JPH04228465A - 相転移方法、それを用いたニオブ酸鉛系複合酸化物の           製造方法及びそれにより製造されたニオブ酸鉛系複合           酸化物 - Google Patents

相転移方法、それを用いたニオブ酸鉛系複合酸化物の           製造方法及びそれにより製造されたニオブ酸鉛系複合           酸化物

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JPH04228465A
JPH04228465A JP3107320A JP10732091A JPH04228465A JP H04228465 A JPH04228465 A JP H04228465A JP 3107320 A JP3107320 A JP 3107320A JP 10732091 A JP10732091 A JP 10732091A JP H04228465 A JPH04228465 A JP H04228465A
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lead niobate
atomic ratio
perovskite
perovskite phase
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Tetsuo Hattori
徹夫 服部
Akira Tanaka
彰 田中
Hisamitsu Fujio
藤生 尚光
Kenichi Muramatsu
研一 村松
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パイロクロア相からペ
ロブスカイト相への相転移方法、それを用いた「ペロブ
スカイト相の割合が向上したニオブ酸鉛系複合酸化物」
の製造方法及びそれにより製造されたペロブスカイト相
の割合が高い新規なニオブ酸鉛系複合酸化物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式(2):Pb(Zn1/3Nb2
/3) O3 で示されるニオブ酸鉛系複合酸化物は、
PZN と呼ばれ、他方、一般式(3):Pb(Mg1
/3Nb2/3) O3 で示されるニオブ酸鉛系複合
酸化物は、PMN と呼ばれ、最近、両者とも、小型の
アクチュエータ(サブミクロンの変位が可能)用及び小
型のコンデンサー用セラミックス材料(ここで言うセラ
ミックス材料とは焼結体を言う)として注目を集めてい
る。  両者とも結晶構造がペロブスカイト型のものと
パイロクロア型のものと2種存在する。実際のPZN 
やPMN では、単結晶の場合を除き、両方の型が混在
しており、その場合には、一方の型の部分をペロブスカ
イト相、他方の型の部分をパイロクロア相と呼ぶ。
【0003】両者ともペロブスカイト型は高い誘電率k
を示し、一般に誘電率kの温度変化を測定すると、山形
のグラフが得られるが、最も高いkを示す温度はキュリ
ー温度Tc と呼ばれる。高い誘電率kを有する材料は
、Tc より低い温度で圧電効果を示し、Tc より高
い温度で電歪効果を示す。PZN はTc が 150
℃であるので室温で圧電効果を示し、PMN はTc 
が−10℃であるので室温で電歪効果を示す。
【0004】PZN もPMN も、これまで単結晶で
はペロブスカイト相の割合がほぼ 100%(つまりパ
イロクロア相がほぼ0%である)のものが得られている
。しかしながら、焼結体の原料となる粉末(一般に金属
酸化物から一工程の固相反応で製造される)及び焼結体
では、これまで、PZN の場合、ペロブスカイト相の
割合がほぼ0%のものしか得られていない。また、PM
N の場合も、ペロブスカイト相の割合が70〜90%
のものしか得られていない。
【0005】何故、粉末及び焼結体の形状でのペロブス
カイト相の割合を問題にするかと言うと、それは小型の
アクチュエータやコンデンサー等のデバイスを製作する
方法に因る。一般に、小型のアクチュエータやコンデン
サー等のデバイスを製作するには、次のような製法が用
いられる。つまり、まず、PZN やPMN の粉末(
粒径1μm程度)を有機溶剤、樹脂バインダー等と混合
してスラリーを調製し、このスラリーから例えば厚さ 
200μm程度のテープ(グリーンテープと呼ばれる)
を作成する。 グリーンテープの状態では有機溶剤は既に蒸発している
。次に、「グリーンテープを所定の形状・大きさに切断
し、その上にスクリーン印刷により電極を形成する工程
」を繰り返すことにより、積層物を作成する。その後、
この積層物を例えば 400〜500 ℃に加熱してバ
インダーを焼却した後、例えば1000〜1200℃で
焼結を行ない、最後に外部電極を焼き付ける。
【0006】そのため、原料としてPZN やPMN 
の粉末が必要になる。しかし、ペロブスカイト型の単結
