JPH042439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 第一のスレツデイングチヤンネルと第二のスレ
ツデイングチヤンネルと真空コラム式のテープバ
ツフアとを備る磁気テープ装置において、各スレ
ツデイングチヤンネルに対する磁気テープの付着
を防止することによつて、テープバツフアに対す
る磁気テープの吸引が円滑に行われるようにした
ものである。

〔産業上の利用分野〕

本考案は、空気流式のスレツデイング装置と真
空コラム式のテープバツフアとを設けた磁気テー
プ装置に関するものである。

代表的な磁気テープ駆動方式として、シングル
キヤプスタン方式およびリール間直接駆動方式が
ある。

これらのうち、シングルキヤプスタン方式は、
磁気テープを常にキヤプスタンローラに密着させ
ておき、キヤプスタン自体を回転・停止させるこ
とによつて磁気テープを駆動する方式である。

この方式では、キヤプスタンローラは高速な起
動停止および定速維持が容易であるが、磁気テー
プを巻いた状態のリ−ルは大きな慣性があるの
で、キヤプスタンローラの動きに追随することが
困難である。

この問題を解消する手段として、シングルキヤ
プスタン方式の磁気テープ装置には、通常、テー
プバツフアを設けるが、これには真空コラム式が
用いられる。

また、このようにテープバツフアを設けた磁気
テープ装置においては、磁気テープの走行径路が
複雑であり、繰出しリールを装着する際、手によ
つて直接、磁気テープを正しい走行径路にセツト
することが困難である。

このため、自動スレツデイングと称される動作
によつて、自動的に磁気テープを走行径路にセツ
トする。

自動スレツデイングは、オペレータが繰出しリ
ールを磁気テープ装置に取りつけ、操作パネルに
設けられているロードボタンを押すことによつて
自動的に行われるのであるが、必ずしも一回の操
作によつて成功するとは限らない。

このため、失敗した場合には、成功するまで何
回かのスレツデイングを自動的に繰り返すように
しているが、１回で成功できることが望ましいの
は言うまでもない。

〔従来の技術〕

第３図は従来例の説明図であつて、１は繰出し
リール、２は巻取りリール、３は真空コラム式の
テープバツフア、４は読取り書込みヘツド、５は
繰出しリール１と読取り書込みヘツド４との間に
設けられる第一のスレツデイングチヤンネル、６
は読取り書込みヘツド４と巻取りリール２との間
に設けられる第二のスレツデイングチヤンネルを
示す。また３１および３２はテープバツフア３を
構成する第一のコラムおよび第二のコラムであ
る。

このような構造によつて、次のような順序で自
動スレツデイングがおこなわれる。

繰出しリール１が矢印Ａのように回転して磁
気テープ（図示省略）の先端が第一のスレツデ
イングチヤンネル５側に繰り出される。

第一のスレツデイングチヤンネル５および第
二のスレツデイングチヤンネル６から、それぞ
れ矢印ＢおよびＣのように空気が吹き出され、
この空気流に乗せられて、で繰り出された磁
気テープの先端が第二のスレツデイングチヤン
ネル６を経て巻取りリール２側に導かれる。

このとき巻取りリール２は矢印Ｄのように回
転しており、これに磁気テープの先端が巻きつ
けられる。

第一のスレツデイングチヤンネル５および第
二のスレツデイングチヤンネル６から吹き出し
ていた空気を止めるとともに、テープバツフア
３の第一のコラム３１および第二のコラム３２
に負圧を与える。

繰出しリール１および巻取りリール２から磁
気テープが繰りだされ、繰りだされた磁気テー
プがテープバツフア３の第一のコラム３１およ
び後第二のコラム３２に吸引され、点線によつ
て示すような磁気テープのループが形成される
と自動スレツデイングが完了する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記従来例では、磁気テープをテー
プバツフアの各コラムに吸引させる際、静電作用
によつて磁気テープが第二のスレツデイングチヤ
ンネル６に付着して離れないことがある。このた
めに磁気テープが各コラムに吸引（コラムインと
称する）されず、したがつて自動スレツデイング
ができなくなるという問題点がある。

