JPH0423636B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野 本発明は高解像の文字あるいは画像を印刷する
ことができる記録装置に関するものである。 従来例の構成とその問題点 近年、オフイスオートメーシヨンにより種々の
端末機や要求されている。中でも電気信号を可視
像に変換する記録装置、いわゆるプリンタの需要
は大きなものである。従来から種々の方法があ
る。放電破壊記録紙を用いた記録方法は、蒸着ア
ルミ層、黒色層、基紙層からなる放電破壊記録紙
の蒸着アルミ層を接地し、この蒸着アルミ層に電
圧を印加した導電体を接触させ、接触部分を加熱
あるいは放電破壊により蒸着アルミを取り除き、
下地の黒色層を露出させて記録を行なうものであ
る。そのため良好な書き込みを行うには、第１図
Ａのように導電体１０１を露出し接触を確実に行
なうように書き込み電極が作られている。ここで
１０２は固定部、１０３はリードである。導電体
を露出（突出）させない第１図Ｂのような場合は
導電体１０４の周囲が破壊され、ここに記録時に
発生するゴミがたまり、電極同志の絶縁が損われ
良好な書き込みができなかつた。 放電破壊転写記録媒体を用いた記録方法は、蒸
着アルミ層、ベースフイルム、着色転写層からな
る放電破壊転写記録媒体の蒸着アルミ層を接地
し、この蒸着アルミ層に電圧を印加した導電体を
接触させ、接触部分を加熱あるいは放電破壊によ
り蒸着アルミ層を取り除いた後に放電破壊転写記
録媒体の着色転写層に被記録体（紙等）を重ねア
ルミ蒸着層のある方から光をあてて、アルミ蒸着
層の破壊された部分の下の着色転写層を溶かして
被記録体上に転写し、記録を行なうものである。
そのため良好な書き込みを行なうには、アルミ蒸
着層への書き込みが良くなければならない。すな
わち、この方法に要求される記録ヘツドについて
は上述した放電破壊記録紙を用いた記録方法と同
様のことがいえる。 また、蒸着アルミ層と着色転写層を分離した形
態に関しても提案されている。光透過性の良好な
支持体上に粗面化層及び金属蒸着層を順次設けた
３層のシート（以下転写用マスクシートと称す
る）の断面図を第２図に示す。 ２０２は、アルミニウム蒸着層、２０３は、粗
面化層、２０４は支持体である。 この転写用マスクシートに放電により高解像の
印字が実現すると第３図で示す如く、フラツシユ
を用いての複写が可能となる。第３図で３０１は
受像紙、３０２は転写用マスクシート、３０６は
熱溶融性のインクシートで、３０７はインクシー
トの支持体、３０８は熱溶融性のインク、３０９
は、フラツシユ、３１０は転写後のインクであ
る。 ここでは、まず従来の放電記録紙と同様、電極
針から放電により転写用マスクシートのアルミ蒸
着層３０３に穴を開けた後、この穴を通るフラツ
シユからの閃光により熱溶融性インクを加熱溶融
させて受像紙３０１に転写する。 しかしながら、前述した如く、高解像の書き込
み用電極ヘツドの作製が難しく、またそれに対応
する転写用マスクシートも開発されてなかつた。 発明の目的 本発明の目的は記録紙上に高解像の良好な記録
を可能にし、かつ安価な記録装置を提供すること
である。 発明の構成 本発明の記録装置は、支持体上に粗面化層及び
金属蒸着層を順次設けた転写用マスクシートの金
属蒸着層の表面平滑度がベツク平滑度で35〜120
秒でかつ表面抵抗が、JIS規格Ｃ−2316・835の金
属膜抵抗試験で、0.3〜1.7Ωの範囲にある転写用
マスクシートに、細長の電気的導体と前記電気的
導体を固定する六方晶窒化硼素を含有する固定材
から成る電極ヘツドの前記細長の電気的導体の先
端を露出させて、前記転写用マスクシートとの間
に通電を行ない印字するように、構成したもので
あり、これにより高解像の良好な記録を実現でき
るものである。 実施例の説明 以下、本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。 実施例 １ 第４図は本発明の電極ヘツドの斜視図である。
第４図において、４１は細長の電気的導体（例え
ば銅線）で４２，４３は六方晶窒化ホウ素の焼結
体（例えば、電気化学工業(株)製のデンカボロンナ
イトライド焼結体）である。図の電極ヘツドは、
電気化学工業(株)製のデンカボロンナイトライド焼
結体でグレードがHCの六方晶窒化ホウ素焼結体
２２に、ダイシング装置を用いてピツチ100μｍ、
