JPH04230250A - ビス(n−ビニルカルボン酸アミド)化合物、それを用いた架橋重合体及びその製法並びに液体吸収剤 - Google Patents

ビス(n−ビニルカルボン酸アミド)化合物、それを用いた架橋重合体及びその製法並びに液体吸収剤

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JPH04230250A
JPH04230250A JP3116193A JP11619391A JPH04230250A JP H04230250 A JPH04230250 A JP H04230250A JP 3116193 A JP3116193 A JP 3116193A JP 11619391 A JP11619391 A JP 11619391A JP H04230250 A JPH04230250 A JP H04230250A
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相沢 利行
Noriyuki Suzuki
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Hitoshi Nakamura
中村 仁至
Kuniomi Marumo
丸茂 国臣
Kiichi Hosoda
喜一 細田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えば架橋重合体製造
用の架橋剤として有用な新規なビス(N−ビニルカルボ
ン酸アミド)化合物に関する。本発明は、また、前記新
規化合物を用いて製造される、ゲル強度及び化学的安定
性に優れ、それの有する特性が電解質溶液による影響を
受けにくく、水、アルコール及びその他の有機溶媒に対
して親和性を有する新規な架橋重合体並びにその製造方
法に関する。 【0002】本発明は更にN−ビニルカルボン酸アミド
成分を含むホモ又はコポリマーの主鎖を架橋剤にて架橋
してなる架橋型N−ビニルカルボン酸アミド樹脂を主成
分とする水又は有機溶媒に対する液体吸収剤に関する。 更に詳しくは、本発明は化学的に安定で、水及びアルコ
ール等の有機溶媒に対して優れた吸収能を有し、特に、
系内に金属イオンや有機イオンが共存する液体に対する
吸収率が良く、共存するイオンの影響を受けることが少
ない。また、液体を吸収した結果、自らは膨潤、ゲル化
して共存する液体系を非流動化、固化せしめると共に、
徐放出性、密着性を示す等架橋型N−ビニルカルボン酸
アミド樹脂の優れた特徴、機能を活かし、各種分野で幅
広い用途を有する液体吸収剤に関する。 【0003】 【従来の技術】架橋された重合体は、その溶媒不溶性、
材料としての強度、その他の点において非架橋重合体と
は異なる特殊な性質を有することが多いため、工業的に
感光性樹脂、強化材料などの様々な目的で用いられいる
。特に近年、水溶性のポリマーが架橋された構造を有す
る水膨潤性ポリマー(ヒドロゲル)は、その吸水性や保
水性を利用した様々な産業分野における用途において注
目されている。たとえば紙おむつ等の衛生材料、生理用
品、コンタクトレンズ、化粧品、塗料、接着剤、止水剤
、土壌改質剤等の用途、あるいは薬物徐放制御等の医療
分野での利用・研究が盛んである。また、ヒドロゲルの
pH、熱、光、溶媒等に対する刺激応答性を利用した用
途分野についても研究開発が進められている。 【0004】これらの架橋された重合体は様々な方法で
製造されているが、工業的にしばしば用いられる方法と
して、一種類又は複数種のビニル化合物を単量体として
ラジカル重合等の方法で付加重合することにより重合体
を得るに際し、当該ビニル化合物と共重合可能なビニル
基等の官能基を複数個有する化合物(すなわち架橋剤)
とを共重合させることによりポリマー鎖中に架橋点を導
入する方法が典型的である。 【0005】上記の方法によりヒドロゲル又はその他の
架橋重合体を製造する場合に用いられる架橋剤としては
、一般に当該の単量体と共重合可能なビニル基を複数個
有する化合物を用いる。そのような架橋剤として現在知
られているものの例をあげれば、N,N′−メチレンビ
スアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート等の、複数個のアクリル基および/またはメタク
リル基を有する化合物、トリアリルイソシアヌレート、
ジビニルベンゼン等の、1分子中に不飽和基を2個以上
有する化合物がある。 【0006】しかしながら、前記したように架橋剤とし
て機能し得る化合物は種々の構造のものが知られていな
がら、架橋重合体の用途や単量体の種類によっては必ず
しもその性能、構造等の点において、全ての要求に適合
する架橋剤が存在しない場合も少なくなかった。例えば
、単量体であるビニル化合物と架橋剤との共重合性、架
橋剤の溶媒に対する溶解性、架橋後変性する際の安定性
等の条件を十分に満たす性能を有する架橋剤が知られて
いない場合である。この様に目的とする要求に十分に合
致しない架橋剤を用いて架橋重合体を合成することを試
みた場合、架橋反応が均一に進行しないために架橋剤が
有効に利用されず、そのため得られる架橋重合体の強度
が不十分であったり、十分に架橋されないため溶媒に可
溶なポリマーが多量に生じたり、満足な架橋重合体を得
るために必要な架橋剤の量が非常に多くなったりする、
といった問題が生じる。特に、架橋剤中のビニル基と単
量体の共重合性は重要な要因であり、それぞれのビニル
基のいわゆる反応性比が大きく異なると上に挙げたよう
な問題のために所望の架橋重合体は得られない。本明細
書において、「単量体と架橋剤の共重合性が良好である
」なる表現は、架橋剤のビニル基と単量体のビニル基の
、Mayo−Lewis式中で定義される反応性比r1
 ,r2 が近い値であり、ポリマー分子鎖に対して架
橋点が重合反応の初期から終了までを通じて比較的均一
に導入される様な系を意味する。 【0007】例えばN−ビニルピロリドンは、重合によ
り親水性ポリマーを与える単量体としてしばしば用いら
れ、その架橋重合体はヒドロゲルとしてコンタクトレン
ズ等の用途に好適であるが、このN−ビニルピロリドン
の有するビニル基と良好な共重合性を有するビニル基を
もった架橋剤はほとんど知られていなかった。 【0008】また、先に本発明者らは、下記式〔6〕:
【0009】 【化15】 【0010】(式中、R1 及びR5 はそれぞれ独立
に水素原子、又はメチル基を表わす)で表わされるN−
ビニルカルボン酸アミドを主成分とするモノマーを架橋
剤の存在下に重合することにより式〔6〕のモノマーに
由来する繰り返し単位を構造単位中に50〜 100モ
ル%(但し、架橋剤に由来する分岐構造は除く)含有す
る水膨潤性架橋重合体が得られ、この架橋重合体の吸水
性樹脂としての性能を評価したところ、電解質水溶液に
対して高い吸収率を有する上、当該の架橋重合体が経済
的かつ簡便な製造法で製造可能であることを見い出し、
特願平1−302409号出願として先に特許出願した
。すなわち、従来のいわゆる吸水性ポリマーといわれる
ものの殆どはポリカルボン酸系であり、従ってその吸水
能力が水溶液中の電解質濃度溶液に大きく依存する。更
に、電解質中に多価金属イオンが存在するとポリマーの
分子鎖間のイオン架橋によりその膨潤率が著しく低下す
る傾向が防ぎ得ない。式〔6〕で表わされるN−ビニル
カルボン酸アミドに由来する繰り返し単位を50〜 1
00モル%(但し、架橋剤に由来する分岐構造は除く)
含有する水膨潤性架橋重合体は、従来の架橋重合体にな
い特長を備えた新規な架橋重合体である。即ち、この架
橋重合体は、親水性で水膨潤性を有するゲルでありなが
ら、アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
フォキシド等のある種の有機溶媒にも親和性を有し、こ
れらの溶媒を吸収、膨潤することができる。また、この
架橋重合体は溶液中の電解質の影響をほとんど受けない
ことが分かっていた。 そこで、架橋剤として上に挙げたような公知の架橋剤を
用いて吸水性樹脂の製造を行なったところ、従来の吸水
性樹脂と比較して、特に電解質水溶液に対する吸収率等
において非常に優れた性能を有したものが得られた。し
かし、N−ビニルカルボン酸アミドと架橋剤との共重合
性が必ずしも良好でないために十分に架橋されず、溶媒
に可溶なポリマーを生じたり、十分な架橋密度を有する
架橋重合体を得るために必要な架橋剤の量が非常に多く
なったりするという問題点があった。それ故、この架橋
重合体の水膨潤性ゲルとしての性能をより向上させるた
めに、N−ビニルカルボン酸アミドとの共重合性が良好
である架橋剤の開発が望まれていた。 【0011】本発明者らは、更に上記問題を解決するた
めに、新規な架橋剤の開発について検討を行ない、下記
化学式〔7〕の構造を有するN,N′−メチレンビス(
N−ビニルカルボン酸アミド)が、簡便な方法で製造可
能である上、特にN−ビニル化合物を主成分とする架橋
重合体の製造における架橋剤として好適であることを見
い出し、特願平2−23239号出願として先に特許出
願した。 【0012】 【化16】 【0013】(式中、R1 は水素原子又はメチル基を
示す。) 【0014】しかし、式〔7〕の化合物は、N−ビニル
化合物との重合性が良好であるため、N−ビニル化合物
を主成分とする吸水性樹脂を主な用途とする架橋重合体
の製造において、既存の架橋剤を用いて製造した場合と
比較して、強度、吸水率等の面において優れた重合体が
得られるものの、式〔7〕の分子内にある2個のビニル
基が相接近しているため重合中に自己環化反応がおこり
やすく架橋点を導入するのに効率がよくなかったり、メ
チレン基の炭素原子にN−ビニル化合物の窒素原子が2
個結合している構造のため化学的安定性、例えば耐加水
分解性等の面において必ずしも満足すべきものとは言え
ないなど、より一層の改良が望まれるものであった。 【0015】一方、吸水性樹脂は、その吸水性や保水性
を利用して医療、サニタリー、食品工業、農芸、土木等
の分野に広く使用されている。何れの場合も膨潤率が大
きいことおよびゲル強度の高いことが求められている。 従来公知の吸水性樹脂としては、例えばデンプン−アク
リロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、デンプン
−アクリル酸グラフト共重合体の中和物、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニト
リルもしくはアクリルアミド系共重合架橋体の加水分解
物、ポリアクリル酸塩系架橋体等が挙げられる。しかし
、これらの吸水性樹脂は、何れも高分子電解質系の架橋
体であり、従って電解質を含まない水に対しては、優れ
た膨潤性能を示すものの、血液、尿、水性肥料、セメン
トスラリー等の電解質を多量に含む水性液体に対しては
著しく低い膨潤性しか示さない。この様な現象はイオン
の存在下では架橋体の主鎖である高分子電解質の解離が
抑えられるため鎖の広がりが小さくなった結果として現
れると考えられている。更に多価金属イオンが存在する
場合には更に主鎖カルボン酸を介してイオン架橋が起こ
り、必要以上に架橋密度の高い架橋重合体となることも
膨潤率の低下の一因となる。 【0016】この様な欠点を解決すべく、例えば特開昭
61−97312号公報には、ヒドロキシエチルセルロ
ースにアクリル酸系化合物等をグラフト重合させた後、
加水分解することによりカルボキシル基を連鎖構造単位
に含む吸水性樹脂を製造する方法が開示されている。こ
れは高分子電解質主鎖に非イオン性の高分子を導入する
ことによって耐イオン性の吸水性樹脂を得る方法である
が、主鎖の化学的安定性又は製造方法の簡便さの面から
必ずしも満足すべき方法とは云い難い。また特開昭60
−55011号公報には、(メタ)アクリルアミド系化
合物、(メタ)アクリル酸系化合物および末端にスルフ
ォン酸基を有する(メタ)アクリル系化合物の3種類の
化合物をジビニル系化合物の存在下で重合することによ
り食塩水等の電解質水溶液吸収能の改善された吸水性樹
脂の製造方法が開示されている。またN−ビニル化合物
を含む水膨潤性架橋重合体が特開昭58−5305号公
報に提案されているが何れも、イオン解離強度の比較的
に強い解離基を導入して、電解質溶液に対して主鎖の広
がりが抑えられることを避けようとしているために、実
質的に(メタ)アクリルアミド又は、N−ビニル化合物
が主成分とはなっておらず、耐イオン性の高い吸水性樹
脂を得るには至っていない。更に、先に述べたように、
これらは主鎖が高分子電解質であるために必然的に膨潤
ゲル中には多量の電解質を含有しており、その為に保水
ゲルは農芸用等の補水材料としては必ずしも充分効果を
発揮しているとは言えず、この分野でも高機能を示す材
料が求められていた。 同様に、これら補水材料はその使用状況から耐光性にも
優れた性能が要求されるが、この点についても未だ充分
な解決がなされていない。 【0017】また、従来の吸水性樹脂はその名のとおり
、水を吸収することによりゲル状物を形成するものであ
るが、これらの樹脂はアルコール等の有機溶媒には全く
膨潤性を示さないため、その用途は吸水及び保水などの
目的に限られていた。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、従
来の架橋重合体製造用の架橋剤が有する、重合性単量体
との共重合性をはじめとするいくつかの課題、特にN−
ビニルカルボン酸アミド化合物類を一成分として含む架
橋重合体の製造において、単量体との共重合性が良好で
あり、化学的安定性に優れ、良好な架橋重合体を与える
ことが出来る架橋剤及びそれから得られる架橋重合体を
提供することを目的とする。 【0019】本発明はまた、ポリアクリル酸ソーダ架橋
化物に代表される従来公知の吸水性樹脂の有する欠点、
特に、金属塩やアミン、カルボン酸等の無機及び有機イ
オンの共存する液体(電解質溶液)に対しては吸収能力
が著しく低下する点や天然高分子化合物又はその化学修
飾物の難点である化学的安定性に欠ける点を改良し、更
に、水系のみならずアルコールや他の有機溶媒に対して
も吸収能を有し、また、液体の吸収により形成されるゲ
ルの密着性が良く、吸収された水の植物等による再利用
性に於いても優れた性能を有する液体吸収剤を開発する
ことを目的とする。 【0020】 【課題を解決するための手段】本発明に従えば、式〔1
〕: 【0021】 【化17】 [式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
 は炭素数3〜10のアルキレン基;基−(CH2・C
HR3・O)n − CH2・CHR3−(式中、R3
 は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜4の整数を
示す);基: 【化18】 (式中、mは0又は4を示す)]で表わされるビス(N
−ビニルカルボン酸アミド)化合物が提供される。 【0022】本発明に従えば、また、(i)式〔2〕又
は〔3〕で示される単量体繰り返し単位と(ii)式〔
1′〕で示される架橋剤繰り返し単位とをモル比〔(i
)/(ii)〕で30/70〜 99.9999/0.
