JPH0421903Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は芳香洗浄器に関する。

従来、貯水式水洗トイレの貯水タンクのインタ
ンククリーナーとして、貯水タンク内の水中に浸
漬して用いる形式のものと、貯水タンクの手洗い
部に載置して用いる形式のものが提案されている
が、前者のものは使用もしくは交換の都度重い貯
水槽の上蓋を開閉せねばならずその取扱いが煩雑
であり、更に貯水使用のインターバルが長いと芳
香洗浄剤の水中での浸漬溶出が多くなつて高濃度
となり、逆の場合は低濃度となつて溶出濃度の変
動が大き過ぎ実用水準を逸脱してしまい、かつ貯
水槽中に浸漬しているため芳香が充分に発現しな
いなどの欠点があつた。又後者のものは、使用す
るうちに芳香洗浄剤が水分を徐々に吸収して膨潤
し、やわらかくなり、遂には流出して手洗い部を
汚す欠点があり、特にこの傾向は、香料の含有量
が多く芳香機能の優れたもの程顕著であつた。こ
のような流出による汚染の問題は、香料の含有量
を低く抑えることによりある程度防止できるが、
このようにすると芳香機能が減退し、好ましい解
決策でない。

本考案はこのような従来の問題を一掃すること
を目的としてなされたもので、即ち本考案は、貯
水タンク式水洗トイレの貯水タンクの上蓋手洗い
部にセツトされて、放水タツプより定量の水が放
水されるごとに、この放水と芳香洗浄剤とを接触
させ芳香洗浄剤を該放水中に溶出させることによ
り、トイレの自動芳香洗浄を行なう形式の芳香洗
浄器において、上端開口が布帛（不織布を含む）
により閉鎖された固形芳香洗浄剤入り容器と、該
容器を収容する器体とからなり、該器体は左右対
称の断面形状を有すると共に上面及び下面が通水
可能に形成され、該器体の対向する側部の中央よ
り上部と下部との相対する位置に軸受け部がそれ
ぞれ設けられ、上記容器の一側部の低部と他側部
の高部とにそれぞれ設けられた外方突出の係架用
軸部が前記軸受け部に軸架されて、上記容器の上
端開口が上記器体内で傾斜状態となることを特徴
とする芳香洗浄器に係る。

本考案による芳香洗浄器は貯水タンクの水洗い
部に載置して使用する形式であるので、使用が著
るしく簡便であるのみならず芳香洗浄剤を手洗い
水の放水ごとに常に一定量ずつ溶出でき、従つて
インターバルの長短とは無関係に常に一定濃度の
もとに使用でき、しかも芳香洗浄剤入り容器の上
端開口ひいては該容器内充填の芳香洗浄剤の水接
触面は、布帛により閉じられているので、下記の
水切り促進手段の適用と相俟ち芳香洗浄剤が流出
する虞れがなくなり、香料含有量を低く抑えるな
どの必要性なしに、従つて芳香機能の減退を何等
招くことなしに、このような芳香洗浄剤流出にも
とづく手洗い部の汚染の問題を解消できる。

さらに器体内に収容された芳香洗浄剤入り容器
は、この一側部の低部の軸部と他側部の高部の軸
部とにおいて、上記器体の対向側面の中央より上
部と下部との相対する位置に設けられた軸受け部
に軸架されているので、両軸部間に生ずる高低差
により上記容器ひいては容器内充填の芳香洗浄剤
の水接触面に傾斜が与えられ、その結果芳香洗浄
剤と接触した後の水は、上記の傾斜に沿つてスム
ーズ且つ速やかに流下しつつ排出され、水の切れ
が促進される。

而して本考案によれば水の切れが非常によくな
り、芳香洗浄剤の膨潤軟化傾向を抑止できる効果
が得られ、室内芳香効果並びに洗浄効果を安定確
実に発現させることができる。

