JPH0424363Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、太陽熱集熱器に関する。

この明細書において、内とはケーシング周壁に
囲まれた内側を指し、外とはこれと反対側を指す
ものとする。

従来の技術 従来の太陽熱集熱器は、アルミニウム押出型材
製の周壁および底壁からなる上方に開口したケー
シングと、ケーシング底壁の上方に断熱材を介し
て配置された太陽熱集熱板と、ケーシングの上端
開口を塞ぐガラス製透過体と、透過体をケーシン
グの周壁上縁部に押え止める額縁状の透過体押え
部材とを備えているが、従来はケーシング周壁の
上縁部内側に透過体を嵌め込んだのち、透過体押
え部材を透過体の周縁部とケーシング周壁上縁部
の上に仮置きし、予め透過体に所定間隔おきにあ
けられたビス孔に合わせてケーシング周壁の外方
張出壁に穿孔ドリルにより下孔をあけ、この下孔
にタツピング・ビスを透過体の上からねじ込んで
透過体を押え部材によりケーシング周壁も固定し
ていた（例えば特開昭60−65860号公報参照）。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来の太陽熱集熱器
では、ケーシング周壁に透過体のビス孔の位置に
合わせてタツピング・ビスの下孔をあける非常に
面倒な作業が必要であり、しかも下孔をあけるさ
いにアルミニウムの切粉が生じるため、この切粉
を除去する余分な作業が必要であるとともに、こ
の切粉によつて透過体の表面に傷が付き、さらに
は仮置きされている透過体とケーシング周壁との
間から切粉がケーシング内に入り込んで、ケーシ
ングの例えば結露水等を排出する排出口が塞が
り、排水がスムーズでないという問題があつた。

この考案の目的は、上記問題を解決した太陽熱
集熱器を提供することにある。

課題を解決するための手段 この考案は、上記の目的を達成するために、ケ
ーシングの周壁が平面よりみて長方形を有しかつ
アルミニウム押出型材製の４つの側壁により構成
され、このケーシング周壁の上縁部に上方に開口
しかつ各側壁の長手方向に伸びている横断面略Ｕ
形のタツピング・ビスねじ嵌め溝がケーシング周
壁の全周にわたつて設けられ、ケーシング周壁の
上縁部内側にパツキンを介して嵌め込まれた透過
体の周縁部を上から押えるように透過体押え部材
がケーシング周壁に嵌め被せられ、この透過体押
え部材が同部材を貫通してケーシング周壁の溝に
上からねじ込まれた所要数のタツピング・ビスに
より固定されている太陽熱集熱器を要旨としてい
る。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

太陽熱集熱器は、上方に開口した箱形のケーシ
ング１と、ケーシング１の上端開口を塞ぐガラス
またはポリカーボネート等の合成樹脂製透過体７
とを備えている。

ケーシング１の周壁２は、平面よりみて長方形
を有しかつアルミニウム押出型材製の４つの側壁
２Ａにより構成されている。

各側壁２Ａは、この実施例では、アルミニウム
押出型材製の側壁本体１１と、側壁本体１１上に
載せられた同じくアルミニウム押出型材製の透過
体支持部材１２とよりなる。

側壁本体１１は、垂直壁１１ａと、垂直壁１１
ａの下縁から所定距離上方の部分および下縁に連
なつて内方に水平に突出した上下一対のケーシン
グ底壁挾着壁１１ｂと、垂直壁１１ａ上縁から所
定距離下方の部分に一体的に設けられた上部内方
水平突出壁１１ｃとを備えている。そして、上部
内方水平突出壁１１ｃの内縁に、上方に突出する
ように透明板載置部９が一体的に設けられてい
る。

上記ケーシング周壁２の上縁部に上方に開口し
かつ各側壁２Ａの長手方向に伸びている横断面略
Ｕ形のタツピング・ビスねじ嵌め溝１３がケーシ
ング周壁２の全周にわたつて設けられている。

すなわち、具体的には、各側壁２Ａの側壁本体
１１の垂直壁１１ａの上縁に、上方に開口しかつ
長手方向に伸びた横断面略Ｕ形のタツピング・ビ
スねじ嵌め溝１３が設けられているものである。

また、各側壁２Ａの側壁本体１１の上部内方水
平突出壁１１ｃの上面には、上方に開口しかつ長
手方向に伸びた支持部材嵌合溝１４が設けられて
いる。

一方、透過体支持部材１２は、下縁部が溝１４
に嵌め入れられた垂直壁１２ａと、垂直壁１２ａ
の高さの中央部に一体的に設けられた内方水平突
出壁１２ｂとよりなる。垂直壁１２ａの上縁には
タツピング・ビスねじ嵌め溝１３の内側壁上縁に
係合する係合部１５が外方突出状に設けられてい
る。内方水平突出壁１２ｂの上面にはパツキン嵌
合溝１６が設けられており、このパツキン嵌合溝
１６にパツキン１７が嵌合されている。

ケーシング底壁３は、下面がアルミニウム板３
ａに覆われた発泡ウレタン板からなり、その周縁
部がケーシング周壁２の側壁本体１１の一対の挾
着壁１１ｂに挾着されている。周縁部断熱材４
は、ケーシング周壁２の側壁本体１１の垂直壁１
１ａ内周面に密着して設けられている。

また、上記ケーシング１の内部には、周縁部断
熱材４および底部断熱材５が配されるとともに、
底部断熱材５上に太陽熱集熱板６が配されてい
る。ケーシング１の上端開口は、ガラスまたはポ
リカーボネート等の合成樹脂製透過体７によつて
塞がれ、集熱板６と透過体７との間に両者６，７
間の中空部を上下２つに区分するようにガラスま
たはポリカーボネート等の合成樹脂製保温用透明
板８配置されている。

