JPH04214467A - ポリマー繊維特性の改良方法 - Google Patents

ポリマー繊維特性の改良方法

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JPH04214467A
JPH04214467A JP3045691A JP4569191A JPH04214467A JP H04214467 A JPH04214467 A JP H04214467A JP 3045691 A JP3045691 A JP 3045691A JP 4569191 A JP4569191 A JP 4569191A JP H04214467 A JPH04214467 A JP H04214467A
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fibers
monomer
fiber
polymerization
polymer
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R Dyer Michael
マイケル・アール・ダイアー
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維の吸湿性、帯電防
止性、染料受理性及び汚れ放出性を永久かつ実質的に改
良させかつこの種の繊維の風合いを変化させるポリマー
繊維の処理に関するものである。さらに詳細には、本発
明は表面特性を改良するためのポリエステル及びアクリ
ル繊維の処理に関するものである。
【0002】発明の背景 天然繊維よりも経済的かつ丈夫であるだけでなく、大量
の天然繊維を成育するために従来必要とされていた多く
の農地を開放することにより、人類に貢献する合成繊維
の製造技術が出現したため、これら合成繊維に対し天然
繊維の有する同じ有利な品質を付与する方法が探究され
始めた。合成繊維が欠如している主たる品質、すなわち
合成繊維を天然繊維と同様に涼しくかつ快適なものにす
る1つの性質は、水分を実質的に吸収する能力である。 本明細書において「吸収する」及び「吸収」という用語
は、一般に繊維及びそれから作られる布地の吸湿性を意
味するために使用される。しかしながら、これら用語は
たとえば吸着、水分移動、吸上げ、湿潤性などの関連吸
湿性を意味すると理解される。したがって、繊維の外表
面だけに水を引付けることを意味するには「吸着」とい
う用語が適しており、かつ布地の繊維間の間隙に水分が
分散することを意味するには、「吸収」という用語がよ
り適しているが、便宜上、これら両現象を意味するため
「吸収」という用語が使用される。
【0003】
【従来の技術】本発明はこの多くの探求を満足させ、た
とえば顕著な吸水性、優秀な染料受理性及び帯電防止性
のような天然繊維にのみ従来寄与していた属性を合成繊
維に付与する。同時に、本発明は、優秀な汚れ放出性を
有する合成繊維の製造を可能にする。従来、たとえばア
クリル酸、アクリルアミド及びN,N’−メチレン−ビ
ス−アクリルアミド(NBA)のような水溶性モノマ−
を繊維にグラフト重合させて帯電防止性及び吸水性を繊
維に付与する試みが知られていた。しかしながら、グラ
フト重合におけるこの種の試みは、実質的な又は何らの
グラフト重合をも得ることができず、工程条件を制御す
るのが困難でありかつ多量のホモポリマーを生成する傾
向があるという点で問題があった。過剰のホモポリマー
が処理装置の内壁部に付着して、時間と労力とを要する
清浄作業を必要とする。さらに、多量のホモポリマーを
含有する残留溶液の処分は、工業汚染の原因となる。過
剰のホモポリマーが存在する環境でこのように処理した
布地はその表面が厚いホモポリマー層で被覆され、吸湿
性と帯電防止性とを繊維に付与する。残念ながら、これ
らの性質は永久的でなく、約10回の洗浄で失なわれる
。さらに、過剰のホモポリマーは、処理布地に対ししみ
をもたらす傾向があり、容認された工業染色を阻害する
と共に、劣った処理布地をもたらす。
【0004】モノマーとたとえば過酸化物もしくは過硫
酸塩のような重合開始剤とを含有する溶液を繊維に含浸
させかつこれを加熱することからなる他の重合法におい
