JPH0423869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は合板製造の分野に於て取扱われるベニ
ヤレース等の単板切削機により生産したベニヤ単
板の上面を刺着搬送し乍ら堆積し、矯正し、供給
する際に利用される釘付きチエーンに係るもので
ある。

(ロ) 従来技術 従来のこの種釘付きチエーンは、第４図に例示
するように、ローラーチエーン１を構成するリン
クプレート１ａの一側辺に二辺Ｃが当分に傾斜し
て交わるＶ型の突起部１ｂを通常は１個づつ形成
して釘付きチエーンとしていたものであり、前記
ローラーチエーン１の他の一側辺より押圧力を作
用することによつて前記二辺Ｃが等分に傾斜して
交わるＶ型の突起部１ｂを上面から搬送物に突き
刺してこれを刺着搬送するように構成されていた
ものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 上記従来技術になる釘付きチエーンは、その突
起部を搬送物に突き刺した時、特にベニヤ単板の
ような繊維方向には割れ易いがその割れの復元力
も比較的強い搬送物に突き刺した時は、二辺Ｃが
等分に傾斜して交わるＶ型の突起部は押圧力を解
除して搬送を開始すると割れの復元力によつて二
辺Ｃが等分に傾斜して交わるＶ型の特記部の斜面
が両側から押し出されて抜け落ちる不具合があつ
たものを、特にベニヤ単板の刺着搬送用として実
験究明した一辺Ａが傾斜し、該一辺Ａに交わる他
の一辺Ｂが垂直に切り立つた変形Ｖ型の釘付きチ
エーンを用いることによつて、安定確実な単板刺
着力の保持を図るようにしたものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案は上記安定確実な単板刺着力の保持を図
るため、一辺Ａが傾斜し、該一辺Ａに交わる他の
一辺Ｂが垂直に切り立つた変形Ｖ型の単板刺着部
からなる釘プレートをローラーチエーンに着脱自
在に装置したものであつて、即ち本考案は ａ 一辺Ａが傾斜し、該一辺Ａに交わる他の一辺
Ｂが垂直に切り立つた変形Ｖ型の単板刺着部が
一側辺に適宜数形成されておる小判型の釘プレ
ート、 ｂ 該釘プレートにローラーチエーンのピツチに
合せて穿孔した２個の取り付け孔、 ｃ また該釘プレートを前記垂直に切り立つた一
辺Ｂがチエーンの進行方向前方となる状態で前
記ローラーチエーンのピンに取り付け孔から嵌
挿して着脱自在に止着するクリツプ、 を構成要件とするベニヤ単板を刺着搬送する釘付
きチエーンである。

(ホ) 作用 本考案による釘付きチエーンは、その釘プレー
トの単板刺着部が特に一辺Ａが傾斜し、該一辺Ａ
に交わる他の一辺Ｂが垂直に切り立つた変形Ｖ型
に形成されているので、これをベニヤ単板に突き
刺した時の押圧力を解除して搬送を開始する際、
即ち載置面から持ち上げつつ前進搬送する際でも
割れの復元力によつてこれが両側から押し出され
て抜け落ちることがなく、相隣れる一辺Ａが傾斜
し、該一辺Ａに交わる他の一辺Ｂが垂直に切り立
つた変形Ｖ型部位の垂直に切り立つた一辺Ｂに当
接して夫々の単板の接触面が垂直面に直交する方
向に強く押しつけられその摩擦力によつてベニヤ
単板の抜け落ちを拘束するように作用するもので
あり、またこの作用はベニヤ単板の搬送中におい
ても持続するものである。

