JPH0421882Y2

JPH0421882Y2 -

Info

Publication number: JPH0421882Y2
Application number: JP1987072187U
Authority: JP
Priority date: 1987-05-14
Filing date: 1987-05-14
Publication date: 1992-05-19
Also published as: JPS63181667U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は比較的小容量の貯水槽に関する。

従来の技術従来、特に土中に埋設される緊急用の貯水槽に
は、鋳鉄管製、鋼管製のものが多く用いられてい
る。

考案が解決しようとする問題点しかし、上記従来のものは、貯水槽の構造が複
雑であるため、簡単に製作することができず、製
作コストが高くつくという問題点があつた。

本考案は上記問題点を解決するためになされた
もので、貯水槽の構造が簡単であるため、容易に
製作することができ、安価な貯水槽を提供するこ
とを目的としてなされたものである。

問題点を解決するための手段上記問題点を解決するため、本考案は、上下方
向に配置された鋳鉄管にて側壁を形成し、この鋳
鉄管の側壁底部の内周に周方向で適当間隔をあけ
てリブを設けてこのリブに輪板を配置して支持枠
を形成し、この支持枠上に下部単板を載置し、前
記支持枠に下部単板をボルトによつて固定し、下
部単板の外周をシリコンゴムなどのシール剤で密
封し、鋳鉄管上部を上部単板で閉塞した構成とし
たものである。

作用上記構成において、鋳鉄管自体が止水性および
耐食性に優れたものであることから、止水性およ
び耐食性の良好な貯水槽を、鋳鉄管を上下方向に
配置するだけで、短期のうちに建設することが出
来る。また、鋳鉄管で側壁を形成することによ
り、所要強度を維持するための壁厚が薄くてすむ
ことと合わせて鋳鉄管を上下方向に配置すること
によつて設置スペースを小さなものとすることが
出来る。

実施例以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図〜第２図において、土中１に鋳鉄管
２が軸心を上下方向に向けて配置されており、こ
の鋳鉄管２によつて貯水槽３の側壁が形成されて
いる。尚、鋳鉄管２の内面はモルタルライニング
４が施されている。そして、この鋳鉄管２の下部
には、基礎コンクリート５が鋳鉄管２の下端縁部
に沿つて適当間隔をあけて設けられている。ま
た、この基礎コンクリート５に囲まれた内側には
砕石によつて床盤６が形成されている。そして、
鋳鉄管２の下端の内部に、貯水槽３の底部を形成
する下部単板７が配置されており、この下部単板
７は、鋳鉄管２の下端内周に設けられた環状の支
持枠８に支持されている。

この支持枠８は、第３図〜第４図に示すよう
に、鋳鉄管２の内周に周方向で適当間隔をあけて
設けたリブ９上に輪板１０を配置して形成されて
いる。そして、この輪板１０の適当位置に設けた
タツプ穴１１に螺合して植込みボルト１２が配置
されており、タツプ穴１１の下端開口は止め板１
３によつて塞がれている。そして、下部単板７
は、その周縁部に設けた貫通孔１４に植込みボル
ト１２を挿通させて配置され、ナツト１５によつ
て固定されている。また、下部単板７と輪板１０
との間にはガスケツト１６が介在されており、ガ
スケツト１６は輪板１０に形成された輪状溝１７
に嵌合して配置されている。

