JPH04234750A - 熱写真エマルジョンの後処理安定化 - Google Patents

熱写真エマルジョンの後処理安定化

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JPH04234750A
JPH04234750A JP21971391A JP21971391A JPH04234750A JP H04234750 A JPH04234750 A JP H04234750A JP 21971391 A JP21971391 A JP 21971391A JP 21971391 A JP21971391 A JP 21971391A JP H04234750 A JPH04234750 A JP H04234750A
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クマールス・シャキザデ
Sharon M Simpson
シャロン・メアリー・シンプソン
David R Whitcomb
デイビッド・ロバート・ウィットコウム
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    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49836Additives
    • G03C1/49845Active additives, e.g. toners, stabilisers, sensitisers

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱写真材料に関し、特に
乾銀系の後処理安定化(post−processin
g stabilization)に関する。
【0002】
【従来の技術】液体現像剤を用いることなく熱処理され
るハロゲン化銀熱写真画像形成材料、特に「乾銀」組成
物は長年にわたって知られてきた。このような材料は、
非感光性である有機酸の銀塩(例えば、銀ベヘネート)
、少量の感光性ハロゲン化銀触媒および銀源(silv
er source)用還元剤の混合物である。
【0003】上記感光性ハロゲン化銀は非感光性銀塩に
触媒近接され、そのことにより、感光性ハロゲン化銀の
照射による潜像が形成される。感光性ハロゲン化銀は、
80℃を越えて加熱された場合に、有機銀塩と還元剤と
の酸化還元反応のための触媒核として機能する。このよ
うな媒体は米国特許第3,457,075号、同第3,
839,049号、および同第4,260,677号に
記載されている。熱写真エマルジョンの銀画像の色彩を
改良するために、米国特許第3,846,136号、同
第3,994,732号および同第4,021,249
号に記載のように、青味剤(toning agent
s)を含有させうる。写真カラーカプラーおよびロイコ
染料を用いる染料画像および多色画像を生成させるため
の種々の方法は当該技術分野で周知であり、例えば、米
国特許第4,022,617号、同第3,531,28
6号、同第3,180,731号、同第3,761,2
70号、同第4,460,681号、同第4,883,
747号およびリサーチ・ディスクロージャ第2996
3号に記載されている。
【0004】このような熱写真系に存在する一般的な問
題は、画像後処理の不安定性である。現像された画像中
に残存する光活性ハロゲン化銀は、室内光作業中におい
ても金属銀のプリント−アウトを触媒しつづける。した
がって、未反応ハロゲン化銀の安定化のために、独立し
て後処理画像安定剤を添加する必要が生じる。または、
安定剤前駆体を添加することにより所望の後処理安定性
が提供される。通常は、これらの安定剤は、リサーチ・
ディスクロージャ第17029号に記載のようなメルカ
プタン、チオン、チオエーテルのような硫黄含有化合物
である。米国特許第4,245,033号には、米国特
許第4,837,141号および同第4,451,56
1号に記載の熱写真系の現像抑制剤であるメルカプト型
硫黄化合物が記載されている。米国特許第4,378,
424号には、固定剤およびハロゲン化銀安定剤として
メソイオン1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレー
トが記載されている。米国特許第4,128,557号
、同第4,137,079号、同第4,138,265
号、およびリサーチ・ディスクロージャ第16977号
および同第16979号には、後処理安定剤として3−
アミノ−5−ベンゾチオ−1,2,4−トリアゾールの
ような置換5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
が記載されている。
【0005】これらの安定剤における問題としては、後
処理画像の安定化において安定化可能濃度で用いた場合
に、処理中の熱かぶり、または写真感度、最大密度また
はコントラストの低減が生じることが挙げられる。
【0006】安定剤前駆体は、通常は処理中に熱および
/またはアルカリで開裂する保護基もしくは修飾基を有
する。そのことにより、写真材料の非露出および非現像
領域中の光活性ハロゲン化銀と結合する残存部分または
主要活性安定剤が提供される。例えば、ハロゲン化銀前
駆体が存在する場合は、この前駆体中の硫黄原子が処理
において保護され、生じる銀メルカプチドは空気中周囲
条件においてハロゲン化銀よりも光に対して安定である
【0007】安定剤前駆体を開発するために種々の保護
技術が用いられてきた。米国特許第3,615,617
号には、写真技術に有用なアシル保護安定剤が記載され
ている。 米国特許第3,674,478号および同第3,993
,661号には、ヒドロキシアリールメチル保護基が記
載されている。米国特許第3,698,898号にはベ
ンジルチオ放出基が記載されている。米国特許第3,7
91,830号にはチオカルボネート保護基が記載され
ており、米国特許第4,335,200号、同第4,4
16,977号、および同第4,420,554号には
チオエーテル保護基が記載されている。米国特許第4,
310,612号には、尿素またはチオ尿素誘導体とし
て保護される写真技術分野に有用な安定剤が記載されて
いる。米国特許第4,350,752号には保護された
イミドメチル誘導体が記載されており、米国特許第4,
888,268号にはイミドまたはチオイミド誘導体が
記載されている。写真に有用な安定剤からこれら上述の
保護基を除去することは、露出された画像形成材料のア
ルカリ処理条件中におけるpHの増大により行なわれる
【0008】感熱性である他の保護基もまた用いられて
いた。これらの保護基は処理中に画像形成材料を加熱す
ることにより除去される。米国特許第3,844,79
7号および同第4,144,072号には、感熱性カル
バメート誘導体として保護された写真に有用な安定剤が
記載されている。 これらのカルバメート誘導体は、イソシアネートの消失
により写真安定剤を再生すると考えられる。米国特許第
4,510,236号には、加熱中におけるホルムアル
デヒドの消失により非保護化(unblock)される
ヒドロキシメチル保護写真試薬が記載されている。米国
特許第3,700,457号には、テトラゾリルチオ部
分を放出する現像禁止剤放出カプラーが記載されている
。米国特許第4,678,375号には置換ベンジルチ
オ放出基が記載されており、米国特許第4,351,8
96号および同第4,404,390号では、メソイオ
ン1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート安定剤
用のカルボキシベンジルチオ保護基が用いられている。 米国特許第4,009,029号および同第4,511
,644号には、アクリロニトリルまたはアルキルアク
リレートの炭素−炭素二重結合へのマイケル型付加によ
り保護される写真安定剤がそれぞれ記載されている。こ
れらの保護誘導体を加熱することにより半マイケル反応
により非保護化が生じる。
【0009】このような異なる保護技術により種々の不
利益が生じる。アルカリ感応性保護誘導体の脱保護(d
eblocking)を生じさせるために必要な高濃度
アルカリ溶液は、皮膚に対して腐食性および刺激性であ
る。熱除去可能基で保護された写真安定剤については、
例えば、アクリロニトリルのような放出された試薬また
は副生成物が、画像形成構成の他の成分と反応し得、悪
影響を生じさせうる。
【0010】また、処理に必要な時間内における安定化
