JPH0421664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は抵抗溶接機によつて溶接する際、電極
と被溶接物との溶着時、これを自動的に解除する
抵抗溶接機の電極溶着解除装置に関する。

〔従来の技術〕 一般に、抵抗溶接機による溶接では電極から被
溶接物に高電流を流すために電極の一方、または
両方と被溶接物とが溶着することがある。この両
者が溶着したときは溶着検出装置によつて溶着状
態が検出され、溶接機は自動的に運転を停止する
と共に警報を発するので作業者が被溶接物を電極
から引き離し、運転を継続する処置を行つてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら上記従来のように溶着が生じた時
にその都度、溶接機が停止し、作業者が被溶接物
を電極から引き離していたのでは生産性に支障を
来たし、特に自動生産ラインなどでは、その影響
は大きい。

そこで本考案は溶着が発生した時、電極を被溶
接物との溶着状態から自動的に離すことができる
生産ラインに適した抵抗溶接機の電極溶着解除装
置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の特徴は、抵
抗溶接されたあとの所定時間内において被溶接物
と電極との間の導通状態を検出して信号を出力す
る溶着検出部と、前記導通状態に応じて前記電極
を被溶接物から離すための指令を出力する溶着解
除指令部と、前記溶着解除指令部からの信号を受
けて前記電極による被溶接物の挟圧状態と開放状
態とを交互に繰返す信号を加圧装置に出力する電
極作動信号出力部とを備えたことである。

〔作用〕

上記構成によつて、溶着検出部は、抵抗溶接が
行われた後の所定時間の間、電極と被溶接物との
間の導通状態の検出動作をする。この時、電極と
被溶接物とが溶着していれば溶着検出部が導通状
態を検出し、溶着解除指令部から電極作動信号出
力部に信号が送られる。電極作動信号出力部は信
号を受けると、電極による被溶接部の挟圧状態と
開放状態とを交互に繰返す。この繰返しにより通
常の電極と被溶接物との溶着状態であればその溶
着が解除される。

〔実施例〕

以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。図は本考案による抵抗溶接機の電極溶着解除
装置を備えた抵抗溶接機を示している。抵抗溶接
機１は周知の通り溶接変圧器２の一次側にサイリ
スタなどからなる溶接電流制御装置３を介して交
流電源４を接続されたものである。溶接変圧器２
の二次側巻線の両端は電極５に接続されており、
この電極５の両方または一方が移動することによ
り、互いに接近して被溶接物６に当接挟圧できる
ようにシリンダおよびピストンからなるエア式加
圧装置７に連結されている。この加圧装置７の動
作は加圧制御装置８によつてエア通路に挿入され
た電磁弁８ａを開閉することにより行われるよう
になつている。

次に、電極溶着解除装置について説明する。電
極溶着解除装置９は図に一点鎖線で囲んで示した
箇所であり、被溶接物６と電極５との間には導線
によつて溶着検出部１０が接続されている。この
溶着検出部１０はリレーと補助電源装置の組合わ
せ等によつて構成されており、電極５と被溶接物
６とが溶着するとその間が導通状態となるのでリ
レーが付勢されたりして信号を出力する。いわゆ
る溶着状態が検出されたことになる。

溶着検出部１０が導通状態を検出した時の信号
と、加圧制御装置８が電磁弁８ａの付勢を解いた
後の信号とがアンド回路１１に与えられる。すな
わち、電極５による被溶接物６の挟圧を解いた後
に電極５と被溶接物６とが導通状態にあるか否か
を調べる。アンド回路１１の出力信号は溶着解除
指令部１２に与えられる。溶着解除指令部１２は
カウンタを備え、この信号を受けるとこの信号を
計数すると共に電極作動信号出力部１３に信号を
送り、電極作動信号出力部１３は加圧制御装置８
に信号を送り、電磁弁８ａにより加圧装置７を作
動させて一定時間だけ電極５により被溶接物６を
挟圧した後、一定時間だけ開放するようにする。
また、溶着解除指令部１２のカウンタが予め設定
された数だけカウントした場合の信号とアンド回
路１１の出力信号とはアンド回路１４に与えら
れ、アンド回路１４の出力は不良信号発生部１５
に与えられて溶着解除がなされなかつたことを知
らせる。通常、アンド回路１１の出力が出ない場
合は図示しない通常の制御装置に次の溶接サイク
ルの動作に入る許可を与えるような構成にしてお
く。前記構成のものにおいてこの図示しない通常
の制御装置により加圧制御装置８、溶接電流制御
装置３が周知の通りに制御され、加圧、通電、保
持、開放の一連の動作により溶接が行われる。

