JPH0423817A - Ab型ブロック共重合体およびその利用 - Google Patents

Ab型ブロック共重合体およびその利用

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JPH0423817A
JPH0423817A JP2125920A JP12592090A JPH0423817A JP H0423817 A JPH0423817 A JP H0423817A JP 2125920 A JP2125920 A JP 2125920A JP 12592090 A JP12592090 A JP 12592090A JP H0423817 A JPH0423817 A JP H0423817A
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JP
Japan
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carbon atoms
block copolymer
monomer
weight
polymer
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JP2125920A
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English (en)
Inventor
Shunichi Himori
俊一 檜森
Yoshio Omori
美穂 大森
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 〈産業上の利用分野〉 本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける
静電荷像を現像するためのトナーとして有用なAB型ブ
ロック共重合体に関するものである。
〈従来の技術およびその問題点〉 従来、電子写真法は、米国特許第2297691号、同
第2357809号各明細書等に記載されているように
、以下の3工程から成り立っている。■光導電性絶縁層
を一様に帯電させ、そしてその層を露光させ、その露光
された部分の上の電荷を消去することにより電気的な潜
像を形成し、更にこの潜像にトナーと呼ばれる電荷を持
つ微粉末を電気的に付着させ可視化させる(現像工程)
■得られた可視像を転写紙等の転写材に転写する(転写
工程)。■加熱、圧力あるいはその他の定着法によって
、可視像を定着させる(定着工程)。
このような電子写真法において、定着のための手段とし
て従来より用いられているのは、オーブン定着法および
ヒートローラ一定着法と呼ばれる方法である。これらの
うちでは、ヒートローラー定着法は加熱ローラー表面と
被定着シートのトナー像面とが圧接触するため、熱効率
が非常に良く、低速複写から高速複写に到るまで幅広く
用いられている。
しかし、このヒートローラ一定着法は、加熱ローラー面
とトナー像面が接触する際に、トナーが加熱ローラー面
に付着残留して後続の転写紙を汚染する、所謂オフセッ
ト現象を生じやすいという欠点を有している。このオフ
セット現象には、加熱ローラー表面温度が低すぎて加熱
ローラー上のトナーが溶融しきらないことによりトナー
がローラー上に残留する場合(低温オフセット現象)な
らびに加熱ローラー表面温度が高すぎて加熱ローラー上
のトナーの溶融粘度が低すぎることによりトナーがロー
ラー上に残留する場合(高温オフセット現象)の二つが
知られている。従って、一般に、ヒートローラ一定着法
では、定着に必要な最低温度(最低定着温度)は低温オ
フセット温度よりや\高温に存在し、定着可能温度範囲
は最低定着温度以上かつ高温オフセット温度以下の範囲
にあるように設定される。
現在、電子写真に対して高速定着化、カラー化、省エネ
ルギー化の要求が増大し、そのため最低定着温度の低温
化(低温定着性)が望まれ、一方、複写機周囲温度の上
昇や長時間連続運転等による機内温度の上昇があっても
安定した定着性能を得るために、低温オフセット温度の
高温化も望まれている。また、複写機の一般への普及に
伴い、比較的過酷な温度環境条件においても複写機内で
トナーが凝集(ブロッキング)せずに粉末形状を保持し
ていること(耐ブロッキング性)も望まれている。
これらのトナーの持つ溶融特性、耐熱特性等の熱的性質
は、トナー成分の約60〜98重量%を占める主成分で
あるトナー樹脂が支配している。
従って上述の要求を満足するトナー樹脂の分子設計をす
ることが必要となってくるのである。
このような目的のために様々な試みが行なわれてきた。
最も広く用いられているスチレン−(メタ)アクリル酸
