JPH04222409A - 被覆ワイヤの被覆除去装置 - Google Patents

被覆ワイヤの被覆除去装置

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JPH04222409A
JPH04222409A JP2404923A JP40492390A JPH04222409A JP H04222409 A JPH04222409 A JP H04222409A JP 2404923 A JP2404923 A JP 2404923A JP 40492390 A JP40492390 A JP 40492390A JP H04222409 A JPH04222409 A JP H04222409A
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wire
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electrode
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Yukiharu Akiyama
雪治 秋山
Setsuo Sekine
関根 節夫
Toshikane Yoshimatsu
吉松 稔兼
Masahiro Ueno
上野 政廣
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆ワイヤの被覆除去
技術に関し、特に、比較的厚い被覆が施された被覆ワイ
ヤの被覆除去に有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、半導体装置の組立工程におい
ては、所望の機能を有する半導体ペレット側のボンディ
ングパッド群と、パッケージ側のリード群とを、周知の
ワイヤボンディングによって電気的に接続することが行
われている。一方、半導体ペレットの高機能化および小
形化などの要請に呼応して、半導体ペレットのボンディ
ングパッド群およびパッケージ側のリード群の個々の寸
法および配置間隔などは微細化の一途を辿っている。こ
の対策として、これらを相互に接続するボンディングワ
イヤにおいても径寸法の微細化、経路間隔の狭小化が促
進され、個々のボンディングワイヤの強度低下に伴うワ
イヤ流れなどの変形や、隣接するボンディングワイヤ間
の短絡などの懸念が増大する。このため、ボンディング
ワイヤとして、所望の導体からなる芯線を樹脂などの絶
縁物で被覆し、短絡や細線化に伴う強度低下の防止が可
能な被覆ワイヤを用いることが考えられる。その場合、
ボンディング動作に先立って、被覆ワイヤのボンディン
グ予定部位に対応した被覆を除去することが必要となる
【0003】従来、このような被覆ワイヤの被覆除去技
術としては、たとえば、特開平2−146742号公報
に開示される技術が知られている。すなわち、一対の対
向電極間に被覆ワイヤを配置し、この対向電極を同電位
とした上で、両対向電極と被覆ワイヤの芯線との間に電
圧を印加して放電を行わせ、この放電によって発生する
熱で被覆を除去しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術の場合
、芯線と両電極との間における放電を開始させるために
は、芯線の被覆に絶縁破壊を生じさせることが必須とな
るため、被覆の厚さ寸法の増大とともに、放電に必要な
印加電圧を大きくせざるを得ない。
【0005】このため、たとえば、実用上安全な発生電
圧である3500v程度の電圧では、2μm程度以下の
厚さの被覆を有する被覆ワイヤに、その適用が限定され
るという問題がある。また、被覆に絶縁破壊を生じさせ
るべく、単に放電開始のための印加電圧を大きくしたの
では、放電時に芯線に作用するエネルギが過大となり、
芯線の溶損などが発生するという問題もある。
【0006】本発明の目的は、被覆ワイヤの被覆の厚さ
や絶縁耐圧の大小などに関係なく、比較的低い印加電圧
で、任意の厚さの被覆を安定に除去することが可能な被