0001の比率で含んでなる架橋重合体が提供される。 【0023】 【化19】 【0024】 【化20】 【0025】 【化21】 【0026】[式中、R1 ,R4 ,R5 及びR6
 はそれぞれ独立に水素又はメチル基を示し、R2 は
炭素数3〜10のアルキレン基;基−(CH2・CHR
3・O)n − CH2・CHR3−(式中、R3 は
水素原子又はメチル基を示し、nは1〜4の整数を示す
);基: 【0027】 【化22】 【0028】(式中、mは0又は4を示す)、Aは2−
ケトピロリジニル基を示す。] 【0029】本発明に従えば、更に、式〔2′〕で表わ
される単量体又はN−ビニル−2−ピロリドンと式〔1
〕のビス(N−ビニルカルボン酸アミド)化合物とを共
重合することから成る上記架橋重合体の製造方法が提供
される。 【0030】 【化23】 【0031】 【化24】 【0032】(式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4
 は前記定義の通りである。) 【0033】本発明に従えば、更に、式(i) (a)
 式〔2〕で示される単量体繰り返し単位と(b) 式
〔4〕及び/又は式〔5〕で示される単量体繰り返し単
位とをモル比〔(a)/(b) 〕で30/70〜99
/1の比で含む単量体繰り返し単位と(ii)式〔1′
〕で示される架橋剤繰り返し単位とをモル比〔(i)/
(ii)〕で30/70〜 99.9999/0.00
01で含んで成る架橋重合体が提供される。 【0034】 【化25】 【0035】 【化26】 【0036】 【化27】 【0037】 【化28】 【0038】[式中、R1 ,R2 ,R4 及びR5
 は前記定義の通りであり、R7 は水素原子又はメチ
ル基を示し、A′は基−COOX(式中、Xは水素原子
、アルカリ金属、炭素数1〜6のアルキル基又は水酸基
、ジアルキルアミノ基若しくは第4級アンモニウム基で
置換された低級アルキル基を示す);基−CONHY 
(式中、Yは水素原子又はジアルキルアミノ基、第4級
アンモニウム基、スルフォン酸若しくはそのアルカリ金
属塩で置換された低級アルキル基を示す);シアノ基;
2−ケトピロリジニル基;低級アルコキシ基;低級アシ
ル基;低級アシルオキシ基又はスルフォン酸若しくはそ
のアルカリ金属塩で置換された低級アルキル基を示し、
Mは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属、pは
0又は1を示すが、R7 がメチル基のとき、A′はシ
アノ基、2−ケトピロリジニル基;低級アルコキシ基;
低級アシル基;低級アシルオキシ基及びスルフォン酸若
しくはその塩で置換された低級アルキル基ではない。] 【0039】本発明に従えば、更に、(i) (a) 
式〔2′〕で表わされる単量体と(b) 式〔4′〕及
び/又は〔5′〕で表わされる単量体と、 CH2 =CR7A′               
     〔4′〕MOOCCH= CH(CH2)p
 COOM      〔5′〕(式中、R7 ,A′
,M及びpは前記定義の通りである)(ii)式〔1〕
のビス(N−ビニルカルボン酸アミド)化合物とを共重
合することから成る上記架橋共重合体の製造方法が提供
される。 【0040】 【化29】 【0041】 【化30】 【0042】(式中、R1 ,R2 ,R4 及びR5
 は前記定義の通りである。) 【0043】本発明に従えば、更に、前記した架橋重合
体の少なくともいずれか一方を主成分とする水又は有機
溶媒に対する液体吸収剤が提供される。 【0044】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明の化合物〔1〕は、公知の様々な有機合成反
応を用いて合成することができる。例えばN−ビニルカ
ルボン酸アミドを出発物質として用い、適当な脱離基を
2個有する化合物と反応させてN−ビニルカルボン酸ア
ミドの窒素原子に結合した水素原子をアルキル基に置換
する、いわゆるN−アルキル化反応により合成するルー
トが簡便である。 【0045】N−ビニルカルボン酸アミドは、例えばア
セトアルデヒドとカルボン酸アミド及びアルコールとか
ら、又はN−エチルカルボン酸アミドのアルコール存在
下の電気分解で容易に合成されるN−(α−アルコキシ
エチル)アシルアミドを熱分解することによって合成す
ることができる(特開昭50−76015号公報参照)
。或いはアセトアルデヒドとアセトアミドとから合成さ
れるエチリデンビスアセトアミドの熱分解によって合成
することもできる(ザ・ジャーナル・オヴ・アメリカン
・ケミカル・ソサイエティー、第98巻、5996ペー
ジ、1976年参照)。 【0046】N−ビニルカルボン酸アミドをN−アルキ
ル化するのに用いる、適当な脱離基を2個有する化合物
としては例えばハロゲン化アルキル、p−トルエンスル
フォン酸エステル(トシレート)、p−ブロモベンゼン
スルフォン酸エステル(ブロシレート)、p−ニトロベ
ンゼンスルフォン酸エステル(ノシレート)、メタンス
ルフォン酸エステル(メシレート)、トリフルオロメタ
ンスルフォン酸エステル(トリフレート)、ノナフルオ
ロブタンスルフォン酸エステル(ノナフレート)等の脱
離基を一分子内に2個有する化合物が適しており、好ま
しくは塩化物、臭化物、トシルエステルであり、特に好
ましくはトシルエステルである。かかる本発明の化合物
の前駆体の例としては、1,3−プロパンジクロライド
、1,3−プロパンジブロマイド、1,3−プロパンジ
オールジトシレート、1,4−ブタンジブロマイド、1
,4−ブタンジオールジトシレート、1,10−デカン
ジオールジトシレート、ジエチレングリコールジクロラ
イド、ジエチレングリコールジトシレート、トリエチレ
ングリコールジトシレート、p−キシリレンジクロライ
ド、1,4−シクロヘキサンジメタノールジトシレート
等が挙げられる。これらの前駆体のうち、ジハライドは
比較的入手が容易なものが多く、さらにトシルエステル
についてはポリハライド化合物よりも更に入手が容易な
ジオール化合物を、トシル塩化物等を用いて公知の方法
でトシル化することにより容易に得ることができる。 【0047】これら上記の前駆体(ジハライド、ジトシ
レート等)とN−ビニルカルボン酸アミドとを用いてN
−アルキル化反応を行ない目的の本発明の化合物を得る
にはいくつかの方法がある。例えば、水相と有機相が接
触するような系中に二つの原料を同時に存在させ、水酸
化ナトリウム等の塩基触媒存在下で相間移動触媒を用い
て反応させる方法、或いは、あらかじめジメチルホルム
アミド等の非プロトン性の極性溶媒中で水素化ナトリウ
ム等の塩基を用いてN−ビニルカルボン酸アミドの窒素
原子に結合した水素原子を引き抜き、アミドをソジオ化
したのちにジトシレート化合物を反応させる方法で目的
の化合物を得ることができる。 【0048】これまでにN−ビニルカルボン酸アミド化
合物は、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムア
ミド、N−メチルビニルアセトアミド等が広く知られて
いるが、N−ビニル構造を分子中に2個有する化合物は
ほとんど知られておらず、特にN−ビニルカルボン酸ア
ミド基を2個有する化合物は先に挙げた本発明者らが本
発明に先だって見い出し、特願平2−23239号出願
として特許出願したメチレン−ビス(N−ビニルカルボ
ン酸アミド)以外に全く知られていなかった。本発明者
らは、ビス(N−ビニルカルボン酸アミド)構造を有す
る化合物の製造について更に検討を重ねた結果、簡便な
方法でN,N′−アルキレンビス(N−ビニルカルボン
酸アミド)が製造可能であり、本発明化合物が重合体用
架橋剤として優れた性能を有するうえ、先に本発明者ら
が提案した、N,N′−メチレンビス(N−ビニルカル
ボン酸アミド)と比較して、架橋効率に優れ、化学的安
定性において優れていることをも見い出し、本発明を完
成するに至った。 【0049】本発明に係る化合物の具体例をあげれば、
以下の通りである。 (1) R2 がC3 〜C10アルキレン基の例N,
N′−1,3−プロピレンビス(N−ビニルアセトアミ
ド) N,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビニルアセトア
ミド) N,N′−1,5−ペンチレンビス(N−ビニルアセト
アミド) N,N′−1,6−ヘキシレンビス(N−ビニルアセト
アミド) N,N′−1,7−ヘプチレンビス(N−ビニルアセト
アミド) N,N′−1,8−オクチレンビス(N−ビニルアセト
アミド) N,N′−1,9−ノニレンビス(N−ビニルアセトア
ミド) N,N′−1,10−デシレンビス(N−ビニルアセト
アミド) N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−1,3−
ブタンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2,5−
ヘキサンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2,4−
ペンタンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2,5−
ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2,4−
ジメチル−2,4−ペンタンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2−エチ
ル−1,5−ヘキサンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2−エチ
ル−2−メチル−1,3−プロパンジアミンN,N′−
ジアセチル−N,N′−ジビニル−2−メチル−1,3
−ブタンジアミン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−2−メチ
ル−1,5−ペンタンジアミン N,N′−1,3−プロピレンビス(N−ビニルホルム
アミド) N,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビニルホルムア
ミド) N,N′−1,5−ペンチレンビス(N−ビニルホルム
アミド) N,N′−1,6−ヘキシレンビス(N−ビニルホルム
アミド) N,N′−1,7−ヘプチレンビス(N−ビニルホルム
アミド) N,N′−1,8−オクチレンビス(N−ビニルホルム
アミド) N,N′−1,9−ノニレンビス(N−ビニルホルムア
ミド) N,N′−1,10−デシレンビス(N−ビニルホルム
アミド) N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−1,3−
ブタンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2,5−
ヘキサンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2,4−
ペンタンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2,5−
ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2,4−
ジメチル−2,4−ペンタンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2−エチ
ル−1,5−ヘキサンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2−エチ
ル−2−メチル−1,3−プロパンジアミンN,N′−
ジホルミル−N,N′−ジビニル−2−メチル−1,3
−ブタンジアミン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−2−メチ
ル−1,5−ペンタンジアミン 【0050】(2) R2 がポリオキシアルキレング
リコール鎖の例 N,N′−3−オキサ−1,5−ペンチレンビス(N−
ビニルアセトアミド) N,N′−3,6−ジオキサ−1,8−オクチレンビス
(N−ビニルアセトアミド) N,N′−3,6,9−トリオキサ−1,11−ウンデ
シレンビス(N−ビニルアセトアミド) N,N′−3,6,9,12−テトラオキサ−1,14
−テトラデシレンビス(N−ビニルアセトアミド)N,
N′−3−オキサ−1,5−ペンチレンビス(N−ビニ
ルホルムアミド) N,N′−3,6−ジオキサ−1,8−オクチレンビス
(N−ビニルホルムアミド) N,N′−3,6,9−トリオキサ−1,11−ウンデ
シレンビス(N−ビニルホルムアミド) N,N′−3,6,9,12−テトラオキサ−1,14
−テトラデシレンビス(N−ビニルホルムアミド)【0
051】N,N′−1,4−ジメチル−3−オキサ−1
,5−ペンチレンビス(N−ビニルアセトアミド)N,
N′−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1
,8−オクチレンビス(N−ビニルアセトアミド)N,
N′−1,4,7,10−テトラメチル−3,6,9−
トリオキサ−1,11−ウンデシレンビス(N−ビニル
アセトアミド) N,N′−1,4,7,10,13−ペンタメチル−3
,6,9,12−テトラオキサ−1,14−テトラデシ
レンビス(N−ビニルアセトアミド) N,N′−1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペ
ンチレンビス(N−ビニルホルムアミド)N,N′−1
,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オ
クチレンビス(N−ビニルホルムアミド)N,N′−1
,4,7,10−テトラメチル−3,6,9−トリオキ
サ−1,11−ウンデシレンビス(N−ビニルホルムア
ミド) N,N′−1,4,7,10,13−ペンタメチル−3
,6,9,12−テトラオキサ−1,14−テトラデシ
レンビス(N−ビニルホルムアミド) 【0052】(3) R2 がパラもしくはメタ−キシ
リレン基の例 パラ−キシリレンビス(N−ビニルアセトアミド)メタ
−キシリレンビス(N−ビニルアセトアミド)パラ−キ
シリレンビス(N−ビニルホルムアミド)メタ−キシリ
レンビス(N−ビニルホルムアミド)【0053】(4
