JPH04226136A - ポリカルボシランおよびその製造方法 - Google Patents

ポリカルボシランおよびその製造方法

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JPH04226136A
JPH04226136A JP3130873A JP13087391A JPH04226136A JP H04226136 A JPH04226136 A JP H04226136A JP 3130873 A JP3130873 A JP 3130873A JP 13087391 A JP13087391 A JP 13087391A JP H04226136 A JPH04226136 A JP H04226136A
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polycarbosilane
halogen
fluorine
formula
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JP3130873A
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Peter Sartori
ペーター ザルトリ
Wolfgang Habel
ヴォルフガング ハーベル
Heinz-Peter Judenau
ハインツ−ペーター ユーデナウ
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Kali Chemie AG
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Kali Chemie AG
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/515Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics
    • C04B35/56Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on carbides or oxycarbides
    • C04B35/565Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on carbides or oxycarbides based on silicon carbide
    • C04B35/571Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on carbides or oxycarbides based on silicon carbide obtained from Si-containing polymer precursors or organosilicon monomers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/60Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule in which all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ポリカルボシラン
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカルボシランは、元素炭素とケイ素
からなる基本構造を有し、該構造中で一般にSi基と炭
化水素基が交互に存在するポリマーである。かかるポリ
カルボシランの基本構造は、たとえば式
【0003】
【化7】
【0004】[式中Raはたとえば炭化水素置換基を表
わす]で示される繰返し構造単位からなる。公知の製造
方法によれば、かかるポリカルボシランは、たとえばテ
トラメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチル
ジクロルシランまたはメチルトリクロルシランのような
モノシランを熱分解によって種々のポリカルボシランの
混合物に変えることによって得られる。かかるポリカル
ボシランの他の公知製造方法は、ケイ素原子における2
つの置換基の少なくとも1つがメチル基であるポリシラ
ンから出発する。これらのポリシランは、350〜45
0℃の温度で熱分解によりポリカルボシランに変え、そ
の際メチル置換基の一部から熱による変換の間にメチレ
ン基が生成し、該メチレン基はそのつどポリシランの隣
接するSi原子の間へ押し込まれ、その際1個の水素原
子はケイ素原子にとどまる。かかる熱分解はラジカルに
より経過する。
【0005】西ドイツ国特許出願公開第3634281
号明細書から、Si原子が有機芳香族またはとくにヘテ
ロ芳香族基、たとえばピロール−2,5−ジイルまたは
チオフェン−2,5−ジイルからなる架橋によって結合
しているポリカルボシランが公知である。この場合の目
的は、付加的の化学的または電気化学的ドーピングによ
って導電性ポリシランを製造することである。英国特許
第896301号明細書から、モノマーのジアリールジ
ハロゲンシランとp−フェニレンジマグネシウムブロミ
ドをグリニヤール反応で、Si原子がフェニレン架橋に
よって結合しているポリカルボシランに変えることは公
知である。熱可塑性、熱硬化可能の樹脂が得られる。
【0006】シリング(Schilling)およびウ
イリアムス(Williams)(Schilling
,C.L.,Jr;Williams,T.C.(Un
ion  Carbide  Corp.,  Tar
rytown,NY  米国)。Report  19
83,TR−83−2;Order  No.  AD
−A141558,15pp(Eng).Avail.
  NTIS.  From  Gov.Rep.An
nounce.Index(U.S.)1984年,8
4(18),48;Chemical  Abstra
cts  101:196821qをも参照)によれば
、シランモノマー単位とオレフィン単位からの共重合体
をテトラヒドロフラン中のカリウムの存在で製造するこ
とが公知である。シランモノマーとしてメチルトリクロ
ルシラン、ジメチルジクロルシランまたはメチルジクロ
ルヒドロシランをスチロールまたはイソプレンと反応さ
せ、その際スチロールの場合にはSi単位はフェニル置
換エチレン単位によって結合されている。イソプレンの
場合には、Si単位は、もう1個の二重結合を有する相
応するメチル置換C4アルキレン鎖によって結合されて
いる。2つの別の例では、イソプレンをメチルクロルメ
チルジクロルシランないしはビニルメチルジクロルシラ
ンとトリメチルクロルシランからなる混合物と反応させ
る。
【0007】米国特許第4761458号明細書からは
、ハロゲン化ポリカルボシランが公知である。このハロ
ゲン化ポリカルボシランの製造のためには、少なくとも
0.1重量%のSiH基を有するかかるポリカルボシラ
ンを、塩素化または臭素化試薬との反応によりラジカル
反応で塩素化または臭素化ポリカルボシランに変える。 この場合、SiH基からSiCl基またはSiBr基が
形成する。米国特許第4761458号明細書は、ハロ
ゲン化反応のエダクトとして通常の、技術水準で公知の
、低級アルキル基で置換された、上記種類のポリカルボ
シランを使用する。これは、たとえばポリジメチルシラ
ン(−(CH3)2Si−)nの熱分解によって製造さ
れた。
【0008】さらに、西ドイツ国特許出願公開第361
6378号明細書からは、セラミックのポリマー材料を
製造するための、セラミック形成要素からなるプレポリ
マーが公知であり、該プレポリマー中の脱離し易い要素
は一部はフッ素または完全にフッ素化された炭化水素化
合物のような脱離し難い要素に代えられた。脱離し易い
要素として、ここでは水素が挙げられる。該公開明細書
の実施例は、同様に通常の、技術水準で公知の、ポリジ
メチルシラン(−(CH3)2Si−)nの熱分解によ
って製造された上記種類のポリカルボシランから出発す
る。このポリカルボシラン中へフッ素を導入するのは、
フッ素化テトラエチルアンモニウムを用いる電気フッ素
化によるかまたは元素状フッ素を用いる直接フッ素化(
ラジカルによる)によって行なわれる。この場合、Si
H基のSiF基への変換と共に、ケイ素原子のメチル置
