JPH04212129A - 光半導体装置 - Google Patents
光半導体装置Info
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- JPH04212129A JPH04212129A JP2650991A JP2650991A JPH04212129A JP H04212129 A JPH04212129 A JP H04212129A JP 2650991 A JP2650991 A JP 2650991A JP 2650991 A JP2650991 A JP 2650991A JP H04212129 A JPH04212129 A JP H04212129A
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Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光半導体装置に係り、特
に光を照射することにより励起子を発生させて吸収率を
変化させる光半導体装置に関する。近年、大容量光通信
や高速光コンピュータ等に用いるために、光を光により
高速でスイッチングさせる光・光スイッチが注目され、
光のオン・オフ動作を超高速で行なうことが要求されて
いる。
に光を照射することにより励起子を発生させて吸収率を
変化させる光半導体装置に関する。近年、大容量光通信
や高速光コンピュータ等に用いるために、光を光により
高速でスイッチングさせる光・光スイッチが注目され、
光のオン・オフ動作を超高速で行なうことが要求されて
いる。
【0002】
【従来の技術】光のオン・オフ動作を超高速で行なうた
めに、TBQ(Tunneling Bi−Quant
um Well) 構造を有する光半導体装置が提案さ
れている(特願昭63−224547号、及びTake
uti et al.JJAP28,L1098(19
89)参照)。TBQ構造は、幅の狭い量子井戸と幅の
広い量子井戸を交互に多数設けたものである。
めに、TBQ(Tunneling Bi−Quant
um Well) 構造を有する光半導体装置が提案さ
れている(特願昭63−224547号、及びTake
uti et al.JJAP28,L1098(19
89)参照)。TBQ構造は、幅の狭い量子井戸と幅の
広い量子井戸を交互に多数設けたものである。
【0003】幅の狭い量子井戸の準位に共鳴する波長の
光を照射すると、幅の狭い量子井戸に励起子が生成され
て光を吸収し難くなり、光の吸収率が低下する。励起子
が生成されるとトンネル現象により励起子の電子が幅の
広い量子井戸に抜け出すので、再び光を吸収できるよう
になり吸収率が回復する。このようにTBQ構造の光半
導体装置では10psecのオーダで光吸収回復が可能
であり、高速で光をオンオフすることができる。
光を照射すると、幅の狭い量子井戸に励起子が生成され
て光を吸収し難くなり、光の吸収率が低下する。励起子
が生成されるとトンネル現象により励起子の電子が幅の
広い量子井戸に抜け出すので、再び光を吸収できるよう
になり吸収率が回復する。このようにTBQ構造の光半
導体装置では10psecのオーダで光吸収回復が可能
であり、高速で光をオンオフすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにTBQ構造
の光半導体装置は、光吸収回復時間が10psecのオ
ーダで50%程度までは回復するが、その後は徐々にし
か回復せず、その緩和時間はnsecのオーダになるこ
とが報告されている(竹内他、電気学会研究資料、計測
研究会、IM−90−15〜18参照)。そしてその原
因は、質量の重い正孔のトンネル時間が長いためと説明
されている。
の光半導体装置は、光吸収回復時間が10psecのオ
ーダで50%程度までは回復するが、その後は徐々にし
か回復せず、その緩和時間はnsecのオーダになるこ
とが報告されている(竹内他、電気学会研究資料、計測
研究会、IM−90−15〜18参照)。そしてその原
因は、質量の重い正孔のトンネル時間が長いためと説明
されている。
【0005】従って、TBQ構造の光半導体装置をより
高速に動作させようとすると、トンネリングにより抜け
出した電子や正孔が幅の広い量子井戸に溜まって拡散や
再結合により消失するのに時間がかかるだけでなく、ト
ンネル時間が長いために狭い量子井戸内に正孔が残るこ
とにより、オンオフ動作のノイズマージンが低下すると
共に、高速動作が困難となるという問題があった。また
、励起光パルスを繰り返して入射すると、電子や正孔の
溜まりに遮られてトンネルによる高速動作が困難になる
と共に、狭い量子井戸内に残った正孔に起因する長時間
の緩和過程にオンオフ動作が隠れてしまい高速動作が困
難になるという問題点があった。
高速に動作させようとすると、トンネリングにより抜け
出した電子や正孔が幅の広い量子井戸に溜まって拡散や
再結合により消失するのに時間がかかるだけでなく、ト
ンネル時間が長いために狭い量子井戸内に正孔が残るこ
とにより、オンオフ動作のノイズマージンが低下すると
共に、高速動作が困難となるという問題があった。また
、励起光パルスを繰り返して入射すると、電子や正孔の
溜まりに遮られてトンネルによる高速動作が困難になる
と共に、狭い量子井戸内に残った正孔に起因する長時間
の緩和過程にオンオフ動作が隠れてしまい高速動作が困
難になるという問題点があった。
【0006】そこで本発明は、幅の広い量子井戸に電子
及び正孔が溜まるのを防止すると共に、幅の狭い量子井
戸に電子及び正孔が溜まるのを防止して、光の吸収回復
を早くすることができる光半導体装置を提供することを
目的とする。
及び正孔が溜まるのを防止すると共に、幅の狭い量子井
戸に電子及び正孔が溜まるのを防止して、光の吸収回復
を早くすることができる光半導体装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の原理を図1乃至
図6を用いて説明する。図1に本発明の第1の原理を示
し、図2に比較のために従来の原理を示す。TBQ構造
は、第1の禁制帯幅を有し、励起子の存在が可能な第1
の厚さを有する第1の物質層2と、第1の禁制帯幅より
大きい第2の禁制帯幅を有し、電子及び正孔のトンネリ
ングが可能な第2の厚さを有する第2の物質層4と、第
2の禁制帯幅より小さい第3の禁制帯幅を有し、第1の
物質層2から第2の物質層4をトンネリングした電子及
び正孔が存在する第3の厚さを有する第3の物質層6と
が積層された積層体により構成され、図1(a) 及び
図2(a) のエネルギバンド図に示すように、第1の
物質層2が幅の狭い量子井戸を構成し、第3の物質層6
が幅の広い量子井戸を構成している。
図6を用いて説明する。図1に本発明の第1の原理を示
し、図2に比較のために従来の原理を示す。TBQ構造
は、第1の禁制帯幅を有し、励起子の存在が可能な第1