) R2 が1,3−もしくは1,4−位にメチレン基
を有するシクロヘキサン環の例N,N′−ジアセチル−
N,N′−ジビニル−1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル−1,4−
ビスアミノメチルシクロヘキサン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−1,3−
ビスアミノメチルシクロヘキサン N,N′−ジホルミル−N,N′−ジビニル−1,4−
ビスアミノメチルシクロヘキサン 【0054】本発明の化合物の用途を限定する意図は毛
頭ないが、前述の如く本発明の化合物は、架橋重合体を
製造するための架橋剤としての用途に適性がある。特に
N−ビニル化合物を単量体の一成分とする架橋重合体を
製造するための架橋剤としての用途に適性がある。更に
好ましくはN−ビニルカルボン酸アミド化合物を主成分
とする水膨潤性ゲル(ヒドロゲル)を製造するための架
橋剤としての用途である。 【0055】本発明の架橋剤を用いて架橋重合体を製造
するにあたっては、例えばエチレン、酢酸ビニル、アク
リルアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド等、
従来公知のあらゆるビニル化合物を用いることが可能で
あるが、特に好ましくは、用いる単量体の一部又は全部
としてN−ビニルカルボン酸アミド及び/又はN−ビニ
ルピロリドンを用いると、従来の架橋重合体にない特長
を備えた新規なゲルを得ることができる。すなわち、親
水性で水膨潤性を有するゲルでありながら、アルコール
、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド等の
ある種の有機溶媒にも親和性を有し、これらの溶媒を吸
収、膨潤することができる。また、従来のいわゆる吸水
性ポリマーといわれるもののほとんどはポリカルボン酸
系であり、それゆえその吸水能力が水溶液中の電解質濃
度溶液に大きく依存する。さらに、電解質中に多価金属
イオンが存在するとポリマーの分子鎖間のイオン架橋に
よりその膨潤率が著しく低下する傾向が防ぎ得ない。 これに比較して、特開平1−302409号公報に開示
されたように、N−ビニルカルボン酸アミドを単量体に
用いて製造されたゲルは溶液中の電解質の影響をほとん
ど受けないことが分かっていた。しかしながら、上述し
たようにこれらN−ビニル化合物を単量体として用いた
場合にこれらと良好な共重合性を有する架橋剤が今まで
知られていなかったために満足なゲル強度を有しながら
、十分な架橋密度と、溶媒に対する高い膨潤率を達成す
ることが困難であった。本発明の新規な構造を有する架
橋重合体は、ゲル強度、十分な架橋密度、及び溶媒に対
する膨潤率を同時に実現するという、従来の架橋剤を用
いて合成されたゲルでは達成し得なかった特異な性質を
有する。 【0056】このようにして、本発明によれば、化学的
に安定で耐光性にも優れ、水及びアルコール等の有機溶
媒に対して優れた吸収能を有し、特に、系内に金属塩や
アミン、カルボン酸等の無機及び有機イオンが共存する
液体に対して高い吸水(吸有機溶媒)倍率を発揮し、そ
の結果、自らは膨潤、ゲル化して共存する液体系を非流
動化、固化せしめると共に徐放出性、密着性を示す等N
−ビニルカルボン酸アミドを主成分とする幹ポリマーを
架橋した樹脂の優れた特徴、機能を活かした各種分野で
幅広い用途を有する液体吸収剤が提供される。このため
に、好ましい樹脂は、主鎖の平均重合度が 100〜 
500,000であり、架橋密度が1/100 〜1/
500,000 である。 【0057】尚、本発明の液体吸収剤は、上記の如く基
本的には水及び有機溶媒を吸収する機能が主体となるが
、樹脂に吸収された水又は有機溶媒は外界の状況によっ
ては放出され、この吸収−保持−放出という機能は可逆
的である故に、これらの液体について調節機能(例えば
、水系を対象とした場合、吸(脱)水、保水、給水、水
分調節等)を発揮する。しかも、本発明の樹脂は化学的
に安定で耐光性にも優れているため、繰返し何度でも発
現可能であると共に樹脂中に保持された水の植物等によ
る再利用性も良く、発芽、発根、生育に対して悪影響を
及ぼさない。 【0058】液体を吸収した樹脂はそれ自体は膨潤、ゲ
ル化するが、樹脂が添加された系(液体)は全体として
流動性が抑制され、最終的には非流動化、固形化する。 従って、添加した系に対しては賦形性を有し、また、非
流動化、固形化(賦形)された系は条件に応じて非常に
柔軟な状態から或る程度の弾力性を有する成型物まで多
様な状態をとることができ、夫々の状態に応じて各種の
機能が発揮される。例えば、比較的柔軟な状態では対象
物に対して密着性を有し、シーリング性や或る種の粘着
性を発揮し、また、弾力性を有する成型物では上記の保
水性、給水性等の他に振動や衝撃を吸収し、吸音性を発
揮したりする。 【0059】本発明の液体吸収剤は、更に、ゲル中に保
持された成分の徐放出性や水の導電性、高比熱性(蓄熱
性、保冷、保熱)等の性質も利用可能である。液状の有
機化合物の吸収−保持−(徐)放出、非流動化という機
能は前記の耐イオン性と共に本発明の吸収剤の大きな特
徴の一つであり、従来の吸収剤に無い性能である。 【0060】これらの液体の吸収、放出及び調節機能や
徐放出性、添加した系に対する流動性の低下、固形化、
賦形性或いは外界に対する密着性、被覆性等の様々な機
能は、謂わば、原因と結果、一連の互いに密接に関連す
る現象を様々な観点から見たもので、その基になる機能
は液体の吸収−ゲル化である。従って、本発明に於いて
は液体吸収剤なる語は、単に液体を吸収するという面の
みを狭義に解してはならず、上記の如く架橋型N−ビニ
ルカルボン酸アミド樹脂の使用の結果(或いは付随して
)もたらされる様々な機能、作用、現象をも意味するも
のである。 【0061】かかる様々な機能(基本的には水及び有機
溶媒の吸収剤)は特に、前記式〔2〕のN−ビニルカル
ボン酸アミド成分を50〜 100モル%含むホモ又は
コポリマーの主鎖を架橋剤にて架橋してなる架橋型N−
ビニルカルボン酸アミド樹脂の使用によってもたらされ
るが、前記一般式にて示される繰返し単位のa成分(N
−ビニルカルボン酸アミド成分)及びb成分(共重合成
分)について、夫々モノマーとして代表的なものを具体
的に例示すれば、例えば、下記の如きものが挙げられる
。 【0062】a成分:N−ビニルホルムアミド、N−ビ
ニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミ
ド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド等が挙げられ
、特にN−ビニルアセトアミドが好ましい。 【0063】b成分:アクリル酸、メタアクリル酸〔以
下、総称して(メタ)アクリル酸という〕又はそれらの
ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;【00
64】そのメチルエステル、エチルエステル、プロピル
エステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシ
ルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノ
ニルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、
パルミチルエステル等のアルキルエステル;【0065
】そのヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピル
エステル、ヒドロキシブチルエステル等のヒドロキシ低
級アルキルエステル; 【0066】そのジメチルアミノメチルエステル、ジメ
チルアミノエチルエステル、ジメチルアミノプロピルエ
ステル、ジメチルアミノブチルエステル、ジエチルアミ
ノメチルエステル、ジエチルアミノエチルエステル、ジ
エチルアミノプロピルエステル、ジエチルアミノブチル
エステル等の低級アルキルアミノ基で置換された低級ア
ルキルエステル; 【0067】そのトリメチルアンモニオエチルエステル
ハライド、トリメチルアンモニオプロピルエステルハラ
イド、トリエチルアンモニオエチルエステルハライド、
トリエチルアンモニオプロピルエステルハライド等の第
4級アンモニウム基で置換された低級アルキルエステル
; 【0068】そのアミド; 【0069】そのジメチルアミノメチルアミド、ジメチ
ルアミノエチルアミド、ジメチルアミノプロピルアミド
、ジメチルアミノブチルアミド、ジエチルアミノメチル
アミド、ジエチルアミノエチルアミド、ジエチルアミノ
プロピルアミド、ジエチルアミノブチルアミド等の低級
アルキルアミノ基で置換されたアミド;【0070】そ
のトリメチルアンモニオエチルアミドハライド、トリメ
チルアンモニオプロピルアミドハライド、トリエチルア
ンモニオエチルアミドハライド、トリエチルアンモニオ
プロピルアミドハライド等の第4級アンモニウム基で置
換された低級アルキルアミド;【0071】そのスルフ
ォメチルアミド、スルフォエチルアミド、スルフォプロ
ピルアミド、スルフォブチルアミド、ソヂウムスルフォ
メチルアミド、ソヂウムスルフォエチルアミド、ソヂウ
ムスルフォプロピルアミド、ソヂウムスルフォブチルア
ミド、カリウムスルフォメチルアミド、カリウムスルフ
ォエチルアミド、カリウムスルフォプロピルアミド、カ
リウムスルフォブチルアミド等のスルフォン酸又はアル
カリ金属スルフォン酸で置換された低級アルキルアミド
等; 【0072】アクリロニトリル; 【0073】N−ビニル−2−ピロリドン;【0074
】メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニル
エーテル; 【0075】メチルビニルケトン、エチルビニルケトン
等のビニルケトン; 【0076】酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の低級
カルボン酸ビニル; 【0077】アリルスルフォン酸、アリルスルフォン酸
ナトリウム、アリルスルフォン酸カリウム等のアリルス
ルフォン酸又はそれらのアルカリ金属塩;【0078】
マレイン酸、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸カリウ
ム、フマール酸、フマール酸ナトリウム、イタコン酸、
イタコン酸ナトリウム、イタコン酸カリウム等が挙げら
れる。 【0079】これらの中で特に、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、塩化ト
リメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリル
アミド、スルフォプロピルアクリルアミド、スルフォブ
チルアクリルアミド、ソヂウムスルフォプロピルアクリ
ルアミド、ソヂウムスルフォブチルアクリルアミド、ア
クリロニトリル、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、
酢酸ビニル、アリルスルフォン酸ナトリウム、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、マレイン酸、マレイン酸ナトリウ
ム、イタコン酸、イタコン酸ナトリウム等が好ましいも
のとして挙げられる。 【0080】尚、コポリマーの場合、前記の如くa成分
は少なくとも50モル%以上含むことが好ましく、これ
以下では本発明の吸収剤の特徴である耐イオン性、有機
化合物の吸収性、耐光性が十分に発揮されない。共重合
組成の好ましい範囲としては吸収する液体の種類、特に
共存する溶質の種類、濃度等によって異なるため、一概
には言えないが、好ましくはモル比で50〜99:1〜
50である。 【0081】架橋剤としては前記した一般式〔1〕のビ
ス(N−ビニルカルボン酸アミド)化合物を用いるが、
その具体的な化合物は前に例示した通りである。 【0082】これらのうち、N,N′−1,4−ブチレ
ンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N′−1,6
−ヘキシレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N
′−1,10−デシレンビス(N−ビニルアセトアミド
)、N,N′−3−オキサ−1,5−ペンチレンビス(
N−ビニルアセトアミド)、N,N′−3,6−ジオキ
サ−1,8−オクチレンビス(N−ビニルアセトアミド
)、N,N′−p−キシリレンビス(N−ビニルアセト
アミド)、N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニル
−1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が特に好
ましいものとして挙げられる。 【0083】本発明に従った液体の吸収剤は、更に、1
分子中に不飽和基を2個以上有する一般的な架橋剤をビ
ス(N−ビニルカルボン酸アミド)化合物に対しモル比
で9以下の割合で上記架橋剤として併用してもよい。そ
のような、架橋剤の例としては、N,N′−メチレンビ
スアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の、複数個
のアクリル基及び/又はメタクリル基を有する化合物、
トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパン
ジアリルエーテル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジア
リル、ジアリルアミン、トリメリット酸トリアリル、ピ
ロメリット酸テトラアリル等の2個以上のアリル基を有
する化合物、その他、ジビニルベンゼン、ジビニルエー
テル、(メタ)アクリル酸アリル等の、1分子中に不飽
和基を2個以上有する化合物である。この様に架橋剤を
複数種類組み合わせて用いることがメリットをもたらす
原因については明らかではないが、相異なる反応性をも
つ単量体とそれぞれ良好な共重合性を有する架橋剤を系
内に同時に添加することにより架橋点が均一に導入され
るようになるためと推察される。 【0084】架橋剤の使用量としては、(共)重合成分
を基準として2×10−4〜1モル%、好ましくは2.