部分の不適切なまたは尚早な放出が生じうる。
【0011】したがって、写真材料にかぶりまたは減感
を生じさせない改良された後処理安定剤、および写真材
料もしくは写真材料の使用者に悪影響を与えない適切な
時間で安定化部分を放出する安定剤前駆体、に対する必
要性が未だに存在する。
【0012】
【発明の要旨】本発明によれば、以下の式Iに示す新規
アズラクトン官能性安定剤前駆体および/または以下の
式IIに示す2−アルケニルアズラクトンおよび/また
は式IIIに示すアズラクトンを写真エマルジョン層中
またはこのエマルジョン層に隣接する層中に含有させる
ことによりハロゲン化銀が安定化され、熱現像性写真材
料および工程の減感またはかぶりを生じさせることなく
改良された後処理安定性が生じる。これらの化合物の構
造を式I、IIおよびIIIに示す。
【0013】
【化2】
【0014】式中、Aは後処理安定基(post−pr
ocessingstabilizing group
)AHの残基であり、後処理安定剤の水素原子が式Iに
示す残余構造により置換されている;R1、R2、およ
びR3は、R2およびR3が水素である場合はR1がア
リール基でありうるという条件で、独立して水素または
メチルであり;R4およびR5は独立してアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基であるか、またはR4と
R5とは相互に連結して4〜12原子の環を形成し;R
6およびR7は独立して水素または低級アルキル、好ま
しくはC−1〜C−4アルキルであり;R8は、アルキ
ル基(例えば、1〜20炭素原子、好ましくは1〜12
炭素原子のアルキル基、および3〜20炭素原子、好ま
しくは5〜8炭素原子のシクロアルキル基を含む)、ア
リール基(例えば、7環原子までのアリール基)、およ
び複素環基(好ましくは7環原子までのC、S、N、O
およびSe原子含有複素環基)のようなすべての有機基
であり;nは0または1である。
【0015】本明細書において、「アルケニル」および
「アルケニレン」という用語は、2〜20炭素原子を有
するアルケンから、それぞれ1個および少なくとも2個
の水素原子を除去したのちに残る1価および多価残基を
意味する。存在しうる官能基は、1以上のアリール、ア
ミド、チオアミド、エステル、チオエステル、ケトン(
オキソ炭素化合物を含む)、チオケトン、ニトリル、ニ
トロ、スルフィド、スルホキシド、スルホン、ジスルフ
ィド、第3アミン、エーテル、ウレタン、ジチオカルバ
メート、第4アンモニウム、第4ホスホニウム、ハロゲ
ン、シリル、シリルオキシなど(ここで、上記官能基が
必要とする置換基は、好適な部位が水素、アルキル、ま
たはアリール基で置換される)。そして、このアルケニ
ルおよびアルケニレン残基は1以上のカテナリーS、O
、N、P、およびSiヘテロ原子を含有する。
【0016】「アルキル」および「アルキレン」という
用語は、1〜20炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭
化水素から、それぞれ1個および少なくとも2個の水素
原子を除去した後に残る1価および多価残基を意味する
。存在しうる官能基およびカテナリーヘテロ原子は、「
アルケニル」の定義において列挙したものと同様である
【0017】「アリール」および「アリーレン」という
用語は、5〜12環原子を有する芳香族化合物(単環、
多環および縮合環化合物)から、それぞれ1個および少
なくとも2個の水素原子を除去した後に残る1価および
多価残基を意味する。ここで、この芳香族化合物は、S
、Si、O、NおよびPヘテロ原子から選択される5環
原子までのヘテロ原子を有し得る。存在しうる官能基は
、「アルケニル」の定義において列挙したものと同様で
ある。
【0018】「アズラクトン」という用語は、式VII
の2−オキサゾリン−5−オン基および式VIIIの2
−オキサジン−6−オン基を意味する。
【化3】
【0019】式Iのような化合物は、選択されたマイケ
ルドナー(AH)が2−アルケニルアズラクトンマイケ
ルアクセプター(式II)に付加することにより得られ
るマイケル反応生成物である。例えば、以下の式に示す
ように、窒素求核剤(IV)はアルケニルアズラクトン
マイケルアクセプター(V)に付加することによりマイ
ケルアダクト反応生成物(VI)を形成する。
【化4】
【0020】
【発明の構成】式Iの新規アズラクトン官能性安定剤前
駆体および/または式IIの2−アルケニルアズラクト
ンおよび/または式IIIのアズラクトンを熱写真エマ
ルジョン層中またはこのエマルジョン層に隣接する層中
に含有させることにより、エマルジョンにおいて減感ま
たはかぶりを生じさせることなく改良された後処理安定
性が提供される。
【0021】式Iにおいて、Aは「第1(primar
y)」後処理安定剤AHの残基であり、AHの水素原子
がアズラクトン官能性「第2」安定剤により置換されて
いる。アルケニルアズラクトンのAHへの付加により、
第1安定剤AHの活性が保護される。AHが保護されず
に等モル当量でエマルジョンに添加された場合は、AH
は上記エマルジョンを減感する。処理の後に、このアズ
ラクトン官能性基は第1安定剤および第2安定剤の両方
より、改良された後処理安定化を提供する第1安定剤(
アズラクトン部分)を放出する。
【0022】第1安定剤AHは、上記第1安定剤由来の
硫黄または窒素から水素原子を喪失することによりアズ
ラクトン部分に結合する全ての基である。
【0023】AHは後処理安定基として定義されてきた
。 この基は、アズラクトンより放出された場合に処理後に
形成された画像を安定化する基である。この基は本来化
合物A−Hとしてエマルジョン中に用いることができな
い。この化合物は非常に活性であるために画像形成を抑
制するからである。熱写真環境と熱との組み合せにより
、A基がアズラクトンから適切な時間をもって放出され
る。アズラクトン基の存在自体もまたある程度の後処理
安定性を付与する。通常は、後処理安定基は、銀イオン
の錯化に有用な硫黄または窒素原子を有する。この化合
物は環の内向きまたは外向きに硫黄および/または窒素
を有する環構造である。このような化合物は当該技術分
野の化学者に周知である。
【0024】好適な安定剤は当該技術分野で良く知られ
ており、例えば、窒素含有置換または無置換複素環化合
物が挙げられる。例えば、ベンズイミダゾール、ベンゾ
トリアゾール、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾ
ール; メルカプトトリアゾール、メルカプトテトラゾ
ールのような種々のメルカプト含有置換または無置換化
合物; チオ置換複素環化合物; または上記エマルジ
ョンを安定化するが非保護状態で残存した場合に初期感
光応答するようなすべての化合物が挙げられる。このよ
うな化合物の多くは1989年、3月、「熱写真ハロゲ
ン化銀系」という標題のリサーチ・ディスクロージャ第
29963号に総括されている。
【0025】式Iの新規アズラクトン官能性安定剤前駆
体、および式IIの2−アルケニルアズラクトンの特定
例を以下に示す。しかしながら、本発明に用いられる化
合物を限定するものではない。
【0026】
【化5】
【0027】式IIの2−アルケニルアズラクトンの好
ましい例には、2−ビニル−4,4−ジメチル−2−オ
キサゾリン−5−オン(II−A(VDM))、2−イ
ソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−
5−オン、2−ビニル−4−エチル−4−メチル−2−
オキサゾリン−5−オン、2−ビニル−4,4−ジメチ
ル−1,3−オキサジン−6−オンおよび米国特許第4
,304,705号に記載のものが挙げられる。好まし
い2−アルケニルアズラクトンはVDM(SNPE社、
プリンストン(Princeton)、NJ、より入手
可能)である。
【0028】式IIIのアズラクトンの好ましい例には
、2−メチル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−
5−オン、2−エチル−4,4−ジメチル−2−オキサ
ゾリン−5−オン、2−イソプロピル−4−エチル−4
−メチル−2−オキサゾリン−5−オン、2−フェニル
−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−5−オン、2
−エチル−4,4−ジメチル−1,3−オキサジン−6
−オン、および「複素環化合物、第45巻」、I.J.