の厚さを有する第1の物質層2と、第1の禁制帯幅より
大きい第2の禁制帯幅を有し、電子及び正孔のトンネリ
ングが可能な第2の厚さを有する第2の物質層4と、第
2の禁制帯幅より小さい第3の禁制帯幅を有し、第1の
物質層2から第2の物質層4をトンネリングした電子及
び正孔が存在する第3の厚さを有する第3の物質層6と
が積層された積層体により構成され、図1(a) 及び
図2(a) のエネルギバンド図に示すように、第1の
物質層2が幅の狭い量子井戸を構成し、第3の物質層6
が幅の広い量子井戸を構成している。
【0008】幅の狭い量子井戸の準位に共鳴する光hν
を照射すると、幅の狭い量子井戸で励起子が生成され、
第2の物質層4をトンネリングして第3の物質層6に電
子及び正孔が抜け出す。従来のTBQ構造の光半導体装
置においては、図2に示すように、電子が第3の物質層
6に溜まってなかなか消失しない。正孔についても、図
示はしないが同様のことがいえる。
を照射すると、幅の狭い量子井戸で励起子が生成され、
第2の物質層4をトンネリングして第3の物質層6に電
子及び正孔が抜け出す。従来のTBQ構造の光半導体装
置においては、図2に示すように、電子が第3の物質層
6に溜まってなかなか消失しない。正孔についても、図
示はしないが同様のことがいえる。
【0009】これに対し、本発明の第1の原理によれば
、TBQ構造の積層面に対して平行な方向に電界を印加
することにより、そのエネルギバンドを図1(b) に
示すように傾斜させ、第3の物質層6に抜け出した電子
を矢印方向に高速で移動させる。また正孔も、この矢印
方向と反対方向に高速で移動させる。このため電子及び
正孔が溜まることなく直ちに排出され、光の吸収回復が
迅速になされる。
、TBQ構造の積層面に対して平行な方向に電界を印加
することにより、そのエネルギバンドを図1(b) に
示すように傾斜させ、第3の物質層6に抜け出した電子
を矢印方向に高速で移動させる。また正孔も、この矢印
方向と反対方向に高速で移動させる。このため電子及び
正孔が溜まることなく直ちに排出され、光の吸収回復が
迅速になされる。
【0010】次に、図3に本発明の第2の原理を示し、
図4に比較のために従来の原理を示す。TBQ構造の光
半導体装置において、TBQ構造の積層面に対して垂直
な方向に電界を印加すると、図3に示すようにエネルギ
バンドが傾斜する。このため、第1の物質層2の幅の狭
い量子井戸で生成された励起子の電子と正孔は、井戸内
で電界によりそれぞれ反対方向に重心を移動させ、励起
子の分解には至らないが束縛エネルギーは実効的に弱く
なり、かつ、狭い量子井戸から第3の物質層6の広い量
子井戸への波動関数のしみ出しが大きくなる。従って、
電子及び正孔は共に幅の狭い量子井戸から第2の物質層
4をトンネリングして、それぞれ反対方向の幅の広い量
子井戸に容易に抜け出すことができる。また、幅の広い
量子井戸に抜け出した電子及び正孔は、電界に引かれて
互いに反対方向に移動する。
図4に比較のために従来の原理を示す。TBQ構造の光
半導体装置において、TBQ構造の積層面に対して垂直
な方向に電界を印加すると、図3に示すようにエネルギ
バンドが傾斜する。このため、第1の物質層2の幅の狭
い量子井戸で生成された励起子の電子と正孔は、井戸内
で電界によりそれぞれ反対方向に重心を移動させ、励起
子の分解には至らないが束縛エネルギーは実効的に弱く
なり、かつ、狭い量子井戸から第3の物質層6の広い量
子井戸への波動関数のしみ出しが大きくなる。従って、
電子及び正孔は共に幅の狭い量子井戸から第2の物質層
4をトンネリングして、それぞれ反対方向の幅の広い量
子井戸に容易に抜け出すことができる。また、幅の広い
量子井戸に抜け出した電子及び正孔は、電界に引かれて
互いに反対方向に移動する。
【0011】これに対して、従来のTBQ構造の光半導
体装置においては、図4に示すように、第1の物質層2
の幅の狭い量子井戸で生成された励起子の正孔は、その
質量が重いため、その波動関数の幅の広い量子井戸への
しみ出しが小さく、第2の物質層4をトンネリングして
第3の物質層6の幅の広い量子井戸に抜け出すことが容
易ではなかった。
体装置においては、図4に示すように、第1の物質層2
の幅の狭い量子井戸で生成された励起子の正孔は、その
質量が重いため、その波動関数の幅の広い量子井戸への
しみ出しが小さく、第2の物質層4をトンネリングして
第3の物質層6の幅の広い量子井戸に抜け出すことが容
易ではなかった。
【0012】このように、本発明の第2の原理によれば
、TBQ構造の積層面に対して垂直な方向に電界を印加
することにより、幅の狭い量子井戸で生成された励起子
の電子のみならず、質量の重い正孔も、容易に第2の物
質層4をトンネリングして幅の広い量子井戸に抜け出す
ことができ、幅の狭い量子井戸に溜まることがなくなる
。従って、吸収回復過程における緩和時間を短縮するこ
とができ、オンオフ動作のノイズマージンを向上させる
と共に、励起光パルスの繰り返し入射に対しても高速応
答することが可能となる。
、TBQ構造の積層面に対して垂直な方向に電界を印加
することにより、幅の狭い量子井戸で生成された励起子
の電子のみならず、質量の重い正孔も、容易に第2の物
質層4をトンネリングして幅の広い量子井戸に抜け出す
ことができ、幅の狭い量子井戸に溜まることがなくなる
。従って、吸収回復過程における緩和時間を短縮するこ
とができ、オンオフ動作のノイズマージンを向上させる
と共に、励起光パルスの繰り返し入射に対しても高速応
答することが可能となる。
【0013】なお、上記第1及び第2の原理において、
TBQ構造の積層面に対して平行又は垂直な方向に電界
をかける電界印加手段としては、TBQ構造の積層体の
左右又は上下に電極を設けることの他、積層体を挟んで
pin接合を形成するp型半導体層とn型半導体層とを
積層体の左右又は上下に設け、外部電界をかけるか或い
はまたこのpin接合によって生じる内部電界を用いて
もよい。
TBQ構造の積層面に対して平行又は垂直な方向に電界
をかける電界印加手段としては、TBQ構造の積層体の
左右又は上下に電極を設けることの他、積層体を挟んで
pin接合を形成するp型半導体層とn型半導体層とを
積層体の左右又は上下に設け、外部電界をかけるか或い
はまたこのpin接合によって生じる内部電界を用いて
もよい。
【0014】次に、図5及び図6に本発明の第3の原理
を示す。図5及び図6は、それぞれTBQ構造の積層面
に対して垂直な方向に電界をかけていない場合及び電界
をかけている場合のエネルギーバンド図である。TBQ
構造の光半導体装置において、図5及び図6に示すよう
に、第3の物質層6中に、第3の禁制帯幅より大きい第
4の禁制帯幅を有し、第3の物質層6に存在する電子及
び正孔がトンネリングすることのできないバリアを形成
する第4の物質層8を設ける。この第4の物質層8によ
り、第3の物質層6の幅の広い量子井戸は第1の量子井
戸6aと第2の量子井戸6bとに分割される。