5×10−4〜0.2モル%、特に好ましくは5×10
−4〜1×10−2モル%の範囲である。因に、架橋剤
の使用量が(共)重合成分を基準として1モル%よりも
多いときは、得られる樹脂の架橋密度が高くなり過ぎる
ためにその吸収性能が著しく低下し、一方、2×10−
4モル%よりも少ないときは架橋されない高分子鎖の割
合が増し、水や有機溶媒に溶解し易くなるために吸収剤
として期待する性能が発揮できないことになる。 【0085】重合プロセスについては必ずしも制限はな
いが、通常は水溶液重合法、逆相懸濁重合法、逆相乳化
重合法等の方法によることが好ましい。例えば、水溶液
重合法としては、水又は水と均一に混合可能な親水性有
機溶媒或いはこれらの混合溶媒等の溶媒中にモノマー成
分、架橋剤を均一に溶解し、真空脱気或いは窒素、炭酸
ガス等の不活性ガスによる置換等により系内の溶存酸素
を除去した後、重合開始剤を添加して反応させる。重合
開始温度は通常−10〜60℃程度であり、反応時間は
1〜10時間程度である。 【0086】上記親水性有機溶媒の代表的な例としては
、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール等の低級アルコール、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の環状エーテル、アセトン、アセトニ
トリル、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルフォキサイド等が挙げられる。これら
のうち特に、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジ
メチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルフォキサイド等が好ましい。 【0087】また、重合開始剤としては、溶媒中に均一
に溶解する過酸化物、有機、無機過酸若しくはその塩、
アゾビス系化合物の単独或いは還元剤との組合せによる
レドックス系のものが用いられ、それらの代表的な例と
しては、例えば、下記の如きものが挙げられる。 【0088】t−ブチルパーオキサイド、t−アミルパ
ーオキサイド、クミルパーオキサイド、アセチルパーオ
キサイド、プロピオニルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ベンゾイルイソブチリルパーオキサイド
、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパー
オキサイド、シクロヘキシルハイドロパーオキサイド、
テトラリンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーア
セテート、t−ブチルパーベンゾエート、ビス(2−エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート)、2,2−ア
ゾビスi−ブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニル
メタン、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩、2,2−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2−
アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン〕二塩酸塩、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム、過酸化水素、過硫酸塩とトリエチル
アミン、トリエタノールアミン、ジメチルアニリン等の
第3級アミンとの組合せ等が挙げられる。 【0089】これらのうち特に、t−ブチルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、2,2−アゾビスi
−ブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス〔2−(5−メチ
ル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩
、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕二塩酸塩、過硫酸ナトリウム、過硫酸カ
リウム若しくは過硫酸アンモニウムの単独又はこれらの
過硫酸塩とトリエチルアミン、トリエタノールアミン若
しくはジメチルアニリン等の第3級アミンとの組合せが
好ましい。 【0090】重合開始剤の使用量としては、(共)重合
成分を基準として0.0005〜5モル%、好ましくは
 0.001〜1モル%、特に好ましくは 0.005
〜0.5モル%の範囲である。因に、重合開始剤の使用
量が(共)重合成分を基準として5モル%よりも多いと
きは、主鎖の高分子鎖の重合度が上がらず、架橋されな
い高分子鎖の割合が増し、水や有機溶媒に溶解し易くな
るために吸収剤として期待する性能が発揮できない、一
方、0.0005モル%よりも少ないときは重合反応の
反応率が上がらず、残留モノマーの量が増加するという
難点がある。 【0091】反応生成物は反応に使用した溶媒を含むゲ
ル状であり、通常は回転式カッター等で粉砕し、更に、
加熱、減圧等の方法により溶媒を除去して乾燥、粉砕分
級して粒径50μm〜1mm程度の粉末とする。 【0092】逆相懸濁重合法、逆相乳化重合法としては
、水中にモノマー成分、架橋剤を均一に溶解し、これを
水と均一に混合しない有機溶媒中に懸濁又は乳化させて
重合反応をさせる。重合開始剤としては、必ずしも水溶
性のもののみに限らず有機溶媒中に可溶なものも用いら
れる。従って、前記のもの以外に、例えば、ヘキサン、
シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素、四塩化
水素、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、アイソ
パー等の鉱油等も用いられる。 【0093】また、逆相乳化重合法では分散剤として界
面活性剤が用いられ、必要に応じて保護コロイドが併用
される。それらの代表的な例としては、例えば、ソルビ
タンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキ
シエチルセルロース等が挙げられる。 【0094】系内の溶存酸素の除去、反応生成物の処理
等は前記と同様であり、また、反応条件は必ずしも制限
はないが、概ね次の通りである。溶媒使用量;モノマー
水溶液と等量〜20倍、好ましくは等量〜10倍、特に
好ましくは等量〜5倍、重合開始剤の使用量;モノマー
成分を基準として0.0005〜5モル%、好ましくは
 0.001〜1モル%、特に好ましくは 0.005
〜0.5モル%、重合開始温度;10〜90℃程度、反
応時間;1〜10時間程度である。 【0095】かくて得られる樹脂の分子構造はN−ビニ
ルカルボン酸アミドのホモポリマー又は他の共重合成分
とのコポリマーからなる直鎖状ポリマーが主鎖を形成し
、これが架橋剤により架橋された3次元構造を有し、主
として分子の大きさ及び架橋の状態、即ち主鎖の分子量
及び架橋密度が本発明の液体吸収剤としての機能を大き
く支配する。例えば、理屈上は主鎖をできるだけ大きく
し、しかも、架橋密度をできるだけ小さくすることによ
り液体吸収能を大きくすることができるが、液体吸収能
には自ら限度があり、また架橋間距離が大きくなれば液
体を吸収してできるゲルの物理的強度は著しく低下する
と共に、架橋に関与しない分子が多くなり溶解性が高く
なる。従って、主鎖の重合度: 500,000〜 1
00、好ましくは 400,000〜 1,000、特
に好ましくは 200,000〜10,000、また、
架橋密度:1/500,000 〜1/100 、好ま
しくは1/300,000 〜1/1,000 、特に
好ましくは1/200,000 〜1/10,000の
範囲であることが重要である。尚、主鎖がコポリマーの
場合、共重合成分の反応性の違いによりその構造には若
干の違いがあり、例えば、共重合成分としてアクリルア
ミド、マレイン酸等を用いた場合には反応仕込みモル比
にもよるが交互共重合となっていることが多い。また、
アクリル酸等を用いた場合にはブロック共重合、酢酸ビ
ニル等の場合にはランダム共重合となっていることが多
い。ただ、これらの共重合成分の反応性の違いによる主
鎖コポリマーの構造上の違いは、個々の使用例では夫々
特徴的な機能が付加されることもあるが、全体としては
本発明の液体吸収剤に於いては本質的なものではない。 【0096】本発明の架橋型N−ビニルカルボン酸アミ
ド樹脂(液体吸収剤)は上記の如く一次的には径50μ
m〜1mm程度の粉末状で得られるが、液体を吸収した
状態ではビーズ状或いは分散液、クリーム、糊状粘調物
等であり、また、自体成形して紐状、フィルム状、シー
ト状、板状、各種成形物となり、更に種々の基剤(材)
と組合せて様々な形状、形態にて用いられる。 【0097】本発明の架橋型N−ビニルカルボン酸アミ
ド樹脂を主成分とする液体吸収剤は、基本的には前記の
如く耐イオン性、化学的安定性、耐光性を伴った水及び
有機溶媒に対する優れた吸収機能が主体となるが、液体
の吸収、放出及び調節機能や徐放出性、添加した系に対
する流動性の低下、固形化、賦形性或いは外界に対する
密着性、シーリング性や一種の粘着性、被覆性、また、
弾力性を有する成型物では上記の保水性、給水性等の他
に振動や衝撃を吸収し、吸音性を発揮したりする。更に
、ゲル中に保持された成分の徐放出性や水の導電性、高
比熱性(蓄熱性、保冷、保熱)等の性質も利用可能であ
る。 【0098】本発明の液体吸収剤に於いては、特に、従
来吸水性ポリマーの代表とされるポリアクリル酸ソーダ
架橋化物が吸水すべき液体中に金属塩やアミン、カルボ
ン酸等の無機及び有機イオンが共存した場合にはその吸
水性能が著しく損なわれるという欠点を有するのに対し
て、イオンの共存の影響を受け難く、従って、塩類を含
む水溶液でも吸水性能は殆ど低下しない。また、樹脂中
に吸収、保持された水分の植物等による再利用性も良く
、発芽、発根、生育に対して悪影響を及ぼさない。かか
る特徴を活かした用途として、例えば、一般の農地、山
林等は勿論のこと、特に砂漠緑化等比較的塩分の多い土
壌或いは組織培養や人工栽培等の無機塩や肥料を含む培
地、人工培土での保(給)水剤;衛生用品(おむつ、ナ
プキン、タンポン)等塩分の多い体液(尿、経血)の吸
収剤;コンクリート養生、セメント改質剤等のカルシウ
ム分の多い水の吸収剤;塩化カルシウム系吸湿剤の潮解
液の非流動化剤;超微粒子セラミックス製造用の金属塩
溶液の分散剤(金属化合物との複合体形成剤)等がある
。 【0099】また、本発明の液体吸収剤においては特に
、従来吸水性ポリマーの代表とされるポリアクリル酸ソ
ーダ架橋化物の被吸収液が水又は水と一部の低級アルコ
ールなどの混合物に限られるのに対して、水や種々の有
機溶媒又はそれらの混合物をも吸収可能である。吸収可
能な有機溶媒の代表的なものについて具体的に列挙すれ
ば、例えば、下記の如きものが挙げられるが、これらは
一般に比較的極性の高い溶媒と呼ばれているものである
。 【0100】メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアル
コール、イソアミルアルコール、シクロペンタノール、
アリルアルコール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2−プロパノール、2−メトキシエタノール、
2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2
−アミノエタノール、エチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジ
オール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアル
コール類;フェノール、クレゾール等のフェノール類;
その他、ホルムアミド、酢酸、2−ピロリジノン、ジメ
チルスルフォキシド、ピリジン等であり、更に、単独で
は吸収性はないか非常に乏しいが混合系とすれば吸収可
能となるものとして、例えば、水とN,N−ジメチルホ
ルムアミド、フェノール、アセトン、テトラヒドロフラ
ン又はジオキサン等との水−有機溶媒系;エタノール−
アセトン、エタノール−クロロホルム、エタノール−ベ
ンゼン、エタノール−酢酸エチル、メタノール−塩化メ
チレン、酢酸エチル−酢酸等の有機溶媒同士の混合溶媒
系が示される。 【0101】本発明の液体吸収剤がこのように広範囲の
溶媒を吸収する理由は必ずしも明らかでないが、本発明
の液体吸収剤の主成分である架橋型N−ビニルカルボン
酸アミド樹脂と吸収可能な溶媒系との相互作用の強さの
尺度として、該溶媒系の極性の高さが考えられる。一般
に、溶媒の極性を表す尺度として、誘電率(ε)、溶解
度パラメーター(δ)、溶媒極性パラメーター(ET 
値或いはZ値)などが知られているが、これらのパラメ
ーターにて種々解析した結果、上記有機溶媒はいずれも
単一溶媒ではET 値が45以上であり、また、混合溶
媒ではその溶媒系のET 値が43以上であり、逆に、
この値以下のものでは殆ど吸収されないことが認められ
た。従って、本発明の液体吸収剤が吸収可能な有機溶媒
としては、単一溶媒ではET 値で45以上、混合溶媒
ではその溶媒系のET 値が43以上のものと言う事が
できる。特に、ET 値と吸収性の関係が良く当てはま
るのは単一溶媒、混合溶媒いずれの場合もET 値50
以上、更に好ましくは53以上のものである。 【0102】上記の他にも代表的な用途について具体的
に列挙すれば、例えば、下記の如きものが挙げられる。 勿論、これらは単なる例示であり、本発明の液体吸収剤
の用途としては以下のもののみに限定されるものではな
く、上述の機能を活かして種々の分野、製品に非常に広
範囲な利用が可能である。食品用品(鮮度保持用品、脱
水、保水、給水、水分調節剤);農園芸用品(土壌改良
剤、育苗や培養基材、植生地(植林、砂漠緑化等)の保
(給)水剤、種子製剤、凍霜害や結露防止剤(材));
家庭用、建築用吸湿、結露防止、妨滴剤;通信用ケーブ
ル、機器の防水、止水剤(材)等の脱水、保水、給水、
水分調節剤;経口、経腸用医薬品、健康食品、飼料添加
物、農薬、肥料等に於ける各種徐放製剤;医療用品(貼
付剤、粘膜製剤、坐剤);各種製剤用助剤(結着剤、被
覆剤);トイレタリー衛生用品(紙おむつ、生理用ナプ
キン、その他の排泄物処理剤);土木、建築、家庭用、
各種工業用シーリング剤、パテ、ペイント助剤、粘着テ
ープ、塩害や砂塵防止剤(材);等の密着性、被覆性基
剤や助剤;土木用止水剤、土嚢、気孔シールドや鉱山、
トンネル、建物や橋脚等の基礎の掘削助剤、潤滑剤;家
庭用芳香剤、消臭剤、消火剤、蓄熱剤(保冷、保熱);
電池、電極、センサー部材;帯電防止剤(材)等の電気