覆ワイヤの被覆除去技術を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、芯線に損傷を与える
ことなく、任意の厚さの被覆の所定の範囲を安定かつ的
確に除去することが可能な被覆ワイヤの被覆除去技術を
提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、装置の小型化
および低廉化を実現することが可能な被覆ワイヤの被覆
除去技術を提供することにある。
【0009】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0011】すなわち、本発明になる被覆ワイヤの被覆
除去装置は、導体からなる芯線を絶縁物を用いて被覆し
てなる被覆ワイヤを介して対向する第1および第2の放
電電極と、被覆ワイヤおよび第1の放電電極および第2
の放電電極の少なくとも二者間に放電電圧を印加する放
電電源回路装置とを含み、放電電源回路装置は、第1の
放電電極と第2の放電電極との間における放電を開始さ
せるに充分な高電圧を発生する放電開始電圧発生部と、
第1および第2の放電電極間における第1の放電を制御
する第1の放電発生部と、芯線と、第1および第2の放
電電極の少なくとも一方との間における第2の放電を制
御する第2の放電発生部と、被覆ワイヤにおける被覆の
絶縁破壊を検出する検出手段と、第1および第2の放電
電極の少なくとも一方の電位を変更するスイッチ手段と
、これらを制御する制御部とを備えるようにしたもので
ある。
【0012】また、本発明になる被覆ワイヤの被覆除去
装置は、第1の放電は、第1および第2の放電電極間に
位置する被覆ワイヤの被覆の絶縁耐圧を低下させるに適
した放電条件で行われ、第2の放電は、被覆を安定に除
去するに適した放電条件で行われるように、第1および
第2の放電発生部を個別に制御するようにしたものであ
る。
【0013】また、本発明になる被覆ワイヤの被覆除去
装置は、検出手段が、第1の放電の最中に、被覆の絶縁
耐圧が次第に低下して、芯線と第1または第2の放電電
極との間で放電が開始される瞬間を、芯線に流れる電流
の大小に基づいて検出し、これを契機として、第1の放
電から第2の放電に切り換えるようにしたものである。
【0014】
【作用】上記した本発明の被覆ワイヤの被覆除去装置に
よれば、被覆ワイヤを挟んで対向する第1および第2の
放電電極の間で第1の放電を行い、この第1の放電によ
って被覆の絶縁破壊を発生させ、その後、第1および第
2の放電電極の少なくとも一方と芯線との間で行われる
第2の放電によって被覆の除去を行うことができる。す
なわち、被覆の絶縁破壊のための第1の放電の印加電圧
は、被覆の厚さ寸法の大小などに関わりなく、第1およ
び第2の放電電極の距離によって定まる最小の電圧で済
む。このため、被覆の厚さの増大とともに必要以上に印
加電圧を大きくすることなく、最小の電圧の印加によっ
て、被覆の絶縁破壊および除去を行うことが可能となる
。これにより、必要以上に高い放電電圧を必要としない
ので、放電電圧を発生する放電電源回路などの小型化お
よび低廉化を実現することができる。
【0015】また、第1の放電条件の第1の放電による
被覆の絶縁破壊を、芯線に流れる電流の大小に基づいて
検出し、これを契機として、被覆の除去に適した第2の
放電条件を有する第2の放電に切り換えることにより、
芯線の損傷などを生じることなく、所望の範囲の被覆を
安定かつ的確に除去することができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施
例である被覆ワイヤの被覆除去装置について詳細に説明
する。図1は、本実施例の被覆ワイヤの被覆除去装置の
構成の一例を示すブロック図であり、図2は、その一部
を取り出して示すブロック図、また図3〜図5は、その
作用の一例を示す説明図である。
【0017】一対の放電電極1と放電電極2との間には
被覆ワイヤ3が位置されている。放電電極1および2は
、たとえばステンレス系合金またはタングステン系合金
で構成されている。また放電電極1および2は、被覆ワ