を示す。図5及び図6は、それぞれTBQ構造の積層面
に対して垂直な方向に電界をかけていない場合及び電界
をかけている場合のエネルギーバンド図である。TBQ
構造の光半導体装置において、図5及び図6に示すよう
に、第3の物質層6中に、第3の禁制帯幅より大きい第
4の禁制帯幅を有し、第3の物質層6に存在する電子及
び正孔がトンネリングすることのできないバリアを形成
する第4の物質層8を設ける。この第4の物質層8によ
り、第3の物質層6の幅の広い量子井戸は第1の量子井
戸6aと第2の量子井戸6bとに分割される。
【0015】上記図3において、第1の物質層2の幅の
狭い量子井戸から第2の物質層4をトンネリングして第
3の物質層6の幅の広い量子井戸に抜け出した電子及び
正孔が電界によって加速され、隣の幅の狭い量子井戸に
至って更にトンネル現象を繰り返し、一種のアバランシ
ェ現象を起こす可能性がある。従って、広い量子井戸に
第4の物質層8を設けてバリアを形成することにより、
このアバランシェ現象の発生を防止することができ、幅
の広い量子井戸に抜け出した電子及び正孔が隣の幅の狭
い量子井戸に影響を及ぼすことはない。また、図6に示
すように、このバリアの存在により、第3の物質層6の
幅の広い量子井戸に抜け出した電子及び正孔は、それぞ
れ第1の量子井戸6aと第2の量子井戸6bとに分離さ
れた形となり、互いに何の影響も及ぼし合わないという
理想的な状態が実現される。
狭い量子井戸から第2の物質層4をトンネリングして第
3の物質層6の幅の広い量子井戸に抜け出した電子及び
正孔が電界によって加速され、隣の幅の狭い量子井戸に
至って更にトンネル現象を繰り返し、一種のアバランシ
ェ現象を起こす可能性がある。従って、広い量子井戸に
第4の物質層8を設けてバリアを形成することにより、
このアバランシェ現象の発生を防止することができ、幅
の広い量子井戸に抜け出した電子及び正孔が隣の幅の狭
い量子井戸に影響を及ぼすことはない。また、図6に示
すように、このバリアの存在により、第3の物質層6の
幅の広い量子井戸に抜け出した電子及び正孔は、それぞ
れ第1の量子井戸6aと第2の量子井戸6bとに分離さ
れた形となり、互いに何の影響も及ぼし合わないという
理想的な状態が実現される。
【0016】更に、第3の物質層6に形成された第1の
量子井戸6aを所定の幅に設定し、電子の第1の物質層
2の幅の狭い量子井戸における基底量子準位と第1の量
子井戸6aにおける基底量子準位との差がフォノンのエ
ネルギーに近い値になるように制御する。これにより、
励起子の電子が幅の狭い量子井戸から第2の物質層4を
トンネリングして第1の量子井戸6aに抜け出す際、フ
ォノンを放出して容易に抜け出すことができる。また、
正孔については、第2の量子井戸6bを所定の幅に設定
し、幅の狭い量子井戸における基底量子準位と第2の量
子井戸6bにおけるエネルギーが高い量子準位との差を
制御することにより、励起子の正孔が幅の狭い量子井戸
から第2の量子井戸6bに抜け出すことを容易にするこ
とができる。
量子井戸6aを所定の幅に設定し、電子の第1の物質層
2の幅の狭い量子井戸における基底量子準位と第1の量
子井戸6aにおける基底量子準位との差がフォノンのエ
ネルギーに近い値になるように制御する。これにより、
励起子の電子が幅の狭い量子井戸から第2の物質層4を
トンネリングして第1の量子井戸6aに抜け出す際、フ
ォノンを放出して容易に抜け出すことができる。また、
正孔については、第2の量子井戸6bを所定の幅に設定
し、幅の狭い量子井戸における基底量子準位と第2の量
子井戸6bにおけるエネルギーが高い量子準位との差を
制御することにより、励起子の正孔が幅の狭い量子井戸
から第2の量子井戸6bに抜け出すことを容易にするこ
とができる。
【0017】このように、本発明の第3の原理によれば
、第3の物質層6中にバリアを形成する第4の物質層8
を設けることにより、第3の物質層6の幅の広い量子井
戸に抜け出した電子及び正孔がアバランシェ現象を起こ
すことを防止すると共に、これらの電子及び正孔が第1
の量子井戸6aと第2の量子井戸6bとに分離されて互
いに何の影響も及ぼし合わない状態を実現することがで
きる。また、第1の量子井戸6aと第2の量子井戸6b
の幅をそれぞれ異なる所定の幅に制御し、電子及び正孔
が最も容易に第2の物質層4をトンネリングすることが
できるようにして、狭い量子井戸に溜まることをなくす
ことができる。
、第3の物質層6中にバリアを形成する第4の物質層8
を設けることにより、第3の物質層6の幅の広い量子井
戸に抜け出した電子及び正孔がアバランシェ現象を起こ
すことを防止すると共に、これらの電子及び正孔が第1
の量子井戸6aと第2の量子井戸6bとに分離されて互
いに何の影響も及ぼし合わない状態を実現することがで
きる。また、第1の量子井戸6aと第2の量子井戸6b
の幅をそれぞれ異なる所定の幅に制御し、電子及び正孔
が最も容易に第2の物質層4をトンネリングすることが
できるようにして、狭い量子井戸に溜まることをなくす
ことができる。
【0018】
【作用】即ち本発明によれば、幅の広い量子井戸に電子
及び正孔が溜まるのを防止すると共に、幅の狭い量子井
戸に電子及び正孔が溜まるのを防止して、光の吸収回復
を早くすることができ、超高速で動作する光半導体装置
を実現できる。更に、励起光パルスの繰返しにも高速応
答することができる光半導体装置の実現も可能となる。
及び正孔が溜まるのを防止すると共に、幅の狭い量子井
戸に電子及び正孔が溜まるのを防止して、光の吸収回復
を早くすることができ、超高速で動作する光半導体装置
を実現できる。更に、励起光パルスの繰返しにも高速応
答することができる光半導体装置の実現も可能となる。
【0019】
【実施例】本発明の第1の実施例による光半導体装置を
図7を用いて説明する。約100μm厚の半絶縁性Ga
As基板10は、信号光及び励起光を照射するために裏
面(図7の上面)から中央がくりぬかれている。半絶縁
性GaAs基板10の表面(図7の下面)には、AlG
aAsバッファ層12とAlGaAs保護層14に挟ま
れてTBQ構造16が設けられている。これらAlGa
Asバッファ層12とTBQ構造16とAlGaAs保
護層14とで約5μmの厚さである。
図7を用いて説明する。約100μm厚の半絶縁性Ga
As基板10は、信号光及び励起光を照射するために裏
面(図7の上面)から中央がくりぬかれている。半絶縁
性GaAs基板10の表面(図7の下面)には、AlG
aAsバッファ層12とAlGaAs保護層14に挟ま
れてTBQ構造16が設けられている。これらAlGa
Asバッファ層12とTBQ構造16とAlGaAs保
護層14とで約5μmの厚さである。
【0020】本実施例のTBQ構造16は、第1の物質
層として厚さ45ÅのGaAs層16aと、第2の物質
層として厚さ40ÅのAlGaAs層16bと、第3の
物質層として厚さ90ÅのGaAs層16cとを用い、