部品、導電性改良剤(材);断熱(対流)防止、振動吸
収、吸音材、パッキング;化粧品(スクラブ洗顔料、パ
ック剤、香料剤);コンタクトレンズ洗浄剤等に於ける
流動性の低下、固形化、或いは賦形剤。 【0103】本発明の液体吸収剤の具体的な使用方法、
使用量は夫々の用途に応じて多少異なるため一概には言
えないが、原則的には夫々の用途に於ける一般的、標準
的な仕様の態様と大幅に異なることは無い。ただ、その
優れた機能、効果の故に従来に無い使用例が期待でき、
また、同程度の効果の達成に対して使用量の削減が可能
であることは言うまでも無い。 【0104】 【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定
するものでないことはいうまでもない。 【0105】例1:N,N′−1,4−ブチレンビス(
N−ビニルアセトアミド)の製造(その1)N−ビニル
アセトアミド6.08g (80mmol) をジメチ
ルホルムアミド30mlに溶解した溶液に、水素化ナト
リウム (60%鉱油ディスパージョン)  4.0g
 (100mmol)を加えた。激しく発泡してほぼ均
一な淡黄色の溶液となり、そこへ1,4−ブタンジブロ
マイドを4.32g(20mmol) 加え、室温で1
2時間攪拌した。この溶液を減圧下で溶媒留去した後、
水30mlを加え、1規定塩酸で中和した。この水層を
トルエンで数回抽出し、トルエン層を溶媒留去した。残
った無色の液体をシリカゲルカラムで酢酸エチル/n−
ヘキサン(100/4体積比)を展開液として精製した
のち水から再結晶したところ、融点42℃の白色針状結
晶を収率8%で得た。この化合物の諸物性値を表1Bに
示す。 【0106】例2:N,N′−1,4−ブチレンビス(
N−ビニルアセトアミド)の製造(その2)N−ビニル
アセトアミド1.02g (12mmol) をジメチ
ルホルムアミド20mlに溶解した溶液に、水素化ナト
リウム (60%鉱油ディスパージョン) 0.50g
 (13mmol) を加えた。激しく発泡してほぼ均
一な淡黄色の溶液となり、そこへ1,4−ブタンジオー
ルトシレートを1.82g(5mmol) 加え、室温
で12時間攪拌した。この溶液を減圧下で溶媒留去した
のち水20mlを加え、1規定塩酸で中和した。この水
層をジエチルエーテルで数回抽出し、ジエチルエーテル
層を溶媒留去した。残った無色の液体をシリカゲルカラ
ムで酢酸エチル/n−ヘキサン(100/4体積比)を
展開液として精製したのち水から再結晶したところ、融
点42℃の白色針状結晶を収率83%で得た。この化合
物の諸物性値を表1Bに示す。 【0107】例3:N,N′−1,10−デシレンビス
(N−ビニルアセトアミド)の製造 例2において、1,4−ブタンジオールジトシレートを
1,10−デカンジオールジトシレートに代えた以外は
同様の操作を行なった。常温でオイル状の無色の液体を
収率63%で得た。この化合物の諸物性値を表1Hに示
す。 【0108】例4:N,N′−3−オキサ−1,5−ペ
ンチレンビス(N−ビニルアセトアミド)の製造例2に
おいて、1,4−ブタンジオールジトシレートをジエチ
レングリコールジトシレートに代えた以外は同様の操作
を行なった。常温でオイル状の無色の液体を収率43%
で得た。この化合物の諸物性値を表1Iに示す。 【0109】例5:N,N′−3,6−ジオキサ−1,
5−ペンチレンビス(N−ビニルアセトアミド)の製造
例2において、1,4−ブタンジオールジトシレートを
トリエチレングリコールジトシレートに代えた以外は同
様の操作を行なった。常温でオイル状の無色の液体を収
率57%で得た。この化合物の諸物性値を表1Jに示す
。 【0110】例6:パラ−キシリレンビス(N−ビニル
アセトアミド)の製造 例1において、1,4−ジブロモブタンをパラ−キシリ
レンクロライドに代えた以外は同様の操作を行なった。 融点 121〜 124℃の白色固体を収率28%で得
た。この化合物の諸物性値を表1Oに示す。 【0111】例7:N,N′−ジアセチル−N,N′−
ジビニル−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ンの製造 例2において、1,4−ブタンジオールジトシレートを
1,4−シクロヘキサンジメタノールジトシレート(ト
ランス体)に代えた以外は同様の操作を行なった。融点
 131℃の無色透明の結晶を収率39%で得た。この
化合物の諸物性値を表1Qに示す。 【0112】同様にして製造したその他のビス(N−ビ
ニルカルボン酸アミド)化合物の物性を表1に示す。 【0113】 【表1】 【0114】 【表2】 【0115】 【表3】 【0116】 【表4】 【0117】例8:N,N′−1,4−ブチレンビス(
N−ビニルアセトアミド)を架橋剤として用いた、ポリ
(N−ビニルアセトアミド)の架橋重合体の製造30℃
に保った浴中、窒素の導入管と温度計、排気管を備えた
三つ口の 200mlセパラブルフラスコ中で、N−ビ
ニルアセトアミド40g、N,N′−1,4−ブチレン
ビス(N−ビニルアセトアミド) 2.0mgを水 1
50gに溶解し、1リットル/分で系内に窒素を約30
分導入して脱気した。その後、脱気水10mlに溶解し
た2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩 120mgを加え、12時間静置した。得られたゲ
ルをミンサーで裁断し、アセトンで洗浄したのち80℃
で12時間真空乾燥した。得られた乾燥ゲルは水、エタ
ノール、ジメチルホルムアミド等に膨潤し、なおかつ可
溶部のない、ゲルの形状を保ったものであった。 【0118】例9:N,N′−1,10−デシレンビス
(N−ビニルアセトアミド)を架橋剤として用いた、ポ
リ(N−ビニルアセトアミド)の架橋重合体の製造例8
において、N,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビニ
ルアセトアミド)に代えて、N,N′−1,10−デシ
レンビス(N−ビニルアセトアミド)を用いた以外は同
様の操作を行なった。得られた乾燥ゲルは可溶部のない
、ゲルの形状を保ったものであった。 【0119】例10:N,N′−3−オキサ−1,5−
ペンチレンブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)を
架橋剤として用いた、ポリ(N−ビニルアセトアミド)
の架橋重合体の製造 例8において、N,N′−1,4−ブチレンビス(N−
ビニルアセトアミド)に代えて、N,N′−3−オキサ
−1,5−ペンチレンブチレンビス(N−ビニルアセト
アミド)を用いた以外は同様の操作を行なった。得られ
た乾燥ゲルは可溶部のない、ゲルの形状を保ったもので
あった。 【0120】例11:N,N′−3,6−ジオキサ−1
,8−オクチレンビス(N−ビニルアセトアミド)を架
橋剤として用いた、ポリ(N−ビニルアセトアミド)の
架橋重合体の製造 例8において、N,N′−1,4−ブチレンビス(N−
ビニルアセトアミド)に代えて、N,N′−3,6−ジ
オキサ−1,8−オクチレンビス(N−ビニルアセトア
ミド)を用いた以外は同様の操作を行なった。得られた
乾燥ゲルは可溶部のない、ゲルの形状を保ったものであ
った。 【0121】例12:N,N′−パラ−キシリレンビス
(N−ビニルアセトアミド)を架橋剤として用いた、ポ
リ(N−ビニルアセトアミド)の架橋重合体の製造例8
において、N,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビニ
ルアセトアミド)に代えて、N,N′−パラ−キシリレ
ンビス(N−ビニルアセトアミド)を用いた以外は同様
の操作を行なった。得られた乾燥ゲルは可溶部のない、
ゲルの形状を保ったものであった。 【0122】例13:N,N′−ジアセチル−N,N′
−ジビニル−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキ
サンを架橋剤として用いた、ポリ(N−ビニルアセトア
ミド)の架橋重合体の製造 例8において、N,N′−1,4−ブチレンビス(N−
ビニルアセトアミド)に代えて、N,N′−ジアセチル
−N,N′−ジビニル−1,4−ビス(アミノメチル)
シクロヘキサンを用いた以外は同様の操作を行なった。 得られた乾燥ゲルは可溶部のない、ゲルの形状を保った
ものであった。 【0123】例14:N,N′−1,4−ブチレンビス
(N−ビニルアセトアミド)を架橋剤として用いた、水
/シクロヘキサンの逆相懸濁重合によるポリ(N−ビニ
ルアセトアミド)の架橋重合体の製造 40℃に保った浴中、窒素の導入管と温度計、排気管を
備えた四つ口の1リットルセパラブルフラスコ中で、N
−ビニルアセトアミド 120g、N,N′−1,4−
ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)120mg 
、ヒドロキシエチルセルロース(フジケミカル社製) 
2.4gをイオン交換水 180gに溶解し、1リット
ル/分で系内に窒素を約1時間導入して脱気した。別に
、予め脱気したシクロヘキサン300 gにソルビタン
モノステアレート 0.6gを分散させ、約40℃に加
温して溶解したのち、先の水溶液が入ったセパラブルフ
ラスコへ窒素下を保ちながら移送した。その後、脱気水
10mlに溶解した2,2′−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)二塩酸塩 360mgを加え、300rpm
で6時間攪拌した。加温・攪拌終了後、内容物をろ別し
固形分を80℃で12時間真空乾燥した。得られた乾燥
微粒子は粒径 100〜500 μmのビーズ状で水に
対する可溶部が10重量%未満の良好なゲルであった。 【0124】例15:N,N′−1,4−ブチレンビス
(N−ビニルアセトアミド)を架橋剤として用いた、ポ
リ(N−ビニルホルムアミド)の架橋重合体の製造40
℃に保った浴中、窒素の導入管と温度計、排気管を備え
た三つ口の 200mlセパラブルフラスコ中で、N−
ビニルホルムアミド40g、N,N′−1,4−ブチレ
ンビス(N−ビニルアセトアミド)8.0mg を水 
150gに溶解し、1リットル/分で系内に窒素を約3
0分導入して脱気する。その後、脱気水10mlに溶解
した2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩
酸塩 120mgを加え、12時間静置する。得られた
ゲルをミンサーで裁断し、アセトンで洗浄したのち80
℃で12時間真空乾燥する。得られた乾燥ゲルは可溶部
のない、ゲルの形状を保ったものであった。 【0125】例16:N,N′−1,4−ブチレンビス
NVAを架橋剤として用いた、ポリ(N−ビニル−2−
ピロリドン)の架橋重合体の製造 例15において、N−ビニルアセトアミドに代えて、N
−ビニルピロリドンを用いた以外は同様の操作を行なっ
た。得られた乾燥ゲルは可溶部のない、ゲルの形状を保
ったものであった。 【0126】例17:N,N′−1,4−ブチレンビス
NVAを架橋剤として用いた、N−ビニルアセトアミド
/アクリル酸ソーダ共重合ゲルの製造 例8において、N−ビニルアセトアミド40gに代えて
、N−ビニルアセトアミド36gとアクリル酸ソーダ4
gの混合物を用いた以外は同様の操作を行なった。得ら
れた乾燥ゲルは可溶部のない、ゲルの形状を保ったもの
であった。 【0127】例18:N,N′−1,4−ブチレンビス
(N−ビニルアセトアミド)とN,N′−メチレンビス
アクリルアミドを架橋剤として用いた、N−ビニルアセ
トアミド/アクリル酸ソーダ/2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルフォン酸ソーダ三元共重合ゲルの
製造 30℃に保った浴中、窒素の導入管と温度計、排気管を
備えた三つ口の 200mlセパラブルフラスコ中で、
N−ビニルアセトアミド16.8g、アクリル酸ソーダ
15.2gと2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルフォン酸ソーダ8g、N,N′−1,4−ブチレン
ビス(N−ビニルアセトアミド)1.0mg 、N,N
′−メチレンビスアクリルアミド 1.0mgを水 1
50gに溶解し、1リットル/分で系内に窒素を約30
分導入して脱気する。その後、脱気水10mlに溶解し
た2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩 120mgを加え、12時間静置する。得られたゲ
ルをミンサーで裁断し、アセトンで洗浄したのち80℃
で12時間真空乾燥する。得られた乾燥ゲルは水、エタ
ノール、ジメチルホルムアミド等に膨潤し、なおかつ可
溶部のない、ゲルの形状を保ったものであった。 【0128】比較例1 例8において、N,N′−1,4−ブチレンビス(N−
ビニルアセトアミド)に代えて、N,N′−メチレンビ
スアクリルアミドを用いた以外は同様の操作を行なった
。得られたポリマーは水に可溶であった。 【0129】比較例2 例8において、N,N′−1,4−ブチレンビス(N−
ビニルアセトアミド)に代えて、N,N′−メチレンビ
ス(N−ビニルアセトアミド)を用いた以外は同様の操
作を行なった。得られたポリマーは水に可溶であった。 【0130】比較例3 例8において、N−ビニルアセトアミド40gに代えて
、N−ビニルアセトアミド 7.4gとアクリル酸ソー
ダ32.6gの混合物を用いた以外は同様の操作を行な
った。得られたポリマーは水に可溶であった。 【0131】比較例4 例17においてさらに、N,N′−1,4−ブチレンビ
ス(N−ビニルアセトアミド)に代えて、N,N′−メ
チレンビスアクリルアミドを用いた以外は同様の操作を
行なった。得られたポリマーは水に可溶であった。 【0132】例19:ポリ(N−ビニルアセトアミド)
ゲルの有機溶媒に対する膨潤率 例8で製造されたポリ(N−ビニルアセトアミド)ゲル
の、各種有機溶媒に対する膨潤率を表2に示す。比較例
としてポリアクリル酸ソーダゲルの膨潤率を同表中に示
す。膨潤率は、各溶媒 200mlに32〜 100メ
ッシュに粉砕したゲル 0.5gを分散させ、2時間静
置したのち 200メッシュの金網でろ過し、膨潤した
ゲルの重量を秤量して求めた。但し、膨潤率は次の式で
与えられる。 【0133】膨潤率=(膨潤したゲルの重量−乾燥ゲル
の重量)/(乾燥ゲルの重量) 【0134】 【表5】 【0135】例20:ポリ(N−ビニルアセトアミド)
ゲルの電解質水溶液に対する膨潤率 例19と同様の方法を用いて測定したポリ(N−ビニル
アセトアミド)ゲルの各種電解質水溶液に対する膨潤率
を表3に示す。比較例としてポリアクリル酸ソーダゲル
の膨潤率を同表中に示す。 【0136】 【表6】 【0137】*)  人工尿の組成(人工尿1リットル
中の成分量) 尿素:20g、塩化ナトリウム: 8.2g、硫酸カリ
ウム:2.04g、 硫酸マグネシウム:1.14g、塩化カルシウム:0.