ては、重合反応を開始させかつ進行させるのに長時間を
必要とし、さらに繊維に付着する重合体は洗浄によって
極めて容易に除去され、したがってその帯電防止性及び
吸湿性はもはや保持することができない。さらに他の方
法は、水溶性ビニルモノマーを重合開始剤と一緒に繊維
質構造体へ施こし、かつこれをたとえば炭化水素などの
モノマーの非溶剤中で加熱することからなっている。こ
の種の方法は、工業衛生上及び溶剤回収を含む加工性の
点で問題がある。
【0005】米国特許第3313591号公報は、エチ
レン性不飽和モノマーをポリカーボンアミドへグラフト
重合させてポリマー構造体の各種の性質を改良する方法
を記載している。この方法によれば、重合開始剤が排除
されて、グラフト重合に必要とされる遊離基を生成させ
るために熱だけがグラフト開始剤として使用される。従
来技術の欠点を解決する極く最近の試みは、アイカワ等
に係る米国特許第4135877号公報に開示されてい
る。この特許公報は、或る種の選択されたビニルモノマ
ーをポリアミド又は繊維構造体へグラフト重合させる方
法を開示している。この特許公報に記載された方法によ
れば、重合開始剤は排除され、かつ米国特許第3313
591号のタンナー法におけると同様に熱が使用される
が、水性処理溶液はさらに酸を含有する。ポリアミド及
びその他のポリマー構造体に対するモノマーのグラフト
重合を開示したその他の特許は、米国特許第30971
85号、同第3099631号、同第3252880号
及び同第3278639号を包含する。しかしながら、
これら特許の方法は、グラフト重合を行なうためにポリ
マー溶融物の生成に際し、イオン化照射を用いる。
【0006】これら従来法の多くはポリマーにおける改
良された帯電防止性、吸湿性及び染料受理性をもたらす
が、永久的かつ実質的な結果を得るのが困難でありかつ
最終生産物及び処理装置から除去するのが困難なホモポ
リマーが過剰に生成されることによる処理上の困難性の
ため、完全には工業的に成功を納めていない。さらに、
幾つかの従来法は、低濃度のモノマーでなく高濃度のモ
ノマーを必要とし、又他の従来法は長時間を必要とする
。限定はしないがポリアミド、ポリエステル及びアクリ
ル繊維を含む合成繊維のこれら性質を改良しうることが
重要である。何故なら、これら布地の多くはたとえば静
電付着、貧弱な吸水性及び貧弱な染料受理性のような本
質的に望ましくない性質を示すからである。したがって
、多くの合成布地の産業的許容性が著しく制約されてい
た。従来、永久的でありかつ反復洗浄にも耐え得る相当
に改良された帯電防止性と吸湿性と染料受理性とを有す
る処理繊維をもたらすような工業的に成功した方法は知
られていない。
【0007】本出願人に係る米国特許出願第39073
2号明細書は、活性水素原子を含有するポリマー繊維、
特に本来吸収性でなくかつ静電気発生問題を有するよう
な特にナイロンの処理方法を開示している。この発明の
方法は、さらに、たとえば木綿のような吸収性繊維の性
質を向上させるのに有利である。この方法にしたがう綿
と合成繊維とよりなる混紡繊維の処理は、混紡繊維にお
ける綿の使用を少なくして匹敵する布地を得ることを可
能にする。しかしながら、この方法は、ポリエステル又
はアクリル繊維に対し適用し得ないと従来考えられてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明によれば、ポリ
エステル又はアクリルポリマーからなるポリマー繊維又
はそれから作られる繊維質構造体(以下、単に「ポリマ
ー繊維」と呼ぶ)は、少なくとも1種の不飽和モノマー
の加熱酸性溶液で処理され、次いで重合開始剤によりモ
ノマーを重合させてポリマー繊維の表面特性を改質させ
る。
【0009】
【問題点を解決するための手段】処理工程は主として3
工程からなり、すなわち(1) 繊維を、7より低いp
Hと約60〜約100℃との温度とを有し、さらに少な
くとも1種の不飽和モノマーを含有する水溶液と接触さ
せ、好ましくは均一分散及びモノマーと繊維表面との緊
密接触を生ぜしめるのに充分な時間にわたり溶液を撹拌
し又は繊維間に強制流動させ、(2) 次いで、たとえ
ば過硫酸塩又は過酸化物化合物のような重合開始剤を用
いて繊維表面上でモノマーの重合を開始させ、かつ(3