ツルチ(Turchi)編、ジョン・ワイレイ・アンド
・サンズ(John Wiley and Sons)
、ニュー・ヨーク、1986年、第361〜729頁の
Y.S.ラオ(Rao)およびR.フィラー(Fill
er)による「オキサゾロン」という表題の記事に記載
のもの、ならびに「エンサイクロペディア・オブ・ポリ
マー・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Enc
yclopedia of Polymer Scie
nce and Engineering)、第II巻
」、第2版、ジョン・ワイレイ・アンド・サンズ、ニュ
ー・ヨーク、1988年、第558〜571頁のJ.K
.ラスムッセン(Rasmussen)、S.M.ハイ
ルマン(Heilmann)およびL.R.クレプスキ
(Krepski)による「ポリアズラクトン」という
表題の記事に記載のようなマルチアズラクトンが挙げら
れる。
【0029】式Iの安定剤前駆体の一般的な合成は「ア
ズラクトンマイケルアダクト」という表題で、1990
年3月28日に出願された米国特許出願第07/500
,768号に記載されている。本発明によるこの化合物
の特定の合成例を以下に示す。
【0030】全実施例において、化合物の構造はIR、
プロトンおよびカーボンNMR分光分析により同定した
【0031】
【合成例1】化合物I−Aの合成   VDM(2−ビニル−4,4−ジメチルアズラクト
ン)(13.9g、0.10モル)と1−フェニル−1
H−テトラゾール−5−チオール(17.8g、0.1
0モル)との混合物を100℃で一晩加熱することによ
り所望の生成物を得た。
【0032】化合物I−Bの合成   VDM(13.9g、0.10モル)を0℃に冷却
し、1−フェニル−1H−テトラゾール−5−チオール
(17.8g、0.10モル)と混合した。この混合物
を室温まで加温し、室温で一晩放置することにより所望
の生成物を当量の収率で白色固体として得た。生成物の
構造を分光分析により同定した。
【0033】
【合成例2】化合物I−Cの合成   VDM(13.9g、0.10モル)とベンズイミ
ダゾール(11.8g、0.10モル)との混合物を1
00℃で一晩加熱することにより所望の生成物を得た。
【0034】
【合成例3】化合物I−Dの合成   マグネティック・スターラーを備えた反応フラスコ
に3−トリフルオロメチル−4−メチル−5−メルカプ
ト−1,2,4−トリアゾール(MFT)(36g、0
.2モル)、ビニルアズラクトン(VDM)(55.6
g、0.4モル)および1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0.]ウンデク−7−エン(DBU)(1ml)を
充填した。次いで、反応混合物を65℃で15時間撹拌
した。得られるゴム状材料を室温でトルエン(220m
l)に溶解し、瀘化した。 瀘液を冷却(氷浴中)後、n−ヘキサンを添加すること
により白色結晶を得た(54g(88%)、融点73℃
)。
【0035】
【合成例4】化合物I−Eの合成   IDM(2−イソプロペニル−4,4−ジメチルア
ズラクトン)(7.65g、0.05モル)、1−フェ
ニル−1H−テトラゾール−5−チオール(8.9g、
0.05モル)およびDBU(1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデク−7−エン)(0.38g、2
.5ミリモル)の混合物を60℃で21時間加熱し、1
00℃で3時間加熱することにより所望の生成物を得た
【0036】本発明による上述の化合物の添加量は用い
られる特定の化合物および熱写真エマルジョンの種類に
依存して種々に異なる。しかしながら、これらは、好ま
しくは、エマルジョン層中のハロゲン化銀1モルに対し
て10−3〜50モル、さらに好ましくは10−2〜1
0モルの量で添加される。
【0037】本発明の熱写真乾銀エマルジョンでは、基
体上に1以上の層が形成されうる。単一層構成では、銀
源材料、ハロゲン化銀、現像剤およびバインダー、なら
びに必要に応じて、トナー、被覆助剤および他の助剤を
含有させる必要がある。2層構成では、一方のエマルジ
ョン層(通常は基体に隣接した層)中に銀源およびハロ
ゲン化銀を含有させ、第2層または両方の層中に他の成
分の数種類を含有させる。多色熱写真乾銀構成はこのよ
うな2層の組を各色毎に有する。色彩形成層は、米国特
許第4,460,681号に記載のような種々の感光性
層の間に設けられた官能性もしくは非官能性遮断層によ
り相互に分離されている。
【0038】上述のように、銀源材料は銀イオンの還元
可能源を含有するすべての材料でありうる。有機酸(特
に10〜30、好ましくは15〜28炭素原子の長鎖脂
肪カルボン酸)の銀塩が特に好ましい。リガンドが4.
0〜10.0の間のグロス(gross)安定性定数を
有する有機もしくは無機銀塩の錯体もまた望ましい。こ
の銀源材料構成は画像形成層の約5〜30重量%を占め
る。2層構成における第2層または多色構成の2層にお
ける第2層は、感光性単一画像形成層において望まれる
銀源材料の割合に影響を与えない。
【0039】本発明に用いうる有機銀塩は光に対して比
較的安定であるけれども、露光された光触媒(例えば、
ハロゲン化銀)および還元剤の存在下で80℃以上に加
熱された場合に銀画像を形成する。
【0040】好適な有機銀塩には、カルボキシル基を有
する有機化合物の銀塩が含まれる。それらの好ましい例
には、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸
の銀塩が包含される。脂肪族カルボン酸の銀塩の好まし
い例には、銀ベヘネート、銀ステアレート、銀オレート
、銀ラウレート、銀カプレート、銀ミリステート、銀パ
ルミテート、銀マレート、銀フマレート、銀タータレー
ト、銀フロエート(furoate)、銀リノレート、
銀ブチレートおよび銀カンフォレート、およびこれらの
混合物などが挙げられる。ヒドロキシル基のハロゲン原
子で置換された銀塩もまた効果的に用いられる。芳香族
カルボン酸および他のカルボキシル基含有化合物の銀塩
の好ましい例には、銀ベンゾエート、銀3,5−ジヒド
ロキシベンゾエート、銀o−メチルベンゾエート、銀m
−メチルベンゾエート、銀p−メチルベンゾエート、銀
2,4−ジクロロベンゾエート、銀アセトアミドベンゾ
エート、銀p−フェニルベンゾエートなどのような銀置
換ベンゾエート、銀ガレート、銀タンネート、銀フタレ
ート、銀テレフタレート、銀サリチレート、銀フェニル
アセテート、銀ピロメリテート、3−カルボキシメチル
−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩また
は米国特許第3,785,830号に記載のような銀塩
、および米国特許第3,330,663号等に記載のよ
うなチオエーテル基含有脂肪族カルボン酸の銀塩などが
包含される。
【0041】メルカプトまたはチオン基を含有する化合
物の銀塩およびそれらの誘導体もまた用いられる。これ
らの化合物の好ましい例には、3−メルカプト−4−フ
ェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−メルカ
プトベンズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−
アミノチアジアゾールの銀塩、2−(S−エチルグリコ
ールアミド)ベンゾチアゾールの銀塩、日本国特許出願
第28221/73に記載のようなS−アルキルチオグ
リコール酸(ここで、上記アルキル基は12〜22炭素
原子を有する)の銀塩のようなチオグリコール酸の銀塩
、ジチオ酢酸の銀塩のようなジチオカルボン酸の銀塩、
チオアミドの銀塩、5−カルボキシリック−1−メチル
−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプト
トリアジンの銀塩、2−メルカプトベンズオキサゾール
の銀塩、米国特許第4,123,274号に記載のよう
な銀塩(例えば、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,
2,4−チアゾールの銀塩のような1,2,4−メルカ
プトチアゾール誘導体の銀塩)、米国特許第3,301
,678号に記載のような3−(2−カルボキシエチル
)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩の
ようなチオン化合物の銀塩が挙げられる。
【0042】さらに、イミノ基を含有する化合物の銀塩
が用いられる。これらの化合物の好ましい例には、日本
国公報第30270/69および同第18146/70
号に記載のようなベンゾチアゾールおよびそれらの誘導
体の銀塩、例えば、メチルベンゾトリアゾールなどの銀
塩のようなベンゾチアゾールの銀塩、5−クロロベンゾ
トリアゾールなどの銀塩のようなハロゲン置換ベンゾト
リアゾールの銀塩、カルボイミドベンゾトリアゾールな
どの銀塩、1,2,4−トリアゾールの銀塩、米国特許
第4,220,709号に記載のような1H−テトラゾ
ールの銀塩、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体の
銀塩などが包含される。
【0043】また、市販のベヘン酸のナトリウム塩の水
溶液および分析値約14.5%の銀からの沈澱により調
製された銀ベヘネートとベヘン酸との等モル混合物の銀
半石鹸もまた好適に用いうることが見出された(好まし
い実施例として示す)。透明フィルム支持体から形成さ
れた透明シート材料は透明被覆を必要とし、この目的の
ために、約4または5%の遊離ベヘン酸および約25.