第2の物質層16b、第1の物質層16a、第2の物質
層16b、第3の物質層16cという構成を120周期
積層して形成されている。TBQ構造16は約10μm
の幅で約30μmの奥行をしている。
層として厚さ45ÅのGaAs層16aと、第2の物質
層として厚さ40ÅのAlGaAs層16bと、第3の
物質層として厚さ90ÅのGaAs層16cとを用い、
第2の物質層16b、第1の物質層16a、第2の物質
層16b、第3の物質層16cという構成を120周期
積層して形成されている。TBQ構造16は約10μm
の幅で約30μmの奥行をしている。
【0021】TBQ構造16の左右に相対する側面には
、約10μm幅のn型コンタクト領域18とp型コンタ
クト領域20がそれぞれ形成されている。n型コンタク
ト領域18の下面にはAuGe/Au電極層22が形成
され、p型コンタクト領域20の下面にはAu/Zn/
Au電極層24が形成されている。n型コンタクト領域
18にp型コンタクト領域20より高い電圧を印加する
。
、約10μm幅のn型コンタクト領域18とp型コンタ
クト領域20がそれぞれ形成されている。n型コンタク
ト領域18の下面にはAuGe/Au電極層22が形成
され、p型コンタクト領域20の下面にはAu/Zn/
Au電極層24が形成されている。n型コンタクト領域
18にp型コンタクト領域20より高い電圧を印加する
。
【0022】なお、TBQ構造16に印加する電圧は、
電界強度が約1×104 V/cm以下になるようにす
ることが望ましい。電界強度が強すぎると幅の狭い量子
井戸における励起子がイオン化により壊されてしまうか
らである(Chemla et al., Aplli
ed Physics Letter, vol 42
, p864 (1983); Miller et
al., Physical Review,vol
B32, p1043 (1985)) 。
電界強度が約1×104 V/cm以下になるようにす
ることが望ましい。電界強度が強すぎると幅の狭い量子
井戸における励起子がイオン化により壊されてしまうか
らである(Chemla et al., Aplli
ed Physics Letter, vol 42
, p864 (1983); Miller et
al., Physical Review,vol
B32, p1043 (1985)) 。
【0023】また、TBQ構造16の左右にn型コンタ
クト領域18とp型コンタクト領域20を設けるだけで
、pin接合によるエネルギバンドの曲りがあるため、
外部電圧を印加しなくとも内部電界によりTBQ構造1
6の積層面に対して平行な方向に電界をかけることがで
き、従って第3の物質層16cに抜け出した電子及び正
孔が加速され、吸収回復過程の高速化を行なうことがで
きる。
クト領域18とp型コンタクト領域20を設けるだけで
、pin接合によるエネルギバンドの曲りがあるため、
外部電圧を印加しなくとも内部電界によりTBQ構造1
6の積層面に対して平行な方向に電界をかけることがで
き、従って第3の物質層16cに抜け出した電子及び正
孔が加速され、吸収回復過程の高速化を行なうことがで
きる。
【0024】本実施例の光半導体装置を製造するには、
半絶縁性GaAs基板10上に例えばMBE法により、
AlGaAsバッファ層12、TBQ構造16、AlG
aAs保護層14を順次結晶成長させた。成長温度は6
00℃である。なお、TBQ構造16はMOCVD結晶
成長法によって製造してもよい。n型コンタクト領域1
8は、パターニングした窒化膜をマスクとしてSiをE
B蒸着し、熱拡散でSiを高濃度に注入して形成する。 同様に、p型コンタクト領域20は、パターニングした
窒化膜をマスクとしてZnをEB蒸着し、熱拡散でZn
を高濃度に注入して形成する。
半絶縁性GaAs基板10上に例えばMBE法により、
AlGaAsバッファ層12、TBQ構造16、AlG
aAs保護層14を順次結晶成長させた。成長温度は6
00℃である。なお、TBQ構造16はMOCVD結晶
成長法によって製造してもよい。n型コンタクト領域1
8は、パターニングした窒化膜をマスクとしてSiをE
B蒸着し、熱拡散でSiを高濃度に注入して形成する。 同様に、p型コンタクト領域20は、パターニングした
窒化膜をマスクとしてZnをEB蒸着し、熱拡散でZn
を高濃度に注入して形成する。
【0025】尚、これら高濃度n型及びp型のコンタク
ト領域は、集束イオンビームを用いてドーパントを注入
した後にアニーリングで活性化しても形成できる。半絶
縁性GaAs基板10を選択的に化学エッチングし、A
lGaAsバッファ層12を部分的に露出させた後、n
型コンタクト領域18とp型コンタクト領域20に金属
を蒸着してAuGe/Au電極層22とAu/Zn/A
u電極層24を形成した。
ト領域は、集束イオンビームを用いてドーパントを注入
した後にアニーリングで活性化しても形成できる。半絶
縁性GaAs基板10を選択的に化学エッチングし、A
lGaAsバッファ層12を部分的に露出させた後、n
型コンタクト領域18とp型コンタクト領域20に金属
を蒸着してAuGe/Au電極層22とAu/Zn/A
u電極層24を形成した。
【0026】本実施例では、YAGレーザで励起したダ
イ・レーザ光を用いたパンプアンドプローブ方式により
光励起する。即ち、AlGaAsバッファ層12上方か
らほぼ垂直に信号光を入射し、TBQ構造16を透過す
る透過光の強度を測定する。AlGaAsバッファ層1
2上方斜めからパルス状の励起光を入射する。信号光も
励起光も幅の狭いGaAs層16aの量子井戸の準位に
共鳴する周波数νの光である。
イ・レーザ光を用いたパンプアンドプローブ方式により
光励起する。即ち、AlGaAsバッファ層12上方か
らほぼ垂直に信号光を入射し、TBQ構造16を透過す
る透過光の強度を測定する。AlGaAsバッファ層1
2上方斜めからパルス状の励起光を入射する。信号光も
励起光も幅の狭いGaAs層16aの量子井戸の準位に
共鳴する周波数νの光である。
【0027】パルス状の励起光が入射すると、GaAs
層16aの量子井戸において多数の励起子が発生し、T
BQ構造16で光が吸収し難くなり一時的に信号光の透
過光が強くなる。発生した励起子の電子はAlGaAs
層16bをトンネリングしてGaAs層16cに移動し
、正孔はGaAs層16aに残る。TBQ構造16に印
加された電界により、GaAs層16c及びGaAs層
16aのエネルギバンドは傾斜しているので、抜け出た
電子及び正孔は高速でGaAs層16c及びGaAs層
16a中をそれぞれ移動し、n型コンタクト領域18及
びp型コンタクト領域20にそれぞれ排出される。この
ため、一時的に低下したTBQ構造16の吸収率も急速
に回復する。
層16aの量子井戸において多数の励起子が発生し、T
BQ構造16で光が吸収し難くなり一時的に信号光の透
過光が強くなる。発生した励起子の電子はAlGaAs
層16bをトンネリングしてGaAs層16cに移動し