(ヘ) 実施例 本考案はその実施の一例を第１〜３図により示
すように、小判型の釘プレート２の一側辺に一辺
Ａが傾斜し、該一辺Ａに交わる他の一辺Ｂが垂直
に切り立つた変形Ｖ型の単板刺着部３を適宜数、
通常は１乃至２個程度形成すると共に、これをロ
ーラーチエーン４のピン５に嵌挿する取り付け孔
６ａ，６ｂを前記ローラーチエーン４のピツチに
合せて穿孔する。また前記ローラーチエーン４の
ピン５に取り付け孔６ａ，６ｂをもつて嵌挿した
釘プレート２は、これをクリツプ７により前記ピ
ン５に着脱自在に止着して一連のベニヤ単板を刺
着搬送する釘付きチエーンに構成したものであ
る。

然して前記一辺Ａが傾斜し、該一辺Ａに交わる
他の一辺Ｂが垂直に切り立つた変形Ｖ型の単板刺
着部３は、通常はその垂直に切り立つた一辺Ｂに
対して15乃至20度程度の傾斜した角度の一辺Ａに
形成されており、且つまたこの一連の釘付きチエ
ーンは複数のスプロケツトその他にエンドレスに
巻掛されて前記垂直に切り立つた一辺Ｂが前方と
なる方向に連続的に廻動されるように装置される
ものである。

また図示してはないが、該釘付きチエーンは前
記釘プレート２の単板刺着部３を形成してない他
の一側辺のローラーチエーン４からエアーシリン
ダー等の作動機構を装着したローラー等により所
望の押圧力を作用して前記単板刺着部３を搬送物
となるベニヤ単板の上面に突き刺してこれを刺着
搬送するように装置されており、更には一端刺着
搬送されたベニヤ単板を適宜場所でその刺着搬送
を解除してこれを堆積し、矯正し、供給する等の
工程操作を行う際は、その刺着搬送をエアーシリ
ンダー等の作動機構を装着した打ち落しバーや抜
釘円板等により間欠的に、または連続的に解除す
るように装置されるものである。

(ト) 考案の効果 本考案は叙上のように一辺Ａが傾斜し、該一辺
Ａに交わる他の一辺Ｂが垂直に切り立つた変形Ｖ
型の単板刺着部からなる釘プレートを前記垂直に
切り立つた一辺Ｂがチエーンの進行方向前方とな
る状態でローラーチエーンに着脱自在に装置した
ものであるから、従来装置のローラーチエーンの
リンクプレートに二辺Ｃが等分に傾斜して交わる
Ｖ型の突起部を形成したもののような、ベニヤ単
板を突き刺した時の押圧力を解除して搬送を開始
すると割れの復元力によつて二辺Ｃが等分に傾斜
して交わるＶ型の突起部の斜面が両側から押し出
されて抜け落ちる不具合もなく、相隣れる一辺Ａ
が傾斜し、該一辺Ａに交わる他の一辺Ｂが垂直に
切り立つた変形Ｖ型部位の垂直に切り立つた一辺
Ｂに当接して夫々の単板の接触面が垂直に直交す
る方向に強く押しつけられその摩擦力によつて刺
着搬送過程のベニヤ単板の抜け落ちを拘束するよ
うに作用するので、安定確実な単板刺着力の保持
効果が如何なく発揮される実施効果の顕著な考案
である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施の一例を示すものであつて第
１図は釘プレートの側面図、第２図は釘付きチエ
ーンの側面図、第３図は同じく正面図、第４図は
従来装置の側面図である。 ２……釘プレート、３……単板刺着部、４……
ローラーチエーン、５……ピン、６ａ，６ｂ……
取り付け孔、７……クリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一辺Ａが傾斜し、該一辺Ａに交わる他の一辺Ｂ
   が垂直に切り立つた変形Ｖ型の単板刺着部が一側
   辺に適宜数形成されておる小判型の釘プレート、
   該釘プレートにはローラーチエーンのピツチに合
   せて２個の取り付け孔が穿孔されており、また該
   釘プレートは前記垂直に切り立つた一辺Ｂがチエ
   ーンの進行方向前方となる状態で前記ローラーチ
   エーンのピンに取り付け孔が嵌挿されてクリツプ
   により着脱自在に止着されてなることを特徴とす
   るベニヤ単板を刺着搬送する釘付きチエーン。