晶を粉砕して粉末を作ると、単結晶は元々極めて高価な
ことから、このような用途に使用することは製造コスト
上できない。尚、PZN を構成する各種金属の酸化物
の混合粉末を25,000kg/cm2 程度の高圧下
で固相反応させると、直接に、約90%のペロブスカイ
ト相を含有するPZN 焼結体が得られたとの報告があ
る(窯業協会誌1970年第78巻第2号第46〜58
頁参照) 。このPZN 焼結体を粉砕して粉末にすれ
ば、ペロブスカイト相の割合の高いPZN 粉末が得ら
れる。しかしながら、この製法は、ダイヤモンドアンビ
ル等の超高圧発生装置を必要とし、さらに被処理物を白
金等の容器に入れ密封する必要があるため、製造コスト
が非常に高くなる欠点がある。
【0007】そこで、PZN をペロブスカイト型に比
較的になり易いPMN との固溶体にする方法が開発さ
れた。例えば、特開昭57−25607 号、同57−
27974 号を参照されたい。この固溶体は、PZN
 とPMN を構成する各種金属の酸化物の混合粉末を
出発原料として常圧で 700〜900 ℃程度の温度
で1〜3時間程度焼成することにより製造される。
【0008】このPZN とPMN との固溶体は、一
般式(4): Pb(Mg1/3Nb2/3)x(Zn1/3Nb2/
3)yO3 (但し、xは原子比率で0.4 〜1であ
り、yは原子比率で0.6 〜0であり x+yは1である。) で表される化学組成からなり、x又はyの値によるが、
0〜90%程度のペロブスカイト相を含む。この固溶体
の粉末を原料として、ペロブスカイト相を含む焼結体を
得ることが可能になり、上述の製法により一応の性能を
有するデバイスを製作することが可能になった。
【0009】PZN 単独又はPMN 単独であろうと
、固溶体であろうと、いずれにせよ、ペロブスカイト相
の割合が少ないと、その分だけ焼結体の誘電率が低く、
そのため、前述のデバイスの性能は低下する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】昨今のハイテク化の進
展に伴い、デバイスの性能に対する要求は益々高くなり
、そのため、PZN 粉末(ペロブスカイト型単結晶を
粉末化したものでなく通常の固相反応で得られたもの)
、PMN 粉末(同上)及び固溶体は、ペロブスカイト
相の割合が未だ低いという点が問題となってきた。
【0011】従って、本発明の第1の目的は、PZN 
、PMN 及び固溶体を総称して、ここではニオブ酸鉛
系複合酸化物と呼ぶが、そのニオブ酸鉛系複合酸化物の
ペロブスカイト相の割合を高めることにある。本発明の
第2の目的は、ペロブスカイト相の割合が向上したニオ
ブ酸鉛系複合酸化物を安価に製造することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、ペロブスカイト相の割合が低い従来のPZN 
、PMN 及び固溶体を原料として下記に示す特別な条
件下に高温高圧処理すると、パイロクロア相がペロブス
カイト相に相転移し、そのため、ペロブスカイト相の割
合が向上すること、並びにMgの代わりにFe又はNi
を用いたものを原料にしても、同様にペロブスカイト相
の割合が向上することを見出し、本発明を成すに至った
【0013】よって、本発明は、先ず初めに、一般式(
1): Pb(A1/3Nb2/3)x(Zn1/3Nb2/3
)yO3 又は  Pb(Fe1/2Nb1/2)x(
Zn1/3Nb2/3)yO3 (但し、Aは Mg又
はNiであり、 xは原子比率で0〜1であり、 yは原子比率で0〜1であり、 x+yは1である。) で示され少なくともパイロクロア相を有する原料を、温
度:500〜1300℃好ましくは 800〜1200
℃特に好ましくは1000〜1200℃ 圧力:1000〜4000kg/cm2 好ましくは1
000〜3000kg/cm2  特に好ましくは1300〜2000kg/cm2 の条
件下で高温高圧処理することにより、前記パイロクロア
相をペロブスカイト相に相転移させることを特徴とする
相転移方法(請求項第1項)を提供する。
【0014】次に、本発明は、一般式(1)で示され少
なくともパイロクロア相を有する原料を、温度:500
〜1300℃好ましくは 800〜1200℃特に好ま
しくは1000〜1200℃ 圧力:1000〜4000kg/cm2 好ましくは1
000〜3000kg/cm2  特に好ましくは1300〜2000kg/cm2 の条
件下で高温高圧処理することにより、パイロクロア相を
ペロブスカイト相に相転移させることを特徴とする、ペ
ロブスカイト相の割合が向上したニオブ酸鉛系複合酸化
物の製造方法(請求項第2項)を提供する。
【0015】こうして得られた複合酸化物の焼結体又は
その焼結体から粉砕して得られる粉末は、特に■xが原
子比率で0〜0.4 であり、yが原子比率で1〜0.