ここにおいて、電極５と被溶接物６との溶着が
発生すれば加圧制御装置８が電磁弁８ａの付勢を
解いた後の電極５による被溶接物６の挟圧を解い
た後でも電極５と被溶接物６とが導通状態にあ
り、溶着検出部１０は導通状態を検出してアンド
回路１１の出力信号が溶着解除指令部１２に与え
られることになる。溶着解除指令部１２はカウン
タにより計数すると共に信号を電極作動信号出力
部１３に与える。電極作動信号出力部１３は加圧
制御装置８に信号を送り、電磁弁８ａにより加圧
装置７を作動させて一定時間だけ電極５により被
溶接物６を挟圧した後、一定時間だけ開放する。
この加圧解放により溶着部分に機械的サイクルが
加わり溶着が解除されるわけであるが、以上の１
回の加圧解放により溶着が解除されなかつた場合
はアンド回路１１の出力が再度、溶着解除指令部
１２に与えられることになる。溶着解除指令部１
２はカウンタの計数値を１増すと共に電極作動信
号出力部１３に信号を与え、電極５による被溶接
物６の加圧解放が繰返される。この動作は溶着が
解除されるまで繰返されることになるが、異常に
強固な溶着の場合等、溶着解除指令部１２のカウ
ンタの計数値が予め設定された数となつた時にも
溶着が解除されていなければアンド回路１４の出
力が不良信号発生部１５に与えられて溶着解除が
なされなかつたことを知らせる。

なお、溶着解除指令部１２内のカウンタに設定
される繰返し回数は被溶接物６の材質、厚み等に
応じて通常溶着状態が解除される程度の回数に設
定しておく。

〔考案の効果〕

以上述べたことから本考案の抵抗溶接機の電極
溶着解除装置は抵抗溶接された後、所定時間の間
に電極と被溶接物とが導通状態にあるかどうかに
より溶着の発生の有無を調べ、導通状態にあると
信号を出力し、加圧装置を作動させて電極を被溶
接物に対して挟圧・開放を繰返すことによつて電
極と被溶接物とを引き離すようにしたので従来の
ように溶着が発生するたびに溶接機を停止させて
作業者が被溶接物を電極から引き離すようなこと
は不要となり、生産ラインに適した生産性に富む
抵抗溶接機が実現できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の抵抗溶接機の電極溶着解除装置で
あつてその一実施例を示す構成図である。 ５……電極、６……被溶接物、７……加圧装
置、９……電極溶着解除装置、１０……溶着検出
部、１２……溶着解除指令部、１３……電極作動
信号出力部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電極と、空気圧を用いて前記電極によつて被溶
   接物を狭圧したり開放したりする加圧装置と、こ
   の加圧装置の動作を制御する加圧制御装置とを備
   えている抵抗溶接機において、 抵抗溶接された後の所定時間経過した時、前記
   被溶接物と前記電極との間の導通状態を検出して
   導通検出信号を出力する溶着検出部と、前記加圧
   装置の開放動作を指令する、前記加圧制御装置か
   らの開放動作指令信号と前記導通検出信号に基づ
   いて動作するアンド回路と、このアンド回路の動
   作信号を受けたときに計数値を１増す計数動作を
   行うとともに前記電極を前記被溶接物から引離す
   ための引離し指令信号を出力し、更に前記計数値
   が所定値に達した場合に不良指令信号を出力する
   溶着解除指令部と、前記引離し指令信号に基づい
   て前記被溶接物に対する狭圧動作と開放動作とを
   交互に繰返す指令信号を前記加圧制御装置に出力
   する電極作動信号出力部と、前記不良指令信号と
   前記アンド回路の動作信号に基づいて不良信号を
   発生する不良信号発生部とを備えていることを特
   徴とする抵抗溶接機の電極溶着解除装置。