となる。

このコーター２の開放はコーター２の後部４を
単に後方に回動し、カム溝２０によつて枢支点７
の周りに前部３を第４図に示すように時計方向に
回動し且つ上方に移動せしめることによつてなさ
れる。

コーター２を更に開けば弾性リンク部材１０に
よつてスリーブ５が前方に移動し、靴の甲部を釈
放する。このスリーブ５の前方への移動はスリー
ブ５上の前部３によつても達成できる。

弾性リンク部材１０の取付機構９を調節するこ
とによつて靴の甲部分を閉位置でコーター２に強
固に固定することができる。

一旦スキー靴を足に適合するように調節した後
は、その後の調節は不要であり、コーターを閉じ
る毎に靴の甲部分が所望の圧力で自動的に締め付
けられる。

上述のようにボス２２が、カム溝２０に挿入さ
れる係合部２１と、このカム溝２０の中心線から
偏心されセル１に連結されたピン２３とを有す
る。

コーター２の前部３に形成されたカム溝２０の
位置がコーター閉時の前部３の角度を定め、ボス
２２を回動することによつて靴の底面に対するコ
ーターの中心線の角度を所定範囲内で調節するこ
とができる。

この結果ボス２２を使用者が調節することによ
つて靴をはいたときの足の角度を所望の値にする
ことができる。

この操作は靴の開放及び閉動作の間にも行うこ
とができる。

本発明の他の実施例においては第７図に示すよ
うに靴のコーター１０２が単一の枢支点１０２′
の周りで回動するようセル１０１に枢支した前部
１０３と後部１０４とを有する。

コーター１０２の前部１０３に固定された大き
さ舌１０６が円錐形のスリーブ１０５の下側に摺
動自在に挿入される。

後部１０４はリンク部材１１０によつて円錐形
のスリーブ１０５に連結され、前記実施例と同一
の作用を行う。

締付レバー１２７によつて前部１０３と後部１
０４が連結され、後部１０４とスリーブ１０５の
相互作用により靴が閉じられる。然しながら靴の
開閉動作の間前部１０３とスリーブ１０５間の相
互作用は不変である。

本発明の更に他の実施例においては第８図に示
すようにコーター２０２は前部２０３と後部２０
４とを有する。

この前部と後部は夫々互いに離間した枢支点２
０２ａと２０２ｂの周りで回動自在なるようセル
２０１に枢支される。

この枢支点は最も好ましい位置とすることがで
きる。

枢支点２０２ａの周りに回動する後部２０４は
円錐形のスリーブ２０５に作動して靴の閉動作を
行う。

この実施例の作動は前記実施例と同様である。

このスキー靴ではその前方露出部分にレバー等
の突出する調節機構を有しない。従つてこのよう
な突出部分によつてスキー滑降の際ダメージを受
けるおそれがない。

上記のように本発明のスキー靴は足に対する装
脱が極めて容易である大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はコーターを閉じた状態の本発明スキー
靴の側面図、第２図はコーターを開いた状態の側
面図、第３図は閉状態の要部の側面図、第４図は
開状態の要部の側面図、第５図はカム溝部分の詳
細図、第６図は第５図の−線断面図、第７
図、第８図は夫々本発明の他の実施例を示す側面
図である。 １……セル、２……コーター、３……前部、４
……後部、５……スリーブ、７……枢支点、８…
…底部、９……取付機構、１０……弾性リンク部
材、１１……溝、１２……ヒール、１３……下方
中間部分、１７……リベツト、２０……カム溝、
２１……係合部、２２……ボス、２３……ピン、
２７……締付レバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 底部８と甲とを有するセル１と、前部３と傾
   動自在な後部４とを有する前記セル１上の開放可
   能なコーター２と、前記甲の前部を包む摺動自在
   なスリーブ５と、前記後部４と前記スリーブ５に
   連結され前記後部４と同時に前記スリーブ５を移
   動するための調節可能なリンク部材１０と、前記
   セル１に取り付けた少なくとも１つのボス２２
   と、このボス２２から偏心して突出した係合部２
   １と、前記前部３の移動をガイドするため前記係
   合部２１に摺動自在に係合するため前記前部３に
   形成した少なくとも１つのカム溝２０とより成
   り、前記コーター２の前部３と後部４が閉じたと
   き互に僅かに重なり、前記後部４が前記セル１に
   枢支され、前記前部３が前記後部４の枢支点と偏
   心した位置で前記後部に枢支されていることを特
   徴とするスキー靴。 ２ 前記後部４が前記セル１のくるぶし部分に枢
   支され、前記セル１の縦方向中心線に直交する靴
   の底面に平行な軸の周りに回動自在であり、前記
   後部４のかかと部分には前記後部４が回動したと
   き前記スリーブ５を縦方向に移動せしめるためヒ
   ール部分に形成した溝を通して伸びる前記リンク
   部材１０のための調節可能な締付機構１５，１６
   を有し、前記スリーブ５が後方に移動したとき、
   前記締付機構１５，１６により前記リンク部材１
   ０を調節することによつて定められた圧力で靴の
   甲部が締め付けられる特許請求の範囲第１項記載
   のスキー靴。 ３ 前記前部３が前記後部４の枢支点と異なる位
   置で前記後部４に枢支され、前記後部４の回動の
   間レバーアーム作用を示す特許請求の範囲第１項
   記載のスキー靴。 ４ 前記前部３が靴の両側において互いに対向す
   る位置で２つのカム溝２０を有し、このカム溝２
   ０が靴の両側において前記セル１に固定して設け
   た２つのボス２２の係合部２１によつて案内さ
   れ、この係合部２１の位置が前記ボス２２を回動
   することによつて調節され、前記前部３が前記後
   部４に結合され前記後部４が回動したとき前記カ
   ム溝２０によつて前記前部３が上方に移動する特
   許請求の範囲第１項記載のスキー靴。 ５ 前記ボス２２の係合部２１の中心線が前記ボ
   ス２２の中心線より偏心している特許請求の範囲
   第４項記載のスキー靴。 ６ 前記係合部２１が回動したとき前記カム溝２
   ０によつて前記コーター２が前記靴の底面に対し
   て異なる位置にセツトされる特許請求の範囲第４
   項記載のスキー靴。 ７ 前記コーター２を形成する前部３と後部４が
   同一枢支点でセル１に枢支されている特許請求の
   範囲第１項記載のスキー靴。 ８ 前記コーター２が前部３と後部４とより成
   り、これらが個々に異なる位置でセル１に枢支さ
   れている特許請求の範囲第１項記載のスキー靴。