エステル共重合体系トナー樹脂は通常のラジカル熱重合
法を用いるところより分子量制御等分子設計が困難であ
るため、上述の目的には適していないのが現状である。
一方、ポリエステル系樹脂による試みもあるが、この樹
脂は軟化点の制御等が困難であるばかりでなく、この樹
脂の持つ本質的な吸湿性のため帯電性能にも悪影響があ
るといった問題点もあり(「最近の電子写真システムと
トナー材料の開発・実用化」 (昭和60年日本科学情
報(株)180頁以下)、幅広く用いられてはいない。
〔発明の概要〕
く要 旨〉 この発明の目的は、上記の問題を解決して、定着可能温
度範囲がより広く、すぐれた耐ブロッキング性をも併せ
持ったトナー樹脂を提供することにある。
すなわち、本発明によるAB型ブロック共重合体は、下
記の一般式(I)で表わされるものである。
(式(1)中、M、R1−R3は下記の通りに定義され
るものである。
(i)  Mは−(M  ←−→M1←またはm   
       n −+M  チーHM2←で表わされるブロック共n  
        m 重合体部であって、MlおよびM−ならびにmおよびn
は、それぞれ下記の通りに定義される。
Ml:スチレン系単量体およびメタクリル酸メチルから
選ばれる少なくとも1種の単量体75〜100重量%と
アクリル酸アルキル(ただし、アルキル基の点素数は2
〜12である)およびメタクリル酸アルキル(ただし、
アルキル基の炭素数5〜12である)から選ばれる少な
くとも1種の単量体0〜25重量%より形成される高分
子構成単位。
M2:スチレン系単量体およびメタクリル酸メチルから
選ばれる少なくとも1種の単量体30〜70重量%とア
クリル酸アルキル(ただし、アルキル基の炭素数は2〜
12である)およびメタクリル酸アルキル(ただし、ア
ルキル基の炭素数は5〜12である)から選ばれる少な
くとも1種の単量体30〜70重量%より構成される高
分子構成単位。
nおよびm:nは20〜200の自然数であり、mは1
5〜190の自然数であって、m≦nである。
(it)  R1は、炭素数1〜10の炭化水素残基を
示す。
(Iii)R2は、水素原子または炭素数1〜10の炭
化水素残基を示す。
(ここで、R4は炭素数1〜10の炭化水素残基を、R
5は水素原子または炭素数1〜1oの炭化水素残基を、
R6は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素残基を
、それぞれ示す)を示す。
(v)  セグメント(M  )  および(M2)n
               m は、上記の定義に加えて、下記の群がら選ばれる単量体
M3をM1+M2+M3の合計基準で1〜15重量%含
有してなる。
(イ)マレイン酸、マレイン酸モノまたはジアルキルエ
ステル(ただし、アルキル基の炭素数は1〜10である
)、および無水マレイン酸から選゛ばれるマレイン酸化
合物。
(ロ)アクリル酸またはメタクリル酸。
また、上記の共重合体の利用にががる、本発明による電
子写真法用トナーは、上記のAB型プロツク共重合体を
樹脂成分とするものである。
く効 果〉 本発明による上記式(1)のブロック共重合体は、トナ
ー用樹脂として必要な物性を発現させるため分子設計の
自由度が大きいので、前記の目的を容易に達成すること
ができる。
すなわち、本発明のAB型ブロック共重合体は50℃以
下の雰囲気ではブロッキングを起こさず、即ち、耐ブロ
ッキング性に優れ、一方120℃以上なら容易に定着可
能な、すなわち低温定着性の優れた、しかも200℃以
下では高温オフセット現象を起こさず、すなわち高温オ
フセット性の優れた、トナー用樹脂である。このブロッ
ク共重合体の優秀な耐ブロッキング性は連続相を成す硬
質鎖が50℃以上のTgを有しているため樹脂表面が軟
化しないことに起因すると考えられ、一方、優秀な低温
定着性は分散相を成す軟質鎖が可塑剤的な役割りをはた
すためと考えられる。また、優れた高温オフセット性は
、共重合させた定着性改良単量体(M3)が200℃程
度の高温においてブロック共重合体全体の急激な溶融粘
度低下を防いでいるためと考えられる。このブロック共
重合体は幅広い定着温度範囲と耐ブロッキング性か同時
に要求される分野には幅広く使用が可能である。
具体的には白黒トナー、カラートナー、ページプリンタ
ー用トナー、インクジェット用インク、プリンターリボ
ン用インク、粉体塗料、固型塗料、インク用添加剤、ト
ナー用添加剤、塗料用添加剤、樹脂用添加剤、ホットメ
ルト接着剤、、ホットメルト粘着剤、ポリマーアロイ等
が挙げられる。
なお、本発明で定着温度範囲がより広いということは、
前述のように、最低定着温度がより低いか、あるいは高
温オフセット温度がより高いか、あるいは両方を満足す