換基中およびポリカルボシランのSi−CH2−Si骨
格のメチレン架橋中へのフッ素原子の導入が起きる。
【0009】実際に、技術水準では既に多数のポリカル
ボシランおよび若干のハロゲン化ポリカルボシランなら
びにその製造方法が公知であるが、従来特定のタイプの
ポリカルボシランは技術水準では製造することができな
かった。それで従来、そのSi原子がフェニル置換メチ
レン架橋によるかまたは定義された脂肪族の、部分的ま
たは完全にフッ素で置換された炭化水素架橋によって結
合されているポリカルボシランを製造することは不可能
であった。同様に、Si原子およびSi原子を結合する
脂肪族炭化水素架橋中にフッ素置換基を有する定義され
た構造を有するポリカルボシランを製造することは従来
不可能であった。
【0010】さらに、技術水準で公知の、殊に熱分解に
より得られたポリカルボシランおよびこれからラジカル
ハロゲン化法によって製造されたハロゲン化ポリカルボ
シランは、生成物の性質および製造法の点で一連の欠点
を有する。これら公知のポリカルボシランの不利な性質
は、それの熱分解による製造の不利な作用に帰すること
ができ、それにより大体において既に、ポリカルボシラ
ンおよび製造されたハロゲン化生成物の基本構造および
最大達成可能な純度があらかじめ定められる。それで、
公知のハロゲン化されたおよびハロゲン化されてないポ
リカルボシランは、多かれ少かれ揮発し易い、製造によ
る分解生成物を同伴する、不規則なSiC構造を有する
均一でない生成物である。意図してさらに使用するため
に有利な生成物スペクトルに濃縮するための付加的手段
(たとえば分別結晶ないしは分別蒸留による精製および
/または分離)は、作業、エネルギーおよびコスト的に
費用がかかる。さらに、先行技術のポリカルボシラン中
へのハロゲン原子の導入可能性は、直接にこのポリカル
ボシラン中に存在するSiH基に依存する。それという
のもこのSiH基だけがハロゲン化ポリカルボシランの
公知製造方法でSiHal基(Hal=ハロゲン)に変
えることができるからである。しかし、ポリカルボシラ
ンの熱分解による製造の際のSiH基の生成は極めて制
御困難であり、このことが直接にこれから製造されるハ
ロゲン化ポリカルボシランの性質にも作用する。さらに
、ラジカルハロゲン化条件下に実施される公知ハロゲン
化ポリカルボシランの製造の場合でも、ハロゲン化度お
よびハロゲン化個所は制御困難である。実際に、差当り
SiH基が優先的にSiHal基に反応するが、殊に長
い反応時間および軽度に激しくされた反応条件下では、
かなりの程度に副反応が起きる。それで、SiH基にお
ける目的とするハロゲン化のほかに、ケイ素原子の炭化
水素置換基または使用したポリカルボシランのメチレン
架橋における非特異的ハロゲン化反応も起きる。さらに
、ラジカル反応条件は、ポリカルボシランのSi−C−
Si骨格に分解反応を生起することができ、これにより
使用したポリカルボシランおよび/またはハロゲン化ポ
リカルボシランは反応の間部分的に望ましくない断片お
よび揮発性の低分子化合物に分解しうる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、先行技術の欠
点を避けて、従来先行技術で入手できなかった新規のハ
ロゲン化されたおよびハロゲン化されてない、容易にそ
の都度の使用目的に最適に適合することのできる、有利
な性質を有するポリカルボシランを利用するという課題
が生じた。もう1つの課題は、これら新規のハロゲン化
されていないおよびハロゲン化されたポリカルボシラン
の簡単かつ良好に制御しうる製造方法を提供することで
あった。
【0012】
【課題を解決するための手段】これらの課題は、本発明
によるハロゲン化されていないおよびハロゲン化された
ポリカルボシランおよびこれらポリカルボシランの本発
明による製造方法によって解決される。
【0013】本発明は、一般式I
【0014】
【化8】
【0015】[式中R1は水素、アルキル、シクロアル
キル、アリール、アリールアルキルまたはハロゲンを表
わし、その際同一のポリカルボシランの種々の単位中の
R1は異なるものを表わすこともでき、R2はアルキル
、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたは
ハロゲンを表わし、その際同一のポリカルボシランの種
々の単位中のR2は異なるものを表わすこともでき、R
3はフッ素またはフェニルを表わし、その際同一のポリ
カルボシランの種々の単位中のR3は異なるものを表わ
すこともでき、R4は水素、フッ素またはフェニルを表
わし、その際同一のポリカルボシランの種々の単位中の
R4は異なるものを表わすこともでき、nはR3および
/またはR4がフェニルを表わす場合には数1を表わし
、R3がフッ素を表わし、R4が水素またはフッ素を表
わす場合には1〜6の整数を表わし、その際同一のポリ
カルボシランの種々の単位中のnは異なるものを表わす
ことができ、pはnないし2n−1の整数を表わすこと
もでき、その際同一のポリカルボシラン中の単位中のn
は異なるものを表わすこともできる]で示される構造単
位を主体とするポリカルボシランに関する。
【0016】本発明の1実施形においては、ポリカルボ
シランは種々の並列して存在する一般式Iで示される若
干数の構造単位からなる。これらの構造単位は、基R1
,R2,R3および/またはR4ならびに指数nおよび
/またはpで区別することができる。通常、ポリカルボ
シランを構成する一般式Iで示される構造単位は、最大
3よりも多くない異なる置換R1R2Si単位と、最大
3よりも多くない異なる(CnR3pR42n−p)単
位の組合せである。
【0017】有利な実施形においては、ポリカルボシラ
ンの一般式Iで示されるすべての構造単位中の架橋置換
基R3およびR4、ならびに指数nおよびpはその都度
唯1つのものを表わす。たとえば、一般式Iで示される
構造単位が3よりも多くない異なる置換R1R2Si単
位と唯1つの(CnR3pR42n−p)単位の組合せ
から構成されているようなポリカルボシランが存在する
【0018】もう1つの有利な実施形においては、ポリ
カルボシランの一般式Iで示されるすべての構造単位中
のSi置換基R1およびR2は、それぞれ唯1つのもの
を表わす。たとえばすべてのR1R2Si単位が同じで
ある、一般式Iで示される構造単位からなるポリカルボ
シランが存在する。
【0019】有利な実施形においては、本発明によるポ
リカルボシラン中に唯1つのタイプの一般式Iで示され
る構造単位が存在するにすぎない。この場合、一般式I
で示されるすべての構造単位中で、R1R2Si単位お
よび(CnR3pR42n−p)単位は同じである。
【0020】式Iで示される構造単位を主体とする本発
明によるポリカルボシラン中、R1は水素であってもよ
い。この場合、R2は飽和または不飽和のアルキル、シ
クロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはハロ
ゲンを表わす。
【0021】式Iで示される構造単位を主体とする本発
明によるポリカルボシラン中、基R1および/またはR
2はアルキルであってもよく;この場合アルキルは飽和
または不飽和、直鎖または枝分れの、場合により不活性
基によってさらに置換されていてもよいアルキル基を表
わす。適当なアルキル基の例は、C1〜C16アルキル
基、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、
イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、ビニルまたは
アリルであり、殊にC1〜C6アルキル基である。1〜
4C原子を有する低級アルキル基、殊にメチル、エチル
、プロピル、ブチル、およびビニルが望ましい。
【0022】式Iで示される構造単位を主体とする本発
明によるポリカルボシラン中、基R1および/またはR
2はシクロアルキルを表わすことができ;この場合シク
ロアルキルは飽和または不飽和の、場合により不活性基
によってさらに置換されたシクロアルキル基を表わす。 シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルである。
【0023】式Iで示される構造単位を主体とする本発
明によるポリカルボシラン中、基R1および/またはR
2はアリールを表わすことができ;この場合アリールは