6 であり、かつ、ペロブスカイト相の割合が50%以
上のもの、並びに■xが原子比率で0.4 〜1であり
、yが原子比率で0.6 〜0であり、かつ、ペロブス
カイト相の割合が95%以上のものは、これまでに文献
に報告されていない新規物質である。
【0016】従って、本発明は、また、一般式(1): Pb(A1/3Nb2/3)x(Zn1/3Nb2/3
)yO3 又は  Pb(Fe1/2Nb1/2)x(
Zn1/3Nb2/3)yO3 (但し、Aは Mg又
はNiであり、 xは原子比率で0〜0.4 であり、 yは原子比率で1〜0.6 であり、 x+yは1である。) で示され、ペロブスカイト相の割合が50%以上である
ニオブ酸鉛系複合酸化物焼結体又はその粉末(請求項第
6項)、並びに 一般式(1): Pb(A1/3Nb2/3)x(Zn1/3Nb2/3
)yO3 又は  Pb(Fe1/2Nb1/2)x(
Zn1/3Nb2/3)yO3 (但し、Aは Mg又
はNiであり、 xは原子比率で0.4 〜1であり、 yは原子比率で0.6 〜0であり x+yは1である。) で示され、ペロブスカイト相の割合が95%以上である
ニオブ酸鉛系複合酸化物焼結体又はその粉末(請求項第
7項)を提供する。
【0017】本発明(請求項第3項)により製造された
ニオブ酸鉛系複合酸化物のうちAがMgのものは、誘電
率が著しく高く、そのため、アクチュエータ用電歪又は
圧電部材原料として有用であり、これをスラリー化しア
クチュエータを製造するのに好適に使用される。従って
、本発明は、また、前記複合酸化物からなるアクチュエ
ータ用電歪又は圧電部材材料(請求項第8項)を提供す
る。
【0018】
【作用】本発明の高温高圧処理の条件で、温度が 50
0℃より低いと相転移が起き難くなるので不適当であり
、逆に1300℃より高いと融解が起こるので不適当で
ある。また、圧力が1000kg/cm2 より低いと
、パイロクロア型からペロブスカイト型への相転移が起
き難くなるので不適当であり、逆に4000kg/cm
2 より高いと、製造装置の値段が高くなるので不適当
である。
【0019】高温高圧処理は、1 〜5時間位が好まし
く、1時間より短いと相転移が十分ではなくなり、逆に
5時間より長いと、鉛の揮発が著しくなり、目的物が得
られなくなる傾向があるので好ましくない。高温高圧処
理の具体的方法としては、ホットプレスや特に熱間静水
圧プレス(請求項第3項)が好ましい。
【0020】また、前述の高温高圧処理は、不活性ガス
例えばアルゴン、窒素、ヘリウムなどの雰囲気中で行な
うこと(請求項第4項)が好ましい。この理由は、不活
性ガス下では相転移速度が増加するからである。本発明
の製法(請求項第2項)により得られる複合酸化物の性
質は、一般式(1)の原料の成分・組成によって変わる
。例えば、生成物のキュリー温度Tc は、AがMgの
場合、x,yの割合を選択することにより、 PMNの
それに近い−10℃から PZNのそれに近い 150
℃までの温度を持たせることができる。従って、生成物
の物性も、電歪効果(Tc が室温より低いもの)を示
すものと圧電効果(Tc が室温より高いもの)を示す
ものとを自由に選択、あるいは両者を共存させることも
できる。また、最大誘電率kmaX もAがMgの場合
、x,yの割合を選択することにより、 PMNのそれ
に近い18,000から PZNのそれに近い8,00
0までの値を持たせることができる。
【0021】しかしながら、これまで、 PZNの焼結
体でペロブスカイト相の割合が高いものは入手できなか
った事実を考えると、y=0.6 〜1(原子比率)の
もの(請求項第6項)特にy=0.8 〜1(原子比率
)のものが有用である。尚、本発明の製法の原料は、そ
の原料を構成する金属の酸化物の粉末混合物から従来の