るか、のいずれかを意味するものである。
[発明の詳細な説明] 〔ブロック共重合体〕 〈基本構造〉 本発明によるブロック共重合体は、 で示されるものである。
一般式(1) (各置換基の定義は前記の通り) 式(I)中、R1(R2)NC(−5)−および−R3
は重合開始剤(詳細後記)由来の残基であり、Mがブロ
ック共重合体の本体をなす部分である。
ブロック共重合体の本体をなすMはMlのブロックすな
わち(Ml) およびM2のブロックすなわち(M2)
 とからなることは前記したとろであって、それぞれの
単量住棟も前記したところであるが(詳細は後記)、こ
れらのブロックの本発明ブロック共重合体に対する寄与
は、下記の通りである。
すなわち、本発明の(1)式で示されるブロック共重合
体は、基本的には、比較的硬質な高分子鎖(Ml)  
 (硬質鎖)と比較的軟質な高分子鎖(M2)  (軟
質鎖)とから成るAB型ブロック共重合体である。Ml
は単独ではガラス転移点(T g)が60℃以上を示す
高分子を形成しうる単量体(硬質単量体)および単独で
はTgが0℃未満を示す高分子を形成しうる単量体(軟
質単量体)の混合物からなり、硬質単量体(一種又は二
種以上)が75〜100重量%および軟質単量体(一種
又は二種以上)が0〜25重量%よりなるものである。
ここで、硬質単量体の割合が75重量%未満であり軟質
単量体の割合が30重量超過の場合は、低温定着性は向
上するか耐ブロッキング性が低下して好ましくない。中
でも、硬質単量体(一種又は二種以上)か75〜90重
量%でありかつ軟質単量体(一種又は二種以上)が10
〜20重量%の混合物であることが、合成されるブロッ
ク共重合体の低温定着性と耐ブロッキング性のバランス
の観点から好ましい。同様に、M2は硬質単量体および
軟質単量体の混合物からなり、硬質単量体(一種又は二
種以上)が30〜70重量%でありかつ軟質単量体(一
種又は二種以上)が30〜70重量%よりなるものであ
る。ここで硬質単量体の割合が70重量%超過であり、
かっ軟質単量体の割合が70重量%未満であると、耐ブ
ロッキング性は向上するが低温定着性が低下して好まし
くない。一方、硬質単量の割合が30重量%未満であり
かつ軟質単量体の割合が70重量超過であると、低温定
着性は向上するが耐ブロッキング性が低下するので好ま
しくない。中でも、硬質単量体(一種又は二種以上)が
40〜70重量%でありかつ軟質単量体(一種又は二種
以上)が30〜60重量%よりなる混合物であることが
、合成されるブロック共重合体の低温定着性と耐ブロッ
キング性のバランスの観点から好ましい。
式(I)中、nおよびmは、それぞれ硬質鎖および軟質
銀の長さ、すなわち重合度、を示している。一般に、こ
のブロック共重合体において、nが大きくなると硬質鎖
の比率が大きくなって、耐ブロッキング性が向上するけ
れども低温定着性は低下し、一方nが小さくなると硬質
鎖の比率が小さくなって、耐ブロッキング性が低下する
けれども、低温定着性は上昇する、という傾向がみられ
る。同じく、mが大きくなると軟質銀の比率が大きくな
って、耐ブロッキング性が低下するけれども低温定着性
は向上し、一方mが小さくなると軟質銀の比率が小さく
なって、耐ブロッキング性が向上するけれども低温定着
性は低下する、という傾向がみられる。
本発明では、nが20未満では低温定着性は向上するが
耐ブロッキング性が低下して好ましくなく、一方200
超過であると耐ブロッキング性は向上するが低温定着性
が低下して好ましくない。
nは、そのような観点から25〜150が好ましく、3
0〜100がより好ましい。一方、同様にmが15未満
であると耐ブロッキング性は向上するが低温定着性が低
下して好ましくなく、一方190超過であると低温定着
性は向上するが、耐ブロッキング性が低下するので好ま
しくない。mは、このような観点から20〜140が好
ましく、25〜90がより好ましい。
どのようなnとmの場合においても、このブロック共重
合体のモルフォロジーが硬質鎖が連続相となり、軟質銀
が分散相になることが必要条件となるために、n≧mで
ある必要がある。なぜならなば、もしn<mであるなら
ば軟質銀が連続相になり、著しく耐ブロッキング性が低
下してしまうからである。なお、本発明のブロック共重
合体は、高分子鎖M1およびM2の組成が大きく異なっ
てミクロ相分離構造を有している方が好ましい場合が多
い。
上記のような特性のブロック共重合体の単量住棟の詳細
は、後記の通りである。
く共重合体ブロックの変性〉 本発明によるブロック共重合体の基本的構造は上記の通
りであるが、本発明はブロック(M  )  および(
M2) の一方または双方に0           