、正孔はGaAs層16aに残る。TBQ構造16に印
加された電界により、GaAs層16c及びGaAs層
16aのエネルギバンドは傾斜しているので、抜け出た
電子及び正孔は高速でGaAs層16c及びGaAs層
16a中をそれぞれ移動し、n型コンタクト領域18及
びp型コンタクト領域20にそれぞれ排出される。この
ため、一時的に低下したTBQ構造16の吸収率も急速
に回復する。
【0028】本実施例による光半導体装置においてパル
ス状の励起光を入射した場合のTBQ構造の吸収率の変
化を図8に示す。同図に示すように、TBQ構造の吸収
回復時間は約600fsと1psecより小さく急速に
回復していることがわかる。図9に示すように、従来の
光半導体装置の場合は吸収率の回復が10psecのオ
ーダであったので、従来に比べて本実施例では光の吸収
回復が1桁以上高速化した。
ス状の励起光を入射した場合のTBQ構造の吸収率の変
化を図8に示す。同図に示すように、TBQ構造の吸収
回復時間は約600fsと1psecより小さく急速に
回復していることがわかる。図9に示すように、従来の
光半導体装置の場合は吸収率の回復が10psecのオ
ーダであったので、従来に比べて本実施例では光の吸収
回復が1桁以上高速化した。
【0029】次に、本発明の第2の実施例による光半導
体装置を図10に示す。図7の光半導体装置と同一の構
成要素には同一の符号を付して説明を省略する。本実施
例は、AlGaAsバッファ層12上面とAlGaAs
保護層14下面に、例えばAl等の金属の金属薄膜26
、28をそれぞれ200Åの厚さに形成して半透光性の
反射膜を設け、ファブリペロエタロンとしたものである
。
体装置を図10に示す。図7の光半導体装置と同一の構
成要素には同一の符号を付して説明を省略する。本実施
例は、AlGaAsバッファ層12上面とAlGaAs
保護層14下面に、例えばAl等の金属の金属薄膜26
、28をそれぞれ200Åの厚さに形成して半透光性の
反射膜を設け、ファブリペロエタロンとしたものである
。
【0030】本実施例によればTBQ構造を含む受光部
をファブリペロエタロンにしたので、S/N比が向上し
た。次に、本発明の第3の実施例による光半導体装置を
図11に示す。本実施例は上記第1及び第2の実施例と
半導体材料が異なる。半絶縁性InP基板30上にIn
Pバッファ層32とInP保護層34に挟まれてTBQ
構造36が設けられている。TBQ構造36は、第1の
物質層として44ÅのInGaAs層36aと、第2の
物質層として41ÅのInP層36bと、第3の物質層
として88ÅのInGaAs層36cとを用い、第2の
物質層36b、第1の物質層36a、第2の物質層36
b、第3の物質層36cという構成を120周期積層し
て形成されている。
をファブリペロエタロンにしたので、S/N比が向上し
た。次に、本発明の第3の実施例による光半導体装置を
図11に示す。本実施例は上記第1及び第2の実施例と
半導体材料が異なる。半絶縁性InP基板30上にIn
Pバッファ層32とInP保護層34に挟まれてTBQ
構造36が設けられている。TBQ構造36は、第1の
物質層として44ÅのInGaAs層36aと、第2の
物質層として41ÅのInP層36bと、第3の物質層
として88ÅのInGaAs層36cとを用い、第2の
物質層36b、第1の物質層36a、第2の物質層36
b、第3の物質層36cという構成を120周期積層し
て形成されている。
【0031】TBQ構造36の相対する側面には、n型
コンタクト領域38とp型コンタクト領域40がそれぞ
れ形成されている。n型コンタクト領域38はSiある
いはSnを拡散して形成し、p型コンタクト領域40は
Znを拡散して形成する。これらのコンタクト領域は、
集束イオンビームを用いてドーパントを注入した後にア
ニーリングで活性化することによっても形成できる。n
型コンタクト領域38の上面にはAuGe/Au電極層
42が形成され、p型コンタクト領域40の上面にはA
u/Zn/Au電極層44が形成されている。
コンタクト領域38とp型コンタクト領域40がそれぞ
れ形成されている。n型コンタクト領域38はSiある
いはSnを拡散して形成し、p型コンタクト領域40は
Znを拡散して形成する。これらのコンタクト領域は、
集束イオンビームを用いてドーパントを注入した後にア
ニーリングで活性化することによっても形成できる。n
型コンタクト領域38の上面にはAuGe/Au電極層
42が形成され、p型コンタクト領域40の上面にはA
u/Zn/Au電極層44が形成されている。
【0032】n型コンタクト領域38にp型コンタクト
領域40より高い電圧を印加してTBQ構造36のIn
GaAs層36c及びInGaAs層36aのエネルギ
バンドを傾斜させて、電子及び正孔を高速に移動させて
光の吸収回復の高速化を図っている。本実施例ではIn
P基板30が透明であるため、第1及び第2の実施例の
ように基板の中央部をエッチング除去する必要がない。
領域40より高い電圧を印加してTBQ構造36のIn
GaAs層36c及びInGaAs層36aのエネルギ
バンドを傾斜させて、電子及び正孔を高速に移動させて
光の吸収回復の高速化を図っている。本実施例ではIn
P基板30が透明であるため、第1及び第2の実施例の
ように基板の中央部をエッチング除去する必要がない。
【0033】次に、本発明の第4の実施例による光半導
体装置を図12に示す。本実施例は、TBQ構造を上下
に挟むn型コンタクト領域とp型コンタクト領域とを介
してそれぞれ電極層を設けると共に、TBQ構造16の
第3の物質層16c中にバリアを形成する第4の物質層
を設けたものである。即ち、n型GaAs基板50及び
その上に形成されたn型GaAsバッファ層52は、信
号光及び励起光を照射するために中央がくりぬかれてい
る。n型GaAsバッファ層52の表面(図12の下面
)には、N型AlGaAs層54とP型AlGaAs層
56に上下を挟まれてTBQ構造58が設けられている
。
体装置を図12に示す。本実施例は、TBQ構造を上下
に挟むn型コンタクト領域とp型コンタクト領域とを介
してそれぞれ電極層を設けると共に、TBQ構造16の
第3の物質層16c中にバリアを形成する第4の物質層
を設けたものである。即ち、n型GaAs基板50及び
その上に形成されたn型GaAsバッファ層52は、信
号光及び励起光を照射するために中央がくりぬかれてい
る。n型GaAsバッファ層52の表面(図12の下面
)には、N型AlGaAs層54とP型AlGaAs層
56に上下を挟まれてTBQ構造58が設けられている
。
【0034】本実施例のTBQ構造58は、第1の物質
層として厚さ45ÅのGaAs層58bと、第2の物質
層として厚さ40ÅのAlGaAs層58bと、第3の
物質層として厚さ90ÅのGaAs層58c及び厚さ1
00ÅのGaAs層58dと、第4の物質層として厚さ
100ÅのAlGaAs層58eとを用い、第2の物質