常圧下での固相反応により粉末として容易に得られる。 従って、原料は安価なもので済むことから、本発明によ
る生成物も安価に製造される。
【0022】また、本発明の製法の原料は、粉末に限ら
れるものではなく、原料の形状が薄い板状のものを希望
する場合には、原料を薄膜法で製造することが望ましい
。ここで言う薄膜法とは、真空蒸着、スパッタリング、
CVD、ゾルゲル法、スピンコート等のいかなる方法で
もよい。また、これらの膜は、ガラス、サファイヤ、マ
グネシア等のセラミックス、金属基板上で成膜可能であ
る。
【0023】以下、参考例、実施例により本発明をより
具体的に説明するが、本発明はこれに限られるものでは
ない。 〔参考例1………原料の製造〕まず、出発原料として化
学的純度99%以上のPbO、MgO、ZnO及びNb
2O5 を用意し、これを金属原子だけに換算して、下
記表1記載のx(y=1−x)の値を有する一般式(1
)の化合物に相当するPb、Mg、Zn及びNbを与え
るような量を秤量し、これらを「ジルコニア製ボールを
用いたジルコニア製ボールミル」に投入し、更に溶媒と
してエタノールを加え、20時間湿式混合した。
【0024】次に、エタノールを自然に蒸発させて乾燥
させた後、得られた混合物をマグネシア坩堝(るつぼ)
 へ移し、同質のフタをし、 850℃で4時間仮焼し
た。更に、得られた粉末をライカイ機で充分粉砕し常圧
下に1,000 ℃で4時間焼成した。これにより下記
表1に示すx(y=1−x)を有する化合物を得た。こ
れを再度平均粒径1μm程度に粉砕し原料とした。
【0025】この原料について、粉末X線回折法により
ペロブスカイト相の割合を測定した。実験したすべての
組成においてペロブスカイトとパイロクロア以外の結晶
相は存在が確認されなかったため、「ぺロブスカイト相
の割合S」をペロブスカイト相の主ピークの高さh11
0 とパイロクロア相の主ピークの高さh222 との
比として以下の式1で定義して求めた。
【0026】
【数1】
【0027】尚、本明細書で言う「ペロブスカイト相の
割合」は、この定義による。 〔参考例2………原料の製造〕まず、出発原料として、
Pb(DPM)2 、Zn(DPM)2 、Mg(DP
M)2 、Nb(DPM)2 (OC2 H5 )3 
(DPM=ジピバロイルメタン)を用いたMOCVD法
 (Metal OrganicCVD 法) により
、表2に示す組成比になるようにMgO基板上に薄膜(
本発明で言う原料のこと)を形成させた。こうして得え
られた薄膜は、薄膜X線回折法によりペロブスカイト相
の割合を測定した。実験したすべての組成においてペロ
ブスカイトとパイロクロア以外の結晶相は確認されなか
ったため、上記の式1で定義して求めた。
【0028】
【実施例1】〔相転移〕上記参考例1で製造した原料粉
末 100重量%に対し、5重量%の水を加え、直径2
0mm、高さ約20mmの円柱状に成形圧力 500k
g/cm2 で成形した。成形物をマグネシア坩堝中に
入れ同質のフタをし、これを熱間静水圧プレス装置(H
IP) にセットし、アルゴンガスを導入して不活性ガ
ス雰囲気を作った後、表1記載のHIP 圧力で成形物
を加圧し、この圧力を保ったまま、速度 400℃/h
rで昇温して表1記載のHIP 温度で2時間保持した
【0029】これにより、パイロクロア相からペロブス
カイト相への相転移が起こる。この後、可能な限り最高
圧力を維持し、 600℃/hrの速度で室温まで降温
し、生成物(ニオブ酸鉛系複合酸化物)を装置から取り
出した。生成物はメノウ乳鉢で粉砕し、粉末X線回析法
によりペロブスカイト相の割合を測定した。この結果を
表1に示す。尚、実験No.6は比較例であり、高温高
圧処理で圧力を全く加えなかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【実施例2】〔相転移〕上記参考例2で製造した原料を