     m特定の単量体(M3)を更に共重合させて
、その寄与によって定着性の改良を計ったものである。
この定着性改良単量体M3は、合成されるブロック共重
合体の低温定着性を全くあるいはあまり低下させること
なく高温オフセット温度を上昇させるべく運び出された
ものである。
このような観点から、この定着性改良単量体(M3)は
特定の量で存在することが望ましい。
すなわち、単量体M3は、M1+M2+M3の合計量基
準で1重量%未満ではほどんと効果が期待できず、逆に
15重量%を越えると低温定着性が低下するので、好ま
しくない。ブロック共重合体の高温オフセット性と低温
定着性のバランスの観点から、低温定着性改良単量体の
割合は3〜1゜び(または)(M2)  中に存在して
いても、M およびM2のそれぞれにおいての硬質単量
体と軟質単量体との割合は、両者の合計量基準(すなわ
ち、M3を含まない)によるものである。また、各ブロ
ックの重合度nおよびmも、M3を含まないものについ
ての値を示すものとする。本発明を定義するに当り、単
量体M3に関する要件(V)においてセグメント (M
l) および(M2) について「上記の定義に加えて
」とした所以である。
定着性改良単量体M3は、硬質鎖 ((M))および軟質銀[(M”)) n                        
  mのいずれか一方または双方に存在していても効果
があるが、軟質鎖により高濃度に存在させた方が効果が
大きく、さらに軟質鎖のみに存在させる方がさらに有効
であるので好ましい。
定着性改良単量法M3の詳細もまた、後記の通りである
〔ブロック共重合体の製造〕
く重合開始剤およびその重合機構〉 本発明によるブロック共重合体か重合開始剤由来の残基
を有することは前記したところである。
すなわち、本発明に用いられる重合開始剤はジチオカー
バメート系重合開始剤であり、光エネルギーによりラジ
カル開始能を有するものであって、具体的には一般式(
0)で表わされるものである。
(ここでR1、R2およびR3は、一般式(I)と同じ
定義である)。
ここでR1およびR2は、いずれも重合速度および重合
制御性の面から炭素数1〜4の炭化水素残基が好ましく
、特に炭素数2および3のものが0OR6 ある。ここで、R4は炭素数1〜5の炭化水素残基、重
合速度および単量体や溶剤に対する溶解性の観点からR
5は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素残基、ならび
にR6は炭素数1〜5の炭化水素残基が好ましく、特に
RSRおよびR6が共に炭素数1〜Bの炭化水素残基で
あるものが好ましい。
このようなジチオカーバメート系重合開始剤の具体例を
挙げれば、下記のものがある。
一般に、これらの開始剤となるジチオカーバメート化合
物は、ハロゲン化物と当量のN、N−ジアルキルジチオ
カルバミン酸ナトリウムとから収率よく合成される。例
えば、1モルの塩化ベンジルと1モルのN、N−ジエチ
ルジチオカルバミン酸ナトリウムを反応させることによ
り、はぼ1モルのベンジル−N、Nジエチルジチオカー
バメートが得られる。
なお、一般式(0)で表わされる式中のベンゼン環上の
水素のいくつかがハロゲン、炭化水素基、特に低級炭化
水素基、等で置換されていたとしても著しい物性上の変
化は実質上認められないので、これらがそのように置換
されていてもよい。したがって、本発明によるAB型ブ
ロック共重合体は、そのような置換共重合体をも包含す
るものである。
このような開始剤はイニファーターと呼ばれていて、光
によりラジカル解離し、ラジカル重合において開始能、
連鎖移動能、および停止能を併せ持つところより、重合
反応がリビング的に進行することは良く知られていると
ころである(「ポリマージャーナル」、第16巻、第6
号 (1984) 、第511頁以下)。
(0)式の開始剤は、光エネルギーによりSR3のイオ
ウ−炭素シグマ結合がラジカル解離し、5−R3間に単
量体を挿入する様に重合が進行する。
本発明のブロック共重合体は、このような重合開始剤を
用いて、二つの工程の光重合により合成することができ
る。即ち、一定の組成の単量体混合物(たとえば、M1
形成用単量体)についてこの開始剤を用いて光重合を完
結させ(第一工程)、更に異なる組成の単量体混合物(
従って、M2形成用単量体)について、上記のように得
られた重合物それ自体を高分子開始剤として光重合を完
結させる(第二工程)ことにより、結果的に(1)式の
AB型ブロック共重合体が得られる。
ブロック共重合体の各セグメントの重合度(分子量)は
、開始剤と単量体のモル比により制御することができる
。例えば、単量体の分子量が100のメタクリル酸メチ
ルに対してベンジル−N、N−ジエチルジチオカーバメ
