JPH0423150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、作業用足場装置に関するものであ
り、一層詳細には、多脚消波ブロツクにおける型
枠の組立ないしは脱型作業時に好適に使用される
足場装置に関するものである。

〔従来技術のその問題点〕

従来より、多脚消波ブロツク等の異形ブロツク
は、分割形成された複数の枠部材を組み合わせて
型枠を形成すると共にこの型枠内にコンクリート
を打設し、コンクリートの固化後に型枠を解体し
て脱型することにより製造されている。

ところで、この型枠の組立ないしは脱型（解
体）をする方法としては、作業員が命綱もしくは
簡易式ステツプ等を使用して脚部上面にのぼり隣
接する枠部材をコツター、コツターピンなどの締
付部品を使用して着脱するのであるが、脚部上面
が湾曲していることから滑落しやすく安全対策上
難点があり、作業性も悪い等の問題点を有してい
た。

〔問題点の解決手段〕

そこで、この考案では、前述の問題点を解決す
るために、多脚ブロツク型枠の頭脚部に装着され
る環状作業床部の半径方向外側に複数の作業ステ
ツプが突出するように枢着配置し、環状作業床部
の底部に複数の支持脚を配設してこれらの支持脚
を前記型枠の頭脚部基部に当接し、一方各作業ス
テツプを前記型枠の足脚部と対応する位置に設け
るとともにこれらの作業ステツプの下方向傾斜を
作業ステツプの所定個所に配設したストツパと前
記支持脚との係合により制限するように構成する
ことにより安全性の確保と作業性の向上を図ろう
とするものである。

〔作用〕

この考案に係る作業用足場装置によれば、隣接
する枠部材に対する締付部品の着脱作業は頭脚部
の場合は環状作業床部上で行われ、また、各足脚
部の場合は夫々の作業ステツプ上で行われる。

〔実施例〕

次に、本考案に係る作業用足場装置の好適な実
施例につき添付図面を参照しながら以下詳細に説
明する。

添付図面において、本考案に係る作業用足場装
置１０は、六角形に形成した環状作業床部１２
と、この作業床部１２の所定個所に軸１４を介し
て枢動自在にかつ外方に突設した三つの作業ステ
ツプ１６ａ，１６ｂ，１６ｃとから基本的に構成
されている。

作業床部１２は、各作業床１８ａ〜１８ｆの外
側縁に沿つて手摺１９を立設すると共に作業床１
８ａ，１８ｃ，１８ｅの底部所定個所にこの作業
床部１２を四脚ブロツク用型枠Ａの頭脚部Ｂ外側
に装着した際作業床部１２全体が略水平に保持さ
れるような寸法および取付角度に設定した支持脚
２０を配設し、さらに型枠Ａの各足脚部に対応す
る位置、すなわち本実施例の場合は、前記各支持
脚２０に軸１４を介して作業ステツプ１６ａ，１
６ｂ，１６ｃを枢着配置する。

なお、この場合、作業床１８ａ，１８ｃ，１８
ｅの床部は蝶番２２を介して軸方向に二つ折りで
きるように構成する。

一方、各作業ステツプ１６は、所定距離離間さ
せて対向配置した枠部材２４，２４の頂部に沿つ
て転落防止用の手摺２６を配設すると共に底部に
は各枠部材２４，２４から斜下方向にかつ片持式
に張り出した踏板２８，２８により逆八字形に形
成したステツプ３０，３０を配設する。なお、各
枠部材２４，２４の所定個所にはストツパ３２を
突設して作業ステツプ１６が軸１４を支点として
枢動したさいの下方傾斜角を制限するように構成
する。また、これらの作業ステツプ１６は、不使
用時には軸１４を支点として上方に枢動して環状
作業床部１２上で纒められ、足場装置全体をコン
パクト化できるようになつている。

このように構成した本考案に係る作業用足場装
置を使用するに際しては、まず、この作業用足場
装置１０をクレーン等により吊り下げた状態で環
状作業床部１２を四脚ブロツク用型枠Ａの頭脚部
Ｂに挿通する。なお、この場合、各作業ステツプ
１６ａ，１６ｂ，１６ｃはその自重によりストツ
パ３２が支持脚２０側面と係合するため下方に対
して所定以上傾斜して頭脚部Ｂへの挿通作業が困
難になる等の不都合は回避される。

次に、型枠Ａにおける各枠部材の縦方向継目
（フランジ部）と作業ステツプ１６ａ，１６ｂ，
１６ｃの中心線、すなわち、逆八字形ステツプ３
０の離間部とが合致するように位置決めした後、
型枠Ａの頭脚部Ｂ外側に本装置１０を各支持脚２
０および各作業ステツプ１６の一部を介して装着
配置する。そして、この状態において作業員は適
宜の作業ステツプ１６の下端縁部に昇降はしご３
４を適宜装着して作業ステツプ１６上あるいは作
業床部１２上でそれぞれの締付部品の着脱作業を
行えばよい。

なお、型枠Ａのくびれ部Ｃにおいて締付部品の
着脱作業を行う場合は、作業床の床部を蝶番２２
を介して折り曲げて行えば作業を容易に行うこと
ができる。また、全作業が終了したらこの足場装
置１０をクレーンなどで型枠Ａから取外し、各作
業ステツプ１６を上方に枢動して環状作業床部１
２上で纒めておけばよい。

〔考案の効果〕

先に述べたように、本考案に係る作業用足場装
置によれば、型枠に対する締付部品の着脱作業等
の高所作業を安全に行えるだけでなく、充分な作
業スペースも確保することができる。また、型枠
のくびれ部分における作業も作業床を二つ折りし
た状態で作業できるなど作業性の向上を図ること
ができ、さらに不使用時には装置全体をコンパク
ト化できる等種々の利点を有し、その実用的効果
は極めて大きい。

以上、本考案に係る作業用足場装置の好適しな
実施例につき説明したが、本考案はこの実施例に
限定されるものではなく、本考案の精神を逸脱し
ない範囲内において種々の改変をなし得ることは
勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る作業用足場装置の好適な
実施例と多脚ブロツク型枠との関係を示す平面
図、第２図は第１図の一部省略側面図である。 １０……作業用足場装置、１２……作業床部、
１４……軸、１６……作業ステツプ、１８……作
業床、１９……手摺、２０……支持脚、２２……
蝶番、２４……枠部材、２６……手摺、２８……
踏板、３０……ステツプ、３２……ストツパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多脚ブロツク型枠の頭脚部に装着する環状作業
   床部とこの作業床部の半径方向外側に突出するよ
   うに枢着配置した複数の作業ステツプとからな
   り、環状作業床部の底部に複数の支持脚を配設し
   てこれらの支持脚を前記型枠の頭脚部基部に当接
   し、一方各作業ステツプを前記型枠の足脚部と対
   応する位置に設けるとともにこれらの作業ステツ
   プの下方向傾斜を作業ステツプの所定個所に配設
   したストツパと前記支持脚との係合により制限す
   るように構成することを特徴とする作業用足場装
   置。