溝幅65μｍ、溝深さ60μｍの溝を入れ、前記溝に
線径が60μｍの被覆銅線を埋めこんだ後、前記六
方晶窒化ホウ素の焼結体４２と同等の焼結体４３
で前記被覆銅線を押さえて固定している。 放電プリンタの電極支持材として必要な特性
は、耐熱性が良好で、適度な柔らかさを有し転写
シートに対するダメージを防ぎ、且つ導電性の異
物の付着が少ないということです。この特性を総
て満足するのが六方晶窒化ホウ素であり、良好な
滑性とその非粘着性の特性により、連続印字が可
能となります。即ち、アルミナ等の硬度の高いセ
ラミツクを電極支持材として用いると、転写シー
ト表面に大きなダメージを与えるばかりでなく、
転写シートの走行がスムースにいかず、結果とし
て連続印字が実現されない。又エポキシ等の有機
材料を電極支持体に用いると放電の熱により支持
材が軟化し、導電性異物の付着が連続的に発生
し、良好な印字状態が保たれなかつた。この様な
従来材料の欠点に対し、六方晶窒化ホウ素はその
加工性が良好なため微細な溝加工が実現でき、高
精細の電極ヘツドが容易に作成できしかも連続印
字を行つてもその印字品質を保つことが出来た。 次に前記電極ヘツドを用いて書き込みを行う転
写用マスクシートについて説明する。 支持体として厚さ25μｍのポリエステルフイル
ムに表−１の処方から成る分散液を塗布し、約
8μｍの粗面化層を形成した。さらにその上に真
空蒸着法により、厚さ200Å、400Å、600Å、800
Åのアルミ蒸着層を設け、表面平滑度、表面抵抗
の異なる転写用マスクシートを得た。なお配合量
は、総て重量部である。

【表】 無機顔料として、酸化第２スズ（平均粒径0.8μ
ｍ）、アルミナ（平均粒径1μｍ）、水酸化アルミ
（平均粒径0.4μｍ、3.5μｍ）の４種類を用いた。
印字条件は、前記六方晶窒化硼素の焼結体を用い
た解像度10本／mmの電極ヘツドで、印字速度1.5
ｍ／sec、印加電圧40V、英数字連続1000行印字
して、評価を行つた。 また転写用マスクシートの特性として、ベツク
方式の表面平滑度、JIS規格Ｃ−2316・835の金属
膜抵抗試験法による表面抵抗を測定した。その結
果、第５図で明らかな様に、転写用マスクシート
の表面抵抗、平滑度に適正な印字ゾーンが存在す
ることが判明した。つまり表面抵抗が低いと電極
ヘツドにアルミの融着物が付着し、電極針同志で
短絡し、印字不能となつた。また表面抵抗が高す
ぎると放電ミスが発生し、かすれた様な印字しか
できなかつた。また表面平滑度が高すぎても、低
すぎても良好な印字は、得られなかつた。第２表
に平均粒径0.8μｍの酸化第２スズの含有量を変化
させ、さらにアルミニウム蒸着量を変え

【表】 て、表面平滑度、表面抵抗の異なる転写用マスク
シートに対する印字結果を示す。 ＊印字品質の評価基準 〇…連続印字性良好 △…一部短絡状態が発生 ×…短絡状態になり回復せず 表−２の結果で明らかな様に表面抵抗、平滑度
に適正な印字ゾーンがあり、転写用マスクシート
に、六方晶窒化硼素の焼結体を支持体として電極
ヘツドで、良好な印字をするためには、表面抵抗
が、JIS規格Ｃ−2316・835の金属膜抵抗試験で、
0.3〜1.7Ωであり、かつベツク平滑度で35〜120
秒の範囲であり、より好ましくは、表面抵抗が
0.5〜2.0Ωであり、かつ平滑度が10〜100秒の範
囲で最適な印字が得られた。 つまり表面抵抗は、あまり高すぎると放電ミス
が発生し、低すぎると電極針に付着する、アルミ
の溶融物等の導電性の異物が多くなり電極針同志
で短絡してしまう。表面の平滑性は、電極針に付
着する導電性物質の排除つまり研摩力の強度を示
し、平滑性が高いと研摩力が低下し電極針同志で
短絡してしまい、あまり平滑性が低いと、電極針
の寿命、印字品質の低下をもたらす。 表面抵抗、表面平滑度が、図−５の範囲内にあ
る転写用マスクシートに、六方晶窒化硼素で固定
した電極ヘツドで印字すると連続的に高品質の印
字が、補助的な研摩段を施すことなく実現でき
た。 実施例 実施例と同じ構成の電極ヘツドの固定材であ
る六方晶窒化ホウ素焼結体の六方晶窒化ホウ素含
有量を65、70、75、80、85、90、95、99、100重
量％と変化させた焼結体を固定材として用い、実
施例と同じ方法で得た電極ヘツドで、表面抵抗
2.0Ω、ベツク平滑度50秒の転写用マスクシート
に印字させて評価した結果を表−３に示す。