) 繊維表面上でのモノマーの実質的なグラフト重合を
生ぜしめるのに充分な時間にわたり重合を継続して、ポ
リマー繊維の表面特性を改質させることからなっている
【0010】繊維は好ましくは処理溶液中に浸漬され、
一般に編布、織布又は不織布の形態であり、処理溶液に
対する各種成分の添加順序は多くの変化が可能である。 本発明に使用するのに好適なモノマーはN,N’−メチ
レン−ビス−アクリルアミドである。溶液のpHは、酸
の添加により又は酸モノマーの使用によって調整するこ
とができる。好ましくは、処理は低濃度のモノマーと重
合開始剤とにおいて、できるだけモノマーの実質的単独
重合を避けるように短時間行なわれる。好ましくは繊維
を処理工程に先立ち精練して繊維を清浄すると共に、繊
維表面上でのモノマーのグラフト重合を阻害しうるよう
な表面薬剤を除去する。繊維の染色は、好ましくは処理
工程の後かつ繊維をゆすいで染色を阻害するような酸及
び過剰のホモポリマーを除去した後に行なわれる。本発
明の方法により得られる繊維は、実質的に改良された吸
水性、染料受理性、帯電防止性、汚れ放出性、繊維間付
着性及び結合特性並びに布地の風合いを有する。本発明
によりこのように処理した繊維は、何回も激しく洗浄し
た後でさえ、その向上した性質を保持する。
【0011】発明の詳細な記述 本発明が指向するポリマー繊維は、慣用のポリエステル
及びアクリルポリマー並びにこれらポリマー繊維と他の
合成及び(又は)天然繊維との組合せを包含する。ポリ
エステル及びアクリルポリマー繊維と組合せうる天然繊
維の例はウール、木綿及び絹を包含する。ポリエステル
及び(又は)アクリル繊維と組合せ得る合成ポリマー繊
維の例はナイロン、アセテート及びセルロース繊維など
、たとえばレーヨンを包含する。本発明は、ポリマー繊
維自身及びそれから作られる繊維質構造体の処理に関す
るものである。「繊維質構造体」という用語は、上記し
た繊維の少なくとも1種よりなる連続フィラメント、マ
ルチフィラメント系、バット、ステープルファイバー、
織布若しくは編布及び不織布などを包含する。本明細書
において「ポリマー繊維」という用語は、たとえば上記
した繊維質構造体などを包含することを意味する。 本明細書において繊維表面又はモノマーと繊維表面との
緊密接触などという表現を使用する場合、これはフィラ
メントの各々の繊維について言及するものであり、モノ
マーとグラフトポリマーの接触及び付着がたとえばマル
チフィラメント糸又は束の個々のフィラメントの表面で
行なわれることを意味する。
【0012】ポリエステルは、繊維形成性物質が少なく
とも85重量%の二価アルコールとテレフタル酸とのエ
ステルで構成された任意の長鎖合成ポリマーであるステ
ープルファイバー又は連続フィラメントのいずれかとし
て製造された繊維に対する一般的名称である。アメリカ
合衆国において入手しうる最も一般的なポリエステル繊
維はポリエチレンテレフタレートであり、たとえば「ダ
クロン(DACRON)」(登録商標)としてイー・ア
イ・デュポン・デ・ネモアス・アンド・カンパニー社か
ら及び「フォートレル(FORTREL)」としてIC
I・ユナイテッド・ステート社から及びセラニーズ・ケ
ミカル社から入手することができる。ポリエステル繊維
はフィラメントヤーン、ステープルファイバー及び繊維
束として入手することができ、しばしばたとえば綿及び
ウールのような他の繊維と組合せられる。たとえば、多
くの衣料は、ポリエステルと綿ステープルファイバーと
の混紡であるヤーンから作られる。この種のポリエステ
ル繊維及び繊維の組合せから作られる布地は、一般に多
くの種類の上着、たとえばドレス、スーツ、シャツなど
を製造するために使用される。
【0013】ポリエステルは優れた布地を形成し、大量
生産により極めて安価に製造しうるが、多くの欠点を有
する。ポリエステルは顕著に水を吸収する能力がなく、
静電気発生問題を有する。本発明の方法にしたがってポ
リエステル繊維を処理することにより、何回も洗浄した
後にさえ保持される極めて良好な吸水性、染料受理性及
び帯電防止性を有する特に有用な布地が形成される。ア
クリルとは、繊維形成性物質が少なくとも85重量%の
アクリロニトリル単位(CH2 CH(CN)−)で構