以下に本考案の一実施例を添付図面にもとづき
説明する。

本考案の芳香洗浄器は固型芳香洗浄剤３入りの
容器４を具備し、該容器４の上面開口は、膨潤軟
化した芳香洗浄剤３の流出を防止し得る程度の通
水性を有する布帛８により閉鎖され、布帛８によ
り芳香洗浄剤３の水接触面が閉じられている。こ
のような布帛８としては、織布、編布及び不織
布、を単独又は併用積層してなる目付重量が10〜
150g／m²及び／又は通気量が100cc／cm²／sec程度
のものを有利に使用できる。上記容器４には一側
部の低部と、他側部の高部とに外方突出の係架用
軸部５，５が設けられている。

器体１は左右対称の断面形状を有すると共に上
面及び下面が通水可能に形成されている。該器体
１内への上記容器４の収納設置状態に於ては、器
体１の対向側面の下部と上部とに設けられた軸受
け部６，６上に、容器４の両側部の低部及び高部
の軸部５，５が軸架され、その結果、芳香洗浄剤
入り容器４は器体１内に実質的に空中に浮くよう
な状態に設置されると共に、軸部５，５間の高低
差で、上記容器４ひいては容器４内充填の芳香洗
浄剤３の水接触面に水切りのための傾斜が与えら
れる。

使用に際しては第１図に仮想線で示されるよう
に、貯水タンクの手洗い部ａの略々中央部に、本
考案芳香洗浄器が設置される。この設置状態に於
て、人手操作をして放水タツプ（図示せず）より
１回使用量の手洗い水が放水されると、この放水
された手洗い水は器体１の上面の通口２より器体
１内に入り、更に布帛８を経て芳香洗浄剤３に達
し、これを溶出しつつ再び布帛８を経て容器４周
縁の間隙７より流下し、排水口ｂを経て貯水タン
ク内に送り込まれ、よつてここに貯水タンク内へ
の水及び芳香洗浄剤の補給の目的が達成される。
また芳香洗浄剤３により揮散した芳香成分は布帛
８及び通口２を経てトイレ室内に放散され、所定
の芳香効果を継続発揮し得る。

この際本考案に於ては、芳香洗浄剤入り容器４
は器体１内に空中に浮くような状態、従つて水が
自重で落水し易い状態に収納設置されていると共
に芳香洗浄剤３の水接触面に傾斜が付与され、水
が傾斜面に沿つて流下し易い構成とされているの
で、水の切れが非常によくなり、芳香洗浄剤の膨
潤軟化傾向を抑止できる。

この膨潤軟化傾向の抑止効果と、芳香洗浄剤３
の水接触面を閉じている布帛８の流出防止効果と
により、芳香洗浄剤３の膨潤軟化流出を防止で
き、芳香洗浄剤３の香料の含有量を低下抑制する
などの必要性なしに、芳香洗浄剤流出による汚染
の問題を解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施の一例を示す縦断面図、第
２図は天面を切欠いて示す第１図の一部平面図で
ある。 図に於て、１は器体、２は通口、３は芳香洗浄
剤、４は容器、５は軸部、６は軸受け部、７は間
隙、８は布帛。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貯水タンク式水洗トイレの貯水タンクの上蓋手
   洗い部にセツトされて、放水タツプより定量の水
   が放水されるごとに、この放水と芳香洗浄剤とを
   接触させ芳香洗浄剤を該と放水中に溶出させるこ
   とにより、トイレの自動芳香洗浄を行なう形状の
   芳香洗浄器において、上端開口が布帛（不織布を
   含む）により閉鎖された固形芳香洗浄剤入り容器
   と、該容器を収容する器体とからなり、該器体は
   左右対称の断面形状を有すると共に上面及び下面
   が通水可能に形成され、該器体の対向する側部の
   中央より上部と下部との相対する位置に軸受け部
   がそれぞれ設けられ、上記容器の一側部の低部と
   他側部に高部とにそれぞれ設けられた外方突出の
   係架用軸部が前記軸受け部に軸架されて、上記容
   器の上端開口が上記器体内で傾斜状態となること
   を特徴とする芳香洗浄器。