イヤ3に直交する平面を境にして当該被覆ワイヤ3の長
さ方向に逸れた位置で対向しており、前記平面の位置に
おいて放電電極1の放電開始部1sおよび放電電極2の
放電開始部2sが最短距離をなして対峙している。一方
の放電電極2の上面には、被覆ワイヤ3の側に所望の寸
法だけ突出した電気絶縁体2aが設けられており、当該
放電電極2と被覆ワイヤ3とが直接的に接触することを
防止するとともに、後述のようにして、被覆の除去範囲
を制御する作用をなしている。
【0018】被覆ワイヤ3は、芯線3aと、これを覆う
被覆3bとで構成されている。芯線3aは、たとえば直
径50μm程度の銅線からなり、また、被覆3bは、た
とえば、厚さ5μm程度のポリウレタンを主成分とする
変性ポリウレタンで構成されている。被覆ワイヤ3の後
端部3cは、芯線3aが露出した状態となっており、放
電電極1および2とともに、放電電源回路装置5に接続
されている。
【0019】一方、放電電源回路装置5は、放電開始電
圧発生部5b、第1の放電発生部5c、第2の放電発生
部5dの三つの高電圧発生部と、電流検出部5e、スイ
ッチ5fと、これらを制御する制御部5aを含んでいる
【0020】この場合、芯線3aは、電流検出部5eを
介して、放電開始電圧発生部5b、第1の放電発生部5
c、第2の放電発生部5dの正極に接続されており、ま
た、放電電極1は、スイッチ5fを介して、放電開始電
圧発生部5b、第1の放電発生部5c、第2の放電発生
部5dの各々の正極に接続されている。また被覆ワイヤ
3を介して放電電極1と対向する放電電極2は、放電開
始電圧発生部5b、第1の放電発生部5c、第2の放電
発生部5dの各々の負極に接続されている。
【0021】すなわち、放電に際して、被覆3bの絶縁
が破れ、正極側に接続される芯線3aと、負極側に接続
される放電電極2との間に電流が流れると、この電流は
電流検出部5eによって検出され、これにより、被覆3
bの絶縁破壊発生が検出されるように構成されている。 また、スイッチ5fを閉じる(ONする)ことによって
被覆ワイヤ3の芯線3aと、放電電極1とは同電位とな
るように構成されている。
【0022】次に本実施例における被覆ワイヤの被覆除
去方法の作用の一例を説明する。
【0023】たとえば、図示しない外部の制御機構など
から、放電開始命令を放電電源回路装置5の制御部5a
が受けると、当該制御部5aは、まず、スイッチ5fを
閉じ、放電電極1を、芯線3aとともに正極に接続した
上で、放電開始電圧発生部5bを作動させる。この際に
、放電開始電圧発生部5bから放電電極1と2の間に印
加される電圧を、たとえば3500Vとし、放電電極1
および2の各々の放電開始部1sおよび放電開始部2s
の間隙を1.0mm以下にすることにより、放電開始部
1sと放電開始部2sの間で空気の絶縁破壊による放電
が可能である。そして、放電開始部1sと放電開始部2
sの間で放電が開始されさると、1s−2s両端の電圧
は、500V程度まで自然降下する。なお、この時、芯
線3aと放電電極2との間にも放電開始電圧発生部5b
からの高電圧が印加されることになるが、両者の間には
厚さが5μm程度の被覆3bが存在するので、前述の3
500V程度の電圧では当該被覆3bの絶縁破壊は生じ
ない。
【0024】続いて、制御部5aは、放電電極1および
2の1s−2s間の電圧降下の検出信号などに基づいて
、放電開始電圧発生部5bから第1の放電発生部5cに
切り換える。
【0025】上記のような一連の放電完了後、所定の無
放電時間をおいて、さらに、再度放電を開始させるべく
、制御部5aは、放電開始電圧発生部5bおよび第1の
放電発生部5cを引き続いて起動し、上記一連の放電を
繰り返し発生させる。この際、放電は、図3に示される
ように、放電の発生経路は、放電電極1と2の間に位置
する被覆ワイヤ3の表面を経由して行われるという物理
的な性質があるために、放電によって発生する熱などの
エネルギは効率良く被覆ワイヤ3に伝えられ、当該被覆
ワイヤ3の被覆3bの加熱を効果的に行うことができる
【0026】この加熱によって、図4に示されるように