ートを1モル%添加した場合は、数平均分子量が約10
,000であり、重量平均分子量は約20,000であ
り、数平均重合度100に相当する。同様に0.1モル
%添加の場合は、それぞれ、約100,000および約
20,000であって、数平均重合度1000に相当す
る(「高分子」第38巻、第8号(1989)、第84
1頁)。
第二工程においても同様に、高分子開始剤と単量体のモ
ル比により重合度(分子量)を制御することが可能であ
る。
く単量体〉 単量体M1は硬質単量体が主体で少量の軟質単量体を含
んでいてもよく、単量体M2は軟質単量体と硬質単量体
とを適当量含んでいる。
硬質単量体は、スチレン系単量体およびメタクリル酸メ
チルからなる群から選ばれる。スチレン系単量体として
は、具体的には、スチレン、核および(または)側鎖置
換スチレン、たとえば、αメチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−クロロメチルスチレン、0−アミノスチ
レン等が挙げられる。硬質単量体としてはスチレンおよ
びメタクリル酸メチルが好ましく、スチレンが特に好ま
しい。
軟質単量体は、アクリル酸アルキル(ただし、アルキル
基の炭素数は2〜12である)およびメタクリル酸アル
キル(ただしアルキル基の炭素数は5〜12である)か
らなる群から選ばれる。ここで、「アルキル」は、それ
ぞれ直鎖および分岐鎖ならびn−1i−1sec〜およ
びt−の異性体を包含するものである。これらのうちで
好ましいのは、アクリル酸アルキル(C4〜c8)およ
びメタクリル酸アルキル(C8〜c9)であり、特に好
ましいのはアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシルおよびメタクリル酸2−エチルヘキシルである。
なお、各セグメントに少量のその他の(メタ)アクリル
酸(「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタ
クリル酸を総称するものとする)、(メタ)アクリル酸
エステル、マレイン酸誘導体等のエチレン性不飽和単量
体を加えても溶融物性、耐ブロッキング性に影響を与え
ないので、そのような単量体の併用は本発明において許
容されるものとする。
一方、定着性改良単量体M3は、(イ)マレイン酸、マ
レイン酸モノまたはジアルキルエステル(たゾし、アル
キル基の炭素数は1〜10である)、および無水マレイ
ン酸から選ばれるマレイン酸化合物ならびに(ロ)アク
リル酸またはメタクリル酸、からなる群から選ばれる。
これらのうちの好ましいのは、マレイン酸モノアルキル
エステルであって、特にアルキル基が炭素数2〜8のも
の、たとえばマレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブ
チルおよびマレイン酸モノ2−エチルヘキシル、が好ま
しい。なお、他のエチレン性不飽和単量体、たとえば酢
酸ビニル、塩化ビニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
ブチル、等を共重合させても、それが少量たとえばこの
定着性改良単量法の 重量%まで程度てあれば生成ブロ
ック共重合体の耐ブロッキング性および定着特性に悪影
響を与えないので、これらの単量体を併用することはか
まわない。
く重合態様〉 本発明によるAB型ブロック共重合体の合成は、ジチオ
カーバメート化合物の分解ないしラジカル発生に必要な
波長、たとえば300〜500nm、の紫外線を用いた
光重合で行なわれることがふつうである。重合反応を通
じて開始部位であるジチオカーバメート基に光が到達す
るのであれば、この重合は塊状、溶液状、懸濁状、分散
状、スラリー状、エマルジョン状、気体状のいずれの状
態で行なってもかまわない。溶液重合法で製造する場合
の溶剤としては、300〜500 nmの波長の紫外線
に特性吸収を持たず、連鎖移動定数が小さく、かつ単量
体および重合体をよく溶解することのできる溶剤が好ま
しい。このような好ましい溶剤としては、たとえばベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アセトン
、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メチルセロソルブ
、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミド、メタノールイソプロピルアルコール、ブタ
ノール、ヘキサン、ヘプタン、水等があげられる。
重合雰囲気、重合温度は通常のラジカル重合と同様の条
件が好ましく、具体的には窒素、アルゴン等の不活性気