成された任意の長鎖合成ポリマーである繊維に対する一
般的名称である。この種の繊維は各種のステープルファ
イバー及び束として入手でき、「オルロン(ORLON
)」(登録商標)としてイー・アイ・デュポン・デ・ネ
モアス・アンド・カンパニー社から及び「クレスラン(
CRESLAN)」(登録商標)としてアメリカン・シ
アナミド社からたとえば市販されている。衣料用のアク
リル繊維は一般に、たとえばウールのような他の繊維と
の混紡であり、或いはヤーンに形成した後これを他のよ
り丈夫なたとえばナイロンのような合成繊維又はフィラ
メントと編製する。
【0014】ポリエステルなどの合成繊維と同様に、ア
クリル繊維も顕著に水を吸収する能力がなく、静電気発
生の問題を有する。本発明の方法にしたがってアクリル
繊維を処理することにより、何回も洗浄した後でさえ保
持される優秀な吸水性と染料受理性と帯電防止性とを有
する布地が得られる。本出願人に係る米国特許出願第3
90732号明細書に開示したように、これらの表面特
性はアクリル及び(又は)ポリエステルと組合せうる他
の合成繊維及び天然繊維においても改良される。
【0015】本発明の方法は、ポリマー繊維へグラフト
重合させるモノマーの重合がモノマーとポリマー繊維の
表面との緊密接触が生ずるまで遅延される点で、従来の
方法とは異なっている。したがって、特定の理論又は反
応メカニズムに拘束されるものではないが、不飽和モノ
マーが先ず熱及び酸の存在下で分子基準にて分子上のポ
リマー鎖に付着すると考えられる。その後、重合開始剤
の添加又は活性化により重合を開始させると、モノマー
は重合を開始してポリマー繊維に最初にグラフトされた
単一の付加モノマーに対しモノマーの連鎖付加が生ずる
。モノマーが繊維に付着する前にモノマーの顕著な単独
重合が生ずれば、その大部分は簡単に繊維から洗浄除去
され、したがって繊維の表面特性において顕著な永久的
改善が生じないであろう。したがって、本発明による方
法の第1工程は、溶解されたモノマーを含有し、酸性p
H(すなわち約7より低い)を有し、さらに約60〜約
100℃の温度、好ましくは約70〜90℃の範囲に加
熱された水性処理溶液を作ることを含む100℃より高
い温度も可能であるが、これは処理をより困難にし、か
つその後の重合を制御困難にすることがある。同様に、
約60℃より低い温度も可能であるが、一般に長過ぎる
処理時間を必要とし工業的に可能でない。
【0016】第1工程の全体にわたり又は方法の全体に
わたって温度を一定にする必要はない。たとえば、処理
溶液を、約70℃又はモノマー及び(又は)酸を溶液中
に容易に溶解させるような温度で作り、次いでこの温度
を重合の開始直前に重合に対し望ましいレベルまで上昇
させることができる。次いで、この温度を重合の最適程
度を得るのに必要なレベルに維持する。たとえば、温度
は第1工程の終りに約85〜90℃まで上昇させ、残余
の処理工程に対しこの温度に維持することができる。 酸、モノマー、布地及び熱は処理工程の第1工程でほぼ
任意の所望順序で組合せることもできるが、ただしこれ
ら4種の要素の全てを存在させた後に、均一分散及びモ
ノマーと繊維表面との緊密接触を生ぜしめるのに充分な
時間にわたり重合を開始させる。たとえば、第1工程に
おける組合せ順序は次のいずれであっても良い:(1)
 酸とモノマーとを水へ添加し、遅延開始剤(第2工程
で活性化される)を添加し、次いで所望温度に加熱する
、(2) モノマーと遅延開始剤とを水へ添加し、酸を
加え、次いで所望温度に加熱する、(3) モノマーを
水へ添加し、所望温度に加熱し、次いで酸と遅延開始剤
とを添加する、或いは(4) 酸モノマーを水へ添加し
、遅延開始剤を添加し、次いで所望温度に加熱する。第
1工程を行なうためのその他の可能な順序は、本明細書
の開示に基づいて当業者に明らかであると思う。
【0017】このような均一分散及び緊密接触は、繊維
表面の周囲及び表面間における水性処理溶液の流れの種
々な撹拌状態によって促進することができる。たとえば
、布地製品としての繊維を処理する場合、撹拌は慣用の
パドル槽においてパドルで達成することができる。或い
は、ビーム上のロールとして処理される布地の形態の繊