、被覆ワイヤ3には、芯線3aの露出部3dが形成され
、この露出部3dの形成によって、被覆3bの絶縁は破
れ、露出部3dを通じて、芯線3aと放電電極2との間
でも放電が開始され、芯線3aに電流が流れ込むように
なる。
【0027】この芯線3aに流れ込む電流は、放電電源
回路装置5の内部の電流検出部5eによって検出される
【0028】図2は、電流検出部5eの構成の一例を示
したものである。電流検出部5eは、芯線3aと、放電
開始電圧発生部5b,第1の放電発生部5c,第2の放
電発生部5dとの接続回路に直列に挿入された、たとえ
ば100Ωの抵抗素子5e1と、この抵抗素子5e1の
両端の電圧降下Vを測定する検出端子5e2,検出端子
5e3によって構成されている。そして、第1の放電中
、芯線3aが露出しない間は、当該芯線3aには電流が
流れないので、検出端子5e2と検出端子5e3との間
の電圧降下V=0(V)である。これに対して、第1の
放電中、芯線3aの露出部3dが形成されると、たとえ
ば、放電電流Iとして20(mA)を設定している場合
は、検出端子5e2と検出端子5e3との間の電圧降下
V=2(V)となる。このように、抵抗素子5e1の両
端の検出端子5e2と検出端子5e3との間の電圧変化
を検出することによって、被覆3bにおける絶縁破壊の
発生の有無を正確に判定することができる。
【0029】これにより、制御部5aは、上述のような
、放電開始電圧発生部5bおよび第1の放電発生部5c
による一連の第1の放電中における、被覆3bの絶縁破
壊の発生を、電流検出部5eを介して検知でき、この被
覆3bの絶縁破壊の検知を契機として、放電開始電圧発
生部5bおよび第2の放電発生部5dの組み合わせによ
る後述のような第2の放電に切り換える。
【0030】この第2の放電においては、前記第1の放
電の場合よりも、電流値を小さくすることにより、芯線
3aの損傷などを生じることなく、安定した被覆3bの
除去が行われる。
【0031】なお、放電開始電圧発生部5bおよび第1
の放電発生部5cの組み合わせによる第1の放電から、
放電開始電圧発生部5bおよび第2の放電発生部5dの
組み合わせによる第2の放電への切り換えに際して、ス
イッチ5fを開(OFF)として、放電電極1を放電電
源回路装置5から切り離すことにより、図5に示される
ように、他の放電電極2と芯線3aとの間だけで確実に
放電が行われるようにしてもよい。
【0032】このように、本実施例の被覆ワイヤの被覆
除去装置によれば、上述の第1の放電および第2の放電
によって、被覆ワイヤ3の被覆3bを、放電電極2の上
部に付設された電気絶縁体2aの位置まで安定して行え
る。
【0033】なお、被覆ワイヤ3の芯線3aの露出部3
dの長さL1を適宜制御するために、被覆ワイヤ3の長
さ方向に沿う放電電極2の寸法L2を適宜、所望の値に
設定したり、放電中に、被覆ワイヤ3と放電電極2とを
被覆ワイヤ3の長さ方向に相対的に移動させるようにし
てもよい。
【0034】また、第1および第2の放電条件としては
、上述の説明において例示したものに限らず、放電電極
1と2の間隙、および被覆ワイヤ3の被覆3bの厚さ、
さらには、露出部3dの所要長さに応じて、所望の値に
設定してもよいことは言うまでもない。
【0035】また、上述の説明では、第1の放電および
第2の放電の何れにおいても、パルス放電を繰り返す場
合について説明したが、これに限らず、いずれか一方ま
たは、双方において連続放電を行うようにしてもよいこ
とは言うまでもない。
【0036】次に、図8〜図13を参照しながら、上述
の説明における放電電源回路装置5を実現するための具
体的な回路構成の一例を説明する。
【0037】図8は、放電電源回路装置5の全体を示す
ブロック図であり、図9〜図11は、その各部の詳細構
成例を示している。なお、図9〜図11において、■〜
■の符号は、各図間の配線の接続関係を示している。
【0038】同図に示されるように、放電電源回路装置
5は、複数の第1電源500aおよび第2電源500b
からなる。第1電源500aは、絶縁トランス部501
(T1)、整流回路部502(図9中のD1,D2,D