非置換または不活性置換基を有する芳香族炭化水素基を
表わす。アリールの例は、フェニル、ナフチル、p−ジ
フェニルまたはアルキルアリール基、たとえばトリル、
エチルフェニルまたはプロピルフェニルである。フェニ
ルが望ましい。
【0024】式Iで示される構造単位を主体とする本発
明によるポリカルボシラン中、基R1および/またはR
2はアリールアルキルを表わすことができ;アリールア
ルキル基の例はフェニルメチルまたはフェニルエチルで
ある。
【0025】式Iで示される構造単位を主体とする本発
明によるポリカルボシラン中、基R1および/またはR
2はハロゲンを表わすことができ;この場合ハロゲンは
殊に塩素、臭素またはフッ素を表わす。
【0026】本発明によるポリカルボシランの実施形に
おいては、該ポリカルボシランは式Iで示される構造単
位中基R3がフェニルを表わし、他の基R1,R2およ
びR4ならびに指数pが上記のものを表わし、n=1で
あることによりすぐれている。この実施形の有利な構成
においては、基R4は水素または同様にフェニルであり
;この場合にはR1R2Si単位がフェニルメチレンま
たはジフェニルメチレン架橋によって互いに結合されて
いるポリカルボシランが存在する。かかるフェニル置換
メチレン架橋の例はフェニルメチレン(−CHPh−)
、ジフェニルメチレン(−CPh2)およびフェニルフ
ルオロメチレン(−CFPh−)である。この本発明の
構成において、Si単位中の基R1および/またはR2
は上記のもの、殊に水素、1〜4C原子を有するアルキ
ル、たとえばビニルのような不飽和低級アルキル、フェ
ニルまたはハロゲンを表わすことができる。
【0027】本発明によるポリカルボシランの他の望ま
しい実施形においては、式Iで示される構造単位中、基
R3がフッ素を表わし、基R4が水素またはフッ素を表
わすか、またはとくにフッ素を表わし、他の基R1およ
びR2および指数nおよびpは上記のものを表わすこと
によってすぐれている。この場合には、R1R2Si単
位が部分的にフッ素化または過フッ素された、1〜6個
の炭素原子を有する炭化水素架橋によって結合されてい
る本発明によるポリカルボシランが存在する。
【0028】これらポリカルボシランの望ましいグルー
プにおいてはポリカルボシランのR1R2Si単位が部
分的または完全にフッ素化された1〜3個の炭素原子を
有する炭化水素架橋によって結合されている。つまりn
が1〜3の整数を表わし、基R1,R2,R3およびR
4および指数pが上記のものを表わす式Iで示される構
造単位を主体とするポリカルボシランが存在する。本発
明によるポリカルボシランのこの実施形の望ましい炭化
水素架橋は、R3およびR4がフッ素を表わす過フッ素
化炭化水素架橋である。部分的または完全にフッ素化さ
れた炭化水素架橋の例は、一般式(−CnFpH2n−
p−)または(−CF2−)nの架橋、たとえばモノフ
ルオロメチレン、ジフルオロメチレン、ジフルオロエチ
レン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン
、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン
、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン・・・・ドデカフルオロヘキシレンである。
【0029】部分的にフッ素化されたまたは過フッ素化
された炭化水素架橋を有するポリカルボシラン中の基R
1および/またはR2は、上記のものを表わすことがで
きる。しかし、部分的または完全にフッ素化された炭化
水素架橋を有する本発明によるポリカルボシランの実施
形の望ましい構成においては、式Iで示される構造単位
中、基R1が水素、低級の、場合により不飽和の低級ア
ルキル、フェニルまたはハロゲンを表わし、基R2が低
級の、場合により不飽和の低級アルキル、フェニルまた
はハロゲンを表わすことによりすぐれている。この場合
、低級アルキルは1〜4個のC原子を有するアルキル基
、殊にメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはビニル
を表わす。この場合、本発明のこの構成においては、R
1R2Si単位として、ジメチルシリレン−、ジエチル
シリレン単位等、メチルエチレンシリレン−、メチルビ
ニルシリレン−、エチルビニルシリレン単位等、ジフェ
ニルシリレン−、メチルフェニルシリレン−、エチルフ
ェニルシリレン単位等、メチルハロゲンシリレン−、エ
チルハロゲンシリレン単位等、フェニルハロゲンシリレ
ン−またはジハロゲンシリレン単位を含有する、部分的
または完全にフッ素化された炭化水素架橋を有するポリ
カルボシランが存在する。
【0030】部分的または完全にフッ素化された炭化水
素架橋を有する本発明によるポリカルボシランの望まし
い実施形においては、式Iで示される構造単位中基R2
がハロゲン、とくに塩素、臭素またはフッ素を表わし、
この場合R1は上記のもの、水素、低級アルキル、不飽
和低級アルキル、フェニルまたはハロゲンを表わし、基
R3およびR4および指数nおよびpが、部分的または
完全にフッ素化された炭化水素架橋を有するポリカルボ
シランの実施形につき上述したものを表わすことによっ
てすぐれている。この場合、R1R2Si単位中に同じ
かまたは異なるハロゲン原子を有する、部分的または完
全にフッ素化された炭化水素架橋を有する、Siハロゲ
ン化、混合Siハロゲン化されたポリカルボシランが存
在する。かかるハロゲンシリレン単位の例は、メチルク
ロルシリレン、メチルブロムシリレン、メチルフルオロ
シリレン、エチルクロルシリレン、エチルブロムシリレ
ン、エチルフルオロシリレン等、フェニルクロルシリレ
ン、フェニルブロムシリレン、フェニルフルオロシリレ
ンおよびジハロゲンシリレン、たとえばジフルオロシリ
レンである。
【0031】部分的ないしは完全にフッ素化された炭化
水素架橋を有する実施形の、Si単位がハロゲン化され
た望ましいポリカルボシランにおいて、Si単位中のハ
ロゲン原子は臭素またはフッ素、殊にフッ素である。こ
れらのハロゲン化されたポリカルボシランの望ましい例
は、たとえばメチルブロムシリレン単位とテトラフルオ
ロエチレン単位からまたはメチルフルオロシリレン単位
とテトラフルオロエチレン単位から構成されている。
【0032】この場合、本発明は混合ハロゲン化ポリカ
ルボシラン、つまり殊にハロゲン原子、塩素、臭素およ
び/またはフッ素が並存しうるかかるポリカルボシラン
をも包含する。
【0033】本発明の別の実施形においては、ポリカル
ボシランは一般式IIおよび/またはIII
【0034
【化9】
【0035】[式中Aは基CnR3pR42n−pを表
わし、ここで基R3およびR4および指数nおよびpは
上記のものを表わし、Rは水素またはアルキル、シクロ
アルキル、アリールまたはアリールアルキル(アルキル
、アリールは上記のものを表わす)を表わす]で示され
る枝分れ基によって結合されていてもよい。本発明によ
るポリカルボシランは、50%まで枝分れ基IIおよび
/またはIIIによって架橋されていてもよい。
【0036】式Iで示される一般的構造単位を主体とす
る本発明によるポリカルボシランは、種々の末端基を有
することができる。末端基は、ハロゲン−、アルキル−
、シクロアルキル−、アリールアルキル−、アリール−
、アルコキシ基またはヒドロキシル基であってもよい。 末端基の例は、塩素、臭素、フッ素、メチル、フェニル
、メトキシルまたはヒドロキシルである。
【0037】本発明によるポリカルボシランは、大体に
おいて、各ケイ素原子が1つだけの炭素原子に結合して
いる構造を有する液状、ロウ様、粘稠または固体の物質
である。
【0038】これらのポリカルボシランは、それが最大
5%だけSi−Si結合分を有することによってすぐれ
ている。本発明による例においては、Si−Si結合分
はむしろ1%以下である。
【0039】本発明によるポリカルボシランを構成する
構造単位の数は、一般に10〜500、とくに30〜1
50の値である。従って、ポリカルボシランは、600
〜300000g/モルの範囲内、とくに700〜30
000g/モルの範囲内の平均分子量を有する。
【0040】本発明は、式Iの構造単位を主体とするポ
リカルボシランの製造方法にも関し、それによれば
【0
041】
【化10】
【0042】[式中R1aは水素、アルキル、シクロア
ルキル、アリールまたはアリールアルキルを表わし、そ