維については、水性処理溶液を慣用の圧力手段によって
ビームの周囲及びビームを貫通して循環させることがで
きる。均一分散及び緊密接触を達成するのに必要な時間
は、繊維を水溶液と接触させる特定の方法に応じて変化
する。水溶液は噴霧、パジング、浸漬又はその他の手段
によって繊維に接触させることも可能であるが、特に好
ましくは繊維を水溶液により形成された浴中に浸漬する
。この種の浸漬技術を使用すれば、重合を開始させる前
に比較的短時間しか必要としない。たとえば、一般に充
分な撹拌又は水溶液の循環を用いれば、約10分間で充
分である。
【0018】均一分散及び緊密接触が達成された後、繊
維上でのモノマーの重合は当業界で知られたたとえば過
酸化物又は過硫酸化合物のような適当な重合開始剤を用
いて開始させることができる。選択される特定の開始剤
は特定のポリマー繊維、特定の使用モノマー及び所望の
重合速度及びその他の重合条件に依存する。所望ならば
、開始剤は第1工程の間に添加することもでき、ただし
これは均一分散及びモノマーと繊維表面との緊密接触が
達成されるまで活性化されない。次いで、重合の開始は
、たとえば温度を上昇させ、pHを変化させ、或いは開
始剤を活性化させるその他の条件を変化させることによ
り行なうことができる。最後に、重合をポリマー繊維上
でのモノマーの実質的なグラフト重合が完了するまで継
続させて、繊維の表面特性を改変させる。一般に、比較
的低い程度の重合が望ましい。何故なら、過度の重合は
繊維及び工程装置に多量のホモポリマーをもたらし、こ
れは工程の完了後に清浄及び洗浄除去せねばならないか
らである。したがって、処理溶液を著しく濁らせるよう
な重合を避けることが好ましく、溶液中に残存するよう
な少量のポリマーが好適である。
【0019】この目的で、低濃度たとえば全溶液に対し
約0.01〜約1.0重量%の範囲、好ましくは全溶液
の約0.02〜0.5重量%の範囲のモノマーを使用し
て本発明の方法を行なうのが好ましい。このような低濃
度は重合反応の制御を容易にし、したがって全工程を通
じて比較的透明な溶液が維持され、さらに処理装置及び
処理繊維を容易に清浄及び洗浄することができる。ポリ
マー繊維上に付加されるグラフト重合の正確な量を正確
に測定することはできなかったが、本発明による最適処
理はポリマー繊維の重量に基づき約0.1重量%若しく
はそれ以下のグラフト重合体の永久付加(add−on
)をもたらすと思われる。本発明の方法はポリマー繊維
又はこれら繊維から作成される布地若しくはその他の構
造体を常法で処理する多数の工程のいずれで行なっても
良いが、好ましくは繊維の染色前或いは繊維表面のカプ
セル化すなわち被覆をもたらすような繊維の処理を行な
う前に使用するのが好適であることがわかった。たとえ
ば、染料又はその他の繊維処理薬品をカプセル化し又は
「ロックオン」するのが一般的慣例であるが、この種の
被覆はしばしばポリマー繊維に対するモノマーの付加を
阻害する。付加が残存する程度で、これは何回も洗浄す
ることにより徐々に洗浄除去されるであろう。
【0020】したがって、繊維上に存在することがある
汚れ及びその他の薬品を除去するには、本発明の処理方
法を実施する前に繊維を精練し(たとえば、洗剤による
洗浄)かつゆすぐのが好ましい。次いで、本方法を染色
前或いは染料浴においてさえ行なうこともできるが、染
料を固定するための後処理前に行なう。しかしながら、
ポリマー繊維表面上の染色部位と染料との反応を阻害し
うるような酸及び過剰のホモポリマ−を除去するには、
染色前に処理溶液を排液しかつ繊維をゆすぐのが好まし
い。たとえばアイカワ及びタンナーのような従来技術の
教示の多くは重合開始剤の不存在下で繊維を処理して単
独重合を避けたのに対し、本発明は重合開始剤を使用す
る。重合開始剤は一般に、4種の基本的種類があり、す
なわち過酸化物、過硫酸塩、酸及び第二セリウム化合物
である。
【0021】本発明に使用しうる重合開始剤の例は無機
過酸化物、たとえば過酸化水素、過酸化バリウム、過酸
化マグネシウムなど並びに各種の有機ペルオキシ化合物
を包含し、後者の例はジアルキルペルオキシド、たとえ
ばジエチルペルオキシド、ジプロピルペルオキシド、ジ
ラウリルペルオキシド、ジオレイルペルオキシド、ジス