3,D4,R1,C1,C2,R2,R3)、高電圧発
生部503(図9中のQB,R6,PC1,R4,D8
,T11,D9,C5)、定電流制御部504(図9中
のQ2,R9,TL,VR3,R8,R7,QA,PC
2)、タイマ回路部505(図11中のR20,PC3
,R19,IC2,IC1,R18,C12,VR1,
R21)、遅延回路部506(図10中のIC4,VR
2,C7,R16,C8,R11,Q3)、電流検出回
路部507(図10中のR14,Z11,R12,R1
3,OP1,R15,C6,IC2)、の各部を含んで
いる。またR11(5e1)は電流検出部5eの一部を
構成する抵抗素子であり、D10,DXは第1電源50
0aおよび第2電源500bを共通に放電電極1および
2に接続する際に互いに他方からの高電圧が印加される
ことを阻止するための保護用ダイオードである。
【0039】また、第2電源500bは、主要部の構成
は第1電源500aと同様であるが、遅延回路部506
および電流検出回路部507が省略されている点が異な
っている。
【0040】以下、図8〜図11に示した回路構成の第
1電源500aおよび第2電源500bの作用の一例を
説明する。
【0041】商用AC入力電圧を、絶縁トランス部50
1を通して昇圧し、整流回路部502で直流電圧に変換
する。
【0042】そして、外部の図示しない上位制御装置な
どから第1電源500aのタイマ回路部505に放電開
始用信号(入力トリガー)が加えられると、タイマIC
(IC1)が動作し、出力QをHIGHレベルとする。 この出力Qの一部は、微分回路(C11,R24,D1
1)および波形整形IC(IC2)を通して高電圧発生
用のトリガーを作り出し、ホトカプラーPC1を介して
、高電圧発生部503のスイッチング素子QBのトリガ
ー電圧として加えられる。
【0043】また、前記出力Qの一部は、ホトカプラー
PC2に加えられ、定電流制御部504の主電流制御素
子QAをON状態にする。
【0044】この時点で、電源出力端(A−CまたはB
−C間)の電圧は、ほぼ整流電圧VCとなり、放電電極
1−放電電極2間、および放電電極2−被覆ワイヤ3間
にもこの整流電圧VCが印加される。なお、放電電極1
−2間の距離d1,放電電極2−被覆ワイヤ3間の距離
d2の関係は、d1>d2であるが、被覆ワイヤ3の被
覆3bの絶縁作用のため、初期放電は、放電電極1−2
間で発生する。
【0045】この整流電圧VCにより、放電電極1−2
間に放電が開始されない場合は、高電圧発生部503に
おいて発生する電圧が、当該VCに加算されて、放電電
極1−2間および放電電極2−被覆ワイヤ3間に印加さ
れる電圧を上昇させて行く。
【0046】この電圧により、放電電極1−2間で初期
放電が行われ、導通状態となり、主電流がQAを通して
流れる(E→B→放電電極1−2間→C→QA→D)。 この時、定電流制御部504の作用によって、当該放電
における電流値は一定に制御され、発生する放電エネル
ギは一定となる。すなわち、Q2,TL,R9,VR3
,R8の定電圧回路により作られた電圧をVE,QA(
MOS−FET)のゲート・ソース間の電圧をVGSと
すると、R7にはVE−VGSの電圧が印加されVGS
はほぼ一定の値(たとえば4V程度)となるので、出力
電流は、(VE−VGS)/R7となり、定電流となる
。なお、QAは電流制御素子のトランジスタを用いても
よい。VEの値は、VR3により任意に設定できる。 また、放電電極1,2は、第1電源500a(第2電源
500b)側では、B,C間に接続されているので、当
該放電電極1−2間で放電が行われても電流検出抵抗R
11(5e1)に電流は流れない。
【0047】こうして、放電電極1−2間の放電エネル
ギにより、被覆ワイヤ3の被覆3bは劣化していく。所
定の時間の経過によってタイマがセットアップすると、
IC1の出力QがLOWレベルとなりQAをOFFさせ
放電を停止させる。タイマのセットアップ時間はVR1
により、所望の値に設定可能である。
【0048】上記動作を繰り返すことにより、いつか、