の際同一のポリカルボシランの種々の単位中のR1aは
異なるものを表わすこともでき、R2aはアルキル、シ
クロアルキル、アリールまたはアリールアルキルを表わ
し、その際同一のポリカルボシランの種々の単位中のR
2aは異なるものを表わすこともでき、R3はフッ素ま
たはフェニルを表わし、その際同一のポリカルボシラン
の種々の単位中のR3は異なるものを表わすこともでき
、R4は水素、フッ素またはフェニルを表わし、その際
同一のポリカルボシランの種々の単位中のR4は異なる
ものを表わすこともでき、nは、R3および/またはR
4がフェニルを表わす場合に数1を表わし、R3がフッ
素を表わし、R4が水素またはフッ素を表わす場合には
1〜6の整数を表わし、その際同一のポリカルボシラン
の種々の単位中のnは異なるものを表わすこともでき、
pはn〜2n−1の整数を表わし、その際同一のポリカ
ルボシランの種々の単位中のpは異なるものを表わすこ
ともできる]で示される構造単位を主体とするポリカル
ボシランを製造するためには、式IVで示されるジハロ
ゲンシランを式Vで示されるジブロミド化合物
【0043】
【化11】
【0044】[式中Xはハロゲン、塩素、臭素またはヨ
ウ素、とくに塩素または臭素を表わし、R1a,R3,
R4,nおよびpは上記のものを表わす]と、金属マグ
ネシウムを用いるグリニヤール重縮合反応で反応させる
か、または
【0045】
【化12】
【0046】[式中R1は水素、アルキル、シクロアル
キル、アリール、アリールアルキルまたはハロゲンを表
わし、その際同一のポリカルボシランの種々の単位中の
R1は異なるものを表わすこともでき、Halはハロゲ
ン、とくに塩素、臭素またはフッ素を表わし、その際同
一のポリカルボシランの種々の単位中のHalは異なる
ものを表わすこともでき、R3,R4,nおよびpは上
記のものを表わす]で示される構造単位を主体とするポ
リカルボシランの製造のためには
【0047】
【化13】
【0048】[式中R1’はR1と同じものを表わし、
R3,R4,nおよびpは上記のものを表わす]で示さ
れる構造単位を主体とするポリカルボシランを、場合に
よりルイス酸の存在で、極性またはイオン性反応条件下
で少なくとも1種のハロゲン化試薬と、一般式Icで示
される構造単位に含まれているフェニル置換基Phおよ
び場合により含まれている基R1’=Phが部分的また
は完全にハロゲン原子によって交換されるようにして反
応させ、かつbb)  場合によりその後ba)により
ポリカルボシラン中へ導入されたハロゲンを、全部また
は部分的に他のハロゲン原子と交換する。
【0049】本発明によれば、一般式Iaで示される構
造単位を主体とするポリカルボシランを製造するための
方法a)においては、一般式IVで示される少なくとも
1種のジハロゲンシランを一般式Vで示される少なくと
も1種のジブロム炭化水素と、マグネシウムの存在およ
びグリニヤール反応に適当な有機溶媒の存在で、グリニ
ヤール重縮合反応で互いに反応させる。
【0050】方法a)において使用されるジハロゲンシ
ランの一般式IV中、R1aは水素であってもよい。こ
の場合、R2aはアルキル、シクロアルキル、アリール
またはアリールアルキルを表わす。
【0051】a)において使用したジハロゲンシランの
一般式IV中、1つまたは2つの基R1aまたはR2a
はアルキルを表わすことができ;この場合アルキルは上
記に記載した飽和または不飽和、直鎖または枝分れの、
場合により不活性基でさらに置換されていてもよいアル
キル基を表わす。例は、殊に上記に記載したC1〜C1
6アルキル基、殊に記載したC1〜C6アルキル基であ
る。炭素原子1〜4個を有する低級アルキル基および不
飽和低級アルキル基がとくに望ましい。
【0052】a)において使用したジハロゲンシランの
一般式IV中、1つまたは2つの基R1aまたはR2a
はシクロアルキルを表わすことができ;この場合シクロ
アルキルは上記に既述した飽和または不飽和の、場合に
より不活性基によってさらに置換されたシクロアルキル
基を表わす。シクロアルキルの例は、シクロペンチル、
シクロヘキシルまたはシクロペンテニル、シクロヘキセ
ニルである。
【0053】a)で使用したジハロゲンシランの一般式
IV中、1つまたは2つの基R1aまたはR2aはアリ
ールを表わすことができ;この場合アリールは上記に既
述した非置換または不活性置換基を有する芳香族炭化水
素である。アリールの例は、フェニル、ナフチル、p−
ジ−フェニル、またはトリル、エチルフェニルまたはプ
ロピルフェニルのようなアルキルアリール基である。望
ましいアリールはフェニルである。
【0054】a)において使用したジハロゲンシランの
一般式IV中、1つまたは2つの基R1aまたはR2a
はアリールアルキルを表わすことができ;アリールアル
キル基の例はフェニルメチルまたはフェニルエチルであ
る。
【0055】a)の本発明方法に対するジハロゲンシラ
ンとしては、ジクロル−またはジブロムシランが適当で
ある。とくに適当なジハロゲンシランの例は、ジメチル
ジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジエチルジ
クロルシラン、ジエチルジブロムシラン、メチルフェニ
ルジクロルシラン、メチルフェニルジブロムシラン、ジ
フェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、
メチルビニルジクロルシラン、メチル水素シランおよび
比較しうるジハロゲンシランである。
【0056】方法a)において使用したジブロム炭化水
素の一般式V中、基R3はフッ素またはフェニルを表わ
すことができ、基R4は水素、フッ素またはフェニルを
表わすことができる。ジブロム炭化水素としては、本発
明による方法a)にはジブロムメタン、殊に部分的また
は完全にフッ素化された、1〜6個の炭素原子を有する
ジブロム炭化水素が適当である。フェニル置換ジブロム
メタンの例は、フェニルジブロムメタン、およびジフェ
ニルジブロムメタンである。望ましい殊に適当な、部分
的または完全にフッ素化されたジブロム炭化水素の例は
、式Br−(CnFpH2n−p)−BrおよびBr−
(CnF2n)−Br(ここで指数nおよびpは上記の
ものを表わす)で示される化合物であり;殊に望ましい
のは十分にフッ素化されたジブロム炭化水素、つまり前
記式Br−(CnFpH2n−p)−Br(p>>n〜
p=最大2n−1に等しい)で示される化合物であり、
殊に式Br−(CnF2n)−Brで示される過フッ素
化されたジブロム炭化水素、たとえばジブロムジフルオ
ロメタン、ジブロムテトラフルオロエタン、ジブロムヘ
キサフルオロプロパン、ジブロムオクタフルオロブタン
、ジブロムデカフルオロペンタンまたはジブロムドデカ
フルオロヘキサンである。
【0057】a)の本発明方法で使用したマグネシウム
は、金属としてマグネシウム粉末、マグネシウムリボン
またはマグネシウム粗粒の形で使用される。金属マグネ
シウムは、望ましくは使用前に、専門家にとって周知の
グリニヤール反応において使用するための公知手段によ
って前処理することができる。たとえば、マグネシウム
を反応前に脱脂し、乾燥することによって付着している
水分を除去するかまたは場合により少量の低級ブロムま
たはヨード含有炭化水素、たとえばジブロムエタン、ジ
ブロムプロパン、ジヨウ素プロパン等、とくに元素状ヨ
ウ素を用いて腐食するのが推奨される。使用すべき金属
マグネシウムの量は、使用したジハロゲンシランないし
は使用したジブロム炭化水素に対して約2モルである。 ジハロゲンシランおよびジブロム炭化水素をほぼ等モル
量で反応に使用される。
【0058】グリニヤール重縮合反応の行なわれる有機
溶媒は、グリニヤール試薬と相溶性の任意の乾燥溶媒、
殊にジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等であってもよい。
【0059】本発明によるグリニヤール重縮合反応は、
たとえば一般に、差当り出発化合物、ジハロゲンシラン
およびジブロム炭化水素を、マグネシウム、望ましくは
エーテル中のマグネシウムと共に装入するように実施さ
れる。引き続き、テトラヒドロフランを滴加し、発熱反
応はテトラヒドロフラン滴加速度の調節によって制御し
て、一様な沸騰が起きるようにする。良好な結果のため
には、無水の反応条件を維持しかつ反応を保護ガス雰囲