テアリルペルオキシド、ジ−(t−ブチル)ペルオキシ
ド及びジ−(t−アミル)ペルオキシドであり、これら
過酸化物はしばしばエチル、プロピル、ラウリル、オレ
イル、ステアリル、t−ブチル、t−アミルペルオキシ
ドと呼ばれ、さらにアルキル水素ペルオキシド、たとえ
ばt−ブチル水素ペルオキシド(t−ブチルヒドロペル
オキシド)、t−アミル水素ペルオキシド(t−アミル
ヒドロペルオキシド)など;対称性ジアシルペルオキシ
ド、たとえばアセチルペルオキシド、プロピオニルペル
オキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアロイルペル
オキシド、マロニルペルオキシド、スクシニルペルオキ
シド、フタロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシ
ドなどの名称で一般に知られた過酸化物;脂肪油酸ペル
オキシド、たとえば椰子油酸ペルオキシドなど;非対称
性又は混合ジアシルペルオキシド、たとえばアセチルベ
ンゾイルペルオキシド、プロピオニルベンゾイルペルオ
キシドなど;テルペンオキシド、たとえばアスカリドー
ルなど;並びに無機過酸の塩、たとえば過硫酸アンモニ
ウム及び過硫酸カリウムを包含する。
【0022】繊維を本発明により処理する場合、反応は
たとえば硝酸第二セリウム、硫酸第二セリウム、硝酸第
二セリウムアンモニウム、硫酸第二セリウムアンモニウ
ム、ピロ燐酸第二セリウムアンモニウム、沃酸第二セリ
ウムなどのような第二セリウム塩の形のセリウムイオン
により開始させることもできる。本発明に使用するのに
適した酸の例は塩酸、燐酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、
修酸、酒石酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリク
ロル酢酸などの酸を包含する。本発明を実施するには蟻
酸及び塩酸が特に適することがわかった。酸、たとえば
蟻酸は、触媒及び開始剤の両者として機能することがで
きる。
【0023】本発明に使用しうる不飽和型のモノマーの
例はN,N’−メチレン−ビス−アクリルアミド(CH
2 (NHCOCH:CH2 )2 )、N,N’−(
1,2ジヒドロキシエチレン)−ビス−アクリルアミド
、アクリルアミド、アクリル酸、2−プロピン−1−オ
ール、クロトン酸、テトラエチレングリコール、スチレ
ン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン
、α−ビニルナフタレン、ビニルピリジン、2−クロル
−2,3−ブタジエン、メタクリル酸、メタクリルアミ
ド、N−メチロール−アクリルアミド、N−メチル−N
−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、3−、
4−若しくは5−メチル−N−ビニルピロリドン、ビニ
ルオキシエチルホルムアミド、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸オクチルメチル、アクリル
酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩
化アクリル、ビニルメチルケトン、メタリルアルコール
、アクロレイン、メタクロレイン、酢酸ビニル、酢酸p
−ビニルフェニル、メタクリル酸メチル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、p−クロルスチレン、2,5−ジクロ
ルスチレン、アクリル酸1,1,7−トリヒドロ−ペル
フルオロヘプチル、α−クロルアクリル酸メチル、シア
ン化アクリリル、スチレンスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸の塩及びエステル並びにメタクリル酸グリシジルを
包含する。好適モノマーはN,N’−メチレン−ビス−
アクリルアミド(NBA)及びN,N’−(1,2ジヒ
ドロキシエチレン)−ビス−アクリルアミドである。
【0024】モノマーは酸として作用することができる
