JPH0421466B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、玉葱、大蒜、辣韮等の鱗茎の中心を
一定位置に置く鱗茎の中心位置決め装置に関する
ものである。

従来技術 一般に、玉葱等の鱗茎は、調理用材料として愛
用されているが、これを細断加工する時、鱗茎の
茎部と根部を切断した後、その表皮の剥脱をしな
ければならず、これを大量に加工しようとする場
合には、自ずと機械的手法に頼らざるを得ない。

しかしながら、玉葱等の鱗茎は、工業製品と相
違してその大きさや形状が不揃いであるため、鱗
茎の茎部と根部を切断するカツターの位置を単に
固定的に設定して切断するようにする切断装置を
構成すると、鱗茎の上下を同時的に切断して一回
の機械投入だけで両端の茎部と根部を取り除く場
合、へたの切取り代が、鱗茎の大きさや形状によ
つて、取り過ぎになつたりあるいは不足したりし
て、有効部分を損失し、あるいは機械や手作業等
による切り直しを必要とすることになる。特に、
切り不足のものを、切断後の鱗茎の中から選別す
ることは、切断作業を機械化した効果を半減して
しまう恐れがある。

上記欠点を解消するために、上下に開放され、
かつ玉葱類を各個ずつ支持する支持案内部材を具
備し、この支持案内部材を切断領域に供給し、そ
こから導出する供給導出機構を具備するととも
に、上記支持案内部材の上下から玉葱類を挾持す
る挾持機構を上記切断領域においては少なくとも
上記案内部材と同期して供給側から導出側へ移動
できるように配設し、かつ上記挾持機構の玉葱類
各個に対する上下位置に相対する所定の位置で上
記切断領域内において玉葱類の移動方向に位相を
変えて茎部及び細根部をそれぞれ切断するカツタ
ーを設けた玉葱類の茎部と細根部の切断装置が特
公昭52−45780号公報として知られているが、こ
のものは、まず、下側の細根部をカツターで切断
し、次いで、上側の茎部をカツターで切断するた
め面倒で、挾持機構により玉葱を根部の切断後に
移動して茎部の位置を決めるため構造が複雑とな
つていた。

発明の目的 本発明は、上記欠点を解消して、鱗茎の大きさ
や形状が不揃いであつても中心位置を一定に合わ
せることが可能で、構造も簡単な鱗茎の中心位置
決め装置を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明の鱗茎の中心位置決め装置は、鱗茎支持
孔を有する搬送装置と、前記支持孔に挿入される
下部挾持体を第１スプリングを介して上方に押し
上げる第１シリンダと前記下部挟持体に対向して
第２スプリングを介して上下動自在に支持された
上部挟持体とからなることを特徴とする構成を有
するものである。

実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図において、１は玉葱２の搬送装置であ
り、各スプロケツト３，４，５，６間にチエンコ
ンベア７が張架され、前記チエンコンベア７は第
２図及び第３図に示すように２条の平行なチエン
８，９よりなり、前記チエン８，９上には、茎部
２ａを上とし、根部２ｂを下として玉葱が嵌入す
る。複数の支持孔１０を有する板状の支持案内部
材１１が一定間隔で配設されている。

１２は位置決め装置の機体であり、上側には上
部支持部１３が形成され、前記上部支持部１３の
先端には固定体１４が設けられ、前記固定体１４
の先端にはピストンロツド１５ａを下方に作動す
る第２エアシリンダ１５が一体に設けられ、前記
第２エアシリンダ１５のピストンロツド１５ａの
先端には上部移動体１６が一体に設けられてい
る。

前記固定体１４の下部には上部移動体１６を摺
動自在に支持するガイド杆１７が設けられ、前記
上部移動体１６の下部には先端に上部挟持体１８
を有する保持杆１９が上下摺動自在に取付けら
れ、前記保持杆１９には前記保持杆１９と前記上
部挟持体１８との自重を考慮した第２スプリング
２０が介される。

２１は、機体１２の略中央一側に上部支持部１
３と平行に設けた下部支持部であり、前記下部支
持部２１の先端には固定体２２が設けられ、前記
固定体２２の先端にはピストンロツド２３ａを上
方に移動する第１エアシリンダ２３が設けられ、
前記第１エアシリンダ２３のピストンロツド２３
ａの先端には下部移動体２４が設けられている。

固定体２２の上部には下部移動体２４を摺動自
在に支持するガイド杆２５が設けられ、前記下部
移動体２４の上部には先端に上部挟持体１８に対
向する下部挟持体２６を有する保持杆２７が摺動
自在に取付けられ、前記保持杆２７には、前記保
持杆２７と前記下部挟持体２６及び玉葱２の自重
を考慮した第１スプリング２８が介され、前記下
部挟持体２６は支持案内部材１１の支持孔１０に
挿入されて玉葱２を押し上げ、上部挟持体１８と
共に大きさの異なる玉葱２を一定の中心位置で挟
持するようにされる。

