JPH04243759A - ウェブ移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックフィルム
のようなウェブを、可変速電動機と機械式自動変速機と
の駆動により、巻き出し、もしくは巻き取って移送する
ようにしたウェブ移送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＩＣのキャリアテープや磁気テープとな
るプラスチックフィルムは、巻き出しロールから引き取
られて、所要の加工処理が加えられた後、巻き取りロー
ルに巻き取られる。

【０００３】このプラスチックフィルムのようなウェブ
の巻き出し部や巻き取り部では、経時的にロール径が変
化する。従って巻き出しや巻き取りの張力を一定にする
ために調整する必要がある。そのため、ウェブを巻き出
し、もしくは巻き取って移送する装置としては機械式自
動変速機を用いたウェブ移送装置が考えられている。

【０００４】図３にその装置の要部の構成を示す。

【０００５】同図に示すように、従来考えられているウ
ェブ移送装置は、ウェブ２１の移送用軸、例えば、巻き
取りロール２２の巻き取り軸２２ａに、機械式自動変速
機２３を介して電動機２４を接続したものである。図中
、符号２５は電動機２４の電源である。この装置では、
自動変速機２３の変速動作により、ウェブ２１の巻き取
り張力が自動的に調節される。

【０００６】上記のウェブ移送装置に使用される機械式
自動変速機２３には、種々のものがあるが、その一つに
、本出願人の開発に係る特開昭５９ー１３１０５７号公
報記載のものがある。その概略構成を図４に示す。

【０００７】上記の自動変速機は、入力軸２６に一体に
結合された入力円板２７と、この入力円板２７の環状伝
動面に接して回転する複数の遊星コーン２８と、これら
遊星コーン２８を回転自在に保持するコーンリテーナ２
９と、遊星コーン２８の円錐面に内接する変速リング３
０と、遊星コーン２８の背面部に接触して回転する出力
円板３１と、この出力円板３１と調圧カム３２を介して
連動する出力軸３３とを備えている。

【０００８】ここで、変速リング３０が遊星コーン２８
の円錐頂部の位置にあると、減速比が小で、出力軸３３
は高速回転し、反対に、変速リング３０が遊星コーン２
８の円錐底部に移動すると、減速比が増大し、出力軸３
３の回転は低速となるのであるが、この変速リング３０
は、遊星コーン２８の周りで、周方向および軸方向に一
定範囲変位可能で、その周方向および軸方向位置は、ハ
ウジング３４との間に設けたバネ３５とアーム３６とに
より、規制されるようになっている。

【０００９】今、出力軸３３にかかる負荷が比較的小さ
いとすると、変速リング３０は、バネ３５の付勢弾力に
より、遊星コーン２８の頂部の位置にあって、減速比が
小さく、出力軸３３は高速回転する。次に、負荷が増大
すると、その反力で変速リング３０は、バネ３５の付勢
弾力に抗して若干回動する。このように、変速リング３
０が周方向に変位することにより、それまで変速リング
３０とハウジング３４とを斜めに連結していたアーム３
６が立ち上がるように回動して、変速リング３０を外側
（図面では左方）に押しやる。これで、変速リング３０
は、遊星コーン２８の円錐底部に移動することになるの
で、減速比が増大し、出力軸３３の回転は低速になる。 このようにして、負荷に応じた変速が自動的に行われる
。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところで、機械式自動
変速機２３では、一般に、出力回転数とトルクとの間に
、図５の特性図に示すような逆比的な相関関係があって
、出力回転数が増大すると、トルクが減少し、出力回転
数が減少すると、トルクが増大するようになっている。

【００１１】したがって、前記したウェブ移送装置では
、ウェブの巻き取り軸２２ａの回転数により、一意的に
トルクが決まり、それに応じてウェブの張力も決定され
てしまうので、ウェブの張力を移送速度とは別に任意に
設定することができない。

