JPH042187B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電子写真法による多色複写装置に関
する。更に詳述すれば、単色複写を行うことが出
来、かつ単色複写時の転写効率を向上できる多色
複写装置に関する。

（従来技術） 従来より電子写真法による多色複写装置は、回
転する感光ドラムに近接して複数個の色分解フイ
ルタと、該フイルタと補色関係にある現像剤を収
容した相当数の現像装置とを備え、帯電された感
光ドラム上に前記色分解フイルタを用いて原稿像
を分光露光し、得られた色像電荷潜像を該フイル
タと補色関係の現像剤で現像後、用紙上に転写す
るプロセスを各色分解毎に遂次繰返し行つて重ね
転写することにより多色複写画像を得ている。

前記複写装置を更に詳述すると、転写装置は感
光ドラムに近接し、該感光ドラムの回転に対して
逆回転する転写ドラムまたは無端の転写ベルトに
より構成され、各色分解毎に形成される複写画像
を正確に重ね合わせる様に作動する。すなわち、
最初の色分解トナー像を転写された用紙は前記転
写ドラムまたは前記転写ベルトに設けたグリツパ
ーに保持されて該ドラムと共に回転し、次の第２
の色分解トナー像が丁度重ね合わせて転写される
様な転写位置に運ばれる。

処で、上記の様に構成された多色複写装置を用
いて黒色トナー或いは単色カラートナーによる単
色複写を実施するときには、前記グリツパーを備
えた転写ドラムまたは転写ベルトは次の転写に供
される用紙をその都度グリツパーで保持するため
に必らず１回転しなければならず、そのため同じ
プロセスを有する単色複写機に比べて転写速度が
遅くなると云う欠点を有した。特に、単一原稿を
多数枚コピーする場合、時間当りのコピー枚数が
極めて少ないと云う欠点を生じた。

（発明の目的） 従つて、本発明の目的は、多色複写の可能な複
写装置に於いて上記欠点を解消し、単色複写時の
転写効率を高めてコピー枚数を高めることができ
る多色複写装置を堤供することにある。

（発明の構成） すなわち、本発明の上記目的は、感光ドラム上
に形成される色像電荷潜像を現像後、用紙上に繰
返し重ね転写して複写画像を得る多色複写装置に
於いて、内部に転写コロトロンを有する回転可能
な中空円筒状転写ドラムまたは無端転写ベルトの
回転方向と直角な方向に沿つて開口部を設けた事
を特徴とする多色複写装置により達成される。

（実施例） 以下、本発明の実施の一例を図面を用いて詳細
に説明する。

第１図は本発明による多色複写装置の概略構成
図である。多色複写装置１は、反時計方向に回転
する感光ドラム２表面を一杯に帯電する帯電装置
３、帯電された感光ドラム２に原稿像を分光露光
して色像電荷潜像を形成する複数個の色分解フイ
ルタを備えた露光部４、前記色分解フイルタと
夫々補色関係の現像剤を収容し色像分解電荷潜像
を顕像化する複数個の現像器（本実施例では図面
を簡明にするため、現像器が２台の場合を図示し
てある。）５、顕像化された色像分解電荷潜像を
用紙６に転写する時計方向に回転する転写ドラム
７、単色複写時に感光ドラム２面から用紙６を離
脱させるための分解爪８及びクリーニング装置９
を感光ドラム７の周囲に順次近接配置して構成さ
れる。

また、前記転写ドラム７は略中空円筒状のドラ
ムよりなり、かつ軸線方向に沿つて開口部１０を
有している。すなわち、第２図に於いて更に詳述
すると、前記転写ドラム７の両端には間隙を有し
て円形状に湾曲した一対の側枠１１が該間隙を相
対させた対向位置に配置され、かつ前記間隙の両
端と固設する２本の平行な連結棒１２（以下、本
明細書ではタイバーと呼ぶ。）により互いに連結
されて支持枠１３を形成している。

更に前記支持枠１３には前記タイバー１２の間
隙を除いた周面全体にメツシユ状の絶縁材１４を
張設することにより軸線方向に沿つて前記開口部
１０を有する転写ドラム７が形成される。また、
前記転写ドラム７の内部には常時感光ドラム２の
表面に向つてイオンを放出する様に設けられた転
写コロトロン１５及び除電コロトロン１６が該転
写ドラム７の回転方向（時計方向）に沿つて順次
に配置されている。

また、前記転写ドラム７は前記開口部１０より
遅れる回転方向の外周面上に用紙６を保持するた
めのグリツパー１７を有しており、また、前記転
写ドラム７の内周面に近接し、前記用紙６を前記
転写ドラム７に保持する位置に前記グリツパー１
７を解放するグリツプカム２４を配設している。
更に、前記転写ドラム７の内周面で、前記用紙６
を前記転写ドラム７から離間させるために前記グ
リツパー１７を解放させる位置にリリースカム１
８が配設されている。

次に、前記用紙６の搬送経路には用紙カセツト
１９から取り出された用紙６を転写ドラム７に運
ぶタイミングロール２０と、前記転写ドラム７か
ら離脱した用紙６を定着器２１に移送するための
多色複写時のバキユーム搬送路２２及び単色複写
時に用いられるバキユーム搬送路２３が夫々設け
られている。

なお、前記各バキユーム搬送路（２２，２３）
は夫々導入部を前記転写ドラム７の外周面に近接
させており、且つ単色用搬送路２３は多色用搬送
路２２に比べてその導入部を転写位置近くに設
け、多色用搬送路２２の導入部は前記リリースカ
ム１８に近接して設けられている。また、前記多
色用搬送路２２の導入部に近設し、用紙６を該搬
送路２２に案内する転写分離爪が設けられてい
る。