2%の分析値の銀を含有する銀ベヘネート全石鹸が用い
られる。
【0044】銀石鹸分散体を作製するために用いられる
方法は当該技術分野でよく知られており、リサーチ・デ
ィスクロージャ、1983年、4月(22812)、同
書1983年、10月(23419)、および米国特許
第3,985,565号に記載されている。
【0045】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は
有機銀塩1モルに対して0.0005〜5モル、好まし
くは、0.005〜1.0モルの範囲で用いられる。
【0046】上記ハロゲン化銀は、臭化銀、ヨウ化銀、
塩化銀、臭化ヨウ化銀、塩化臭化ヨウ化銀、塩化臭化銀
などのようなすべての感光性ハロゲン化銀でありうる。
【0047】本発明に用いられるハロゲン化銀は修飾す
ることなく用いられる。しかしながら、イオウ、セレン
またはテルルなどを含有する化合物、または金、白金、
パラジウム、ロジウムまたはイリジウムなどを含有する
化合物、ハロゲン化錫のような還元剤など、またはこれ
らの組合せのような化学増感剤で化学的に増感してもよ
い。これらの操作の詳細はT.H.ジェームズ(Jam
es)の「写真工程の理論」、第4版、第5章、第14
9〜169頁に記載されている。
【0048】ハロゲン化銀は銀源に対して触媒近接する
ならば如何なる形態でエマルジョン層に添加されてもよ
い。
【0049】バインダー中に分離して形成されるハロゲ
ン化銀および有機銀塩は、被覆溶液を調製するために、
使用前に混合されうる。しかしながら、この両方をボー
ルミル中で長時間混合することもまた効果的である。さ
らに、調製された有機銀塩中にハロゲン化含有化合物を
添加することにより有機銀塩の銀を部分的にハロゲン化
銀に転換することを包含する工程を用いることが有用で
ある。
【0050】これらのハロゲン化銀および有機銀塩を調
製する方法およびこれらの混合方法はリサーチ・ディス
クロージャ第170−29号、日本国特許出願第329
28/75号および同第42529/76号、米国特許
第3,700,458号、および日本国特許出願第13
224/74号および同第17216/75号に記載さ
れている。
【0051】作製された本発明のハロゲン化銀エマルジ
ョンは不洗浄で、または洗浄することにより溶解性塩を
除去して使用される。後者の場合は、溶解性塩は冷間凝
固(chill−setting)およびリーチング(
leaching)により除去されうる。または、上記
エマルジョンは凝結洗浄(coagulation w
ash)されうる。たとえば、この操作はヘウイッソン
(Hewitson)らの米国特許第2,618,55
6号、ユジイ(Yutzy)らの米国特許第2,624
,928号、ヤケル(Yackel)の米国特許第2,
565,418号、ハート(Hart)らの米国特許第
3,241,969号およびワラー(Waller)の
米国特許第2,489,341号に記載されている。こ
のハロゲン化銀グレインは、立方体状、四面体状、斜方
状、板状、層状、血小板状、などを非限定的に含むいか
なる結晶性状をも有しうる。
【0052】本発明によりあらかじめ形成されたハロゲ
ン化銀を含有する熱写真エマルジョンは、還元剤; イ
オウ、セレンまたはテルル化合物; 金、プラチナまた
はパラジウム化合物、またはこれらの組み合わせのよう
な化学増感剤で増感されうる。好ましい化学増感操作は
シェパード(Shepard)の米国特許第1,623
,499号、ワラーの米国特許第2,399,083号
、マックベイ(McVeigh)の米国特許第3,29
7,447号およびダン(Dunn)の米国特許第3,
297,446号に記載されている。
【0053】この感光性ハロゲン化銀は、シアニン、ス
チリル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノー
ルおよびキサンテン染料を含む種々の公知の染料でスペ
クトル増感される。有用なシアニン染料には、チアゾリ
ン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核およびイミ
ダゾール核のような塩基性核を有するものが含まれる。 好適で有用なメロシアニン染料には、上述の塩基性核ば
かりでなく、チオヒダントイン核、ロダニン核、オキサ
ゾリジンジオン核、チアゾリジンジオン核、バルビツル
酸核、チアゾリノン核、マロニトリル核およびピラゾロ
ン核のような酸性核を含むものも包含される。上述のシ
アニンおよびメロシアニン染料において、イミノ基また
はカルボキシル基を有するものが特に効果的である。特
に、本発明に用いられる増感染料は、米国特許第3,7
61,279号、同第3,719,495号および同第
3,877,943号、英国特許第1,466,201
号、同第1,469,117号および同第1,422,
057号、日本国特許出願(OPI)第27924/7
6号および同第156424/75号に記載の染料から
適当に選択され、上述の引例に記載の方法にしたがって
光触媒に接近させて用いられる。これらのスペクトル増
感染料は光触媒1モルに対して約10−4モル〜約1モ
ルの量で用いられる。
【0054】銀イオン用還元剤はいかなる材料でもよい
が、好ましくは有機材料である。これらの材料は銀イオ
ンを金属銀に還元する。フェニドン、ヒドロキノン、お
よびカテコールのような従来の写真現像剤は好ましいが
、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。還元剤は画
像形成層の1〜10重量%存在する必要がある。2層構
成において、還元剤が第2層中に存在する場合は、約2
〜15%高割合で用いることが望ましい。
【0055】乾銀系に用いられる広範囲の還元剤が開示
されている。これらには、フェニルアミドオキシム、2
−チエニルアミドオキシムおよびp−フェノキシフェニ
ルアミドオキシム、アジン、(たとえば、4−ヒドロキ
シ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒドアジン)のよ
うなアミドオキシム; 2,2−ビス(ヒドロキシメチ
ル)プロピオニル−β−フェニルヒドラジンとアスコル
ビン酸との組み合わせのような脂肪族カルボン酸アリー
ルヒドラジドとアスコルビン酸との組み合わせ; ポリ
ヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミン、リダクトン
および/またはヒドラジンとの組み合わせ(たとえば、
ヒドロキノンとビス(エトキシエチル)ヒドロキシルア
ミン、ピペリジノヘキソースリダクトンまたはホルミル
−4−メチルフェニルヒドラジン、フェニルヒドロキサ
ム酸、p−ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸、および
β−アラニンヒドロキサム酸のようなヒドロキサム酸と
の組み合わせ); アジンとスルホンアミドフェノール
との組み合わせ(たとえば、フェノチアジンおよび2,
6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール
); エチル−α−シアノ−2−メチルフェニルアセテ
ート、エチル−α−シアノフェニルアセテートのような
α−シアノフェニル酢酸誘導体; 2,2’−ジヒドロ
キシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジブロモ−2
,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチルおよびビ
ス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタンのようなビ
ス−β−ナフトール; ビス−β−ナフトールと1,3
−ジヒドロキシベンゼン誘導体(たとえば2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノンまたは2’4’−ジヒドロキシ
アセトフェノン)との組み合わせ; 3−メチル−1−
フェニル−5−ピラゾロンのような5−ピラゾロン; 
ジメチルアミノヘキソースリダクトン、アンヒドロジヒ
ドロアミノヘキソースリダクトン、およびアンヒドロジ
ヒドロピペリドンヘキソースリダクトンのようなリダク
トン; 2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミ
ドフェノールおよびp−ベンゼンスルホンアミドフェノ