【表】 表３において、印字品質とは前述したように
1000行印字後のドツト形状の安定性を評価したも
のである。ゴミのつきにくさは、1000行印字後の
電極ヘツド先端の汚れの程度である。硬さは転写
用マスクシートに印字する際、転写用マスクシー
トに傷をつけずに印字できるかどうかを評価、難
燃性はUL規格94に準じたもので、テスト片の厚
みを1/16インチで評価したものである。加工性は
焼結体の作りやすさ、および機械加工のしやすさ
である。 表３から明らかなように、六方晶窒化ホウ素含
有量が65重量％では印字の際、転写用マスクシー
ト上に固定材による傷がつき印字品質を悪くし
た。六方晶窒化ホウ素含有量が70重量％以上で焼
結した固定材を用いた電極ヘツドは転写用マスク
シート上に固定材による傷もなく印字品質が優れ
ていた。しかし、70重量％では電極ヘツドと放電
破壊記録紙との接触状態によつては傷の入いるこ
ともある。また、100重量％の焼結体は焼結させ
るための苦労が多いため、電極ヘツドの固定材に
適した六方晶窒化ホウ素焼結体は、六方晶窒化ホ
ウ素を75〜99重量％含有したものが良い。 なお、上の実施例では、支持体をポリエステル
フイルムとしたが、支持体の材質は、これに限定
されるものでは無く、透明性が高く、耐熱性のシ
ートであれば何でも良い、例えばコンデンサ紙の
ような紙でも良い。 発明の効果 以上の説明から明らかな様に本発明は、支持体
上の粗面化層及び金属蒸着層を順次設けた転写用
マスクシートの金属蒸着層の表面平滑度がベツク
平滑度で、35〜120秒でかつ表面抵抗が、JIS規格
Ｃ−2316・835の金属膜抵抗試験で、0.3〜1.7Ω
の範囲にある転写用マスクシートに、細長の電気
的導体と前記電気的導体を固定する六方晶窒化硼
素を含有する固定材から成る電極ヘツドの前記細
長の電気的導体の先端を露出させて、前記転写用
マスクシートとの間に通電を行なつて印字する様
に構成され、これにより高解像の印字が可能とな
つた。その効果により、印字後の転写用マスクシ
ートと熱溶融性インクシートを重ねて転写を行
い、複数枚の良好な複写が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の電極ヘツドの斜視図、第２図
は、本発明の転写用マスクシートの断面図、第３
図は、本発明の転写方法を示した図、第４図は、
本発明に用いた電極ヘツドの斜視図、第５図は、
本発明の転写用マスクシートの適正印字ゾーンを
示した図である。 １０１，１０４……電極、１０２……固定部、
１０３……リード、２０１，３０２……転写用マ
スクシート、２０２，３０３……金属蒸着層、２
０４，３０５……支持体、３０６……熱溶融性イ
ンクシート、３０７……インクシートの支持体、
３０８……熱溶融性インク、３０９……フラツシ
ユ、３１０……転写後のインク、３０１……受像
紙、４１……電極、４２，４３……支持体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支持体上に粗面化層及び金属蒸着層を順次設
   けた転写用マスクシートの金属蒸着層の表面平滑
   度がベツク平滑度で、35〜120秒でかつ表面抵抗
   が、JIS規格Ｃ−2316・835の金属膜抵抗試験で、
   0.3〜1.7Ωの範囲にある転写用マスクシートに、
   細長の電気的導体と前記電気的導体を固定する六
   方晶窒硼素を含有する固定材からなる電極ヘツド
   の前記細長の電気的導体の先端を露出させて、前
   記転写用マスクシートとの間に通電を行なつて印
   字することを特徴とする記録装置。 ２ 転写用マスクシートの粗面化層の粗面化剤
   に、酸化第２スズを用いたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の記録装置。 ３ 電極ヘツドの固定材が少なくとも六方晶窒化
   硼素を70重量％以上含有している焼結体であるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の記録
   装置。 ４ 電極ヘツドの固定材が溝を有し、前記溝に電
   気的導体の線材が埋めこまれることにより、前記
   電気的導体の線材が前記固定材に固定されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の記
   録装置。