マグネシア坩堝中に入れ同質のフタをし、これを熱間水
圧プレス装置 (HIP)  にセットし、アルゴンガ
スを導入して不活性ガス雰囲気を作った後、表2記載の
HIP 圧力で成形物を加圧し、この圧力を保ったまま
、速度 400℃/hrで昇温して表2記載のHIP 
温度で2時間保持した。
【0032】これにより、パイロクロア相からペロブス
カイト相への相転移が起こる。この後可能な限り最高圧
力を維持し、 600℃/hrの速度で室温まで降温し
た。 処理後の試料は、薄膜X線回折法によりペロブスカイト
相の割合を測定した。この結果を表2に示す。尚、実験
No.6は比較例であり、高温高圧処理で圧力を全く加
えなかった。
【0033】
【表2】
【0034】
【実施例3】実施例1の実験No.5を、HIP 圧力
を1000kg/cm2 から2000kg/cm2 
の間で種々に変えた以外は全く同様にして7回繰り返し
実行した。そして、得られた生成物について、メノウ乳
鉢で粉砕し、粉末X線回析法によりペロブスカイト相の
割合Sを測定した。この結果を図1に示す。この結果、
HIP 圧力が1300kg/cm2 以上で相転移が
有効に起こることが理解されよう。
【0035】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、一般式(
1)の化合物(原料)について、初めて、パイロクロア
相をペロブスカイト相に転移させることができた。従っ
て、単結晶以外で初めて、ペロブスカイト相の割合の高
い(向上した)ニオブ酸鉛系複合酸化物を得ることがで
きた。特に、ペロブスカイト相の割合が90%以上と高
い一般式(1)でy=0.6 〜1の組成を有するニオ
ブ酸鉛系複合酸化物は、世界で初めて入手できた新規物
質であり、本発明の当該技術分野への貢献は多大である
【0036】しかも、本発明によれば、原料は常圧下で
の単なる固相反応で得られるものが使用でき、本発明の
特徴である高温高圧処理でも、ダイヤモンドアンビル等
の超高圧発生装置を必要とせず、更に被処理物を白金等
の容器に入れ密封する必要もないため、安価に製造でき
る利点がある。本発明によって製造された複合酸化物は
、ペロブスカイト相の割合が高く、そのため誘電率kが
高いので、性能の優れたデバイス製作が可能となる。
【0037】尚、本発明の相転移及び「ペロブスカイト
相の割合が向上した複合酸化物」の製造は、高温高圧の
条件さえ合えば、デバイス製造工程の中での焼結と同時
に実行することも可能である。この場合には、デバイス
は更に安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  HIP 圧力と生成物のペロブスカイトの
割合Sとの関係を示すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式(1): Pb(A1/3Nb2/3)x(Zn1/3Nb2/3
    )yO3 又は  Pb(Fe1/2Nb1/2)x(
    Zn1/3Nb2/3)yO3 (但し、Aは Mg又
    はNiであり、 xは原子比率で0〜1であり、 yは原子比率で0〜1であり、 x+yは1である。) で示され少なくともパイロクロア相を有する原料を、温
    度: 500〜1300℃ 圧力:1000〜4000kg/cm2 の条件下で高
    温高圧処理することにより、前記パイロクロア相をペロ
    ブスカイト相に相転移させることを特徴とする相転移方
    法。
  2. 【請求項2】  一般式(1): Pb(A1/3Nb2/3)x(Zn1/3Nb2/3
    )yO3 又は  Pb(Fe1/2Nb1/2)x(
    Zn1/3Nb2/3)yO3 (但し、Aは Mg又