ールのようなスルホンアミドフェノール還元剤;2−フ
ェニリダン−1,3−ジオン等; 2,2−ジメチル−
7−t−ブチル−6−ヒドロキシクロマンのようなクロ
マン; 2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルベトキシ
−1,4−ジヒドロピリジンのような1,4−ジヒドロ
−ピリジン; ビスフェノール(たとえば、ビス(2−
ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−
ブチル−6−メチルフェノール)、および2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン); アスコルビン酸誘導体(たとえば、1−アスコ
ルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、およ
びベンジルおよびジアセチルのような不飽和アルデヒド
およびケトン); 3−ピラゾリドンおよびある種のイ
ンダン−1,3−ジオンが含まれる。
【0056】これらの文献には、画像を改良する添加剤
である「トナー」が開示されている。
【0057】トナー材料は、たとえば、全銀含有成分の
重量の0.1〜10重量%の量で存在しうる。米国特許
第3,080,254号、同第3,847,612号お
よび同第4,123,282号に示されるように、トナ
ーは熱写真分野においてよく知られている。
【0058】トナーの例には、フタルイミドおよびN−
ヒドロキシフタルイミド; スクシニミド、ピラゾリン
−5−オン、キナゾリノン、3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン
および2,4−チアゾリジンジオンのような環状イミド
; ナフタルイミド(たとえば、N−ヒドロキシ−1,
8−ナフタルイミド); コバルト錯体(たとえば、コ
バルト(cobaltic)ヘキサミントリフルオロア
セーテト); 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾ
ール、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプ
ト−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールお
よび2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ルのようなメルカプタン; N−(アミノメチル)アリ
ールジカルボキシミド(たとえば、(N−ジメチルアミ
ノメチル)フタルイミドおよびN−(ジメチルアミノメ
チル)ナフタレン−2,3−ジカルボキシミド); お
よび保護ドピラゾールとイソチウロニウム(isoth
iuronium)誘導体とある種のホトブリーチ剤と
の組み合わせ(たとえば、N,N’−ヘキサメチレンビ
ス(1−カルボモイル−3,5−ジメチルピラゾール)
と1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソチウ
ロニウムトリフルオロアセテート)と2−(トリブロモ
メチルスルホニル)ベンゾチアゾールとの組み合わせ)
; および3−エチル−5−[(3−エチル−2−ベン
ゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2−
チオ−2,4−オキサゾリジンジオンのようなメロシア
ニン染料; 4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−
クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノン
および2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジノンのよう
なフタラジノン、フタラジノン誘導体または金属塩また
はこれらの誘導体; フタラジノンとスルフィン酸誘導
体(たとえば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニ
トロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸)との組
み合わせ;キナゾリンジオン、ベンゾキサジンまたはナ
フトキサジン誘導体; アンモニウムヘキサクロロロデ
ート(III)、ロジウムブロミド、ロジウムニトレー
トおよびカリウムヘキサクロロロデート(III)のよ
うな色調調節剤(tone modifiers)とし
てのみではなくハロゲン化銀形成のためのハライドイオ
ン源としても機能するロジウム錯体; 無機ペルオキシ
ドおよびペルサルフェート(たとえば、アンモニウムペ
ルオキシジサルフェートおよび過酸化水素; 1,3−
ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−メチル−1,
3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、および6−ニ
トロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンのよ
うなベンズオキサジン−2,4−ジオン; ピリミジン
および不斉(asym)−トリアジン(たとえば、2,
4−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−ア
ミノピリミジン、およびアザウラシル)、およびテトラ
アザペンタレン誘導体(たとえば3,6−ジメルカプト
−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6
a−テトラアザペンタレンおよび1,4−ジ(o−クロ
ロ−フェニル)3,6−ジメルカプト−1H,4H−2
,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)が包含され
る。
【0059】乾銀系でカラー画像を得るために種々の方
法が提案されている。これらの方法にはカプラー材料が
用いられる。カプラー材料には、たとえば、銀ベンゾト
リアゾール、周知のマゼンタ、イエローおよびシアン染
料形成カプラー、アミノフェノール現像剤、グアニジニ
ウムトリクロロアセテートのような塩基放出剤およびポ
リ(ビニルブチラール)中の臭化銀の組み合わせ; 臭
化ヨウ化銀、スルホンアミドフェノール還元剤、銀ベヘ
ネート、ポリ(ビニルブチラール)、n−オクタデシル
アミンのようなアミン、および2当量または4当量シア
ン、マゼンタまたはイエロー染料形成カプラーの組み合
わせ; 酸化することにより染料画像を形成するロイコ
染料含有塩基(たとえば、マラハイト・グリーン(Ma
lachite Green)、クリスタル・バイオレ
ットおよびパラロスアニリン); それぞれ、ハロゲン
化銀、銀ベヘネート、3−メチル−1−フェニルピラゾ
ロンおよびN,N’−ジメチル−p−フェニレンジアミ
ンヒドロクロリドの組み合わせ;  2−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジ
フェニルイミダゾールおよびビス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンのよう
なフェノール性ロイコ染料含有還元剤、アゾメチン染料
またはアゾ染料含有還元剤; 銀染料ブリーチ工程(た
とえば、銀ベヘネート、ベヘン酸、ポリ(ビニルブチラ
ール)、ポリ(ビニルブチラール)ペプチド化臭化ヨウ
化銀エマルジョン、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンス
ルホンアミドフェノール、1,8−(3,6−ジアザオ
クタン)ビス−イソチウロニウム−p−トルエンスルホ
ネートおよびアゾ染料を露出および加熱処理することに
より、ポリアクリル酸、チオ尿素およびp−トルエンス
ルホン酸を含有する酸活性化シートに積層された染料の
均一分散とともにネガティブ銀画像を得、そして加熱す
ることにより良好に確定されたポジテブ染料画像を得る
工程); および2,6−ジクロロ−4−ベンゼン−ス
ルホンアミド−フェノールのような含有される還元剤の
酸化形態と反応することにより染料画像を形成するアミ
ノアセトアニリド(イエロー染料形成)、3,3’−ジ
メトキシベンジジン(ブルー染料形成)またはスルファ
ニリド(マゼンタ染料形成)のようなアミンを含有させ
る工程;が包含される。ベヘニルアミンおよびp−アニ