【００１２】そのため、ウェブの移送速度によっては、
張力が過大となったり過小になることがあり、ウェブの
破断やシワの発生等の不具合が生じる。

【００１３】また、ウェブは周囲湿度により状態変化し
やすいので、周囲湿度を考慮した張力の調整が必要であ
り、巻き取り側では、ロール径が大径になるにつれて、
張力を少量ずつ低下させて、過度の巻き締めが起こらな
いようにする必要があるが、このような張力の調整は、
張力のみを変更できないので、困難である。

【００１４】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、機械式自動変速機の出力回転数／トルク
特性が入力回転数により変化することに着目し、この事
実を利用して、ウェブの張力の任意の設定を可能にし、
常時適正な張力でウェブの移送が行えるようにすること
を課題とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
達成するために、ウェブの移送用軸を駆動するための可
変速電動機と、電動機と移送用軸との間に介在する機械
式自動変速機と、ウェブの張力を設定するための張力設
定器と、ウェブの張力を検出する張力検出器と、張力設
定器の設定信号と張力検出器の検出信号とに基づいて電
動機の回転数を制御する駆動制御回路とを備えてウェブ
移送装置を構成した。

【００１６】

【作用】上記構成において、巻き出しもしくは巻き取り
側でロール径が変化するのに応じて、自動変速機が変速
動作するとともに、駆動制御回路の制御で電動機の回転
数が増減する。これで、巻き出しロールもしくは巻き取
りロールの軸のトルクが変化し、張力は予め張力設定器
で設定した値に保たれる。

【００１７】すなわち、機械式自動変速機には、入力回
転数が増大するにつれて、出力回転数／トルク特性が出
力回転数の高速側に移る性質があるから、電動機からの
入力回転数が変化することで、自動変速機の特性が変化
し、ウェブの張力が一定に保たれる。

【００１８】

【実施例】図１は本発明の一実施例に係るウェブ移送装
置の構成図であって、図中、符号１はウェブ、２はその
巻き取りロール、３は巻き取り軸である。

【００１９】この実施例のウェブ移送装置は、可変速電
動機４と、機械式自動変速機５と、張力検出器６と、張
力設定器７と、ロール径検出器８と、駆動制御回路９と
を備えている。

【００２０】可変速電動機４は、ウェブ１の移送用軸、
この例では巻き取り軸３を駆動するためのもので、この
電動機４と巻き取り軸３との間に機械式自動変速機５が
介在されている。

【００２１】機械式自動変速機５は、一般に、図２の特
性図に示すように、逆比的な出力回転数／トルク特性を
有するばかりでなく、その出力回転数／トルク特性（特
性線Ｎ１，Ｎ２，Ｎ３）が、入力回転数Ｐ１，Ｐ２，Ｐ
３が増大するにつれて（Ｒｉ１＞Ｒｉ２＞Ｒｉ３）出力
回転数の高速側に移る性質を有する。

【００２２】張力検出器６は、ウェブ１の巻き取り経路
の途中に設けられており、一対のガイドローラ１０，１
０の間で検出ローラ１１が変位することで、ウェブ１の
張力を検出する。

【００２３】張力設定器７は、手動操作もしくは次に説
明するロール径検出器８からの検出信号により、ウェブ
１が保つべき張力を設定するものである。

【００２４】ロール径検出器８は、例えばポテンショメ
ータで構成され、巻き取りロール２の外周面に接触する
タッチローラ１２の変位量に応じた信号を出力して、張
力設定器７に与える。

【００２５】駆動制御回路９は、張力の設定値と検出値
とに基づいて電動機４の回転数を制御するもので、張力
検出器６からの検出信号と張力設定器７からの設定信号
とを比較する比較器１３と、比較器１３の出力に応答し
て電動機４の駆動回転数を変えるドライバ１４とからな
る。この駆動制御回路は、自動変速機５への入力回転数
である電動機４の回転数を変化させることで、自動変速
機５の出力回転数／トルク特性を変え、その出力トルク
が、張力設定器７で設定されたウェブ張力に対応した値
になるように制御動作する。