そして、ケーシング周壁２の上縁部内側にパツ
キン１７，２２を介して嵌め込まれた透過体７の
周縁部を上から押えるようにアルミニウム押出型
材製の透過体押え部材２１がケーシング周壁２に
嵌め被せられ、この透過体押え部材２１が同部材
２１を貫通してケーシング周壁２の溝１３に上か
らねじ込まれた所要数のタツピング・ビス２３に
より固定されているものである。

またケーシング周壁２内周面の所定高さ位置に
透明板載置部９が全周にわたつて設けられ、下側
透明板８の周縁に横断面略Ｕ形のパツキン１０が
嵌め被せられ、透明板８がパツキン１０の下壁１
０ａを介して透明板載置部９上に載せられ、パツ
キン１０の外周面に、外方に突出しかつ先端がケ
ーシング周壁２内周面に当接したひれ状部１０ｂ
が全周にわたつて設けられている。

ケーシング１内に収められた底部断熱材５は、
周縁部断熱材４に囲まれて底壁３上に配置されて
いる。太陽熱集熱板６は、それぞれ１つの下向き
凹条２０を有する複数のアルミニウム押出板が、
相互に幅方向に接続されて構成されたものであ
り、各凹条２０にはそれぞれ通水管１８が強制的
に嵌め込まれている。通水管１８は、ヘツダ１９
に連通状に接続されている。

透過体７は、上記のようにその周縁部がパツキ
ン１７上に載せられ、ケーシング周壁２に固定さ
れた額縁状透過体押え部材２１によつて押えられ
てケーシング周壁２に固定されている。透過体押
え部材２１は横断面略倒立Ｌ形で、その水平部２
１ａが上方に突出してパツキン２２を介して透過
体７の周縁部上に載せられ、同垂直部２１ｂがケ
ーシング周壁２の側壁本体１１の垂直壁１１ａ外
面に沿うように配置され、水平部２１ａのビス孔
を貫通したタツピング・ビス２３がねじ嵌め溝１
３にねじ嵌められることにより、透過体押え部材
２１がケーシング周壁２に固定されている。

保温用透明板８の周縁に嵌め被せられた横断面
略Ｕ形のパツキン１０の２つのひれ状部１０ｂ
は、ケーシング周壁２の透過体支持部材１２の垂
直壁１２ａ内面に当接して若干変形しており、こ
のパツキン１０の下壁１０ａおよびひれ状部１０
ｂによつて保温用透明板８とケーシング周壁２と
の間がシールされている。パツキン１０のひれ状
部１０ｂの突出長さは、太陽熱集熱器を建物の屋
上等に傾斜した状態で配置したさいに、透明板８
が自重によつて斜め下方に移動しても傾斜上端に
おいてひれ状部１０ｂ先端と垂直壁１２ｂ内面と
の間に隙間が出来ないような長さとなされてい
る。

考案の効果 この考案の太陽熱集熱器によれば、ケーシング
の周壁が平面よりみて長方形を有しかつアルミニ
ウム押出型材製の４つの側壁により構成され、こ
のケーシング周壁の上縁部に上方に開口しかつ各
側壁の長手方向に伸びている横断面略Ｕ形のタツ
ピング・ビスねじ嵌め溝がケーシング周壁の全周
にわたつて設けられ、ケーシング周壁の上縁部内
側にパツキンを介して嵌め込まれた透過体の周縁
部を上から押えるように透過体押え部材がケーシ
ング周壁に嵌め被せられ、この透過体押え部材が
同部材を貫通してケーシング周壁の溝に上からね
じ込まれた所要数のタツピング・ビスにより固定
されているものであるから、従来のようなケーシ
ング周壁にタツピング・ビスの下孔を透過体のビ
ス孔の位置に合わせてドリルであけるといつた非
常に面倒な作業が必要でなくなり、このため太陽
熱集熱器の組立て作業において工程を１つ省略す
ることができるとともに、非常に作業性が良く、
例えばタツピング・ビスの取付位置の変更があつ
た場合にも容易に対処し得る。勿論切粉を除去す
るといつた余分な作業も不要となる。また切粉が
発生しないことにより、切り粉による透過体の損
傷がなく、かつケーシング内に入つた切粉により
排水口が詰まるというようなことも皆無となり、
太陽熱集熱器の保守管理が容易であるという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
はこの考案による太陽熱集熱器の要部拡大断面
図、第２図は同部分拡大断面図で、これは第３図
の−線にそうものである。第３図は太陽熱集
熱器の一部切欠き全体平面図である。 １……ケーシング、２……ケーシング周壁、２
Ａ……側壁、７……透過体、１３……タツピン
グ・ビスねじ嵌め溝、２１……透過体押え部材、
２３……タツピング・ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシング１の周壁２が平面よりみて長方形を
   有しかつアルミニウム押出型材製の４つの側壁２
   Ａにより構成され、このケーシング周壁２の上縁
   部に上方に開口しかつ各側壁２Ａの長手方向に伸
   びている横断面略Ｕ形のタツピング・ビスねじ嵌
   め溝１３がケーシング周壁２の全周にわたつて設
   けられ、ケーシング周壁２の上縁部内側にパツキ
   ン１７，２２を介して嵌め込まれた透過体７の周
   縁部を上から押えるように透過体押え部材２１が
   ケーシング周壁２に嵌め被せられ、この透過体押
   え部材２１が同部材２１を貫通してケーシング周
   壁２の溝１３に上からねじ込まれた所要数のタツ
   ピング・ビス２３により固定されている太陽熱集
   熱器。