層58b、第1の物質層58a、第2の物質層58b、
第3の物質層58c、第4の物質層58e、第3の物質
層58dという構成を120周期積層して形成されてい
る。
層として厚さ45ÅのGaAs層58bと、第2の物質
層として厚さ40ÅのAlGaAs層58bと、第3の
物質層として厚さ90ÅのGaAs層58c及び厚さ1
00ÅのGaAs層58dと、第4の物質層として厚さ
100ÅのAlGaAs層58eとを用い、第2の物質
層58b、第1の物質層58a、第2の物質層58b、
第3の物質層58c、第4の物質層58e、第3の物質
層58dという構成を120周期積層して形成されてい
る。
【0035】なお、このとき、第4の物質層としてのA
lGaAs層58eは、第2の物質層としてのAlGa
As層58bと同じ組成、例えばAlxGa1−xAs
(x=0.5)とし、その厚さ100Åとしたが、これ
以上の厚さを有していてもよい。また、厚さを厚くして
バリアの幅を広くする代わりに、例えば組成比xを大き
くしてバリアの高さを高くしてもよい。
lGaAs層58eは、第2の物質層としてのAlGa
As層58bと同じ組成、例えばAlxGa1−xAs
(x=0.5)とし、その厚さ100Åとしたが、これ
以上の厚さを有していてもよい。また、厚さを厚くして
バリアの幅を広くする代わりに、例えば組成比xを大き
くしてバリアの高さを高くしてもよい。
【0036】また、n型GaAs基板50の上面にはA
uGe/Au電極層60が形成され、P型AlGaAs
層56の下面にはAu/Zn/Au電極層62が形成さ
れている。これらのAuGe/Au電極層60、Au/
Zn/Au電極層62に外部電界を印加し、N型AlG
aAs層54をP型AlGaAs層56よりも高い電圧
にしてTBQ構造58のエネルギバンドをその積層面に
垂直方向に傾斜させて、電子及び正孔のトンネル時間を
短縮して光の吸収回復の高速化を図っている。
uGe/Au電極層60が形成され、P型AlGaAs
層56の下面にはAu/Zn/Au電極層62が形成さ
れている。これらのAuGe/Au電極層60、Au/
Zn/Au電極層62に外部電界を印加し、N型AlG
aAs層54をP型AlGaAs層56よりも高い電圧
にしてTBQ構造58のエネルギバンドをその積層面に
垂直方向に傾斜させて、電子及び正孔のトンネル時間を
短縮して光の吸収回復の高速化を図っている。
【0037】なお、TBQ構造58の上下にN型AlG
aAs層54とP型AlGaAs層56とを設けるだけ
で、pin接合によるエネルギバンドの曲りがあるため
、外部電圧を印加しなくとも内部電界によりTBQ構造
58の積層面に垂直方向の電界をかけることができ、従
って電子のみならず質量の重い正孔も第2の物質層58
bをトンネリングすることが容易になり、吸収回復過程
の高速化を行なうことができる。勿論、AuGe/Au
電極層60及びAu/Zn/Au電極層62に外部電界
を印加してもよいし、この場合の方が電界強度を所望の
値に制御することができるという利点がある。
aAs層54とP型AlGaAs層56とを設けるだけ
で、pin接合によるエネルギバンドの曲りがあるため
、外部電圧を印加しなくとも内部電界によりTBQ構造
58の積層面に垂直方向の電界をかけることができ、従
って電子のみならず質量の重い正孔も第2の物質層58
bをトンネリングすることが容易になり、吸収回復過程
の高速化を行なうことができる。勿論、AuGe/Au
電極層60及びAu/Zn/Au電極層62に外部電界
を印加してもよいし、この場合の方が電界強度を所望の
値に制御することができるという利点がある。
【0038】本実施例の光半導体装置を製造するには、
n型GaAs基板50上に例えばMBE法により、n型
GaAsバッファ層52、N型AlGaAs層54、T
BQ構造58、P型AlGaAs層56を順次結晶成長
させた。成長温度は600℃である。なお、TBQ構造
58はMOCVD結晶成長法によって製造してもよい。 また、N型AlGaAs層54のドーパントにはSiを
用い、P型AlGaAs層56のドーパントにはBeを
用いた。更に、受光部のn型GaAs基板50及びn型
GaAsバッファ層52を選択的に化学エッチングし、
N型AlGaAs層54を部分的に露出させた後、n型
GaAs基板50上面とP型AlGaAs層56下面に
それぞれ金属蒸着法を用いてAuGe/Au電極層60
とAu/Zn/Au電極層62を形成した。
n型GaAs基板50上に例えばMBE法により、n型
GaAsバッファ層52、N型AlGaAs層54、T
BQ構造58、P型AlGaAs層56を順次結晶成長
させた。成長温度は600℃である。なお、TBQ構造
58はMOCVD結晶成長法によって製造してもよい。 また、N型AlGaAs層54のドーパントにはSiを
用い、P型AlGaAs層56のドーパントにはBeを
用いた。更に、受光部のn型GaAs基板50及びn型
GaAsバッファ層52を選択的に化学エッチングし、
N型AlGaAs層54を部分的に露出させた後、n型
GaAs基板50上面とP型AlGaAs層56下面に
それぞれ金属蒸着法を用いてAuGe/Au電極層60
とAu/Zn/Au電極層62を形成した。
【0039】本実施例でも、上記第1の実施例と同様に
パンプアンドプローブ方式で光励起する。即ち、幅の狭
いGaAs層58aの量子井戸の準位に共鳴する周波数
νの信号光をN型AlGaAs層54上方からほぼ垂直
に入射する。そしてN型AlGaAs層54上方斜めか
ら同じ周波数νのパルス状の励起光を入射すると、Ga
As層58aの量子井戸において多数の励起子が発生し
、TBQ構造58で光が吸収し難くなり一時的に信号光
の透過光が強くなる。このとき、TBQ構造58の積層
面に垂直な方向に印加された電界により、発生した励起
子の電子のみならず質量の重い正孔もAlGaAs層5
8bを容易にトンネリングして、それぞれ反対方向のG
aAs層58c、58dの量子井戸に抜け出す。そして
これらの電子及び正孔は、電界に引かれて互いに反対方
向に移動する。
パンプアンドプローブ方式で光励起する。即ち、幅の狭
いGaAs層58aの量子井戸の準位に共鳴する周波数
νの信号光をN型AlGaAs層54上方からほぼ垂直
に入射する。そしてN型AlGaAs層54上方斜めか
ら同じ周波数νのパルス状の励起光を入射すると、Ga
As層58aの量子井戸において多数の励起子が発生し
、TBQ構造58で光が吸収し難くなり一時的に信号光
の透過光が強くなる。このとき、TBQ構造58の積層
面に垂直な方向に印加された電界により、発生した励起
子の電子のみならず質量の重い正孔もAlGaAs層5
8bを容易にトンネリングして、それぞれ反対方向のG
aAs層58c、58dの量子井戸に抜け出す。そして
これらの電子及び正孔は、電界に引かれて互いに反対方
向に移動する。
【0040】また、GaAs層58cとGaAs層58
dとの間にはバリアを形成するAlGaAs層58eが