この発明の実施例における使用を説明すると、
茎部２ａを上とし、根部２ｂを下として支持孔１
０に嵌入された支持案内部材１１上の玉葱２は、
チエンコンベア７により図面矢印Ａ方向に間欠的
に搬送され、支持案内部材１１が上部及び上部挟
持体１８，２６の間の位置に達すると、第２エア
シリンダ１５が作動し、前記第２エアシリンダ１
５はピストンロツド１５ａを下方に移動し、前記
ピストンロツド１５ａと一体の上部移動体１６が
ガイド杆１７に案内され下方に移動し、第２スプ
リング２０を介して上部挟持体１８が下方に移動
し、玉葱２の上部に接する。

次いで、第１エアシリンダ２３が作動して、ピ
ストンロツド２３ａを上方に移動し、前記ピスト
ンロツド２３ａと一体の下部移動体２４がガイド
杆２５に案内されて上方に移動され、第１スプリ
ング２８を介して下部挟持体２６は上方に移動
し、支持案内部材１１の支持孔１０に挿通され、
玉葱２を上方に押し上げて上部挟持体１８と共に
玉葱２を挟持し、上方の上部挟持体１８と下方の
下部挟持体２６とは第１、第２スプリング２８，
２０を介して自由に玉葱２を支持するために玉葱
２はその大きさや形状に拘わらずに略同中心位置
にて挟持され、位置決めが行なわれる。

すなわち、玉葱２は支持孔１０に載置されて水
平方向の位置が決められる。

そして、小さくて軽い玉葱は下方の第１スプリ
ング２８を大きく押し下げることがないため、大
きくて重い玉葱に対して下方の根部が上方に位置
されるが径が小さいために上下方向の中心位置は
下方の根部から短い距離にある。

これに対し、大きくて重い玉葱は下方のスプリ
ング２８を大きく押し下げ、小さくて軽い玉葱よ
りも下方の根部が下方に位置される。しかし、径
が大きいために上下方向の中心位置は下方の根部
から大きい距離にあり、この結果、玉葱の大小に
関係なく、上下方向の中心位置は略同一の高さ位
置となる。

例えば、ばね常数が0.3の第１スプリング２８
及び第２スプリング２０を用い、上部挾持体１８
及び下部挾持体２６の重量を１Kgとしたとき、重
量70ｇで径50mmの玉葱の上下方向の中心は各挾持
体１８，２６のストロークの中心からのずれが
0.39mmであり、重量300ｇで径110mmの玉葱の上下
方向の中心は各挾持体１８，２６のストロークの
中心からのずれが0.38mmとなり、各玉葱の上下方
向の中心位置は略同一の高さになる。

なお、玉葱２は中心位置決めが行なわれた後、
図示しない切断装置に送られて、上端の茎部２ａ
と下端の根部２ｂを切断される。

発明の効果 以上に述べたように、本発明の鱗茎の中心位置
決め装置に因れば、移送装置で送られてきた鱗茎
が上部挟持体及び下部挟持体によつてそれぞれ第
１スプリング及び第２スプリングを介して自由に
支持されるため、大きさや形状が異なる鱗茎の中
心を一定位置におくことが可能となる。よつて、
切断装置等の処理装置により前記鱗茎の茎部と根
部を切断させる場合、一定の高さを基準として上
下に等分に移動するカツタを用いるとき、茎部と
根部とを略同量切断することを可能ならしめ、構
造も簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例における装置の正面
図、第２図は、同上の搬送装置の要部平面図、第
３図は、第２図の玉葱取付け状態を示す要部正面
図である。 １……搬送装置、２……玉葱、２ａ……茎部、
２ｂ……根部、３，４，５，６……プーリー、７
……ベルトコンベア、８，９……ベルト、１０…
…支持孔、１１……支持案内部材、１２……機
体、１３……上部支持部、１４……固定体、１５
……第２エアシリンダ、１５ａ……ピストンロツ
ド、１６……上部移動体、１７……ガイド杆、１
８……上部挟持体、１９……保持杆、２０……第
２スプリング、２１……下部支持部、２２……固
定体、２３……第１エアシリンダ、２３ａ……ピ
ストンロツド、２４……下部移動体、２５……ガ
イド杆、２６……下部挟持体、２７……保持杆、
２８……第１スプリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鱗茎支持孔を有する搬送装置と、前記支持孔
   に挿入される下部挾持体を第１スプリングを介し
   て上方に押し上げる第１シリンダと、前記下部挾
   持体に対向して第２スプリングを介して上下動自
   在に支持された上部挾持体とからなることを特徴
   とする鱗茎の中心位置決め装置。