被覆ワイヤ3の被覆3bの絶縁が破れ、初期放電が放電
電極2−被覆ワイヤ3(芯線3a)間で行われ、主電流
が、E→R11→A→被覆ワイヤ3→放電電極2→C→
QA→Dと流れ、電流検出抵抗R11(5e1)に電圧
が発生する。
【0049】このR11に発生した電圧を、電流検出回
路部507において検出し、コンパレータIC(OP1
)でパルスを作り、遅延回路部506を通してタイマI
Cのリセット入力に加えて、強制的にタイマ動作を停止
させ放電を終わらせる。また、当該遅延回路506から
出力されるパルスは、PC4を介して検出信号として、
外部の図示しない上位制御装置などに出力される。
【0050】なお、被覆ワイヤ3に電流が流れた瞬間に
タイマICをリセットしたのでは、被覆3bの剥離が少
なく(ピンホール)なる懸念があるため、ある程度電流
を流し、剥離領域を広げる目的で、この遅延回路部50
6が設けられており、遅延時間は、VR2で調整される
。このような、遅延回路部506の作用により、被覆3
bの剥離領域をある程度広くすることで、次の第2電源
500bによる放電が容易になる。
【0051】外部の図示しない上位制御装置では、遅延
回路部506からのパルスによる検出信号の到来を契機
として、第2電源500bにのみ、次の放電開始信号を
送り、被覆ワイヤ3−放電電極2間に、たとえば、前記
第1電源500aの場合よりも弱い放電を発生させ、芯
線3aなどを損傷することなく被覆3bを除去していく
【0052】このような、第1電源500a,第2電源
500bの一連の動作のタイムチャートを図12に例示
する。
【0053】なお、上述の説明では、複数の第1電源5
00aおよび第2電源500bによって放電電源回路装
置5を構成しているが、これに限らず、図13に例示し
たように、リレー回路RL1−1〜リレー回路RL1−
3を設けることにより、1台の電源500によって、同
様の動作を実現することができる。
【0054】すなわち、図13の回路において、リレー
回路RL1−1は、異なる抵抗値がセットされているV
R1およびVR2のタイマに対する接続を切り換えるこ
とによって、当該タイマにおけるセットアップ時間を異
なる値に外部から切り換え可能にする動作を行う。また
、リレー回路RL1−2は、放電電極2と、放電電極1
または被覆ワイヤ3の芯線3aとの間における放電の強
弱を切り換える動作を行い、リレー回路RL1−3は、
放電電極1を芯線3aと同電位にするか、あるいは電源
から切り離す動作を行う。
【0055】そして、全体の作用としては、まず、リレ
ー切り換え信号によって、リレー回路RL1−1〜リレ
ー回路RL1−3の全ての接点をb側にセットする。
【0056】そして、入力トリガーを与えて放電電極1
−2間で放電を行わせる。
【0057】被覆ワイヤ3の側に電流が流れたことを検
知した時点で、リレー回路RL1−1〜リレー回路RL
1−3の接点をa側に切り換える。
【0058】再度、入力トリガーを与えて放電電極2と
芯線3aとの間で放電を行わせ、被覆3の除去を遂行す
る。
【0059】この一連の動作により、1台の電源で、本
発明の被覆ワイヤの被覆除去方法に必要な、異なる放電
条件を実現することができる。
【0060】次に、本発明の他の実施例である被覆ワイ
ヤの被覆除去方法について図6〜図7を参照しながら説
明する。この実施例の場合には、放電電極6と放電電極
7との間に被覆ワイヤ3を位置させている。
【0061】本実施例の場合、被覆ワイヤ3の芯線3a
は、たとえば直径30μmの金線からなり、被覆3bは
、たとえば、厚さ3μmのポリビニルホルマール(以後
、ホルマールと呼ぶ)を主成分とする変性ホルマール樹
脂で構成されている。
【0062】また、放電電極6および7は、各々の電極
本体6b,電極本体7bの、被覆ワイヤ3の長さ方向に
おける両端面に、電気絶縁体6a,電気絶縁体6cおよ
び電気絶縁体7a,電気絶縁体7cがそれぞれ突設され
ており、被覆ワイヤ3が、放電電極6および7のいずれ
の電極本体6b,7bにも直接に接触しない構造となっ
ている。
【0063】また、本実施例の場合、放電電源回路装置