64g。 【0138】例21:ポリ(N−ビニルアセトアミド)
ゲルの膨潤状態での耐候性 例8で製造されたポリ(N−ビニルアセトアミド)ゲル
の、膨潤状態での耐候性を評価した結果を表4に示す。 比較例としてポリアクリル酸ソーダゲルの耐候性評価結
果を同表中に示す。耐候性の評価は以下のように行なっ
た。 【0139】・耐候性の評価(UV照射試験)100m
l ビーカー中にゲルを 100〜 400mg秤取し
、イオン交換水で膨潤させたのち、 100V、15W
のUVランプの30cm下に静置した。一定時間後、ゲ
ルの膨潤率を測定した。 【0140】 【表7】 【0141】例22 ガラス製反応容器に水 750gを入れ、N−ビニルア
セトアミド 200g(2.4mol)、架橋剤として
N,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビニルアセトア
ミド) 1.0gを加えて溶解し、30℃の恒温槽中に
て予め窒素ガスにて溶存酸素を除去した後、重合開始剤
として2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩 0.4gを水49.6gに溶解した液を加え、
窒素流通下に16時間反応させた。 ゲル状の反応生成物を取り出し、細分した後アセトンに
て脱水し、 105℃で5時間乾燥した。乾燥物を粉砕
、分級して48〜 100メッシュの製品を得た。この
樹脂の平均重合度は20,000、架橋密度は1/16
,000であった。 【0142】例23 N−ビニルアセトアミドから同重量のN−ビニルホルム
アミドに変えた他は例22と全く同様に反応させ、樹脂
を得た。この樹脂の平均重合度は19,000、架橋密
度は1/19,000であった。 【0143】例24 N−ビニルアセトアミドから同重量のN−メチル−N−
ビニルホルムアミドに変えた他は例22と全く同様に反
応させ、樹脂を得た。この樹脂の平均重合度は19,0
00、架橋密度は1/19,000であった。 【0144】例25 N−ビニルアセトアミドから同重量のN−メチル−N−
ビニルアセトアミドに変えた他は例22と全く同様に反
応させ、樹脂を得た。この樹脂の平均重合度は15,0
00、架橋密度は1/14,000であった。 【0145】例26 N−ビニルアセトアミド 200gからN−ビニルアセ
トアミド 160g (1.88mol)およびアクリ
ル酸ナトリウム40g(0.43mol) に変えた他
は例22と全く同様に反応させ、樹脂を得た。この樹脂
の平均重合度は22,000、架橋密度は1/16,0
00であった。 【0146】例27〜49 非重合モノマー成分のアクリル酸ナトリウムに変えて同
重量の種々の共重合モノマー成分を用いた他は例26と
全く同様に反応させ、樹脂を得た。これらを纏めて表5
に示す。 【0147】 【表8】 【0148】例50 架橋剤としてN,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビ
ニルアセトアミド)から同モル量のN,N′−ヘキシレ
ンビス(N−ビニルアセトアミド)に変えた他は例26
と全く同様に反応させ、樹脂を得た。この樹脂の平均重
合度は18,000、架橋密度は1/16,000であ
った。 【0149】例51〜55 架橋剤としてN,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビ
ニルアセトアミド)に変えて同モル量の種々の架橋剤を
用いた他は例26と全く同様に反応させ、樹脂を得た。 これらを纏めて表6に示す。 【0150】 【表9】 【0151】例56 モノマーとしてN−ビニルアセトアミド 150g(1
.76mol) およびアクリル酸ナトリウム50g 
(0.53mol)、架橋剤としてN,N′−1,4−
ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド) 1.0gお
よび重合開始剤として2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)二塩酸塩0.29gに変えた他は例26と
全く同様に反応させ、樹脂を得た。この樹脂の平均重合
度は21,000、架橋密度は1/16,000であっ
た。 【0152】例57〜63 重合開始剤として2,2′−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)二塩酸塩に変えて種々の重合開始剤を用いた他
は例56と全く同様に反応させ、樹脂を得た。これらを
纏めて表7に示す。 【0153】 【表10】 【0154】例64 架橋剤としてN,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビ
ニルアセトアミド)を24mgに減らし、N,N′−メ
チレンビスアクリルアミド5mgを加えた他は例50と
全く同様に反応させ、樹脂を得た。この樹脂の平均重合
度は20,000、架橋密度は1/16,000であっ
た。 【0155】例65 モノマーとしてN−ビニルアセトアミド98g(1.1
5mol) およびアクリル酸ナトリウム 107g 
(1.14mol)、架橋剤としてN,N′−1,4−
ブチレンビスアクリルアミド11mgを用いた他は例5
6と全く同様に反応させ、樹脂を得た。この樹脂の平均
重合度は21,000、架橋密度は1/16,000で
あった。 【0156】例66 ガラス製反応容器に水 250gを入れ、N−ビニルア
セトアミド98g (1.15mol)、アクリル酸ソ
ーダ 107g (1.14mol)、架橋剤としてN
,N′−メチレンビスアクリルアミド11mg及びN,
N′−1,4−ブチレンビスアクリルアミド15mgを
加えて溶解し、更に、n−ヘキサン1000g及びソル
ビタンモノパルミテート20gを加えて30℃の恒温槽
中にて激しい攪拌下に予め窒素ガスにて溶存酸素を除去
した後、重合開始剤として2,2′−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩 0.4gを水49.6gに
溶解した液を加え、窒素流通下に16時間反応させた。 溶媒に分散状態の粒状の反応生成物を取り出し、ろ別し
た後 105℃で5時間乾燥した。乾燥物を分級して4
8〜100メッシュの製品を得た。この樹脂の平均重合
度は21,000、架橋密度は1/16,000であっ
た。 【0157】例67 界面活性剤として同量のソルビタンモノステアレートに
変えた他は例66と全く同様に反応させて樹脂を得た。 この樹脂の平均重合度は21,000、架橋密度は1/
16,000であった。 【0158】例68 モノマーとしてN−ビニルアセトアミドのみを 250
g用いた他は例66と全く同様に反応させ、樹脂を得た
。この樹脂の平均重合度は20,000、架橋密度は1
/16,000であった。 【0159】例69 界面活性剤成分としてソルビタンモノパルミテートの代
わりに同量のソルビタンモノステアレートを用いた他は
例68と全く同様に反応させ、樹脂を得た。この樹脂の
平均重合度は20,000、架橋密度は1/16,00
0であった。 【0160】比較例5 架橋剤のN,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビニル
アセトアミド)を7g用いた他は例22と全く同様に反
応させて樹脂Xを得た。この樹脂の平均重合度は18,
000、架橋密度は1/75であった。 【0161】比較例6 架橋剤のN,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビニル
アセトアミド)を 0.5mg用いた他は例22と全く
同様に反応させて樹脂Yを得た。この樹脂の平均重合度
は19,000、架橋密度は1/1,050,000で
あった。 【0162】比較例7 モノマーとしてN−ビニルアセトアミド50g(0.5
9mol) およびアクリル酸ナトリウム 150g(
1.60mol) を用いた他は例22と全く同様に反
応させ、樹脂Zを得た。この樹脂の平均重合度は21,
000、架橋密度は1/15,000であった。 【0163】なお、表5、表6及び表7のモノマー、架
橋剤及び開始剤は以下の通りである。モノマーB1 :
メタクリル酸ナトリウム、B2 :メチルアクリレート
、B3 :エチルアクリレート、B4 :ブチルアクリ
レート、B5 :メタクリル酸ブチル、B6 :ヒドロ
キシエチルアクリレート、B7 :ヒドロキシエチルメ
タクリレート、B8 :ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、B9 :ヒドロキシプロピルメタクリレート、B1
0:アクリルアミド、B11:ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、B12:ジメチルアミノエチルメタクリ
レートメチルクロライド4級塩、B13:2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルフォン酸ナトリウム、
B14:アクリロニトリル、B15:メチルビニルケト
ン、B16:エチルビニルケトン、B17:酢酸ビニル
、B18:メチルビニルエーテル、B19:エチルビニ
ルエーテル、B20:アリルスルフォン酸ナトリウム、
B21:N−ビニル−2−ピロリドン、B22:マイレ
ン酸ナトリウム、B23:イタコン酸ナトリウム 【0164】架橋剤 C1 :エチレングリコールジアクリレート、C2 :
エチレングリコールジメタクリレート、C3 :ジエチ
レングリコールジアクリレート、C4 :ジエチレング
リコールジメタクリレート、C5:ジビニルベンゼン【
0165】開始剤 D1 :過硫酸カリウム、D2 :過硫酸アンモニウム
、D3 :過硫酸ナトリウム、D4 :過酸化水素、D
5 :過硫酸アンモニウム/トリエタノールアミン、D
6 :過硫酸アンモニウム/亜硫酸ナトリウム、D7 
:過硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム 【0166】(性能試験)試験例1(水溶液の吸収)被
吸収液 200mlに攪拌下に吸収性樹脂 500mg
を徐々に添加し、樹脂が液中に充分に分散した後攪拌を
止め、2時間静置後 200メッシュの篩いを用いて、
吸液して膨潤ゲル化した樹脂をろ過し、篩い上の樹脂 
(ゲル) の重量を測定した。 吸収能=(ゲル化した樹脂の重量−樹脂の重量)/樹脂
の重量 【0167】被吸収液の種類 A:食塩水溶液(0.9%生理食塩水) B:無機塩、
有機物混合水溶液(人尿相当液)NaCl  0.79
%、K2SO4 0.20%、MgSO4 0.11%
、CaCl2・2H2O  0.08%、Urea  
1.94% C−a:塩化カルシウム水溶液(10%)b:    
    〃          (飽和水溶液)c:水
酸化カルシウム水溶液(飽和水溶液)結果を纏めて表8
〜表11に示す。 【0168】 【表11】 【0169】 【表12】 【0170】 【表13】 【0171】 【表14】 【0172】試験例2(有機溶媒の吸収)被吸収液50
mlに吸収性樹脂 100mgを添加し、時々攪拌しな
がら室温で樹脂が吸液して膨潤ゲル化する状況を肉眼観
察した。吸液性の良いものは30分〜数時間でゲル化す
るが、吸液性のないものは1週間経過後も樹脂は略白色
の粉末状の儘であった。吸収性能の判定は1日以内にゲ
ル化したものを◎、速度は遅いがゲル化するもの○、1
週間経過後もゲル化しないものを×として、各溶媒のE
T 値と共に表12及び表13(単一溶媒)並びに表1
4(混合溶媒)に示す。尚、1日以上〜数日間でゲル化
するものは実質的に皆無であった。表15〜表17の略
号は以下の通りである。 【0173】HFIP:  1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロ−2−プロパノール THF  :  テトラヒドロフラン DMSO:  ジメチルスルフォキシドNMP  : 
 N−メチルピロリジノンDMF  :  N,N−ジ
メチルホルムアミドDMAc:  N,N−ジメチルア
セトアミド【0174】 【表15】 【0175】 【表16】 【0176】 【表17】 【0177】使用例1 本発明の樹脂による吸水ゲル中の水は植物により再利用
可能であり、その水は徐々に放出され、しかも、単なる
水のみならず実用的な濃度の肥料水溶液や他の無機、有
機のイオン成分を含む水の吸水−放出(給水)が出来る
ので、施肥、土壌改良、人工培地等に利用出来るのは勿
論のこと、特に、水の不便な山中での植林や造成地等の
砂塵防止緑化等に於ける幼苗、芝等の移植或いは砂漠等
の緑化の際の保水/給水等に便利である。因に、従来市
販の所謂吸水製樹脂はイオン成分を含む水の吸水率が極
端に低く、また、予めイオンを含まない水でゲル化して
もゲル中の水の植物による利用性も悪く、時に薬害が生
じることがあるので上記の如き利用は困難である。以下
に、代表的な例を示し具体的に説明する。 【0178】供試樹脂: A)  ポリN−ビニルアセトアミド架橋化物(主鎖平
均重合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4
−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、架橋密度
;約1/16,000) B)  ポリN−ビニルアセトアミド/アクリル酸ソー
ダ−架橋化物(モノマーモル比;50:50、主鎖平均
重合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4−
ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)及びN,N′
−メチレンビスアクリルアミド、架橋密度;約1/17
,000)C)  ポリアクリル酸ソーダ−架橋化物(
主鎖平均重合度;約60,000、架橋剤;N,N′−
メチレンビスアクリルアミド、架橋密度;約1/10,
000)D)  寒天 【0179】生育に対する影響 1)  一群のシャーレ(径10cm) に蒸留水に供
試樹脂又は寒天を夫々1重量%添加して均一に混合して
調製したゲルを入れ、その上に夫々食用エビ及びレタス
の種子を置床し温室内に静置して発芽、発根及び生育に
対する影響を調査した。供試樹脂A)のゲルでは比較対
象のため用いた寒天ゲルと発芽、発根及び生育の状況に
有為差は認められず、また、供試樹脂B)のゲルでは発