。たとえば、NBAは水溶液中で僅かに酸性である。 さらに、繊維又はこれから作成された布地に特殊の性質
、たとえばしわ柔軟性、潤滑性(たとえばモノマーに対
し珪素群を含ませることによる)、付着性、光学的艶、
抗細菌性、抗菌性又は抗かび性などを付与しうる特殊の
改変モノマーを使用することも可能である。NBA及び
N,N’−(1,2ジヒドロキシエチレン)−ビス−ア
クリルアミドよりなる群から選択される使用モノマーを
用いる本発明の好適具体例において、本方法の重合工程
は約0.5分〜約2時間、好ましくは約1.0分〜約3
0分行なわれる。処理溶液における開始剤の量は、約1
×10−4重量%〜5.0重量%である。処理溶液にお
けるモノマー、酸及び開始剤の特定濃度は、特定のモノ
マー、酸及び開始剤の性質、処理の時間及び温度、並び
に処理する繊維の性質及び形態のような種々の因子に応
じて広範囲に変化する。所定の群の処理条件の下では特
定のモノマー、酸及び開始剤に対し所定の濃度がかなり
重要であり、あらゆる条件下で全てのモノマー、酸及び
開始剤に適用される一般的範囲を示すことはできないが
、当業者は本発明の開示に基づき通常の実験によって濃
度を最適化することができると思う。
【0025】本発明による処理の望ましい程度は、開始
剤の強度並びモノマー及び酸の濃度に依存するであろう
。たとえば、強力な開始剤、すなわち本来強力であるか
又は高濃度の開始材を含むものは、より低いモノマ−濃
度を必要とする。逆に弱い開始剤、すなわち本質的に弱
いか又は低濃度の開始剤を含むものはより高いモノマー
濃度を必要とするであろう。後者の場合、本発明による
処理は、開始剤を含有する溶液を所望程度の重合が達成
された後に布地から排液して調節することができる。 重合が開始した後(この重合は酸、不飽和モノマー、布
地、開始剤の濃度及び種類並びに使用する装置の速度及
び種類の関数である)、繊維を所要温度の溶液中に均一
なグラフト重合(「実質的重合」)が生ずるのを確実に
するのに充分な時間にわたり残留させ、この時間は一般
に30分を越えない。次いで、繊維をゆすいでpHを中
和し、かつ存在する場合は過剰のホモポリマーを除去す
ることができる。以下の例により本発明をより詳細に説
明するが、これらのみに限定されない:
【0026】
【実施例】例I 75%のアクリルヤーン(オルロン)と25%のナイロ
ンフィラメントとで作られたスポーツ用靴下を、150
  lの水を含むパドル型染色槽で処理した。50ml
の33%塩酸と50mlの約88%蟻酸とを、160°
F (71℃)に加熱した水に加え、次いで56gのN
BAを水中に溶解した。1ポンド未満のアクリル製スポ
ーツ靴下をこの溶液中に浸漬し、そして温度を185°
F (85℃)に急上昇させ、この温度に10分間保っ
た。 25gの過硫酸カリウムを加え、そして添加の3分後に
ミルク状沈殿が生じた。過硫酸塩を添加してから10分
後、槽を排液して靴下を新鮮水でゆすいだ。
【0027】例II テキスチャーダクロンポリエステル(150デニール、
34フィラメント)で作られた単一の編布1ポンド未満
を使用して、例Iの工程を反復した。 試料I及びIIの試験 例I及びIIにしたがって処理したポリエステル試料及
びアクリル試料を、家庭用洗剤を用い50回にわたり家
庭用洗濯機に入れた。10回の洗浄サイクルからなる各
群は、温水洗浄にセットされた10ポンド容量の「ケン
モア(Kenmore) 」家庭洗濯機における「Fa
b 」家庭洗剤30gを用いる7回の正常サイクルと、
次いで洗剤を用いない温水にセットされた3回の正常サ
イクルとで構成した。10回の洗浄サイクルの各群を行
なった後、乾燥して試料の垂直吸上げを次のように試験
した:試料を異なる時間で切断し、そして布地片を切断
し、一端部を水中に懸垂しかつ表面の上方に吸上げられ
た距離を測定することにより垂直吸上げを試験した。ポ
リエステルの測定は2分間で行ない、アクリル繊維の測
定は5分間で行なった。比較は未処理のアクリル繊維及
びポリエステルとした。これらの結果を下記表1及び表
2に示す。
【0028】
【表1】                         ポ
リエステルの垂直吸上げ              
  洗浄                比較   