気下で撹拌しながら実施しなければならない。適当な保
護ガスはたとえば窒素またはアルゴンのような希ガスで
ある。反応の間に生じる温度は、使用した溶媒の沸点に
依存する。発熱反応の終了後、完全な反応が行なわれる
のを確保するため、反応混合物を通常なお室温で長時間
にわたり撹拌する。反応は、典型的には1〜48時間の
時間実施される。反応混合物の後処理のためおよび生成
したポリカルボシランを単離するために、グリニヤール
反応バッチの後処理のため自体公知の方法で行なうこと
ができる。たとえば、未反応のグリニヤール試薬の残分
は、水、塩酸、塩化アンモニウム水溶液等を添加するか
またはこれらの中へ注入することによって分解し、ポリ
カルボシランは適当な溶媒、たとえば塩化メチレン、ク
ロロホルム、四塩化炭素またはフッ化塩化炭化水素のよ
うなハロゲン化炭化水素を用いて反応混合物から抽出し
、自体公知の方法で溶媒を除去することによりそのもの
として得られる。
【0060】a)の本発明方法によって、異なるポリカ
ルボシランを有利に製造するための、簡単かつ一般に使
用しうる方法が利用される。殊にこの方法によればSi
単位が部分的または完全にフッ素化された炭化水素架橋
によって互いに結合されているポリカルボシランが製造
できる。本発明方法は、使用される反応物の種類および
数を変えることによって興味のある、従来入手できない
ポリカルボシラン、殊に炭化水素基が部分的または完全
にフッ素化されたポリカルボシランを多数製造すること
ができる。
【0061】本発明方法a)のもう1つの別法において
は、望ましい限り、一般構造式Iaを主体とする線状ポ
リカルボシラン鎖を付加的に意図して架橋することが可
能である。この場合、目指す架橋度により、使用したジ
ハロゲンシランIVの50モル%まで式RSiX3(こ
こでXはハロゲン、とくに塩素または臭素であり、Rは
R1に対し上述したもの、水素、アルキル、シクロアル
キル、アリールまたはアリールアルキルを表わす)で示
されるトリハロゲンシランによって代えられる。トリハ
ロゲンシランRSiX3は、ジハロゲンシランIV、ジ
ブロム炭化水素Vおよびマグネシウムからなる反応物混
合物中へ直ちに混入することができ;この反応混合物と
は別個に滴加することもできる。使用可能なトリハロゲ
ンシランRSiX3の例は、トリクロルシラン、メチル
トリブロムシラン、メチルトリクロルシランまたはフェ
ニルトリクロルシランである。この方法により、付加的
に式IIの枝分れ基を有する上述した架橋ポリカルボシ
ランが得られる。
【0062】さらに、もう1つの別法においては、一般
構造式Iaを主体とする線状ポリカルボシラン鎖の架橋
は、テトラクロルシランまたはテトラブロムシランのよ
うなテトラハロゲンシランの添加によって達成すること
ができる。付加的に式IIIで示される枝分れ基を有す
る、上記に同様に記載された架橋ポリカルボシランが得
られる。
【0063】さらに、もう1つの別法においては、製造
すべき鎖状または枝分れポリカルボシランの縮合度は、
グリニヤール縮合を、縮合停止試薬の添加により停止さ
せることによって制御することができる。縮合反応を停
止するのに適当な試薬は、モノハロゲンシランR′3S
iX(ここでXはハロゲン、とくに塩素または臭素を表
わし、R′はアルキル、シクロアルキル、アリールまた
はアリールアルキルを表わす)であり;縮合反応を停止
するための他の適当な試薬はたとえばフッ素化モノブロ
ム炭化水素である。適当なモノハロゲンシランの例は、
トリメチルクロルシラン、トリメチルブロムシランまた
はジフェニルメチルクロルシランである。適当なフッ素
化モノブロム炭化水素の例は、トリフルオロブロムメタ
ンまたはペンタフルオロブロムメタンである。
【0064】式Ibで示される構造単位を主体とするポ
リカルボシランを製造するための方法b)を実施するた
めには、エダクトとしてアリール置換ポリカルボシラン
を、場合により触媒としてルイス酸の存在で、保護ガス
雰囲気下、反応条件下で不活性の有機溶媒中で、十分な
水分遮断下に、少なくとも1種の極性または反応性のハ
ロゲン化試薬と数時間まで反応させる。
【0065】このためのポリカルボシランエダクトとし
ては、方法a)により製造される、ケイ素原子にフェニ
ル置換基を有するすべてのポリカルボシランを使用する
ことができる。
【0066】上記のフェニル置換ポリカルボシランから
Si原子でハロゲン化された本発明によるポリカルボシ
ランを製造するためには、極性またはイオン反応する、
それ自体慣用のすべてのハロゲン化試薬を使用すること
ができる。従って、専らラジカル的に反応しうるすべて
のかかるハロゲン化試薬は除外される。記載の反応に適
当なハロゲン化試薬は、HBr、HClまたはHFのよ
うなハロゲン化水素酸;NH4Br、NH4Clまたは
NH4Fのようなハロゲン化水素酸のアンモニウム塩;
フッ化水素酸ナトリウム(NaHF2ないしはNaF・
HF)のような酸性フッ化アルカリまたはKF・(HF
)n(n=1〜3)のような酸性フッ化カリウム;NH
4F・(HF)nまたはNH4F・HFのようなフッ化
アンモニウムに対するフッ化水素アダクト;または五塩
化リン、五塩化アンチモン、三フッ化アンチモン、三フ
ッ化ヒ素、四フッ化チタン、四フッ化スズ、二フッ化銅
、二フッ化亜鉛等のような他のハロゲン化試薬である。 この場合、望ましいハロゲン化試薬は、ハロゲン化水素
酸およびそのアンモニウム塩、フッ化アンモニウムに対
するフッ化水素アダクトおよび酸性フッ化アルカリであ
る。 ハロゲン化ポリカルボシラン中のフェニル置換基の一部
が維持されるべきである限り、(フェニル置換基のハロ
ゲン原子との交換のほかに)、残存するフェニル置換基
中で、ハロゲン原子による水素原子の求電子性芳香族置
換も起りうることに注意すべきである。これとは異なり
、上記した他のハロゲン化試薬を使用する場合には、フ
ェニル置換基におけるかかる求電子性の芳香族置換は起
きない。
【0067】ハロゲン化試薬の極性またはイオン性反応
方式は、一方では使用したハロゲン化試薬がおのずから
既に極性またはイオン反応する化合物、たとえばHCl
、HF、NH4Cl、NH4F、NH4F・(HF)n
、NaF・HF、KF・(HF)n、PCl5、SbC
l5、SbF3、AsF3、TiF4、SnF4、Cu
F2、ZnF2等であることによって保証される。他方
では、極性またはイオンならびにラジカル反応しうるハ
ロゲン化試薬(たとえばHBr、ハロゲン)を使用する
場合の極性またはイオン反応条件は、反応をルイス酸触
媒の存在で実施することによって確保される。しかし、
おのずから既に極性およびイオン反応しかつ自体ルイス
酸でないハロゲン化試薬を用いる反応の場合、たとえば
塩化水素との反応の場合、ルイス酸触媒の存在が有利で
ある。 ルイス酸触媒としては、ハロゲン化ポリカルボシランの
本発明による製造方法には、それ自体既に公知の求電子
性および触媒作用のある、元素ホウ素、アルミニウム、
リン、アンチモン、ヒ素、鉄、亜鉛またはスズとのハロ
ゲンの電子対受容体化合物が適当である。ルイス酸触媒
の例は、BF3、AlCl3、AlBr3、PCl5、
SbCl5、SbF3、ZnF2等のような化合物であ
る。方法b)のハロゲン化反応が行なわれる有機溶媒は
、ハロゲン化試薬および場合により存在するルイス酸触
媒と相溶性の、エダクトとして使用されるポリカルボシ
ランが可溶である任意の溶媒であってもよい。とくに、
この有機溶媒は本発明により製造されるポリカルボシラ
ンの溶剤でもある。適当な溶媒は、たとえば一方では、
ベンゾール、トルオール、キシロールまたはパラフィン
のような炭化水素であるか、他方では四塩化炭素、クロ
ロホルム、塩化メチレン、ジクロルエタン、フルオロク
ロル炭化水素、または水素含有フッ化塩化炭化水素のよ
うな完全または部分的にハロゲン化された炭化水素であ
ってもよい。有利には、反応後容易に蒸留によって再び
除去しうるような溶媒が使用される。この場合、溶媒の
量は、実際の要件により広い範囲内で変えることができ
る。
【0068】方法b)のハロゲン化反応は、便利にほぼ
室温の温度範囲内で実施することができる。さらに、反
応は一般に適当な保護ガス下に実施される。適当な保護
ガスはたとえば窒素またはアルゴンである。生成物のハ
ロゲン化度は、これらの反応においては、一方ではポリ
カルボシランエダクト中の交換可能な置換基(たとえば
フェニル)の数を規定することによるか、または他方で