シジンのようなアミンの添加により中性染料画像が得ら
れる。
【0060】このようなハロゲン化銀系におけるロイコ
染料酸化は米国特許第4,021,240号、同第4,
374,821号、同第4,460,681号および同
第4,883,747号に開示されている。
【0061】本発明の安定剤を含有するハロゲン化銀エ
マルジョンはかぶりの生成からさらに保護され、保存期
間における感度の低下からさらに安定化されうる。単独
もしくは組み合わせて用いうる好ましいかぶり防止剤お
よび安定剤には、スタウド(Staud)の米国特許第
2,131,038号およびアレン(Allen)の米
国特許第2,694,716号に記載のチアゾリウム塩
; パイパー(Piper)の米国特許第2,886,
437号およびハイムバッハ(Heimbach)の米
国特許第2,444,605号に記載のアザインデン;
 アレンの米国特許第2,728,663号に記載の水
銀塩; アンダーソン(Anderson)の米国特許
第3,287,135号に記載のウラゾール; ケンナ
ード(Kennard)の米国特許第3,235,65
2号に記載のスルホカテコール; キャロル(Carr
ol)らの英国特許第623,448号に記載のオキシ
ム; ニトロン; ニトロインダゾール; ジョンーズ
(Jones)の米国特許第2,839,405号に記
載の多価金属塩;ハーズ(Herz)の米国特許第3,
220,839号に記載のチウロニウム塩; およびト
リベリ(Trivelli)の米国特許第2,566,
263号およびダムシュローダ(Damschrode
r)の米国特許第2,597,915号に記載のパラジ
ウム、白金および銀塩が包含される。
【0062】本発明の安定化エマルジョンは、ポリアル
コール(たとえば、グリセリン、および、たとえば、ミ
ルトン(Milton)の米国特許第2,960,40
4号に記載の型のジオール; ロビンズ(Robins
)の米国特許第2,588,765号およびデューン(
Duane)の米国特許第3,121,060号に記載
のような脂肪酸またはエステル; およびデュポン英国
特許(DuPont  British  Paten
t)第955,061号に記載のようなシリコーン樹脂
、のような可塑剤および潤滑剤を含有しうる。
【0063】この熱写真材料は画像染料安定剤を含有し
うる。このような画像染料安定剤は英国(U.K.)特
許第1,326,889号; レスティナ(Lesti
na)らの米国特許第3,432,300号および同第
3,698,909号; スターン(Stern)らの
米国特許第3,574,627号; ブランノック(B
rannock)らの米国特許第3,573,050号
; アライ(Arai)らの米国特許第3,764,3
37号およびスミス(Smith)らの米国特許第4,
042,394号に記載されている。
【0064】本発明により安定化されたエマルジョン層
を有する熱写真材料は、ソーデイ(Sawdey)の米
国特許第3,253,921号; ガスパ(Gaspa
r)の米国特許第2,274,782号; キャロルら
の米国特許第2,527,583号およびバン・カンペ
ン(Van  Campen)の米国特許第2,956
,879号に記載のような光吸収材料およびフィルター
染料を含有する写真材料に用いられる。所望の場合は、
染料は、たとえば、ミルトン(Milton)およびジ
ョーンズ(Jones)の米国特許第3,282,69
9号に記載のように媒染される。
【0065】ここで記載のように安定化されたエマルジ
ョン層を有する熱写真材料は、スターチ、二酸化チタン
、酸化亜鉛、シリカ、ジェリー(Jelley)らの米
国特許第2,992,101号およびリン(Lynn)
の米国特許第2,701,245号に記載の型のビーズ
を含むポリマービーズのような艶消し剤を含有しうる。
【0066】本発明により安定化されたエマルジョンは
溶解性塩(たとえば、クロリド、ニトレートなど)を含
有する層、蒸発金属(evaporated  met
al)層、ミンスク(Minsk)の米国特許第2,8
61,056号および同第3,206,312号に記載
のようなイオン性ポリマー、またはトレボイ(Trev
oy)の米国特許第3,428,451号に記載のよう
な不溶性無機塩のような帯電防止または導電層を有する
熱写真材料に用いられる。
【0067】バインダーは、周知の天然または合成樹脂
のすべてから選択されうる。たとえば、ゼラチン、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルクロリド、ポリビニルア
セテート、セルロースアセテート、ポリオレフィン、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポ
リカーボネートなどが挙げられる。当然のことながら、
コポリマーおよびターポリマーも包含される。好ましい
熱写真銀含有ポリマーはポリビニルブチラール、ブトエ
チル(butethyl)セルロース、メタクリレート
コポリマー、無水マレイン酸エステルコポリマー、ポリ
スチレンおよびブタジエン−スチレンコポリマーである
【0068】必要に応じて、これらのコポリマーは2種
以上組み合わせて用いられる。このようなポリマーは成
分がそれらの中に有効に分散されるために十分な量すな
わち、バインダーとして機能するために効果的な範囲の
量で用いられる。効果的な範囲は当業者により好適に決
定される。少なくとも有機銀塩を含有する場合の指針と
しては、バインダーと有機銀塩との好ましい割合は、1
5:1〜1:2、好ましくは8:1〜1:1の範囲であ
るといわれる。
【0069】本発明の安定剤を含有する熱写真エマルジ
ョンは種々の支持体の上に被覆される。典型的な支持体
には、ポリエステルフィルム、下塗りポリエステルフィ
ルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、セル
ロースニトレートフィルム、セルロースエステルフィル
ム、ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリカーボネ
ートフィルムおよび関連または樹脂材料、ならびに、ガ
ラス、紙材料などが包含される。典型的には、可撓性支
持体には、部分的にアセチル化された紙、または特にバ
ライタおよび/またはα−オレフィンポリマー、特に、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテンコポリ
マーなどのような2〜10炭素原子を含有するα−オレ
フィンのポリマーで被覆された紙支持体が用いられる。
【0070】米国特許第4,460,681号および同
第4,374,921号に示めされるような背面抵抗性
加熱層を有する支持体もまた熱写真カラー画像形成系に
用いられる。
【0071】本発明の熱写真エマルジョンは種々の被覆
工程により被覆される。これらには、ディップ被覆、エ
アナイフ被覆、カーテン被覆、またはベンギン(Ben
guin)の米国特許第2,681,294号に記載の
型のホッパーを用いる押出被覆が包含される。所望の場
合は、ラッセル(Russell)の米国特許第2,7
61,791号およびウイン(Wynn)の英国特許第
837,095号に記載の操作により2層以上を同時に
被覆しうる。
【0072】
【実施例】本発明を以下に示す実施例によりさらに詳細
に説明する。しかしながらこれらの実施例は本発明を限
定するものではない。
【0073】実施例1   均質化によりベヘン酸銀半石鹸の分散液を、トルエ
ンおよびアセトン中固形分含量を10%として調製した
。この銀半石鹸分散液127gに、メチルエチルケトン
252g、イソプロピルアルコール104gおよびポリ
ビニルブチラール0.5gを添加した。15分間混合し
た後、臭化第二水銀(0.36g/10mlメタノール
)4mlを添加した。次に、30分後に臭化カルシウム
(0.236g/10mlメタノール)8.0mlを添
加した。2時間混合した後、ポリビニルピロリドン27
.0gを添加し、1時間後、ポリビニルブチラール27
.0gを添加した。
【0074】上記の調製した銀プレミックス32.1g
に、下記の増感染料A(0.045g/50mlメタノ
ール)2.0mlを添加した。
【0075】
【化6】
【0076】
【0077】ロイコ染料は米国特許第4,883,74
7号に開示され、下記式で示される:
【0078】
【化7】
【0079】染料で増感しロイコ系染料溶液を添加した
後、0.2mlまたは1.0mlの化合物I−Aおよび