    はNiであり、 xは原子比率で0〜1であり、 yは原子比率で0〜1であり、 x+yは1である。) で示され少なくともパイロクロア相を有する原料を、温
    度: 500〜1300℃ 圧力:1000〜4000kg/cm2   の条件下
    で高温高圧処理することにより、前記パイロクロア相を
    ペロブスカイト相に相転移させることを特徴とする、ペ
    ロブスカイト相の割合が向上したニオブ酸鉛系複合酸化
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項第2項記載の製造方法において
    、ペロブスカイト相の割合が90%以上のニオブ酸鉛系
    複合酸化物を製造する方法。
  4. 【請求項4】  前述の高温高圧処理が、熱間静水圧プ
    レスであることを特徴とする請求項第2項記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】  前述の高温高圧処理を、不活性ガス中
    で行なうことを特徴とする請求項第2項記載の製造方法
  6. 【請求項6】  一般式(1): Pb(A1/3Nb2/3)x(Zn1/3Nb2/3
    )yO3 又は  Pb(Fe1/2Nb1/2)x(
    Zn1/3Nb2/3)yO3 (但し、Aは Mg又
    はNiであり、 xは原子比率で0〜0.4 であり、 yは原子比率で1〜0.6 であり、 x+yは1である。) で示され、ペロブスカイト相の割合が50%以上である
    ニオブ酸鉛系複合酸化物焼結体又はその粉末。
  7. 【請求項7】  一般式(1): Pb(A1/3Nb2/3)x(Zn1/3Nb2/3
    )yO3 又は  Pb(Fe1/2Nb1/2)x(
    Zn1/3Nb2/3)yO3 (但し、Aは Mg又
    はNiであり、 xは原子比率で0.4 〜1であり、 yは原子比率で0.6 〜0であり x+yは1である。) で示され、ペロブスカイト相の割合が95%以上である
    ニオブ酸鉛系複合酸化物焼結体又はその粉末。
  8. 【請求項8】  請求項第3項記載の方法で製造された
    複合酸化物であって、AがMgの複合酸化物の焼結体か
    らなるアクチュエータ用電歪又は圧電部材材料。
JP3107320A 1990-09-04 1991-05-13 相転移方法、それを用いたニオブ酸鉛系複合酸化物の           製造方法及びそれにより製造されたニオブ酸鉛系複合           酸化物 Pending JPH04228465A (ja)

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JP3107320A Pending JPH04228465A (ja) 1990-09-04 1991-05-13 相転移方法、それを用いたニオブ酸鉛系複合酸化物の           製造方法及びそれにより製造されたニオブ酸鉛系複合           酸化物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100523960B1 (ko) * 2002-05-24 2005-10-26 임대영 초임계 유체상태하에서 액상콜롬바이트법에 의한 페로부스카이트형 납계 복합산화물 분말의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100523960B1 (ko) * 2002-05-24 2005-10-26 임대영 초임계 유체상태하에서 액상콜롬바이트법에 의한 페로부스카이트형 납계 복합산화물 분말의 제조방법

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