JPH04230445A - 車両用バンパー構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両用バンパー構造、特
にバンパー本体が樹脂成形品でなる前後の部材を接着一
体化することにより形成されているバンパーの構造に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、車両においては、図５に示すよ
うに、車体１の前端部下方にバンパー２が配設されるが
、このバンパー２は、図６に示すように、所要の強度を
有する本体３と、その前面に配設される衝撃吸収部材４
と、これらを覆う外皮部材５とで構成されるのが通例で
ある。そして、この種のバンパーにおいては、例えば特
開昭６２−１６５４号公報に開示されているように、本
体を樹脂成形品で形成する場合がある。その場合、生産
性等の面から、図６に示すように、バンパー本体３を後
方側に配置されて車体に固定される略平板状の後部部材
６と、その前面に配置されて前方に膨出した前部部材７
とで構成し、前部部材７の周縁部に設けたフランジ部７
ａを後部部材６の前面周縁部に接着することにより両部
材６，７を一体化する構造とする場合ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、バンパー本体３を後部部材６と前部部材７との接着
一体化構造とすると、バンパーに側方ないし斜め前方か
ら大きな衝撃荷重が加わったときに、上記両部材６，７
の接着面に剪断力が作用して、これらが該接着面から剥
離することが考えられる。この場合、両部材６，７は衝
撃荷重の発生初期に瞬時に剥離すると共に、これらが一
旦剥離すると、前部部材７ないしその前面に配設されて
いる衝撃吸収部材４等は、もはや衝撃荷重を吸収し或い
は緩和することができなくなり、そのため、その後の衝
撃荷重は車体側にほぼ直接的に加わって、乗員に大きな
ショックを与えることになる。

【０００４】そこで、本発明は、本体を前後の部材の接
着一体化により形成したバンパーにおいて、上記のよう
な前後両部材の剥離を防止し或いは剥離による両部材の
相対変位を抑制し、もって衝撃荷重を効果的に緩和、吸
収することができるバンパー構造を提供することを課題
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
、本発明は次のように構成したことを特徴とする。

【０００６】すなわち、本発明に係る車両用バンパー構
造は、バンパー本体を樹脂成形品でなる前部部材と後部
部材とを周縁部で接着することにより形成したものにお
いて、上記バンパー本体の少なくとも左右両側部で、後
部部材の外周部に前部部材の周端面と対向する突出部を
設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】上記の構成によれば、バンパーに側方ないし斜
め前方から衝撃荷重が加わって前後の部材の接着面に剪
断力が作用したときに、その剪断力による前部部材の後
部部材に対する横方向の相対変位が、後部部材の外周部
における突出部と前部部材との周端面の当接により阻止
され、或いは所定量で規制されることになる。したがっ
て、両部材の完全な分離が防止され、上記衝撃荷重が、
その発生初期の後においてもバンパーの全体で緩和、吸
収されて、車体側への伝達が抑制されることになる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。

【０００９】図１〜図４は本実施例に係るバンパーの本
体１０を示すもので、このバンパー本体１０は、図１に
示すように、平面形状が前方に凸にやや屈曲された形状
とされていると共に、図２〜図４に示すように、例えば
高強度ＳＭＣ等を材料とする樹脂成形品で形成された後
部部材２０と前部部材３０とを接合した構成とされてい
る。これらのうち、後部部材２０は略平板状とされて、
車体への取り付け部（図示せず）が設けられており、一
方、前部部材３０は、上面部３１、下面部３２、左右の
側面部３３，３３及び前面部３４により、後面が開放さ
れた略箱状とされていると共に、上面部３１、下面部３
２及び左右の側面部３３，３３の後端部、つまり該前部
部材３０の全体としての外周囲にフランジ部３５が設け
られている。そして、このフランジ部３５の後面が上記
後部部材２０の前面における上下左右の周辺部に対向し
、その対向面で例えばブチル系等の接着剤を用いて互い
に接着され、これにより両部材２０，３０が結合されて
中空のバンパー本体１０が形成されている。