設けられているため、GaAs層58c、58dに抜け
出した電子及び正孔が電界によって加速されても、アバ
ランシェ現象を起こして隣のGaAs層58aの量子井
戸に影響を及ぼすことはない。そして電子及び正孔はそ
れぞれGaAs層58c、58dの量子井戸に分離され
、互いに何の影響も及ぼし合わない状態が実現される。
dとの間にはバリアを形成するAlGaAs層58eが
設けられているため、GaAs層58c、58dに抜け
出した電子及び正孔が電界によって加速されても、アバ
ランシェ現象を起こして隣のGaAs層58aの量子井
戸に影響を及ぼすことはない。そして電子及び正孔はそ
れぞれGaAs層58c、58dの量子井戸に分離され
、互いに何の影響も及ぼし合わない状態が実現される。
【0041】こうして、一時的に低下したTBQ構造5
8の吸収率も急速に回復する。本実施例による光半導体
装置においてパルス状の励起光を入射した場合のTBQ
構造の吸収率の変化を図13に示す。このときのTBQ
構造58に印加する電界は約1×104 V/cmであ
る。同図に示すように、TBQ構造の吸収は約20ps
ecの緩和時間で完全に元の値に戻っていることがわか
る。従って、図14に示すように従来の光半導体装置の
場合に吸収が完全に元の値に戻るのにnsecのオーダ
の緩和時間を要していたのと比較すると、2桁近く改善
されている。
8の吸収率も急速に回復する。本実施例による光半導体
装置においてパルス状の励起光を入射した場合のTBQ
構造の吸収率の変化を図13に示す。このときのTBQ
構造58に印加する電界は約1×104 V/cmであ
る。同図に示すように、TBQ構造の吸収は約20ps
ecの緩和時間で完全に元の値に戻っていることがわか
る。従って、図14に示すように従来の光半導体装置の
場合に吸収が完全に元の値に戻るのにnsecのオーダ
の緩和時間を要していたのと比較すると、2桁近く改善
されている。
【0042】次に、本発明の第5の実施例による光半導
体装置を図15に示す。図12の光半導体装置と同一の
構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。本実
施例は、N型AlGaAs層54上面とP型AlGaA
s層56下面に、例えばAl等の金属の金属薄膜64、
66をそれぞれ200Åの厚さに形成して半透光性の反
射膜を設け、ファブリペロエタロンとしたものである。
体装置を図15に示す。図12の光半導体装置と同一の
構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。本実
施例は、N型AlGaAs層54上面とP型AlGaA
s層56下面に、例えばAl等の金属の金属薄膜64、
66をそれぞれ200Åの厚さに形成して半透光性の反
射膜を設け、ファブリペロエタロンとしたものである。
【0043】従って、上記第2の実施例と同様に、本実
施例によればTBQ構造を含む受光部をファブリペロエ
タロンにしたので、S/N比が向上した。次に、本発明
の第6の実施例による光半導体装置を図16に示す。本
実施例は上記第4及び第5の実施例と半導体材料が異な
る。n型InP基板70上にn型InP層72とp型I
nP層74に挟まれてTBQ構造76が設けられている
。TBQ構造76は、第1の物質層として厚さ44Åの
InGaAs層76aと、第2の物質層として厚さ41
ÅのInP層76bと、第3の物質層として厚さ88Å
のInGaAs層76c及び厚さ100ÅのInGaA
s層76dと、第4の物質層として厚さ100ÅのIn
P層76eとを用い、第2の物質層76b、第1の物質
層76a、第2の物質層76b、第3の物質層76c、
第4の物質層76e、第3の物質層76dという構成を
120周期積層して形成されている。
施例によればTBQ構造を含む受光部をファブリペロエ
タロンにしたので、S/N比が向上した。次に、本発明
の第6の実施例による光半導体装置を図16に示す。本
実施例は上記第4及び第5の実施例と半導体材料が異な
る。n型InP基板70上にn型InP層72とp型I
nP層74に挟まれてTBQ構造76が設けられている
。TBQ構造76は、第1の物質層として厚さ44Åの
InGaAs層76aと、第2の物質層として厚さ41
ÅのInP層76bと、第3の物質層として厚さ88Å
のInGaAs層76c及び厚さ100ÅのInGaA
s層76dと、第4の物質層として厚さ100ÅのIn
P層76eとを用い、第2の物質層76b、第1の物質
層76a、第2の物質層76b、第3の物質層76c、
第4の物質層76e、第3の物質層76dという構成を
120周期積層して形成されている。
【0044】また、n型InP基板70の下面にはAu
Ge/Au電極層78が形成され、p型InP層74の
上面にはAu/Zn/Au電極層80が形成されている
。これらのAuGe/Au電極層78、Au/Zn/A
u電極層80に外部電界を印加し、n型InP層72を
p型InP層74よりも高い電圧にしてTBQ構造76
のエネルギバンドをその積層面に垂直方向に傾斜させて
、電子及び正孔のトンネル時間を短縮して光の吸収回復
の高速化を図っている。
Ge/Au電極層78が形成され、p型InP層74の
上面にはAu/Zn/Au電極層80が形成されている
。これらのAuGe/Au電極層78、Au/Zn/A
u電極層80に外部電界を印加し、n型InP層72を
p型InP層74よりも高い電圧にしてTBQ構造76
のエネルギバンドをその積層面に垂直方向に傾斜させて
、電子及び正孔のトンネル時間を短縮して光の吸収回復
の高速化を図っている。
【0045】なお、TBQ構造76の上下にn型InP
層72とp型InP層74とを設けるだけで、pin接
合による内部電界を利用してもよいのは、上記第4の実
施例の場合について述べたことと同様である。本実施例
ではn型InP基板70が透明であるため、上記第4及
び第5の実施例のように基板の中央部をエッチング除去
する必要がないのは、上記第3の実施例の場合と同様で
ある。
層72とp型InP層74とを設けるだけで、pin接
合による内部電界を利用してもよいのは、上記第4の実
施例の場合について述べたことと同様である。本実施例
ではn型InP基板70が透明であるため、上記第4及
び第5の実施例のように基板の中央部をエッチング除去
する必要がないのは、上記第3の実施例の場合と同様で
ある。
【0046】次に、本発明の第7の実施例による光半導
体装置を図17に示す。本実施例は、図7に示す第1の
実施例と図12に示す第4の実施例とを組み合わせ、T
BQ構造の積層面に対して平行及び垂直な方向に電界を
かけるようにしたものである。従って、図7及び図12
の光半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付し
て説明を省略する。
体装置を図17に示す。本実施例は、図7に示す第1の
実施例と図12に示す第4の実施例とを組み合わせ、T