化合物I−Bを0.1g/5mlメタノールの濃度でイ
エロー塗布溶液9.9gに添加した。得られた溶液を安
定剤前駆体を含まない溶液と共に、多孔質ポリエステル
基材に3ミルの湿潤厚で塗布し、オーブン内で82℃で
5分間乾燥した。ハロゲン化銀層に上塗溶液を3ミルの
湿潤厚で塗布し、オーブン内で82℃で5分間乾燥した
。上塗溶液は、水とメタノールの約50:50混合物中
の7%のポリビニルアルコールと0.2%のフタラジン
を含んでいた。
【0080】サンプルを47Bラッテンフィルターおよ
び0〜3個の連続ウェッジを介して10−3秒間露光し
、約138℃の温度で6秒間加熱することにより現像し
た。染料の光学濃度をコンピューター濃度計の青色フィ
ルターを用いて測定した。後処理安定性を、結像サンプ
ルを相対湿度65%および温度26.7℃で1200フ
ィートキャンドルの照度で6時間露光することにより測
定した。初期の感度測定データを以下に示す:
【0081】                     Dmin 
     Dmax      速度1     コン
トラスト2対照(0.0ml)       0.13
      2.47      1.99     
 5.540.2 ml I−A          
0.14      2.34      1.94 
     6.131.0 ml I−A      
    0.14      1.68      1
.96      4.410.2 ml I−B  
        0.13      2.39   
   1.93      6.261.0 ml I
−B          0.13      1.7
3      2.01      4.43  注:
1  Dminより0.6高い光学濃度に対応するlo
g露光量      2  Dminより0.3および
0.9高い光学濃度点を結ぶ線の傾斜により測定した平
均コントラスト
【0082】後処理プリント安定性結果を以下に示す:
【0083】
【0084】化合物I−AまたはI−Bを0.2ml添
加することにより、初期感度測定にほとんど影響を与え
ない非安定化対照に対して、32%を上回るDminの
後処理の向上が観察された。
【0085】比較例1   実施例1に記載のイエローハロゲン化銀塗布溶液9
.9gに、0.5mlまたは1.0mlの1−フェニル
−5−メルカプト−テトラゾール(PMT)を0.1g
/5mlメタノールの濃度で添加した。銀溶液および上
塗りを、実施例1のように塗布し、露光し、処理した。 初期感度測定データを以下に示す。
【0086】                     Dmin 
     Dmax      速度1     コン
トラスト2対照(0.0 ml)      0.13
      2.30      2.03     
 4.940.5 ml PMT          
0.13      1.72      2.15 
     4.06対照(0.0 ml)      
0.13      2.47      1.99 
     5.541.0 ml PMT      
    0.13      0.81      2
.64       −−  注:1  Dminより
0.6高い光学濃度に対応するlog露光量     
 2  Dminより0.3および0.9高い光学濃度
点を結ぶ線の傾斜により測定した平均コントラスト
【0087】後処理プリント安定性を実施例1のように
測定し、その結果を以下に示す。
【0088】
【0089】PMTのこれらの濃度において、40%を
上回る後処理Dmin向上に対してハロゲン化銀エマル
ジョンの大きな減感が起こった。実施例1において、減
感効果を最少にするためにPMTをアズラクトン基によ
り首尾良く保護したが、非ブロックPMT安定剤につい
て比較例で観察されたDmin後処理向上のために一部
のPMTの放出を許容した。
【0090】実施例2   実施例1に記載のイエローハロゲン化銀塗布溶液9
.9gに、1.0mlの化合物II−Aを0.1g/5
mlメタノールの濃度で添加した。銀溶液および上塗り
を、実施例1のように塗布し、露光し、処理した。初期
感度測定データを以下に示す。
【0091】                     Dmin 
     Dmax      速度1     コン
トラスト2対照(0.0 ml)      0.12
      2.22      1.84     
 4.521.0 ml II−A         
0.11      2.26      1.79 
     4.94  注:1  Dminより0.6
高い光学濃度に対応するlog露光量      2 
 Dminより0.3および0.9高い光学濃度点を結
ぶ線の傾斜により測定した平均コントラスト
【0092】後処理プリント安定性を実施例1のように
測定し、その結果を以下に示す。
【0093】
【0094】化合物II−Aにより、初期感度応答に影
響を与えることなく約10%のDmin後処理安定性の
向上が得られた。したがって、化合物II−Aは後処理
安定剤として機能し、後処理安定剤前駆体に対する保護
部分として全体的な後処理Dmin向上に役立つ。
【0095】実施例3   実施例1に記載のイエローハロゲン化銀塗布溶液9
.9gに、0.2mlまたは0.5mlの化合物I−E
を0.2g/5mlメタノールの濃度で添加した。実施
例1と同様にして、イエロー銀層上に上塗りを塗布し、
露光し、処理した。初期感度測定データを以下に示す。
【0096】                     Dmin 
     Dmax      速度1     コン
トラスト2対照(0.0 ml)      0.11
      2.46      1.77     
 5.090.2 ml I−E          
0.13      2.41      1.77 
     4.770.5 ml I−E      
    0.15      2.25      1
.79      3.50  注:1  Dminよ
り0.6高い光学濃度に対応するlog露光量    
  2  Dminより0.3および0.9高い光学濃
度点を結ぶ線の傾斜により測定した平均コントラスト
【0097】後処理の結果を以下に示す。
【0098】
【0099】化合物I−Eの0.2mlの添加により、
初期感度応答に重大な影響を与えることなく23%のD
min後処理安定性の向上が得られた。
【0100】実施例4   実施例1の銀半石鹸分散液502gを使用し、ポリ
ビニルブチラール0.4gを添加することにより、マゼ
ンタ発色ハロゲン化銀分散液を調製した。15分間混合
した後、0.5g/9.75gのメタノール中酢酸第二
水銀溶液および0.55g/18.4gのメタノール中
臭化カルシウム溶液を添加した。30分後、更に0.5
5g/18.4gのメタノール中臭化カルシウム溶液を
添加した。45分間混合した後、ポリビニルブチラール
49.8gを添加した。
【0101】上記の調製した銀プレミックス35.8g
に、以下に示す感光染料C(0.021g/100ml
メタノール)1.4mlを添加した。
【0102】
【化8】
【0103】30分後、以下に示すようなマゼンタ発色
ロイコ染料溶液を添加した。
【0104】
【0105】ロイコ染料は米国特許第4,795,69
7号に開示され、下記式で示される。
【0106】
【化9】
【0107】約52%のテトラヒドロフラン、17%の
トルエン、2%のアセトンおよび5%のメタノール中に
24.0%のポリスチレン樹脂を含む上塗り溶液を調製
した。
【0108】マゼンタ銀塗布溶液10.0gに、0.2
mlまたは1.0mlの化合物I−Cを0.2g/5m
lメタノール濃度で添加した。マゼンタ銀層および上塗
りをそれぞれ2ミルの湿潤厚で同時に塗布し、82℃で
5分間乾燥した。サンプルを58ラッテンフィルターお
よび0〜3個の連続ウェッジを介して10−3秒間露光
し、約138℃で6秒間加熱することにより現像した。
【0109】コンピューター濃度計の緑色フィルターを
用いて各サンプルの染料の光学濃度を測定した。結像サ
ンプルを相対湿度65%および温度26.7℃において
1200フィートキャンドルの照度で7時間露光するこ
とにより、後処理安定性を測定した。初期感度測定デー
タを以下に示す。
【0110】                       Dmi
n    Dmax      速度1     コン
トラスト2対照(0.0 ml)        0.