5は、前述の実施例の場合における図5とほぼ同様の構
成であるが、スイッチ5gの作用が前記スイッチ5fと
異なっている。
【0064】すなわち、本実施例のスイッチ5gは、図
6に示されるように、放電開始電圧発生部5b,第1の
放電発生部5c,第2の放電発生部5dの正極および負
極にそれぞれ接続される接点P1および接点P2を備え
ており、一方の放電電極6の接続が、被覆ワイヤ3の芯
線3aと同じ正極側(接点P1)、および他の放電電極
7と同じ負極側(接点P2)に、随時、任意に切り換え
可能な構造となっている。
【0065】放電の制御方法も前記図1の実施例の場合
に準じて行うことができる。最初の第1の放電の開始に
際して、スイッチ5gは、接点P1の側に接続され、放
電電極6は、芯線3aと同じ正極に接続されて同電位と
なっている。
【0066】この状態で、放電開始電圧発生部5bおよ
び第1の放電発生部5cにより、放電電極6と7との間
で第1の放電を行わせる。この第1の放電の継続中に、
当該放電の熱エネルギなどによって被覆3bに露出部3
dが形成されると、絶縁破壊によって放電は、芯線3a
と放電電極7との間でも行われるようになる。そして、
電流検出部5eによる、この絶縁破壊の検出を契機に、
制御部5aは、スイッチ5gを接点P2側に切り換え、
放電電極6を、放電電極7と同じ負極に同電位となるよ
うに接続する。その後、放電開始電圧発生部5bおよび
第2の放電発生部5dの組み合わせを起動することによ
って図7に示されるように放電電極6および7と、芯線
3aの露出部3dとの間で第2の放電を行う。
【0067】これにより、第2の放電条件に基づく、放
電エネルギの大小に応じた長さの芯線3aの露出部3d
が形成される。
【0068】なお、第2の放電中において、放電電極6
および7に対して、被覆ワイヤ3を長さ方向に相対的に
移動させることにより、被覆ワイヤ3の芯線3aの露出
部3dの長さを所望の値に制御するようにしてもよい。
【0069】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。
【0070】たとえば、本発明の被覆ワイヤの被覆除去
方法を実現するための装置構成としては、前述の各実施
例に例示したものに限らず、同様の機能を実現できるも
のであれば、他の構成であってもよい。
【0071】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0072】すなわち、本発明になる被覆ワイヤの被覆
除去装置によれば、被覆ワイヤの被覆の厚さや絶縁耐圧
の大小などに関係なく、比較的低い印加電圧で、任意の
厚さの被覆を安定に除去することができるという効果が
得られる。また、任意の厚さの被覆の所定の範囲を安定
かつ的確に除去することができるという効果が得られる
【0073】また、放電電源回路の小型化および低廉化
を実現することができるという効果が得られる。
【0074】また、被覆ワイヤの被覆の絶縁破壊を検出
することによって、被覆の絶縁破壊のための第1および
第2の放電電極間の放電と、絶縁破壊以後の被覆除去の
ための放電とを独立に制御するので、精度良くかつ効率
のよい放電を行わせることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である被覆ワイヤの被覆除去
装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例である被覆ワイヤの被覆除去
装置の一部を取り出して示す説明図である。
【図3】本発明の一実施例である被覆ワイヤの被覆除去
装置の作用の一例を示す略断面図である。
【図4】本発明の一実施例である被覆ワイヤの被覆除去
装置の作用の一例を示す略断面図である。
【図5】本発明の一実施例である被覆ワイヤの被覆除去
装置の作用の一例を示す略断面図である。
【図6】本発明の他の実施例である被覆ワイヤの被覆除
去装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の他の実施例である被覆ワイヤの被覆除
去装置の作用の一例を示す略断面図である。
