JPH0421312Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、折畳み椅子等に使用される椅子用の
折畳み座体に関する。

〔従来の技術〕

従来の一般の折畳み椅子は、パイプを矩形状に
折曲した背枠及び座枠を、互いに蝶番をもつて連
結し、この座枠に、左右１対のＸ字形の伸縮自在
な脚を取付け、不使用時には、背枠及び脚を、座
枠に沿つて折畳むようになつており、座には、主
としてキヤンバス生地等が使用されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述した折畳み椅子の座体では、座枠に張り渡
されたキヤンバス生地が撓むことにより、荷重を
支えるために、すわり心地は必ずしも良くないと
いう問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、硬質のクツシヨン板をもつて荷重を
支え、かつ折畳み自在とすることによつて、収納
時に嵩ばらないようにした椅子用の折畳み座体を
提供しようとするものである。

すなわち、本考案による椅子用の折畳み座体
は、平面視が三角形をなす硬質のクツシヨン板
を、正多角形を形成するべく、軸回りに複数枚配
設し、かつこれらを可撓性の帯を介して、１個所
の開口部を残して折畳み自在に互いの側縁を連結
するとともに、前記開口部における互いに対向す
るクツシヨン板の側縁に、この両側縁の開口部を
開閉自在に閉止しうる係止具を設けてある。

〔実施例〕

以下本考案を、背付折畳み椅子の座体として使
用する図示の一実施例に基づいて詳細に説明す
る。

１は、円筒からなる支柱で、その上下の開口
は、これより大径の抜け止め用の鍔部２ａを有す
る蓋板２，２で閉塞されている。

支柱１の上下方向の中央部には、この支柱１に
嵌挿しうる筒状の本体３ａと、この本体３ａの外
周面に、放射方向を向き、かつ外周面に沿つて等
間隔で配設された複数（実施例では６枚）の突片
３ｂとからなる取付筒３が固着されている。

また、支柱１には、上下１対をなし、かつ外周
面に放射方向を向く突片４ａ，５ａが突設された
上下の摺動材、例えば摺動環４，５が、前記取付
筒３を挾むようにして、昇降自在に嵌挿されてい
る。

６は脚で、上端部が取付筒３の突片３ｂの下端
部に枢着され、かつ下端部が放射方向に下向傾斜
する６本の脚材６ａと、外端部が脚材６ａに枢着
され、かつ内端部が前記摺動環５の突片５ａに枢
着された下部回動杆６ｂとからなり、摺動環５が
上昇すると、脚材６ａは折畳まれる。

７は支持腕で、下端部が取付筒３の突片３ｂの
上端部に枢着され、かつ上端部が放射方向に上向
傾斜する６本のアーム７ａと、外端部がアーム７
ａの中間部に枢着され、かつ内端部が前記摺動環
４の突片４ａに枢着された回動杆７ｂとからな
り、摺動環４が上昇すると、その遊端部７ｃが拡
開される。

８は角管の一側面中央部に長手方向の切溝８′
を設けることにより、内部を溝孔９とした背支持
杆で、その下端部８ａは、前記脚材６ａの下端部
寄りに、ヒンジ１０をもつて枢着されている。

背支持杆８の中間部８ａにおいて、溝孔９に
は、第４図に示すように、頭部１１ａと脚片１１
ｂとを備えて、断面Ｔ字形をなす摺動片１１の頭
部１１ａが、摺動自在に嵌挿されている。

摺動片１１の脚片１１ｂは、脚材７ａに取付け
られた断面コ字形の取付台１２に、ピン１３をも
つて枢着されている。

したがつて、第２図に示すように、アーム７ａ
及び脚材６ａが拡開した状態では、背支持杆８の
遊端部８ｃは拡開した、また第３図に示す収納し
た状態では、支柱１に沿うように畳まれる。

１４は引張りコイルばねで、その上端部は前記
アーム７ａの中間部に、また下端部は、前記脚材
６ａの中間部にそれぞれに掛止され、支持腕７と
脚６とを、常に拡開する方向に付勢している。

１５は、摺動環１４，１５に鎖１６をもつて取
付けられたピン状のストツパで、このストツパ１
５を、摺動環５及び支柱１を貫通する横孔１７，
１８に貫挿することによつて、支持腕７及び脚６
を、拡開した状態で保持できる。

第１図に示す、１９は背であり、下面が開口す
る３本の筒体１９ａと、隣接する筒体１９ａ，１
９ａ同士を連結する２枚の背当て布１９ｂとから
なり、筒体１９ａは、前記背支持杆８の遊端部８
ｃに、嵌挿しうるようになつている。