は反応時間および/または供給されるハロゲン化試薬の
量を増加するかまたは減少することによって容易に制御
することができる。
【0069】反応は一般に、ガス状のハロゲン化試薬を
、場合により触媒量のルイス酸を含有するポリカルボシ
ランの無水溶液中へ導入するようにして行なわれる。 これとは異なり、たとえば酸性フッ化アルカリ、フッ化
アンモニウムまたはフッ化アンモニウム・HFの付加物
のような固体のハロゲン化試薬を使用する場合には、差
当りこれらのハロゲン化試薬を、場合によりルイス酸触
媒と一緒に、反応容器中にそのまま(たとえば粉末状)
または溶媒に懸濁して装入する。このためには、引き続
きエダクトポリカルボシランの溶液を滴加する。
【0070】反応が行なわれた後、反応混合物から適当
な方法によってハロゲン化ポリカルボシランを得ること
ができる。ハロゲン化ポリカルボシランが溶媒に可溶で
ある場合には、その他の不溶性成分、たとえば場合によ
り溶媒に懸濁させたルイス酸触媒を濾過によって分離す
ることができる。溶媒中に残留するハロゲン化ポリカル
ボシランは、その後場合によりさらに精製手段を行ない
、溶媒の除去により単離することができる。しかし、生
成したハロゲン化ポリカルボシランが溶媒に不溶である
場合には適当な他の溶媒によって溶解し、濾過によって
不溶分を分離し、溶媒の除去により単離することができ
る。次いで、単離した生成物は、なお付着している溶媒
残分を除去するために付加的に真空中で、場合により高
めた温度で処理(“乾燥”)することができる。
【0071】このb)の方法によれば、Si原子が単一
にハロゲン化された、従ってSi原子に1種だけのハロ
ゲン原子を有するポリカルボシランも、混合ハロゲン化
されたポリカルボシラン、つまりSi原子に種々のハロ
ゲン原子を有するかかるポリカルボシランも得ることが
できる。Si原子が単一にハロゲン化されたポリカルボ
シランはたとえば、出発化合物として上記種類の、Si
原子がハロゲン化されてないポリカルボシランを、唯1
種だけのハロゲン化剤と反応させることによって得られ
る。他面において、Si原子が混合ハロゲン化されたポ
リカルボシランも、Si原子がハロゲン化されていない
エダクトポリカルボシランから直接に、これを同時にた
とえば異なるハロゲン原子を有する2種のハロゲン化剤
と反応させることによって製造することができ;たとえ
ばHCl/HBrガス混合物を用いると塩素臭素含有ポ
リカルボシランを得ることができる。この場合、反応条
件は1種だけのハロゲン化試薬を用いる反応と類似であ
る。
【0072】さらに、Si原子が単一にハロゲン化され
たポリカルボシランを、Si原子が既に他のハロゲン原
子でハロゲン化されたポリカルボシランから出発して、
完全なハロゲン交換によって製造することが可能であり
;たとえばこうして塩素原子または臭素原子を、ポリカ
ルボシランのSi原子のフッ素原子と交換することがで
きる。これに反して、Si原子に部分的ハロゲン交換の
みを実施すれば、使用した、Si原子が単一にハロゲン
化されたポリカルボシランから生成物としてSi原子が
混合ハロゲン化されたポリカルボシランが得られ;たと
えばSi−塩素化されたポリカルボシランからSi−塩
素原子を部分的にフッ素原子と交換することによってS
i−塩素・フッ素含有ポリカルボシランを製造すること
ができる。さらに、混合Si−ハロゲン化されたポリカ
ルボシランを他の混合Si−ハロゲン化されたポリカル
ボシランに変換することも可能である。この場合、反応
は容易に、差当りSi−臭素原子のみが完全にフッ素原
子と交換され、これに対してSi−塩素原子はポリカル
ボシラン中に維持されるように制御することができる。 この場合、Si−ハロゲン交換反応の反応条件は上記に
Si−ハロゲン化反応に既述した条件と類似である。こ
のSi−ハロゲン交換によって、直接的には(つまりハ
ロゲン交換なし)極めて困難または不十分な収率でしか
製造できない、Si原子がハロゲン化されたかかるポリ
カルボシランを容易に得ることが可能である。Si原子
における他のハロゲン原子と交換されるべきハロゲン原
子としては、臭素原子がとくに有利に適当である。
【0073】このハロゲン交換にとくに適当なフッ素化
剤は、フッ化水素、フッ化アンモニウムまたはフッ化ア
ンモニウムに対するフッ化水素の付加物、酸性フッ化ア
ルカリおよびSbF3、AsF3、TiF4、SnF4
、CuF2、ZnF2等である。アンモニウム塩、たと
えばNH4F・(HF)n、NH4F・HFまたはNH
4Fが望ましく、それの使用の際には付加的なルイス酸
触媒は不要である。さらに、反応は容易に、エダクト中
に含まれているすべての塩素原子または臭素原子が、エ
ダクト中に含まれている全部の塩素原子または臭素原子
の一部だけが交換されるように実施することもできる。 さらに、塩素・臭素含有ポリカルボシランからたとえば
容易に臭素原子のみを、塩素の含有量を変えることなし
に、部分的または全部交換することができ;こうして臭
素をフッ素と完全に交換する場合には塩素・フッ素含有
ポリカルボシランが得られないしは臭素原子のたんに部
分的交換の場合には、同時にフッ素原子、塩素原子およ
び臭素原子を含有する、Si原子が混合ハロゲン化され
たポリカルボシランが得られる。厳格な反応条件下では
、ポリカルボシラン中に場合によりなお存在するアリー
ル置換基は完全にまたは部分的にフッ素原子によって交
換される。
【0074】本発明によるポリカルボシランは、定義さ
れる性質によってすぐれており、これらは分子量、架橋
の数および種類を意図的に変えることにより、基R1,
R2,R3およびR4、指数nおよびpを適当に選択す
ることにより、ならびにハロゲン原子の種類および含有
量によって定められる。Si−ハロゲン化されたポリカ
ルボシランの場合、殊にSi−フッ素化ポリカルボシラ
ンは、その予想外に大きい安定性に基づきすぐれており
、これによってこの化合物は多くの適用にとくに適当で
ある。反応性のSi・臭素含有生成物は殊に有利にはハ
ロゲン交換反応ならびに他の交換反応用エダクトとして
適当である。なかんずく部分的または完全にフッ素化さ
れた炭化水素架橋を有するポリカルボシランはとくに有
利な性質を有し、該ポリカルボシランはフッ素化度に依
存して、液状、粘稠および固体の生成物を生じる。同様
の有利な化学的および物理的性質は、Si−ハロゲン化
された、とくにSi−フッ素含有ポリカルボシランにお
いても達成される。
【0075】本発明によるポリカルボシラン、殊に架橋
および/またはSi−フッ素化されたポリカルボシラン
は、工業的に高価値の炭化ケイ素セラミックを製造する
ための有用な出発ポリマーであり、他面では種々の他の
工業的用途、たとえば結合材料または塗装材料として好
適である。他の適用可能性は、含浸物、繊維ならびにた
とえば作動油のような機能的液体および常用のポリカル
ボシランも使用されるその他の適用範囲に対する使用で
ある。
【0076】本発明による、殊に架橋および/またはS
i−フッ素化されたポリカルボシランを製造するための
本発明方法は、従来公知の方法とは異なり、意図的にか
つ正確に定義された、殊に炭化水素架橋においてフッ素
化され、場合によりSi−ハロゲン化された、各所望の
組成および稠度のポリカルボシランを製造することが可
能であることによってすぐれている。本発明によるポリ
カルボシランの性質は、この方法によって架橋フッ素化
ならびにSi−ハロゲン化の種類および程度を、意図的
にかつ簡単に変更することができる。これによって、目
的とする変更によってそのつどの使用目的に最適に適合
させることのできる多数の、殊に架橋フッ素化されたポ
リカルボシランを利用することができる。
【0077】次に、本発明を実施例につきさらに説明す
るが、本発明の範囲を制限するものではない。実施例に
含まれている部およびパーセント数値は、別記されてい
ない限り、重量%値であるものとする。すべての反応は
、標準的実験室装置中で実施された。製造された化合物
は元素分析および分光法(NMR=核共鳴分光:標準と
してTMSを用いる1H−NMR、標準としてCCl3
Fを用いる19F−NMR);IR=赤外分光;MS=
質量分光によって分析された。使用した略語は次のもの
を表わす:Ph=フェニル、Me=メチル、Vi=ビニ
ル、TMS=テトラメチルシラン。
【0078】
【実施例】例  1 ジフェニルジクロルシラン0.075モル(18.9g
;15.3ml)およびジフルオロジブロムメタン0.