【００１０】上記の構成に加えて、このバンパー本体１
０においては、図２に示すように、上辺部１１、左右の
側辺部１２，１２及び左右両側の下方のコーナー部１３
，１３にかけて、後部部材２０の外周囲に前方へ突出す
る連続した突出部２１が設けられており、図３、図４に
拡大して示すように、この突出部２１の内面２１ａが、
上記前部部材３０の外周囲におけるフランジ部３５の周
端面３５ａに小さな間隙を隔てて対向している。

【００１１】また、バンパー本体１０の上記コーナー部
１３，１３を除く下辺部１４においては、図３に示すよ
うに、前部部材３０の下辺部におけるフランジ部３５の
下端に後方へ突出する突起３６が設けられており、その
内面が上記前部部材２０の下辺部における周端面に同じ
く小さな間隙を隔てて対向している。

【００１２】上記の構成によれば、例えば図１に矢印Ｘ
で示すように、バンパー本体１０に斜め前方（もしくは
側方）から大きな衝撃荷重が加わったときに、該本体１
０においては、後部部材２０と前部部材３０との周辺部
における接着面に両部材２０，３０を剥離させるような
剪断力が作用し、車体に固定されている後部部材２０に
対して前部部材３０が横方向に相対変位しようとする。 しかし、該バンパー本体１０における上辺部１１、左右
の側辺部１２，１２及び左右両側の下方のコーナー部１
３，１３においては、後部部材２０の外周部に前方へ突
出する突出部２１が設けられ、その内面２１ａと前部部
材３０におけるフランジ部３５の周端面３５ａとが互い
に対向しているので、上記Ｘ方向の衝撃荷重が加わった
場合は図４に示す部位で上記突出部２１の内面２１ａと
フランジ部３５の周端面３５ａとが当接することになり
、その時点で前部部材３０の相対変位が阻止される。

【００１３】したがって、衝撃荷重の発生初期に上記両
部材２０，３０の接着面が剥離しても、引き続き作用す
る荷重を前部部材３０及びその前面に配設された衝撃吸
収部材（第６図参照）で受け止めることができることに
なり、該前部部材３０や衝撃吸収部材の変形等によって
該衝撃荷重が緩和、吸収されて、その車体側への伝達が
抑制されることになる。

【００１４】なお、この実施例では、バンパー本体１０
の上辺部１１及び下辺部１４においても、突出部２１，
３６が設けられているので、バンパーに上方もしくは下
方から衝撃荷重が加わったときも、前部部材３０と後部
部材２０との完全な分離が防止されて、該衝撃荷重が緩
和、吸収されることになる。また、これらの突出部２１
，３６と、前部部材３０におけるフランジ部３５の周端
面もしくは後部部材２０における下辺部の周端面との間
の間隙をなくし、これらが当初から接した状態で対向す
るように構成すれば、衝撃荷重の作用初期における前後
の部材３０，２０の剥離自体が抑制されることになる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、バンパ
ー本体が前部部材と後部部材とをその周縁部で接着一体
化することにより形成されているバンパーにおいて、該
バンパーに側方もしくは斜め前方から衝撃荷重が加わっ
たときに、その発生初期における上記両部材の接着面に
おける剥離もしくは横方向の相対変位が抑制されて、こ
れらが完全に分離することが防止される。これにより、
上記衝撃荷重が該バンパーにより効果的に緩和、吸収さ
れて、乗員に与えるショックが軽減されることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の実施例に係るバンパー本体の平面
図である。

【図２】　　同バンパー本体の要部正面図である。

【図３】　　図２におけるＡ−Ａ拡大断面図である。

【図４】　　図２におけるＢ−Ｂ拡大断面図である。

【図５】　　バンパーの一般的な取り付け状態を示す自
動車の概略斜視図である。

【図６】　　従来のバンパー構造を示す概略断面図であ
る。

【符号の説明】

１０　　　　　　　　　　バンパー本体２０　　　　　
　　　　　後部部材 ２１　　　　　　　　　　突出部 ３０　　　　　　　　　　前部部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　バンパー本体を、樹脂成形品でなる前
   部部材と後部部材とを周縁部で接着することにより形成
   した車両用バンパー構造であって、上記バンパー本体の
   少なくとも左右両側部において、後部部材の外周部に前
   部部材の周端面と対向する突出部が設けられていること
   を特徴とする車両用バンパー構造。