第５図に示す２０は、本考案に係る折畳み自在
な座体で、ほぼ二等辺三角形をなす硬質材と、こ
の上面に載置された緩衝材と、これを覆うビニー
ル張り等の被覆材とからなるクツシヨン板２０ａ
を複数（実施例では６枚）、互いに可撓性の帯、
例えば薄肉部２０ｂで連結してあり、展開した場
合には、正多角形（実施例では正六角形）を形成
するようになつている。座体２０の周面下縁に
は、環状の垂下片２０ｃが連設されている。

また、第６図に明示するように、座体２０の展
開時における継ぎ合わせ目、すなわち開口部２１
となるクツシヨン板２０ａの互いに対向する縁部
には、係止具２２として、例えば係合ピン２２ａ
と、これに係脱自在に係合するフツク２２ｂとが
それぞれ設けられ、これらを係合させて、開口部
２１を密着状態で閉塞し、隙間を生じないように
してある。

開口部２１となる１対のクツシヨン材２０ａの
裏面側には、バンド２３ａ及び金具２３ｂからな
る締付けバンド２３のそれぞれの基端部が取付け
られており、第８図に示すように、クツシヨン板
２０ａを折り重ねて畳んだ状態で、この締付けバ
ンド２３で、座体２０を縛ることができるように
なつている。

上述した背付折畳み椅子を使用するには、ま
ず、第２図に示すように、引張りコイルばね１４
の付勢力により、支持腕７及び脚６を拡開させた
後、ストツパ１５を、横孔１７，１８に差し込ん
で、摺動環４，５を支柱１に掛止させる。

次いで、背１９を背支持杆８に取付け、各アー
ム７ａの上端面間及び支柱１の蓋板２上に座体２
０を載置すると、第１図に示すように、背付の椅
子として使用できる。

第７図に示すように、各クツシヨン板２０ａ左
右側部は、支持腕７を構成する１対の上部回動杆
７ｂ，７ｂによつて、また先端部は、中央の支柱
１の蓋板２によつて支えられる。

不使用時には、第３図に示すように、座体２０
及び背１９をはずし、ストツパ１５を抜いて、摺
動環４，５を、中央の取付筒３に向けて移動させ
ると、アーム７ａと脚材６ａは折畳まれ、同時に
背支持杆８も折畳まれる。

座体２０も、前述したように折畳み、第８図に
示すようなバンド２３で縛つた状態とする。

折畳んだ椅子の周囲をゴムバンド等で止め、座
体と共に円筒状のケース（図示略）内に収納する
ことにより、容易に持ち運ぶことができる。

〔変形例〕

上述した実施例においては、座体の三角形状の
クツシヨン板を６枚としたが、支持腕の本数に合
わせて、５枚あるいは８枚等所要の数とすること
ができる。

また、クツシヨン板は、緩衝材を省略し、板材
のみの構造としてもよい。

係止具は、上述した構造の他に、ホツク状ある
いはひも等であつてもよく、バンドは座と別体に
してもよい。

〔考案の効果〕

以上、詳述したように、本考案による折畳み椅
子の座体は、すわり心地が良くなり、かつ可撓性
の帯を介して折畳むことができるため、折畳椅子
をケースに収納する際に嵩ばらず、持ち運びが容
易となる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を折畳み椅子に使
用した斜視図、第２図は、座体及び背をはずした
状態の椅子の正面図、第３図は、第２図の折畳み
状態を、前部のアーム及び脚材を省略して示す正
面図、第４図は、第３図の−線における横断
面図、第５図は、第１図の座体のみを取外して示
す平面図、第６図は、第５図の係止具取付部を示
す斜視図、第７図は、座体と椅子の位置関係を示
す平面図、第８図は、座体の折畳状態を示す斜視
図である。 １……支柱、２……蓋板、３……取付筒、４，
５……摺動環（摺動材）、６ａ……脚材、６ｂ…
…下部回動杆、７ａ……アーム、７ｂ……上部回
動杆、８……背支持杆、９……溝孔、１１……摺
動片、１４……引張りコイルばね、１５……スト
ツパ、１７……横孔、１９……背、２０……座
体、２０ａ……クツシヨン板、２０ｂ……薄肉部
（帯）、２０ｃ……垂下片、２１……開口部、２２
……係止具、２２ａ……係合ピン、２２ｂ……フ
ツク、２３……締付けバンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面視が三角形をなす硬質のクツシヨン板を、
   正多角形を形成するべく、軸回りに複数枚配設
   し、かつこれらを、可撓性の帯を介して、１個所
   の開口部を残して、折畳み自在に互いの側縁を連
   結するとともに、前記開口部における互いに対向
   するクツシヨン板の側縁に、この両側縁の開口部
   を開閉自在に閉止しうる係止具を設けたことを特
   徴とする椅子用の折畳み座体。