【図8】本発明の実施例である被覆ワイヤの被覆除去方
法を実現する電源回路構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図9】本発明の実施例である被覆ワイヤの被覆除去方
法を実現する電源回路構成の各部の詳細の一例を示すブ
ロック図である。
【図10】本発明の実施例である被覆ワイヤの被覆除去
方法を実現する電源回路構成の各部の詳細の一例を示す
ブロック図である。
【図11】本発明の実施例である被覆ワイヤの被覆除去
方法を実現する電源回路構成の各部の詳細の一例を示す
ブロック図である。
【図12】本発明の実施例である被覆ワイヤの被覆除去
方法を実現する電源回路の作用の一例を示すタイミング
チャートである。
【図13】本発明の実施例である被覆ワイヤの被覆除去
方法を実現する電源回路構成の一例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1  放電電極 1s  放電開始部 2  放電電極 2a  電気絶縁体 2s  放電開始部 3  被覆ワイヤ 3a  芯線 3b  被覆 3c  後端部 3d  露出部 5  放電電源回路装置 5a  制御部 5b  放電開始電圧発生部 5c  第1の放電発生部 5d  第2の放電発生部 5e  電流検出部 5e1  抵抗素子 5e2  検出端子 5e3  検出端子 5f  スイッチ 5g  スイッチ 6  放電電極 6a  電気絶縁体 6b  電極本体 6c  電気絶縁体 7  放電電極 7a  電気絶縁体 7b  電極本体 7c  電気絶縁体 P1  接点 P2  接点 500  電源 500a  第1電源 500b  第2電源 501  絶縁トランス部 502  整流回路部 503  高電圧発生部 504  定電流制御部 505  タイマ回路部 506  遅延回路部 507  電流検出回路部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  導体からなる芯線を絶縁物を用いて被
    覆してなる被覆ワイヤを介して対向する第1および第2
    の放電電極と、前記被覆ワイヤおよび第1の放電電極お
    よび第2の放電電極の少なくとも二者間に放電電圧を印
    加する放電電源回路装置とを含み、前記放電電源回路装
    置は、前記第1の放電電極と第2の放電電極との間にお
    ける放電を開始させるに充分な高電圧を発生する放電開
    始電圧発生部と、前記第1および第2の放電電極間にお
    ける第1の放電を制御する第1の放電発生部と、前記芯
    線と、前記第1および第2の放電電極の少なくとも一方
    との間における第2の放電を制御する第2の放電発生部
    と、前記被覆ワイヤにおける前記被覆の絶縁破壊を検出
    する検出手段と、前記第1および第2の放電電極の少な
    くとも一方の電位を変更するスイッチ手段と、これらを
    制御する制御部とを備えたことを特徴とする被覆ワイヤ
    の被覆除去装置。
  2. 【請求項2】  前記第1の放電は、前記第1および第
    2の放電電極間に位置する前記被覆ワイヤの前記被覆の
    絶縁耐圧を低下させるに適した放電条件で行われ、前記
    第2の放電は、前記被覆を安定に除去するに適した放電
    条件で行われるように、前記第1および第2の放電発生
    部を個別に制御することを特徴とする請求項1記載の被
    覆ワイヤの被覆除去装置。
  3. 【請求項3】  前記検出手段は、前記第1の放電の最
    中に、前記被覆の絶縁耐圧が次第に低下して、前記芯線
    と前記第1または第2の放電電極との間で放電が開始さ
    れる瞬間を、前記芯線に流れる電流の大小に基づいて検
    出し、これを契機として、前記第1の放電から前記第2
    の放電に切り換えることを特徴とする請求項1または2
    記載の被覆ワイヤの被覆除去装置。
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