次に、裏込め材としてのモルタル１８を下部単
板７に設けたグラウト注入孔より下部単板７の下
面側に注入してリブ９とリブ９の間および下部単
板７と床盤６との間を埋め固めている。そして、
下部単板７の上面外周にシリコンゴム１９を配置
して鋳鉄管２と下部単板７との間隙を密封してい
る。また、シリコンゴム１９はボルト１２、ナツ
ト１５への防水の機能も果たしている。下部単板
７の上面には、仕上げモルタル２０が施されてい
る。次に、鋳鉄管２の上端に貯水槽３の天井部を
形成する上部単板２１がガスケツト２２を介在さ
せて配置されており、上部単板２１はボルト２３
によつて鋳鉄管２の受口部２ａに固定されてい
る。そして、上部単板２１と鋳鉄管２との間は、
上部単板２１の下面外周に沿つて設けたシリコン
ゴム２４によつて密封されている。そして、上部
単板２１を貫通して、鋳鉄管２内に流入管２５と
流出管２６が配置されている。この流入管２５と
流出管２６は、ともに鋳鉄管２外に位置する一端
側に三フランジＴ字管２７ａ，２７ｂおよび仕切
弁２８ａ，２８ｂを介在されており、三フランジ
Ｔ字管２７ａ，２７ｂの一端にはエアリスエアー
バルブ２９ａ，２９ｂが設けられている。尚、仕
切弁２８ａ，２８ｂは横方向に向けて配置されて
いる。そして、上部単板２１にはホール部２９が
形成されており、このホール部２９を閉塞するフ
ランジふた３０は、エアリスエアーバルブ３１お
よびウイングポンプ３２を配置可能に形成されて
いる。尚、部材２８ａ〜３２は上部単板２１と地
表との間に設けられたピツト３３内に配置されて
いる。

以下、上記構成における作用について説明す
る。まず、通常は流入管２５の仕切弁２８ｂおよ
び流出管２６の仕切弁２８ａを開成した状態にあ
り、この状態においては、水は流入管２５より貯
水槽３内に流入し、一度貯水槽３内に貯留された
後に、流出管２６より貯水槽３外に流出する。そ
して、この水の流入および流出に際しては、エア
リスエアーバルブ２９ａ，２９ｂより空気が鋳鉄
管２の内外にわたつて流通し、水の流入および流
出を容易なものとする。そして、緊急時には両仕
切弁２８ａ，２８ｂを閉成し、ウイングポンプ３
２によつて貯水槽３内の貯留水を吸い上げて使用
する。そして、貯水槽３の設置にあたつては、鋳
鉄管２自体が止水性および耐食性を有し、特に腐
食性土壌に対する防食性に優れたものであること
から、止水性および耐食性の良好な貯水槽の側壁
を鋳鉄管２を上下方向に配置するだけで短期のう
ちに形成することが出来る。また、鋳鉄管２を土
中へ埋設する施工方法として中掘り工法すなわち
上下方向に配置した鋳鉄管２に囲まれる部分の地
盤だけを掘り下げて埋設する方法を用いることが
出来るので大型の施工設備が不要となる。さら
に、鋳鉄管２で側壁を、形成することにより、所
要強度を維持するための壁厚が薄くてすむことと
合せて鋳鉄管２を上下方向に配置することによつ
て設置スペースを小さなものとすることが出来
る。そして、貯水槽３の天井部および底部を、鋳
鉄管２の上端および下端に上部単板２１および下
部単板７を設けるとともにシリコンゴム２４，１
９で密封することによつて容易に形成することが
出来るので、側壁の形成に鋳鉄管２を用いること
と合せて、貯水槽３を底コストで製作することが
出来る。また、仕切弁２８ａ，２８ｂを横方向に
設けているので、埋設深さを浅くすることが出来
る。

考案の効果以上述べたごとく本考案によれば、止水性およ
び耐食性に優れた貯水槽を、きわめて簡単に製作
するこが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体構成図、
第２図は第１図のａ−ａ矢視図、第３図は第１図
Ａ部の拡大図、第４図は第３図のｂ−ｂ矢視図で
ある。２……鋳鉄管、７……下部単板、８……支持
枠、９……リブ、１０……輪板、１２……ボル
ト、１９……シリコンゴム、２１……上部単板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上下方向に配置された鋳鉄管にて側壁を形成
し、この鋳鉄管の側壁底部の内周に周方向で適当
間隔をあけてリブを設けてこのリブに輪板を配置
して支持枠を形成し、この支持枠上に下部単板を
載置し、前記支持枠に下部単板をボルトによつて
固定し、下部単板の外周をシリコンゴムなどのシ
ール剤で密封し、鋳鉄管上部を上部単板で閉塞し
たことを特徴とする貯水槽。