075モル(15.75g;6.9ml)を、マグネシ
ウムリボン(あらかじめヨウ素で腐食した)3.9gを
有するジエチルエーテル100mlに溶かし、アルゴン
下にテトラヒドロフラン5〜10mlを滴加した。 反応が開始した後、テトラヒドロフランさらに30〜4
0mlを滴加し、溶媒の沸騰下に経過する発熱反応を、
溶媒の添加速度によって制御した。反応の終了後、得ら
れる反応混合物をなお15時間室温で撹拌した。引き続
き、反応混合物を塩化アンモニウム溶液に加え、四塩化
メタン250mlを加え、有機相を分離した。その後、
有機相を約300mlの水で洗浄し、引き続き溶媒を蒸
発させた。残留物を真空中110℃でなお2時間乾燥し
た。ポリジフェニルシリルジフルオロメチルカルボシラ
ン16.9gが帯赤色の粘稠な液体として得られる。こ
の物質の元素分析は、Si  10.6%の含有量を生
じた。1H−NMR分析:7.2ppm(フェニル)。 19F−NMR分析:−140ppm(CF2)。IR
分析(cm−1):3070、3040(C−H伸張振
動);1600、1500(C=C);1100〜10
00および840〜680(カルボシラン骨格振動);
CF2振動帯は骨格振動と重なる。
【0079】例2〜例9 例1と同様に、下記のポリカルボシランを、グリニヤー
ル重縮合により製造した。このために、ジクロルシラン
0.075モルをジブロム炭化水素0.075モルと反
応させた。本例で変換した量のジクロルシランは次のと
おりであった:ジフェニルジクロルシラン(Ph2Si
Cl2);メチルフェニルジクロルシラン(Ph2Si
Cl2);メチルフェニルジクロルシラン(MePhS
iCl2)14.3g;ジメチルジクロルシラン(Me
2SiCl2)9.6g;ビニルメチルジクロルシラン
(MeViSiCl2)10.5g;メチル水素ジクロ
ルシラン(MeHSiCl2)8.6g。ここで変換し
た量のジブロム炭化水素は次のとおりであった:1,2
−ジブロムテトラフルオロエタン(BrC2F4Br)
;ジブロムジフルオロメタン(CF2Br2)15.8
g。表1にまとめた結果が得られた。
【0080】例10 ジフェニルジクロルシラン0.075モル(18.9g
;15.3ml)および臭化ベンザル0.075モルを
、マグネシウムリボン(あらかじめヨウ素で腐食した)
3.9gを有するジエチルエーテル100mlに溶かし
、テトラヒドロフラン5〜10mlを滴加した。反応が
開始した後、さらに30〜40mlのテトラヒドロフラ
ンを滴加し、溶媒の沸騰下に経過する発熱反応を溶媒の
添加速度によって制御した。反応の終了後、得られた反
応混合物をなお15時間室温で撹拌した。引き続き、反
応混合物を塩化アンモニウム溶液に加え、テトラヒドロ
フラン250mlを加え、有機相を分離した。その後、
有機相を水約300mlで洗浄し、引き続き溶媒を蒸発
させた。残留物をなお2時間真空中110℃で乾燥した
。ポリカルボシラン17.1gが粘稠な赤褐色の固体と
して得られた。この物質の元素分析はSi  12.0
%;C  76.6%;H  6.1%の含有量を生じ
た。1H−NMR分析:7.2ppm(フェニル);3
.6(CH)。IR分析(cm−1):3070、30
40(C−H伸縮振動、フェニル);2960、293
0(C−H伸縮振動);1600、1500(C=C)
;1100〜1000および840〜680(カルボシ
ランの骨格振動)。
【0081】例11〜例19:例10と同様に、下記の
ポリカルボシランをグリニヤール・重縮合によって製造
した。このために、そのつどジクロルシラン0.075
モルをジブロム炭化水素0.075モルと反応させた。 これらの例で反応させたジクロルシラン量は次のとおり
であった:ジフェニルジクロルシラン(Ph2SiCl
2)18.9g;メチルフェニルジクロルシラン(Me
PhSiCl2)14.3g;ジメチルジクロルシラン
(Me2SiCl2)9.6g;ビニルメチルジクロル
シラン(MeViSiCl2)10.5g;メチル水素
ジクロルシラン(MeHSiCl2)8.6g。ここで
反応したジブロム炭化水素量は次のとおりであった:臭
化ベンザル(Br2CHPh)18.8g;ジブロムジ
フェニルメタン(Br2CPh2)24.6g。表2に
まとめた結果が得られた。
【0082】例20:例6からのポリ−メチルフェニル
シリル−テトラフルオロエチレン−カルボシラン(−S
iMePh−C2F4−)n  15gを無水ベンゾー
ル400mlに溶かし、臭化アルミニウム1.3gを加
えた。溶液に、室温で30時間にわたって臭化水素を導
通した。反応の終了後、臭化アルミニウムを濾別し、ベ
ンゾールを留去し、残留する固体を真空中100℃で乾
燥した。褐色の高粘性Br含有ポリカルボシラン12.
8gが得られた。この物質の元素分析で、Si23.5
%およびBr32.4%の含有量が得られた。1H−N
MR(ppm):0.5(CH3);7.2に非常に弱
い信号(交換しなかったフェニル基の僅かな残分)。
【0083】 19F−NMR(ppm):−126.7〜−136.