         処理              
    サイクル          ( cm ) 
       ( cm )            
        0                
0            7           
           10            
    0            4.5     
             20          
      0            4.2   
               30        
        0            4.5 
                 40      
          0            5 
                     50  
              0          
  5.5
【表2】                          
 アクリル垂直吸上げ               
 洗浄                比較    
        処理               
   サイクル          ( cm )  
      ( cm )             
       0              3.5
        10.2             
     10              3.2 
       10.5              
    20              3.6  
      10.2               
   30              3.4   
     10.0                
  40              3.5    
      9.0                
  50              3.5    
      9.1
【0029】上記の吸湿性に加えて
、例I及び例IIで処理した布地は優秀な風合いと感触
特性とを有し、さらに改良された染色性、良好な帯電防
止性及び全体的に改良された表面特性を有していた。以
上本発明を具体例につき説明したが、本発明はこれらの
みに限定されず、本発明の思想及び範囲を逸脱すること
なく他の種々の形態に変更することもできる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  活性水素原子を含有するポリマー繊維
    を処理して繊維の吸湿性、染料受理性及びその他の表面
    特性を改良するに際し、以下の工程: (a) 繊維に少なくとも1種の不飽和モノマーをフィ
    ラメントバンドルにおいて均一な分散及び浸透に達しさ
    せる程の濃度で含有し、7より低いpHを有し、温度7
    5°−100℃に加熱した水溶液を十分な期間接触させ
    て溶液と繊維表面とを均密に接触させ、それでモノマー
    を実質的にグラフト重合させずに、繊維への単一分子モ
    ノマー付加を形成し、 (b) 次いで、モノマーについての重合開始剤を加え
    て繊維上で単量体のグラフト重合を開始させ(c) 繊
    維上でのポリマーのグラフト重合を十分なグラフト重合
    が生じて繊維の表面特性を改質するまで続けることを含
    むポリマー繊維の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR19980045571A (ko) * 1996-12-10 1998-09-15 김준웅 그라프트 중합에 의한 폴리에스터 직물의 개질방법
CN108385199A (zh) * 2018-03-20 2018-08-10 佛山市瑰栗服装材料有限公司 一种易染色涤纶纤维

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57106775A (en) * 1980-12-25 1982-07-02 Komatsu Seiren Co Modifying treatment of fiber material

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