芽が若干遅れたが生育上は特に問題はなかった。一方、
供試樹脂C)のゲルでは発根及び発芽が著しく阻害され
、生育も非常に悪かった。 【0180】2)  一群のポット (径15cm) 
に供試樹脂を夫々1重量%添加して均一に混合した砂を
一定量詰めて小麦の種子を播種し、温室内に静置して毎
日灌水し、途中間引きをして播種後5週間経過し、標準
苗の草丈が約10cm程度になった頃最後の給水をし、
そのまま断水放置して苗の萎凋状況を調査した。供試樹
脂A)を混入したポットでは断水後9日目より萎凋が始
まり、供試樹脂B)を混入したポットでは断水後7日目
より萎凋が始まった。 一方、供試樹脂C)を混入したポットでは断水後4日目
より萎凋が始まり、樹脂無添加の砂では断水後3日目よ
り萎凋が始まった。 【0181】3)  一群のポット(径15cm) に
供試樹脂を夫々1重量%添加して均一に混合した培土(
火山灰土/砂1:1混合土)を一定量詰め、きうりの幼
苗(本葉3枚、草丈15〜20cm) を移植し、移植
後1度だけ灌水をして以後そのまま10日間断水放置し
て苗の活着状況を調査した。供試樹脂A)を混入したポ
ットでは移植苗は全て活着し、供試樹脂B)を混入した
ポットも大部分が活着したが、樹脂無添加のポットでは
大部分が枯死又はそれに近い状態であった。また、供試
樹脂C)を混入したポットでは2/3近くが枯死又はそ
れに近い状態であり、残った苗も萎凋していた。 【0182】4)  一群のポット(径15cm) に
供試樹脂を夫々1重量%添加して均一に混合した培土(
火山灰土/砂1:1混合土)を一定量詰め、下記の組成
の肥耕液を灌水した後トマトの幼苗(本葉2枚、草丈1
0〜15cm) を移植し、活着及び生育に対する影響
を調査した。 NH4NO3 58ppm、NaNO3  74ppm
、 MnSO4・7H2O   2ppm、Fe・ED
TA 18ppm、KNO3   58ppm、KH2
PO4 38ppm、 CaCl2・2H2O  52
ppm、 供試樹脂A)を混入したポットでは樹脂無添加のポット
と活着及び生育の状況に有為差は認められず、移植苗は
全て旺盛な成育状況を示し、供試樹脂B)を混入したポ
ットも大部分が活着し、旺盛な成育状態を示した。一方
、供試樹脂C)を混入したポットでは2週間経過後大部
分が枯死又はそれに近い状態であった。 【0183】使用例2 反応成分(金属イオン、酸化物等)を含む水溶液又は懸
濁液を本発明の樹脂と接触させると、該水溶液を含むゲ
ルが生成し、これを乾燥後加熱焼成することにより樹脂
成分が分解気化し、架橋化ポリマーのマトリックス中に
取り込まれていた成分(金属酸化物)が数nm程度の微
細粒子として得られる。加熱焼成を非酸化的雰囲気で行
えば樹脂成分中の炭素との混合物又は反応物の微細粒子
が得られる。また、塩化アルミニウムの如く加熱により
気化する成分でも、その水溶液を一旦ゲル化した後水酸
化アンモニウムと反応させてゲル中にて水酸化アルミニ
ウムに転換し、これを加熱焼成すれば良い。更に、一部
のアルミナゾルやシリカゾルは数nm程度の微細粒子と
して水中に懸濁しているが、金属イオン等の溶解成分と
同様に吸水ゲルとしてポリマーのマトリックス中に取り
込むことが出来る。一方、粉末以外のセラミックス物品
を得るには、吸水ゲルを成形してから加熱焼成すれば良
い。 この場合は微細な粉末粒子を得る場合とは逆に強固な凝
結を起こさせる必要があるので、場合に応じて加熱焼成
時の温度を高く、時間も長くする必要がある。何れの場
合もイオンを含む水溶液又はコロイド溶液をそのまま吸
収してゲル化する能力を有する本発明の樹脂の利用によ
り実現可能となるものである。以下に、代表的な例につ
いて具体的に説明する。 【0184】供試樹脂:ポリN−ビニルアセトアミド架
橋化物(主鎖平均重合度:約20,000、架橋剤:N
,N′−1,4−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミ
ド)、架橋 密度:約1/16,000)  【0185】1)  Al(NO3)3・9H2O 1
0gを水25mlに溶解し、これに供試樹脂1gを加え
て均一に混合して全体をゲルとし、充分な乾燥後アルミ
ナ製ルツボに入れてアルゴン気流中にて約6時間で10
00℃に昇温し、更に、6時間、1000℃に加熱して
焼成した。冷却後内容物を取り出し、比表面積sA(B
ET法)、α化率(X線回折法)、メディアン粒子径d
50(遠心沈降法)を測定したところ、sA:20(5
) m2 /g、α化率:95 (90) %、d50
: 0.2(1)μであり、加熱による凝結は殆ど認め
られなかった。尚、(  )の値は樹脂を使用しなかっ
た場合の測定値である。上記に更に、d50:0.05
μのα−アルミナ微粒子を10mg添加して同様の試験
をしたところ、sA:18(3) m2 /g、α化率
: 100 (95) %、d50: 0.2(1)μ
であった。尚、(  )の値は何れも樹脂を使用しなか
った場合の測定値である。 【0186】2)   AlCl3・6H2O 13g
を水25mlに溶解し、これに供試樹脂1gを加えて均
一に混合して全体をゲルとし、更に、28%アンモニア
水溶液20mlを添加した。アンモニア水溶液の添加に
より当初透明であったゲルは白濁したが、これを乾燥後
アルミナ製ルツボに入れてアルゴン気流中で約6時間で
1000℃に昇温し、更に6時間加熱焼成した。得られ
た粉末の物性はsA:95m2 /g、α化率:41%
であったが、105 ℃にて5時間再加熱したところs
A:20m2 /g、α化率:99%以上、d50: 
0.1μの粉末が得られた。 【0187】3)  ベーマイト 1.6g、α−アル
ミナ(d50:0.05μ) 20mg、68%硝酸 
0.1gを水18mlに加えてアルミナゾルを調製し、
これに樹脂1gを加えて均一に混合して全体をゲルとし
、これを乾燥後アルミナ製ルツボに入れてアルゴン気流
中にて約6時間で1000℃に昇温し、更に6時間加熱
焼成した。得られた粉末の物性はsA:39m2 /g
、α化率:92%、d50:0.08μであった。 【0188】4)  20%SiO2コロイド液 7.
1gに樹脂1gを加えて均一に混合して全体をゲルとし
、これを乾燥後炭化珪素製ルツボに入れてアルゴン気流
中にて約7時間で1500℃に昇温し、更に約1時間 
150℃に加熱して焼成した。得られた粉末の物性はs
A:5m2 /g、X線回折法の固定相:β−Si単相
、d50: 0.5μであった。 【0189】5)  上記3)と同様に調製したゲルを
充分に練り注射器にて約 700μの針を通して押し出
して糸状とし、これを乾燥後マッフル炉にて空気中で約
1分間1300℃に加熱して焼成し、太さ 200μの
糸状アルミナを得た。 【0190】使用例3 一般にコンクリート又はモルタル製品の強度はセメント
組成物の水セメント比に左右される。つまり水量をでき
るかぎり少なくした方が打設・硬化後の強度は増加する
ことが知られている。しかし、実際の現場では水量を減
少させることはセメント組成物の流動性を低下させ、す
なわち作業性の低下につながるため水セメント比にはお
のずと下限がある。これを解決するために減水剤が使用
されており、ある程度の強度はだせるが未だ満足するに
いたっていない。コンクリート及びモルタル組成物の余
剰水はブリージング水として打設後のコンクリート及び
モルタル上に浮き出る。このためコンクリート及びモル
タル上部は水セメント比が大きくなり上部に行くにつれ
て強度が低下する。また、ブリージング水はこれがなく
ならなければ次の工程に進めないため工期を長くする。 そこで吸収剤を用いて余剰水を取り、かつ吸水したゲル
がコンクリート内部で水を徐々に放出し、内部湿潤養生
をする方法が提案されているが、現在市販の吸水剤はイ
オン成分、特にカルシウムイオンなどの多価イオン成分
を含む水溶液をほとんど吸収しないため十分な効果が発
揮できない。ところが、本発明の樹脂は吸収性能表から
明らかなようにセメントの主成分である水酸化カルシウ
ム飽和水溶液でさえ吸収し、上記の如き利用が可能であ
る。 【0191】また、本発明の樹脂を配合してなるセメン
ト組成物は、硬化時の急激なドライアウトを起こしにく
く、湿潤養生効果により亀裂の発生を防止し強度の上昇
をもたらすとともに寸法変化率が向上する。加えて、コ
ンクリート及びモルタル組成物に混合する使用方法の他
に本発明の樹脂を用いた吸収シートを作成し、打設後の
コンクリート及びモルタル上にかぶせる方法もある。こ
の方法はブリージング水を吸収シートが吸収し、かつ打
設面に密着しているため湿潤養生効果により強度が上昇
する。 【0192】また、本発明の樹脂を配合したモルタル組
成物を硬化させることにより、ゲル化した部分が空隙と
して残り結果としてモルタルの密度を下げる(モルタル
の軽量化)ことも可能である。ちなみに、現在市販の吸
水剤では多価イオン成分を含む水溶液をほとんど吸収し
ないためモルタル中の空隙は少なく、上記の如き利用は
困難である。何れの場合も飽和水酸化カルシウム水溶液
を吸収する能力を有する本発明の樹脂を利用することに
より効果が発揮されるものである。 【0193】1)  普通ポルトランドセメント(日本
セメント製) 300kg 、水道水 225kg、細
骨材 670.6kg及び粗骨材1031.1kgの配
合のコンクリート組成物に供試樹脂 (A)、(B) 
及び(C) をそれぞれ 600gを混和した。混練り
時間を4分とする以外は JISA 1138「試験室
におけるコンクリートの作り方」に準じて作製し、ブリ
ージング量、ブリージング率をJIS A 1123に
準じて測定し、また圧縮強度をJIS A 1108に
準じて測定した。それぞれの結果を表15に示した。 【0194】供試樹脂: A)  ポリN−ビニルアセトアミド架橋化物(主鎖平
均重合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4
−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、架橋密度
;約1/16,000) B)  ポリN−ビニルアセトアミド/アクリル酸ソー
ダ架橋化物(モノマーモル比;50/50、主鎖平均重
合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4−ブ
チレンビス(N−ビニルアセトアミド)及びN,N′−
メチレンビスアクリルアミド、架橋密度;約1/17,
000)C)  市販の吸水性樹脂「スミカゲルS−5
0」樹脂を添加しない場合の結果を比較例として表15
に併記した。 【0195】 【表18】 【0196】本発明の樹脂を混和することにより、明ら
かにブリージングは低減され、また圧縮強度も向上した
。 【0197】2)  普通ポルトランドセメント(日本
セメント製)3000g、水道水1500g及び細骨材
6000gを配合したモルタル組成物に供試樹脂 (A
)、(B) 及び(C) をそれぞれ 6.0gを混和
混練りし、長さ変化率はJIS A 1129に基づき
測定した。それぞれの結果を表16に示した。 【0198】供試樹脂: A)  ポリN−ビニルアセトアミド架橋化物(主鎖平
均重合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4
−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、架橋密度
;約1/16,000) B)  ポリN−ビニルアセトアミド/アクリル酸ソー
ダ架橋化物(モノマーモル比;50/50、主鎖平均重
合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4−ブ
チレンビス(N−ビニルアセトアミド)、架橋密度;約
1/17,000)C)  市販の吸水性樹脂「スミカ
ゲルS−50」樹脂を添加しない場合の結果を比較例と
して表16に併記した。 【0199】 【表19】 【0200】本発明の樹脂を混和することにより、明ら
かに長さ変化率は低減された。 【0201】3)  供試樹脂 (A)、(B) 及び
(C) をそれぞれ不織布の上に均一に26.5g/m
2 散布し、その上にまた不織布をのせる。この吸収シ
ートを打設後のコンクリート上にかぶせ供試体を作製す
る。このコンクリートの配合は普通ポルトランドセメン
ト(日本セメント製) 300kg/m3 、水道水 
225kg/m3 、細骨材 670.6kg/m3 
及び粗骨材1031.1kg/m3 であり、JIS 
A 1138に準じて作製した。この供試体は材令7日
で脱型し吸収シートはそのままとし、材令28日と91
日の圧縮強度をJIS A 1108に準じて測定した
。それぞれの結果を表17に示した。 【0202】供試樹脂: A)  ポリN−ビニルアセトアミド架橋化物(主鎖平
均重合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4
−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、架橋密度
;約1/16,000) B)  ポリN−ビニルアセトアミド/アクリル酸ソー
ダ架橋化物(モノマーモル比;50/50、主鎖平均重
合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4−ブ
チレンビス(N−ビニルアセトアミド)及びN,N′−
メチレンビスアクリルアミド、架橋密度;約1/17,
000)C)  市販の吸水性樹脂「スミカゲルS−5
0」樹脂を添加しない場合の結果を比較例として表17
に併記した。 【0203】 【表20】 【0204】本発明の樹脂を用いて作成した吸収シート
は明らかに圧縮強度を向上させた。 【0205】4)  普通ポルトランドセメント(日本
セメント製)3000g、水道水1500g及び細骨材
6000gの配合のモルタル組成物に供試樹脂 (A)
、(B) 及び(C) をそれぞれ12g混和混練りし
、材令7日の密度を測定した。それぞれの結果を表18
に示す。 【0206】供試樹脂: A)  ポリN−ビニルアセトアミド架橋化物(主鎖平
均重合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4
−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、架橋密度