すなわち、本考案はコラムインの際における磁
気テープと各スレツデイングチヤンネルとの付着
を除くことによつて、コラムインの失敗を防止す
ることにある。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図は本考案の原理図であり、第３図と共通
する符号のほか、７は、少なくとも磁気テープを
テープバツフアに吸引する際には、第二のスレツ
デイングチヤンネル６に対し、噴射空気を供給す
る空気供給手段を示す。

〔作用〕

すなわち、前記のステツプだけでなく、少な
くとものステツプの際にも、第二のスレツデイ
ングチヤンネル６から空気を噴射させることによ
つて、テープバツフアの各コラムに磁気テープを
吸引する際、磁気テープが各スレツデイングチヤ
ンネルから離れやすくしたものである。

〔実施例〕

第２図は実施例の構成図で、磁気テープ装置を
第１図の裏側から見たものであり、第１図が主と
して磁気テープの走行径路を表すのに対し、主に
空気の管路を表している。

第２図において、第１図と共通する符号の他、 ８は繰出しリール１用の駆動モータ、 ９は巻取りリール２用の駆動モータ、 １１は空気供給口、 １２は空気切換え弁、 １３は常に空気を供給している第一の空気管、 １４は、繰り出リール１から繰りだされた磁気
テープの先端を巻取りリール２側に導く際にのみ
空気を供給する第二の空気管、 １５はフアイル保護リング検出装置、 ７１および７２は空気供給手段７の構成要素で
あり、 ７１は第一の空気管１３の途中に設けた分岐
管、 ７２は分岐管７１と第二のスレツデイングチヤ
ンネル６とを接続する第三の空気管を示す。

磁気テープのリールには、装脱可能なフアイル
保護リング（書込み許可リングともいう）が設け
られており、これを取りつけてない場合には、そ
の磁気テープに対する書込みを禁止する手段が磁
気テープ装置側に設けてある。

フアイル保護リング検出装置１５は空気圧を利
用してフアイル保護リングの有無を検出する装置
であり、ここには、磁気テープ装置が動作中は空
気切り換え弁１２および第一の空気管１３を通じ
て、常に空気が供給されている。

すなわち本実施例は、分岐管７１と第三の空気
管７２とを設けることによつて、磁気テープ装置
が動作中は、常に第一の空気管１３から第二のス
レツデイングチヤンネル６に対し空気を供給し、
コラムインの際に磁気テープが離れやすいように
したものである。

本実施例は、構造的および配置的な理由によつ
て、磁気テープが離れ難い第二のスレツデイング
チヤンネル６に対してのみ常時空気供給手段７を
設けたものであるが、必要があれば第一のスレツ
デイングチヤンネル５に対しても設けることがで
きる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によればコラムイ
ンの際のスレツデイングチヤンネルに対する磁気
テープの付着に起因するスレツデイングの失敗を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理図、第２図は実施例の構
成図、第３図は従来例の説明図である。 図中、１は繰り出しリール、２は巻取りリー
ル、３はテープバツフア、４は読取り書込みヘツ
ド、５は第一のスレツデイングチヤンネル、６は
第二のスレツデイングチヤンネル、７は空気供給
手段を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 繰出しリール１と読取り書込みヘツド４との
   間の磁気テープ走行経路に設けられる第一のス
   レツデイングチヤンネル５と、読取り書込みヘ
   ツド４と巻取りリール２との間に磁気テープ走
   行経路に設けられる第二のスレツデイングチヤ
   ンネル６と、真空コラム式のテープバツフア３
   とを備え、 繰り出しリール１から繰り出された磁気テー
   プの先端を第一のスレツデイングチヤンネル５
   と第二のスレツデイングチヤンネル６とから噴
   射される空気を利用して巻取りリール２に巻つ
   けたのち磁気テープをテープバツフア３に吸引
   させることによつてスレツデイングをおこなう
   方式の磁気テープ装置において、 少なくとも磁気テープをテープバツフア３に
   吸引させる際に第二のスレツデイングチヤンネ
   ル６に対し噴射空気を供給する空気供給手段７
   を設けたことを特徴とする磁気テープ装置。 (2) 前記空気供給手段７は磁気テープ書込み禁止
   装置用の供給空気を利用するものであることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の磁気テープ装置。