11    1.76      2.03     
 2.120.2 ml  I−C         
  0.11    1.74      2.04 
     2.161.0 ml  I−C     
      0.12    1.12      2
.83      1.38  注:1  Dminよ
り0.6高い光学濃度に対応するlog露光量    
  2  Dminより0.3および0.9高い光学濃
度点を結ぶ線の傾斜により測定した平均コントラスト
【0111】後処理プリント安定性を測定し、その結果
を以下に示す。
【0112】                          
     ΔDmin              Δ
Dmax対照(0.0 ml)           
     +0.19               
−0.140.2 ml I−C          
          +0.15          
     −0.121.0 ml I−C     
               +0.08     
          −0.32
【0113】化合物I−Cの0.2mlの添加により、
初期感度応答に重大な影響を与えることなく21%のD
min後処理安定性の向上が得られた。
【0114】比較例2   実施例4に記載のマゼンタハロゲン化銀塗布溶液1
0.0gに、0.35mlまたは1.0mlのベンズイ
ミダゾール(BI)を0.1g/5mlメタノールの濃
度で添加した。銀溶液および上塗りを、実施例4に記載
のように塗布し、露光し、処理した。初期感度測定デー
タを以下に示す。
【0115】                     Dmin 
     Dmax      速度1       
コントラスト2対照(0.0 ml)      0.
09      1.71      1.96   
     1.870.35 ml BI      
    0.09      1.60      2
.29        1.771.0 ml  BI
          0.08      1.25 
     2.72        1.44  注:
1  Dminより0.6高い光学濃度に対応するlo
g露光量      2  Dminより0.3および
0.9高い光学濃度点を結ぶ線の傾斜により測定した平
均コントラスト
【0116】後処理プリント安定性を実施例4に記載の
ように測定し、その結果を以下に示す。
【0117】                          
     ΔDmin              Δ
Dmax対照(0.0 ml)           
     +0.16               
−0.220.35 ml BI          
          +0.14          
     −0.271.0 ml  BI     
               +0.10     
          −0.31
【0118】このBIの濃度において、ハロゲン化銀エ
マルジョンの大きな減感と共に12%の後処理Dmin
向上が観察された。実施例4においては、BIはアズラ
クトン基により効果的に保護(0.2ml)され、減感
が最少となった。 しかしながら、比較例2では、非保護BI安定剤につい
て、Dmin後処理向上とともにBIの放出が生じた。
【0119】実施例5   化合物I−Dを用いて2種類のカラー処方を評価し
た。 実施例1と同様のイエロー銀溶液10.0gに、0.4
5mlまたは0.6mlの化合物I−Dを0.4g/5
mlエタノールの濃度で添加した。実施例1と同様の上
塗りをイエロー銀層上に塗布した。イエローハロゲン化
銀および上塗り層に加えて、実施例4に記載のマゼンタ
色形成ハロゲン化銀層および上塗りを、イエロー上塗り
上に同時に被覆した。サンプルを実施例1に記載のよう
に露光し、処理した。初期感度測定データを以下に示す
【0120】                     Dmin 
     Dmax      速度1       
コントラスト2対照(0.0 ml)      0.
16      1.65      1.84   
     4.830.45 ml I−D     
    0.16      1.62      1
.78        5.030.6 ml  I−
D         0.16      1.63 
     1.82        4.33  注:
1  Dminより0.6高い光学濃度に対応するlo
g露光量      2  Dminより0.3および
0.9高い光学濃度点を結ぶ線の傾斜により測定した平
均コントラスト
【0121】後処理プリント安定性を測定し、その結果
を以下に示す。
【0122】                          
     ΔDmin              Δ
Dmax対照(0.0 ml)           
     +0.53               
+0.020.45 ml I−D         
          +0.28          
      00.6 ml  I−D       
            +0.27        
       −0.02
【0123】このような濃度において、初期感度応答に
重大な影響を与えることなく約50%のDmin後処理
安定性の向上が得られた。
【0124】比較例3   実施例5に記載のイエローハロゲン化銀塗布溶液1
0.0gに、1.0mlの3−トリフルオロメチル−4
−メチル−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール
(MFT)を0.2g/4mlエタノールの濃度で添加
した。実施例5と同様にして、イエローハロゲン化銀層
上に、上塗り、マゼンタ銀および上塗り溶液を塗布した
。サンプルを実施例1に記載のように露光し、処理した
。初期感度測定データを以下に示す。
【0125】                     Dmin 
     Dmax      速度1       
コントラスト2対照(0.0 ml)      0.
13      1.73      1.95   
     3.631.0 ml MFT      
    0.15      0.63       
−−          −−  注:1  Dmin
より0.6高い光学濃度に対応するlog露光量   
   2  Dminより0.3および0.9高い光学
濃度点を結ぶ線の傾斜により測定した平均コントラスト
【0126】後処理プリント安定性を測定し、その結果
を以下に示す。
【0127】                          
     ΔDmin              Δ
Dmax対照(0.0 ml)           
     +0.51               
−0.021.0 ml MFT          
          +0.24          
         −−
【0128】このMFTの濃度
において、ハロゲン化銀エマルジョンの大きな減感と共
に53%の後処理Dmin向上が観察された。実施例5
においては、MFTはアズラクトン基で保護されること
により減感が最少となった。しかしながら、比較例3で
は、非保護MFT安定剤について、Dmin後処理向上
とともにMFTの放出が生じた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  写真ハロゲン化銀、銀源材料、銀イオ
    ン用還元剤、バインダー、および後処理安定化可能量の
    以下の式のいずれかに示されるアズラクトンを含有する
    熱写真エマルジョン: 【化1】 式中、Aは後処理安定基の残基であって、該後処理安定
    剤の水素原子が式Iに示す残余構造で置換されており;
    R1、R2およびR3は、R2およびR3が水素である
    場合はR1がアリール基でありうるという条件で、独立
    して水素またはメチルであり;R4およびR5は独立し
    てアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であ
    るか、またはR4とR5とは相互に連結して4〜12原
    子の環を形成し;R6およびR7は独立して水素または
    低級アルキル、好ましくはC−1〜C−4アルキルであ
    り;R8は、アルキル基(例えば、1〜20炭素原子、
    好ましくは1〜12炭素原子のアルキル基、および3〜
    20炭素原子、好ましくは5〜8炭素原子のシクロアル
    キル基を含む)、アリール基(例えば、7環原子までの
    アリール基)、および複素環基(好ましくは7環原子ま
    でのC、S、N、OおよびSe原子含有複素環基)のよ
    うな全ての有機基であり;nは0または1である。
  2. 【請求項2】  前記アズラクトンが式Iに示される、
    請求項1記載のエマルジョン。
  3. 【請求項3】  前記アズラクトンが式IIに示される
    、請求項1記載のエマルジョン。
  4. 【請求項4】  前記アズラクトンが式IIIに示され
    る、請求項1記載のエマルジョン。
  5. 【請求項5】  前記銀源材料が有機酸の銀塩を包含す
    る、請求項1記載のエマルジョン。
  6. 【請求項6】  前記銀源材料が銀ベヘネートを包含す
    る、請求項2、3または4のいずれか記載のエマルジョ
    ン。
  7. 【請求項7】  前記nが1である、請求項2、3また
    は4のいずれか記載のエマルジョン。
  8. 【請求項8】  前記nが0である、請求項2、3また
    は4のいずれか記載のエマルジョン。
  9. 【請求項9】  前記Aがベンゾトリアゾール、ベンズ
    イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾ
    ール、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾー
    ル、およびチオ置換複素環化合物からなる群から選択さ
    れる、請求項2、3または4のいずれか記載のエマルジ
    ョン。
  10. 【請求項10】  前記Aがベンゾトリアゾール、ベン
    ズイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、イミダ
    ゾール、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
    ール、およびチオ置換複素環化合物からなる群から選択
    される、請求項6記載のエマルジョン。
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