;約1/16,000) B)  ポリN−ビニルアセトアミド/アクリル酸ソー
ダ架橋化物(モノマーモル比;50/50、主鎖平均重
合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4−ブ
チレンビス(N−ビニルアセトアミド)及びN,N′−
メチレンビスアクリルアミド、架橋密度;約1/17,
000)C)  市販の吸水性樹脂「スミカゲルS−5
0」樹脂を添加しない場合の結果を比較例として表18
に併記した。 【0207】 【表21】 【0208】本発明の吸収剤を混和することにより、明
らかにモルタルの軽量化ができた。 【0209】使用例4 本発明の樹脂は、カルシウムイオンを多量に含む水溶液
においてもその吸収率が大幅に低下することがない。そ
のため、本発明の樹脂を配合してなる吸湿剤は、吸湿の
結果生じる塩化カルシウム潮解液を多量に吸収し、樹脂
のゲル化によって吸湿剤全体が非流動化する。その結果
、他の物質を汚染することもない。ちなみに、従来市販
の所謂吸水性樹脂は、特にカルシウムイオンのような多
価イオンを含む水溶液の吸水率は極端に低下するので上
記の如き用途には適していない。以下に代表的な例を示
す。 【0210】塩化カルシウムの粉砕物 (200MES
H 通過品)  100gに本発明の樹脂(A) を5
g、10g、50gずつ添加し、それぞれ機械的に混合
して吸湿剤1,2及び3を得た。塩化カルシウムの粉砕
物 (200MESH 通過品)  100gに本発明
の樹脂(B) を10g添加し、機械的に混合して吸湿
剤4を得た。塩化カルシウムの粉砕物 (200MES
H 通過品)  100gに樹脂(C)を50g添加し
、機械的に混合して吸湿剤5を得た。塩化カルシウムの
粉砕物 (200MESH 通過品) 単独を吸湿剤6
とした。 【0211】上記調合で得られた吸湿剤50gそれぞれ
を恒温恒湿槽(温度30℃、湿度95%)内に放置し、
吸湿後の重量測定、形態変化を観察した。その結果を表
19に示す。 【0212】供試樹脂: A)  ポリN−ビニルアセトアミド架橋化物(主鎖平
均重合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4
−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、架橋密度
;約1/16,000) B)  ポリN−ビニルアセトアミド/アクリル酸ソー
ダ架橋化物(モノマーモル比;50/50、主鎖平均重
合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4−ブ
チレンビス(N−ビニルアセトアミド)及びN,N′−
メチレンビスアクリルアミド、架橋密度;約1/17,
000)C)  市販の吸水性樹脂「ダイヤウェットS
−II」【0213】 【表22】 【0214】本発明の樹脂を添加することにより明らか
に吸湿剤の流動性はなくなった。 【0215】使用例5 本発明の樹脂は、塩類を多く含む体液(尿・経血)に対
しても吸水率がほとんど低下しないため、紙おむつ、ナ
プキン等の衛生用品に利用できる。従来市販の所謂吸水
性樹脂に対し、本発明の樹脂を配合してなる紙おむつは
尿の吸水容量が大きく、その結果、同量の尿を吸収する
のに必要な樹脂の量を低減できるため、上記用途により
適した体液吸収剤といえる。衛生用品の基本的な形は1
.液透過性表面シート、2.吸収層(高分子吸収体、綿
状パルプ等)、3.通気性防水シートである。この中で
本発明の樹脂は吸収層に使用される。この吸収層の形は
数多くあるが代表的なものは不織布に樹脂を散布したも
の、樹脂を不織布ではさんだものがあげられる。これら
に近い形で吸収能の測定をした。吸水能の測定方法を以
下に示す。 【0216】供試樹脂 (A)、(B) 、(C) 及
び(D)をそれぞれ 0.4gを 165×60mmの
テッシュペーパーの上に均一に散布し、その上に更に1
枚テッシュペーパーをのせ、軽く押さえて水をスプレー
する(スプレー量は適当量とする)。約 140℃に加
熱したエンボスローラで押さえる。エンボスローラだけ
では、乾燥が不十分なため80℃で2時間真空乾燥する
。このシートを金網上に置き、液温を30℃にした人工
尿に浸漬する。1時間後シートを金網ごと取り出し、4
5°に傾け1分間水切り後重量を秤量する。それぞれの
結果を表20に示した。 【0217】供試樹脂: A)  ポリN−ビニルアセトアミド架橋化物(主鎖平
均重合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4
−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、架橋密度
;約1/16,000) B)  ポリN−ビニルアセトアミド/アクリル酸ソー
ダ架橋化物(モノマーモル比;50/50、主鎖平均重
合度;約20,000、架橋剤;N,N′−1,4−ブ
チレンビス(N−ビニルアセトアミド)及びN,N′−
メチレンビスアクリルアミド、架橋密度;約1/17,
000)C)  市販の吸水性樹脂「スミカゲルS−5
0」D)  市販の吸水性樹脂「ダイヤウェットS−I
I」【0218】 【表23】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  式〔1〕: 【化1】 [式中、R1 は水素原子またはメチル基を示し、R2
     は炭素数3〜10のアルキレン基;基−(CH2・C
    HR3・O)n − CH2・CHR3−(式中、R3
     は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜4の整数を
    示す);基: 【化2】 (式中、mは0又は4を示す)]で表わされるビス(N
    −ビニルカルボン酸アミド)化合物。
  2. 【請求項2】  (i)式〔2〕又は〔3〕で示される
    単量体繰り返し単位と(ii) 式〔1′〕で示される
    架橋剤繰り返し単位とをモル比〔(i) /(ii)〕
    で30/70〜 99.9999/0.0001の比率
    で含んでなる架橋重合体。 【化3】 【化4】 【化5】 [式中、R1 ,R4 ,R5 及びR6 はそれぞれ
    独立に水素又はメチル基を示し、R2 は炭素数3〜1
    0のアルキレン基;基−(CH2・CHR3・O)n 
    − CH2・CHR3−(式中、R3 は水素原子又は
    メチル基を示し、nは1〜4の整数を示す);基: 【化6】 (式中、mは0又は4を示す)、Aは2−ケトピロリジ
    ニル基を示す。]
  3. 【請求項3】  式〔2′〕で表わされる単量体又はN
    −ビニル−2−ピロリドンと式〔1〕のビス(N−ビニ
    ルカルボン酸アミド)化合物とを共重合することを特徴
    とする請求項2記載の架橋重合体の製造方法。 【化7】 【化8】 (式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は前記定義
    の通りである。)
  4. 【請求項4】  (i) (a) 式〔2〕で示される
    単量体繰り返し単位と(b) 式〔4〕及び/又は式〔
    5〕で示される単量体繰り返し単位とをモル比〔 (a
    )/(b) 〕で30/70〜99/1の比で含む単量
    体繰り返し単位と(ii)式〔1′〕で示される架橋剤
    繰り返し単位とをモル比〔(i)/(ii)〕で30/
    70〜 99.9999/0.0001で含んで成る架
    橋重合体。 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 [式中、R1 ,R2 ,R4 及びR5 は前記定義
    の通りであり、R7 は水素原子又はメチル基を示し、
    A′は基−COOX(式中、Xは水素原子、アルカリ金
    属、炭素数1〜6のアルキル基又は水酸基、ジアルキル
    アミノ基若しくは第4級アンモニウム基で置換された低
    級アルキル基を示す);基−CONHY (式中、Yは
    水素原子又はジアルキルアミノ基、第4級アンモニウム
    基、スルフォン酸若しくはそのアルカリ金属塩で置換さ
    れた低級アルキル基を示す);シアノ基;2−ケトピロ
    リジニル基;低級アルコキシ基;低級アシル基;低級ア
    シルオキシ基又はスルフォン酸若しくはそのアルカリ金
    属塩で置換された低級アルキル基を示し、Mは水素原子
    、アンモニウム基又はアルカリ金属、pは0又は1を示
    すが、R7 がメチル基のとき、A′はシアノ基、2−
    ケトピロリジニル基;低級アルコキシ基;低級アシル基
    ;低級アシルオキシ基及びスルフォン酸若しくはその塩
    で置換された低級アルキル基ではない。]
  5. 【請求項5】  (i) (a) 式〔2′〕で表わさ
    れる単量体と(b)式〔4′〕及び/又は〔5′〕で表
    わされる単量体と、 CH2 =CR7A′               
         〔4′〕MOOCCH= CH(CH2)p
     COOM      〔5′〕(式中、R7 ,A′
    ,M及びpは前記定義の通りである)(ii)式〔1〕
    のビス(N−ビニルカルボン酸アミド)化合物とを共重
    合することを特徴とする請求項4記載の架橋共重合体の
    製造方法。 【化13】 【化14】 (式中、R1 ,R2 ,R4 及びR5 は前記定義
    の通りである。)
  6. 【請求項6】  請求項2又は請求項4に記載の架橋重
    合体を主成分とする水又は有機溶媒に対する液体吸収剤
  7. 【請求項7】  主鎖の平均重合度が 100〜 50
    0,000、架橋剤による架橋密度が1/100 〜1
    /500,000 の範囲である請求項6に記載の液体
    吸収剤。
  8. 【請求項8】  架橋剤が下記の化合物の少なくとも一
    種である請求項6に記載の液体吸収剤:N,N′−1,
    4−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N
    ′−1,6−ヘキシレンビス(N−ビニルアセトアミド
    )、N,N′−1,10−デシレンビス(N−ビニルア
    セトアミド)、N,N′−3−オキサ−1,5−ペンチ
    レンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N′−3,
    6−ジオキサ−1,8−オクチレンビス(N−ビニルア
    セトアミド)、N,N′−p−キシリレンビス(N−ビ
    ニルアセトアミド)、N,N′−ジアセチル−N,N′
    −ジビニル−1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン
  9. 【請求項9】  架橋剤が下記の化合物(A) の少な
    くとも一種及び下記の化合物(B) の少なくとも一種
    の複合である請求項6に記載の液体吸収剤:(A)  
    N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−1
    ,4−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,
    N′−1,6−ヘキシレンビス(N−ビニルアセトアミ
    ド)、N,N′−1,10−デシレンビス(N−ビニル
    アセトアミド)、N,N′−3−オキサペンチレンビス
    (N−ビニルアセトアミド)、N,N′−3,6−ジオ
    キサ−1,8−オクチレンビス(N−ビニルアセトアミ
    ド)、N,N′−p−キシリレンビス(N−ビニルアセ
    トアミド)、N,N′−ジアセチル−N,N′−ジビニ
    ル−1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン;(B)
      N,N′−メチレンビスアクリルアミド、エチレン
    グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
    ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
    (メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエ
    ーテル。
  10. 【請求項10】  有機溶媒が溶媒極性パラメーターE
    T 値45以上の単一液体又はET 値43以上の混合
    液体である請求項6に記載の液体吸収剤。
  11. 【請求項11】  植生地用又は人工培地の保(給)水
    剤としての請求項6に記載の液体吸収剤。
  12. 【請求項12】  衛生用品用の体液吸収剤としての請
    求項6に記載の液体吸収剤。
  13. 【請求項13】  コンクリート養生、セメント改質剤
    、吸湿剤等のカルシウム分を含む吸収剤としての請求項
    6に記載の液体吸収剤。
  14. 【請求項14】  金属塩溶液の分散剤(金属化合物と
    の複合体形成剤)としての請求項6に記載の液体吸収剤
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998054946A1 (en) 1997-06-06 1998-12-10 Showa Denko K.K. Seedling culture mat
JP2007209234A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Agritecno Yazaki Co Ltd 水性ゲル培地、水性ゲル培地乾燥体、及び、植物の栽培方法
JP2008519099A (ja) * 2004-10-28 2008-06-05 バイエル・ヘルスケア・エルエルシー ハイドロゲル組成物

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JP2007209234A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Agritecno Yazaki Co Ltd 水性ゲル培地、水性ゲル培地乾燥体、及び、植物の栽培方法

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