JPH0421915Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は小便器の改良に関し、詳しくは小便
の飛散を有効に防止し得る小便器に関するもので
ある。

（従来技術及びその問題点） 従来、小便器を構成する後部壁面は垂直板面状
に形成されており、前方より小便が成された場
合、この後部壁面に小便が衝突して飛散され、時
として飛散した小便が前方側へ跳ね返る場合があ
り、小便器の使用上不快感を生ずるという問題点
があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記従来の問題点に鑑み案出したもの
であつて、小便の飛散を有効に防止し得る小便器
を提供せんことを目的とし、その要旨は、小便器
の鉢面の後方には、後方へ弯出した球面部が形成
され、該球面部の上端から上方へ傾斜状に延びる
背面後壁が一体形成され、該背面後壁の前方には
該背面後壁との間で水路を形成する背面前壁が並
設され、該背面前壁の下端には、前記水路を流下
する洗浄水を前記球面部側へガイドするための後
方へ突出した洗浄水ガイド片が一体形成されてい
ることである。

（作用） 小便器の鉢面の後方には弯出状に球面部が形成
されているため、前方より小便をする時に小便が
球面に衝突し球面部内で拡散されるため小便が前
方側に飛散することがなく、小便の飛散が球面部
により良好に防止される。又、球面部は水路を通
しかつガイド片にガイドされて流下する洗浄水に
より良好に洗浄される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は小便器の斜視図を示し、第２図はその
縦断面図を示す。

図において、小便器１には、側面壁２ａ，２ｂ
の下部部位に一体状に前方に突出した前凸部３が
形成されており、この前凸部３から後方側に下傾
状に鉢面４が形成され、鉢面４の下端部には下方
に突出状にＵ字状のトラツプ部５が形成され、さ
らにトラツプ部５は部屋壁面Ｗ側に開口した排水
口Ｈに連通されている。排水口Ｈは部屋壁面Ｗに
配管された図示しない排水管等に接続されるもの
である。

又、部屋壁面Ｗに固設される小便器１の後部部
位には背面前壁６が形成されており、背面前壁６
の後方に更に背面後壁７が形成され、背面前壁６
と背面後壁７間にて水路Ｓが形成されており、背
面前壁６の下端部には水路Ｓ内を流下する洗浄水
をガイドするための後方側に突出した洗浄水ガイ
ド片６ａが一体形成されている。さらに本例にお
いては、背面後壁７の下端部に背面後壁７と一体
状に後方に弯出した球面部８が形成されており、
この球面部８の下端部は前記トラツプ部５に臨ま
れている。この球面部８は小便器１が部屋壁面Ｗ
に固設された時に、部屋壁面Ｗにほぼ当接する位
置まで後方側に弯出されたものであり、この球面
部８と前記鉢面４にて小便器１の下方部位に球状
の小便室が形成されている。

小便をする者が前記前凸部３の前方側に立ち球
面部８に向かつて小便をすると、球面部８に衝突
した小便は球面部８内で拡散し、小便が前方側に
飛散されることなく球面部８内にて良好に吸収さ
れ、前方側への小便の飛散が良好に防止される。

尚、本例においては水路Ｓが形成されているた
め、この水路Ｓ内を流下する洗浄水Ｃは、前記洗
浄水ガイド片６ａにガイドされて球面部８の壁面
に沿つて流れ、トラツプ部５に流下されるもの
で、球面部８を常に清潔に保持することができ
る。尚、従来と同様に前凸部３から流出される洗
浄水Ａは鉢面４の壁面に沿つてトラツプ部５に流
下され、さらに背面前壁６の前面側に上方より流
下される洗浄水Ｂは背面前壁６を良好に洗浄する
ことができる。

尚、本例においては球面部８は小便器１の後部
壁面を構成する背面後壁７に後方に弯出状に形成
されたものであるが、前記小便器１を構成する側
面壁２ａ，２ｂ側にも外方に弯出する球面部を形
成してもよく、そのように形成すれば小便器１の
下部部位をほぼ完全な球状の小便室とすることが
でき、より有効に小便の飛散を防止できるもので
ある。

尚、本例においては部屋壁面Ｗに固設される壁
設置用の小便器を例示したが、他の形式の小便器
にも同様に、このような小便飛散防止用の球面部
８を形成させることができるものであり、又、こ
のような球面部８を形成した小便器はデザイン的
にも斬新性を有するため、トイレ内の柔らかな雰
囲気を演出させることができるものである。

（考案の効果） 本考案は、小便器の鉢面の後方には、後方へ弯
出した球面部が形成され、該球面部の上端から上
方へ傾斜状に延びる背面後壁が一体形成され、該
背面後壁の前方には該背面後壁との間で水路を形
成する背面前壁が並設され、該背面前壁の下端に
は、前記水路を流下する洗浄水を前記球面部側へ
ガイドするための後方へ突出した洗浄水ガイド片
が一体形成されていることにより、球面部内にお
いて小便が良好に拡散され、小便器の前方側に小
便が飛散することがなく小便器の使用状態が良好
なものとなり、トイレ内を清潔に維持することが
できる。又、水路及びガイド片を通して洗浄水が
良好に球面部に沿つて流れ落ち、球面部を常に清
潔に保持することができ、又、球面部等によりト
イレ内に設置された場合のデザイン的な美観を良
好なものとし得る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は小便器
の全体斜視図、第２図は第１図の縦断面図であ
る。 １……小便器、２ａ，２ｂ……側面壁、３……
前凸部、４……鉢面、５……トラツプ部、６……
背面前壁、７……背面後壁、８……球面部、Ｓ…
…水路、Ａ，Ｂ，Ｃ……洗浄水。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小便器の鉢面４の後方には、後方へ弯出した球
   面部８が形成され、該球面部８の上端から上方へ
   傾斜状に延びる背面後壁７が一体形成され、該背
   面後壁７の前方には該背面後壁７との間で水路Ｓ
   を形成する背面前壁６が並設され、該背面前壁６
   の下端には、前記水路Ｓを流下する洗浄水を前記
   球面部８側へガイドするための後方へ突出した洗
   浄水ガイド片６ａが一体形成されていることを特
   徴とする小便器。