体中で10〜150℃の温度が好ましい。
合成したAB型ブロック共重合体中の末端のジチオカー
バメート基は、重合反応を経ただけでは失活することな
く存在していることから、ジビニルベンゼンの様な多官
能ラジカル重合性単量体を更にこのブロック共重合体に
含浸させて光重合を行なうことにより、架橋体を得るこ
とも可能である。
ジチオカーバメート基の有する耐放射線性、キレート形
成能、除草性等の薬理活性等を共重合体に付与すること
もできるし、そしてジチオカーバメートを酸素で処理す
ることによりブロック共重合体同志にイオウ架橋を導入
することも可能である。
また、本発明は、合成したブロック共重合体の両末端の
ジチオカーバメート基を処理することにより、ブロック
共重合体の両末端を紫外線に対して不活性化させること
ができる。たとえば当該ブロック共重合体を波長220
nm以下の高エネルギー電磁線を照射するか、250’
C以上の高温で数分間処理したり、酸性あるいは塩基性
溶液で処理することにより、ブロック共重合体を紫外線
に対して不活性化することができる。
紫外線吸収基含有単量体を添加後、更に光重合させるこ
とによっても不活性化することも可能である。
また、本発明では、合成した当該ブロック共重合体に紫
外線を照射しながら、連鎖移動定数の大きな例えばチオ
ールの様な試薬を添加することによって、ブロック共重
合体の末端を置換させることも可能である。
〔実 験 例〕
以下の実験例は、本発明を更に詳細に説明するものであ
る。本発明はこれらの例によって限定されるものではな
い。
く製造例A〉 50℃の恒温槽内において、出力400Wの高圧水銀灯
(東芝ライチック製H−400PL)から10cmの距
離に、攪拌機、およびコンデンサー付きのパイレックス
ガラス製の500m1のセパラブルフラスコを設置し、
ステ1285g1アクリル酸ブチル15g1ベンジル−
N、 Nジエチルジチオカーバメート(BDC)7.2
g、およびトルエン200gを仕込み、微量の窒素ガス
を供給しながら、該水銀灯にて20時間にわたって紫外
線照射して、光重合を行なわせた。この重合体溶液に1
リツトルのメタノールを加えて重合体を沈殿させ、沈殿
物を90℃に保った減圧乾燥器にて、15時間乾燥させ
た。
得られた重合物は次工程で高分子開始剤Aとして使用す
るものであるが、その収量、ゲルパーミェーションクロ
マトグラフィーによる数平均分子量(Mn)、重量平均
分子量(M w )および重合分散度(Mw/Mn)、
ならびにガラス転移点(Tg)は表1に示した通りであ
る。
く製造例B−J> 表1に示した原料組成にて製造例Aと同様の操作を行な
って、高分子開始剤B−Jとして使用すべき重合物を製
造した。これらの重合物の収量ならびに同定結果等は、
表1に示した通りである。
く製造例1〉 製造例Aで用いたのと同様の装置からなる重合槽に、製
造例Aて製造した高分子開始剤A30g、スチレン32
g、アクリル酸ブチル20g1マレイン酸モノブチル8
gおよびトルエン210gを加えてよく溶解した後、微
量の窒素ガスを供給しながら、約20時間光重合を行な
い、得られた重合溶液に2リツトルのメタノールを加え
て重合物の沈殿を行ない、えられた沈殿物を90℃に保
った減圧乾燥器に15時間乾燥した。得られた重合物を
ブロック共重合体(1)とし、その収量、Mn、MwS
Mw/Mn、およびTgを表2に示す。
く製造例2〜7〉 製造例1の高分子開始剤A30gのかわりにそれぞれ高
分子開始剤B、C,D、H,Iおよび180gを用いて
製造例1と同様にブロック共重合体(2)〜(7)を合
成した。用いた高分子開始剤、得られたブロック共重合
体の収量、Mn、Mw、Mw/MnおよびTgは、表2
に示す通りである。
〈製造例8〜20〉 製造例1の高分子開始剤A30g、スチレン32 gお
よびアクリル酸ブチル20gおよびマレイン酸モノブチ
ル8gのかわりに、表3に示した高分子開始剤および単
量体を用いる他は製造例1と同様に重合を行なって、得
られた重合物をブロック共重合体(8)〜(20)とし
、その収量、M n 。
MW%MW/Mn、およびTgを表3に示す。
く使用例〉 下記の使用例1〜16では、表4の組成をヘンシェルミ
キサーで混合後、二軸押出機を用いて溶融混練し、冷却
後、通常の粉砕、分級工程を経て平均粒径11μmのト
ナー樹脂を調製した。
以上のトナー各々39部と樹脂被覆された鉄粉1261
部とを混合して現像剤を調製し、市販の電子写真複写機
(感光体はアモルファスセレン、定着ローラーの回転速
度は255mm/see、定着装置中のヒートローラ温
度を可変にし、オイル塗布装置を除去したもの)にて画
像出しを行ない、最低定着温度、低温オフセット温度お
よび高温オフセット温度を評価した。また、耐ブロッキ