【００２６】上記構成において、巻き取り側でロール径
が大きくなるのに応じて、自動変速機５が減速側へ変速
動作するとともに、駆動制御回路９の制御で電動機４の
回転数が増減することで巻き取り軸３のトルクが増加し
、ウェブの張力が自動的に一定に調整される。この場合
、自動変速機５への入力回転数が一定であると、その出
力回転数が減少するとともに出力トルクが増大するので
あるが、この実施例の装置では、自動変速機５の入力回
転数が増減することで、張力は予め張力設定器７で設定
した値に保たれる。

【００２７】すなわち、機械式自動変速機５では、図２
に示すように、Ａの領域（巻き取り径が小の時）では、
可変速電動機４からの入力回転数がＰ１からＰ２、Ｐ３
へ減少する。そこで、出力回転数がＱ１からＱ２、Ｑ３
へ減少するので、出力トルクはＴ１からＴ２、Ｔ３へ増
加する。一方、Ｂの領域（巻き取り径が大の時）では、
可変速電動機４からの入力回転数がＰ３からＰ２、Ｐ１
へ増加する。そこで出力回転数がＲ３からＲ２、Ｒ１へ
減少するので、出力トルクはＶ３からＶ２、Ｖ１へ増加
する。機械式自動変速機５は巻き取り径が大きくなるに
従い（小の時→大の時）、出力トルクがＴ１からＴ２、
Ｔ３、Ｕ３，Ｕ２，Ｕ１へ増加するので、ウェブの張力
は一定に保たれる。

【００２８】また、張力設定器７にロール径検出器８か
らの検出信号を入力して、ロール径に応じて張力設定器
７での設定値を変えるようにすると、例えば、巻き取り
径が小さい場合は、強い張力で巻き取り、巻き取り径が
大きくなるにつれて、張力を低下させることができる。 その場合は、巻き取り径が大きくなったときに生じる過
度の巻き締めを防止しうる。

【００２９】なお、上記実施例では、ウェブ１の巻き取
り側での構成を示したが、本発明はウェブ１の巻き出し
側にも適用することができる。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、予め設定した張力を維
持しながら、ウェブの移送用軸の回転数を増減変化させ
ることができ、ウェブの張力を、ウェブ移送用軸の速度
とは別に任意に設定することが可能である。そのため、
ウェブの移送速度によって張力が過大もしくは過小とな
るようなことがなく、ウェブの破断やシワ等の不具合を
生じることなく、円滑にウェブの移送が行える。また、
周囲湿度や、巻き取り径に応じた張力の調整が可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るウェブ移送装置の構成
図である。

【図２】本発明の上記実施例における自動変速機の特性
図である。

【図３】従来考えられているウェブ移送装置の構成図で
ある。

【図４】既存の機械式自動変速機の一例を示す概略構成
図である。

【図５】上記自動変速機の特性線図である。

【符号の説明】

１　　　　ウェブ ２　　　　巻き取りロール ３　　　　巻き取り軸 ４　　　　可変速電動機 ５　　　　機械式自動変速機 ６　　　　張力検出器 ７　　　　張力設定器 ９　　　　駆動制御回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ウェブ（１）の移送用軸（３）を駆動
   するための可変速電動機（４）と、この可変速電動機（
   ４）と移送用軸（３）との間に介在する機械式自動変速
   機（５）と、ウェブ（１）の張力を設定するための張力
   設定器（７）と、ウェブ（１）の張力を検出する張力検
   出器（６）と、張力設定器（７）の設定信号と張力検出
   器（６）の検出信号とに基づいて前記可変速電動機（４
   ）の回転数を制御する駆動制御回路（９）と、を備えた
   ことを特徴とするウェブ移送装置。