次に、前記多色複写装置１の複写プロセスにつ
いて説明すると、多色複写時に於いて、一様帯電
された感光ドラム２は第１の色分解フイルターを
通して原稿が露光され、色分解像電荷潜像が形成
される。更に、前記色像分解電荷潜像は前記色分
解フイルターの色と補色関係にある色トナーを収
容した現像器５により現像され、転写ドラム７と
対面する転写位置に移動する。一方、用紙カセツ
ト１９から取出された用紙６はタイミングロール
２０により転写ドラム７上に搬送され、回転する
転写ドラム７のグリツパー１７に保持されて転写
位置に運ばれ、転写コロトロン１５により像転写
される。この際、前記転写コロトロン１５の電圧
印加は前記転写ドラム７のメツシユ状絶縁材１４
を介して行われる。なお、上述した様に前記メツ
シユ状絶縁材１４を介して電圧印加が行なわれる
と、該絶縁材１４が僅かに帯電して用紙６を吸着
するため、前記転写ドラムに保持されて搬送され
る用紙６にとつて好適に作用する。

像転写された用紙６を保持して前記転写ドラム
７が１回転し、また前記感光ドラム２が表面をク
ーニング装置９により清掃されると第１の作像サ
イクルを完了する。このような作像工程を他の色
分解フイルターの各々について繰返し、各色像が
用紙６上に重ね合わされて多色複写画像が形成さ
れると、該用紙６はリリースカム１８により前記
転写ドラム７から離されて多色複写時のバキユー
ム搬送路２２により定着器２１に運ばれて未定着
像が定着される。一方、単色複写時に於いては、
上記転写ドラム７は回転しない静止状態に置か
れ、その開口部１０が前記転写コロトロン１５及
び除電コロトロン１６側に向けられて使用され
る。すなわち、タイミングロール２０より送り出
された用紙６は前記転写コロトロン１５及び除電
コロトロン１６上を通過して像転写された後、分
離爪８により単色複写時のバキユーム搬送路２３
に案内され、該バキユーム搬送路２３を移動して
前記定着器２１へ運ばれる。

なお、本例に於いては、単色複写時の転写及び
除電効果を高めるため、前記転写ドラム７の開口
部１０の巾は前記転写コロトロン１５及び除電コ
ロトロン１６のイオン放出領域より大きくなる様
に形成される。また、前記転写コロトロン１５及
び除電コロトロン１６は前記開口部１０より半径
方向外方に移動可能に設けられて前記感光ドラム
２とのギヤツプを最適に設定できる構成となつて
いる。

しかし、多色複写時に於いては、転写ドラム７
の回転に支障を及ぼさない様に前記転写コロトロ
ン１５及び除電コロトロン１６は該転写ドラム７
の半径方向内方に移動して転写ドラム７内に収容
されるようになつている。なお、本例では前記転
写ドラム７の表面材としてメツシユ状絶縁材１４
を用いたが、他に絶縁シートにより構成すること
も出来る。

また前記転写ドラム７の他に無端のベルトで構
成することも出来る。

第３図は、先の第２図に図示した転写ドラム７
に代わり、前記転写ドラム７の表面材と同一材料
で形成した無端の転写ベルト７′が用いられてい
る。前記転写ベルト７′は複数個設けたがガイド
ローラ２６により張設されて前記感光ドラム２と
接し、像転写を行う。また、前記転写ベルト７′
は先の転写ドラム７と同様にベルト幅方向に開口
部１０′を有している。この様に転写ベルト７′を
用いても本発明は好適に実施できる。

（発明の効果） 以上記載した通り、本発明の多色複写装置によ
れば、単色複写時に転写ドラムが回転しない構造
になつていて転写紙を一枚毎に固定・離脱する必
要がないので、一回の転写速度を早めてコピー枚
数を増加させることが出来る。また、転写ドラム
に開口部を設け、該開口部に向つて転写及び除電
コロトロンを感光ドラムに近づける様に移動させ
ることが出来るために、これらのコロトロンの最
適位置を選択して転写効果を高めることが出来
る。更に、単色複写時に用紙はグリツパーを使用
しないで搬送されるため、グリツパー保持部に相
当する箇所の画像欠落を生じない利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施の一例を示す多色複写装
置の構成図、第２図は第１図の多色複写装置に使
用する転写ドラムの斜視図、第３図は転写ベルト
を用いた多色複写装置の構成図である。 図中符号：１…多色複写装置、２…感光ドラ
ム、６…用紙、７…転写ドラム、７′…転写ベル
ト、１０，１０′…開口部、１１…側枠、１２…
連結棒（タイバー）、１３…支持枠、１４…メツ
シュ状絶縁材、１５…転写コロトロン、１６除電
コロトロン、１７…グリツパー、１８…リリース
カム、２０…タイミングロール、２１…定着器、
２２，２３…バキユーム搬送路、２４…グリツプ
カム、２５…転写ドラム分離爪、２６…ガイドロ
ーラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 感光ドラム上に形成される色像電荷潜像を現
   像後、用紙上に繰返し重ね転写して複写画像を得
   る多色複写装置に於いて、内部に転写コロトロン
   を有する回転可能な中空円筒状転写ドラムまたは
   無端転写ベルトの回転方向と直角な方向に沿つて
   開口部を設けた事を特徴とする多色複写装置。