ング性については各トナーの50℃、相対湿度40%条
件下で24時間放置したときの凝集の発生の程度を評価
した。各評価結果も表4に示す。
く参考例、比較例〉 比較例1〜4および参考例1〜3では、表5の組成にて
実施例と同様の操作を行なりで同じく平均粒径11μm
のトナー樹脂を調製し、使用例と同様のトナー樹脂およ
び鉄粉配合組成にて現像剤を調製した。これらの現像剤
の最低定着温度、低温オフセット温度、高温オフセット
温度および耐ブロッキング性を使用例と同様の評価を行
ない、結果も表5に示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、下記の一般式( I )で表わされる、AB型ブロッ
    ク共重合体。 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) (式( I )中、M、R^1〜R^3は下記の通りに定
    義されるものである。 (i)Mは▲数式、化学式、表等があります▼または ▲数式、化学式、表等があります▼で表わされるブロッ
    ク共重合体部であって、M^1およびM^2ならびにm
    およびnは、それぞれ下記の通りに定義される。 M^1:スチレン系単量体およびメタクリル酸メチルか
    ら選ばれる少なくとも1種の単量体75〜100重量%
    とアクリル酸アルキル(ただし、アルキル基の点素数は
    2〜12である)およびメタクリル酸アルキル(ただし
    、アルキル基の炭素数5〜12である)から選ばれる少
    なくとも1種の単量体0〜25重量%より形成される高
    分子構成単位。 M^2:スチレン系単量体およびメタクリル酸メチルか
    ら選ばれる少なくとも1種の単量体30〜70重量%と
    アクリル酸アルキル(ただし、アルキル基の炭素数は2
    〜12である)およびメタクリル酸アルキル(ただし、
    アルキル基の炭素数は5〜12である)から選ばれる少
    なくとも1種の単量体30〜70重量%より構成される
    高分子構成単位。 nおよびm:nは20〜200の自然数であり、mは1
    5〜190の自然数であって、m≦nである。 (ii)R^1は、炭素数1〜10の炭化水素残基を示
    す。 (iii)R^2は、水素原子または炭素数1〜10の
    炭化水素残基を示す。 (iv)R3は、ベンジル基または▲数式、化学式、表
    等があります▼ (ここで、R^4は炭素数1〜10の炭化水素残基を、
    R^5は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素残基
    を、R^6は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素
    残基を、それぞれ示す)を示す。 (v)セグメント(M^1)_nおよび(M^2)_m
    は、上記の定義に加えて、下記の群から選ばれる単量体
    M^3をM^1+M^2+M^3の合計基準で1〜15
    重量%含有してなる。 (イ)マレイン酸、マレイン酸モノまたはジアルキルエ
    ステル(ただし、アルキル基の炭素数は1〜10である
    )、および無水マレイン酸から選ばれるマレイン酸化合
    物。 (ロ)アクリル酸またはメタクリル酸。 2、請求項1記載のAB型ブロック共重合体を樹脂成分
    としてなる、電子写真法用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002081561A1 (fr) * 2001-04-04 2002-10-17 Kaneka Corporation Composition de resine thermoplastique et composition a base d'elastomere

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WO2002081561A1 (fr) * 2001-04-04 2002-10-17 Kaneka Corporation Composition de resine thermoplastique et composition a base d'elastomere
US7211625B2 (en) 2001-04-04 2007-05-01 Kaneka Corporation Thermoplastic resin composition and elastomer composition

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