3(CF2)。
【0084】例21:フッ化アルミニウム(あらかじめ
真空中60℃で乾燥した)10gおよびクロロホルム1
00mlに、保護ガス下に、クロロホルム200ml中
の例20で得られた臭素化ポリカルボシラン6.3gの
溶液を室温で撹拌しながら保護ガス下に滴加した。2日
の反応時間後に、水75mlを加えた。引き続き、有機
相を分離し、濾過し、溶媒を蒸発し、残留する蒸発残分
を真空中最大80℃で乾燥した。褐色の粘稠なF含有ポ
リカルボシラン4gが得られた。この物質の元素分析で
Si  26.4%;C  27.6%;H  4.8
%;F  50.4%の含有量が得られた。1H−NM
R(ppm):0.5(CH3);7.2に極めて弱い
信号(残存するフェニル基の僅少分)。19F−NMR
(ppm):−128.0〜137.0(CF2)。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式I 【化1】 [式中R1は水素、アルキル、シクロアルキル、アリー
    ル、アリールアルキルまたはハロゲンを表わし、その際
    同一のポリカルボシランの種々の単位中のR1は異なる
    ものを表わすことができ、R2はアルキル、シクロアル
    キル、アリール、アリールアルキルまたはハロゲンを表
    わし、その際同一のポリカルボシランの種々の単位中の
    R2は異なるものを表わすことができ、R3はフッ素ま
    たはフェニルを表わし、その際同一のポリカルボシラン
    の種々の単位中のR3は異なるものを表わすことができ
    、R4は水素、フッ素またはフェニルを表わし、その際
    同一のポリカルボシランの種々の単位中のR4は異なる
    ものを表わすことができ、nはR3および/またはR4
    がフェニルを表わす場合には数1を表わし、R3がフッ
    素を表わし、R4が水素またはフッ素を表わす場合には
    1〜6の整数を表わし、その際nは同一のポリカルボシ
    ランの種々の単位中で異なるものを表わすことができ、
    pはnないし2n−1の整数を表わし、その際同一のポ
    リカルボシラン中の種々の単位中のpは異なるものを表
    わすこともできる]で示される構造単位を主体とするポ
    リカルボシラン。
  2. 【請求項2】  一般式Iで示される構造単位中、基R
    3およびR4のそれぞれおよび指数nおよびpがそのつ
    ど唯1つのものだけを表わすことを特徴とする、請求項
    1記載のポリカルボシラン。
  3. 【請求項3】  一般式Iで示される構造単位中、置換
    基R1およびR2のそれぞれがそのつど唯1つのものだ
    けを表わすことを特徴とする、請求項1または2記載の
    ポリカルボシラン。
  4. 【請求項4】  一般式Iで示される構造単位中、基R
    3がフェニルを表わし、n=1であり、他の基R1,R
    2およびR4および指数pは上記のものを表わすことを
    特徴とする、請求項1記載のポリカルボシラン。
  5. 【請求項5】  一般式Iで示される構造単位中、基R
    3がフッ素を表わし、基R4が水素またはフッ素を表わ
    し、他の基R1およびR2および指数nおよびpは上記
    のものを表わすことを特徴とする、請求項1記載のポリ
    カルボシラン。
  6. 【請求項6】  一般式Iで示される構造単位中、基R
    4がフッ素を表わすことを特徴とする、請求項5記載の
    ポリカルボシラン。
  7. 【請求項7】  nが1〜3の整数を表わすことを特徴
    とする、請求項5記載のポリカルボシラン。
  8. 【請求項8】  式Iで示される構造単位中、基R1が
    水素、低級アルキル、場合により不飽和の低級アルキル
    、フェニルまたはハロゲンを表わし、基R2は低級アル
    キル、場合により不飽和の低級アルキル、フェニルまた
    はハロゲンを表わすことを特徴とする、請求項5記載の
    ポリカルボシラン。
  9. 【請求項9】  低級アルキル、場合により不飽和の低
    級アルキルがメチル、エチル、プロピル、ブチルまたは
    ビニルであることを特徴とする請求項8記載のポリカル
    ボシラン。
  10. 【請求項10】  一般式Iで示される構造単位中、基
    R2がハロゲンを表わすことを特徴とする、請求項5記
    載のポリカルボシラン。
  11. 【請求項11】  一般式Iで示される構造単位中、基
    R1もハロゲンを表わすことを特徴とする、請求項10
    記載のポリカルボシラン。
  12. 【請求項12】  一般式Iで示される構造単位中、2
    つの基R1およびR2がフッ素を表わすことを特徴とす
    る、請求項10または11記載のポリカルボシラン。
  13. 【請求項13】  一般式IIおよび/またはIII【
    化2】 [式中Aは基CnR3pR42n−pを表わし、ここで
    基R3およびR4および指数nおよびpは上記のものを
    表わし、Rは水素またはアルキル、シクロアルキル、ア
    リールまたはアリールアルキルを表わす]で示される枝
    分れ基によって架橋されていることを特徴とする、請求
    項1から12までのいずれか1項記載のポリカルボシラ
    ン。
  14. 【請求項14】  末端基としてハロゲン、アルキル基
    、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール基
    、アルコキシル基またはヒドロキシル基を有することを
    特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載
    のポリカルボシラン。
  15. 【請求項15】  一般式Ia 【化3】 [式中R1aは水素、アルキル、シクロアルキル、アリ
    ールまたはアリールアルキルを表わし、その際同一のポ
    リカルボシランの種々の単位中のR1aは異なるものを
    表わすこともでき、R2aはアルキル、シクロアルキル
    、アリールまたはアリールアルキルを表わし、その際同
    一のポリカルボシランの種々の単位中のR2aは異なる
    ものを表わすこともでき、R3はフッ素またはフェニル
    を表わし、その際同一のポリカルボシランの種々の単位
    中のR3は異なるものを表わすこともでき、R4は水素
    、フッ素またはフェニルを表わし、その際同一のポリカ
    ルボシランの種々の単位中のR4は異なるものを表わす
    こともでき、nはR3および/またはR4がフェニルを
    表わす場合には数1を表わし、R3がフッ素を表わし、
    R4が水素またはフッ素を表わす場合には1〜6の整数
    を表わし、その際同一のポリカルボシランの種々の単位
    中のnは異なるものを表わすこともでき、pはn〜2n
    −1の整数を表わし、その際同一のポリカルボシランの
    種々の単位中のpは異なるものを表わすこともできる]
    で示される構造単位を主体とするポリカルボシランを製
    造するために、式IVで示されるジハロゲンシランを式
    Vで示されるジブロミド化合物 【化4】 [式中Xはハロゲン、塩素、臭素またはヨウ素、とくに
    塩素または臭素を表わし、R1a,R2a,R3,R4
    ,nおよびpは上記のものを表わす]と、金属マグネシ
    ウムを用いるグリニヤール重縮合反応で反応させること
    を特徴とする、請求項1記載のポリカルボシランの製造
    方法。
  16. 【請求項16】  式Ib 【化5】 [式中R1は水素、アルキル、シクロアルキル、アリー
    ル、アリールアルキルまたはハロゲンを表わし、その際
    同一のポリカルボシランの種々の単位中のR1は異なる
    ものを表わすこともでき、Halはハロゲン、とくに塩
    素、臭素またはフッ素を表わし、その際同一のポリカル
    ボシランの種々の単位中のHalは異なるものを表わす
    こともでき、R3,R4,nおよびpは上記のものを表
    わす]で示される構造単位を主体とするポリカルボシラ
    ンを製造するため、式Ic 【化6】 [式中R1’はR1と同じものを表わし、R3,R4,
    nおよびpは上記のものを表わす]で示される構造単位
    を主体とするポリカルボシランを、場合によりルイス酸
    の存在で、極性またはイオン反応条件下で少なくとも1
    種のハロゲン化試薬と、一般式Icで示される構造単位
    に含まれているフェニル置換基Phおよび場合により含
    まれている基R1’=Phが部分的または完全にハロゲ
    ン原子によって交換されるように反応させることを特徴
    とする、請求項1記載のポリカルボシランの製造方法。
  17. 【請求項17】  その後、ba)によりポリカルボシ
    ラン中へ導入されたハロゲンを、極性またはイオン反応
    条件下に、全部または部分的に他のハロゲン原子と交換
    することを特徴とする、請求項16記載の方法。
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