BQ構造の積層面に対して平行及び垂直な方向に電界を
かけるようにしたものである。従って、図7及び図12
の光半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付し
て説明を省略する。
【0047】ここで、TBQ構造58とN型AlGaA
s層54及びP型AlGaAs層56との間にそれぞれ
I型AlGaAs層82、84が設けられているのは、
これらN型AlGaAs層54及びP型AlGaAs層
56とTBQ構造58の左右に形成されたn型コンタク
ト領域18及びp型コンタクト領域20とを電気的に分
離するためである。従って、図17に示されるように、
TBQ構造58上にのみP型AlGaAs層56が形成
される場合には、I型AlGaAs層84を設けなくと
もよい。
s層54及びP型AlGaAs層56との間にそれぞれ
I型AlGaAs層82、84が設けられているのは、
これらN型AlGaAs層54及びP型AlGaAs層
56とTBQ構造58の左右に形成されたn型コンタク
ト領域18及びp型コンタクト領域20とを電気的に分
離するためである。従って、図17に示されるように、
TBQ構造58上にのみP型AlGaAs層56が形成
される場合には、I型AlGaAs層84を設けなくと
もよい。
【0048】本実施例の光半導体装置を製造するには、
n型GaAs基板50上に例えばMBE法により、n型
GaAsバッファ層52、N型AlGaAs層54、I
型AlGaAs層82、TBQ構造58、I型AlGa
As層84、P型AlGaAs層56を順次結晶成長さ
せた。成長温度は600℃である。続いて、P型AlG
aAs層56上に所定のパターンのマスクを形成し、フ
ッ酸エッチング液を用いてP型AlGaAs層56及び
I型AlGaAs層84を選択的にエッチングする。こ
のエッチングはI型AlGaAs層84の途中まで行な
えばよく、従ってI型AlGaAs層84の存在により
TBQ構造58までエッチングすることが防止される。
n型GaAs基板50上に例えばMBE法により、n型
GaAsバッファ層52、N型AlGaAs層54、I
型AlGaAs層82、TBQ構造58、I型AlGa
As層84、P型AlGaAs層56を順次結晶成長さ
せた。成長温度は600℃である。続いて、P型AlG
aAs層56上に所定のパターンのマスクを形成し、フ
ッ酸エッチング液を用いてP型AlGaAs層56及び
I型AlGaAs層84を選択的にエッチングする。こ
のエッチングはI型AlGaAs層84の途中まで行な
えばよく、従ってI型AlGaAs層84の存在により
TBQ構造58までエッチングすることが防止される。
【0049】また、n型コンタクト領域18及びp型コ
ンタクト領域20の形成は上記第1の実施例において、
受光部のn型GaAs基板50及びn型GaAsバッフ
ァ層52の選択的な化学エッチングは上記第4の実施例
において、それぞれ述べたものと同様である。更に、A
uGe/Au電極層22とAu/Zn/Au電極層24
の形成及びAuGe/Au電極層60とAu/Zn/A
u電極層62の形成も、それぞれ上記第1及び第4の実
施例において述べたものと同様である。
ンタクト領域20の形成は上記第1の実施例において、
受光部のn型GaAs基板50及びn型GaAsバッフ
ァ層52の選択的な化学エッチングは上記第4の実施例
において、それぞれ述べたものと同様である。更に、A
uGe/Au電極層22とAu/Zn/Au電極層24
の形成及びAuGe/Au電極層60とAu/Zn/A
u電極層62の形成も、それぞれ上記第1及び第4の実
施例において述べたものと同様である。
【0050】尚、他の製造方法として、n型GaAs基
板50上にn型GaAsバッファ層52、N型AlGa
As層54、I型AlGaAs層82、TBQ構造58
を順次成長させた後、集束イオンビームを用いてドーパ
ントを空間的に分離して注入し、更にI型AlGaAs
層84、P型AlGaAs層56を順次成長させてから
アニーリングで注入したドーパントを活性化してn型コ
ンタクト領域18及びp型コンタクト領域20を形成し
、その後、P型AlGaAs層56及びI型AlGaA
s層84を選択的にエッチングしてn型コンタクト領域
18及びp型コンタクト領域20の表面を露出してもよ
い。
板50上にn型GaAsバッファ層52、N型AlGa
As層54、I型AlGaAs層82、TBQ構造58
を順次成長させた後、集束イオンビームを用いてドーパ
ントを空間的に分離して注入し、更にI型AlGaAs
層84、P型AlGaAs層56を順次成長させてから
アニーリングで注入したドーパントを活性化してn型コ
ンタクト領域18及びp型コンタクト領域20を形成し
、その後、P型AlGaAs層56及びI型AlGaA
s層84を選択的にエッチングしてn型コンタクト領域
18及びp型コンタクト領域20の表面を露出してもよ
い。
【0051】本実施例によれば、TBQ構造58の積層
面に対して平行及び垂直な方向に電界を同時に印加する
ことができるため、上記第1及び第4の実施例の効果を
相乗した効果を発揮することができる。次に、本発明の
第8の実施例による光半導体装置を図18に示す。本実
施例は、図11に示す第3の実施例と図16に示す第6
の実施例とを組み合わせ、TBQ構造の積層面に対して
平行及び垂直な方向に電界をかけるようにしたものであ
る。従って、図11及び図16の光半導体装置と同一の
構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
面に対して平行及び垂直な方向に電界を同時に印加する
ことができるため、上記第1及び第4の実施例の効果を
相乗した効果を発揮することができる。次に、本発明の
第8の実施例による光半導体装置を図18に示す。本実
施例は、図11に示す第3の実施例と図16に示す第6
の実施例とを組み合わせ、TBQ構造の積層面に対して
平行及び垂直な方向に電界をかけるようにしたものであ
る。従って、図11及び図16の光半導体装置と同一の
構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】ここで、TBQ構造76とn型InP層7
2及びp型InP層74との間にそれぞれi型InP層
86、88が設けられているのは、上記第7の実施例の
場合と同様に、n型InP層72及びp型InP層74
とn型コンタクト領域38及びp型コンタクト領域40
とを電気的に分離するためである。また、本実施例の光
半導体装置の製造方法も、半導体材料が異なるだけで上
記第7の実施例の場合とほぼ同様であるが、p型InP
層74及びi型InP層88の選択的エッチングにおい
ては、ブロム・メタノールを用いた。
2及びp型InP層74との間にそれぞれi型InP層
86、88が設けられているのは、上記第7の実施例の
場合と同様に、n型InP層72及びp型InP層74
とn型コンタクト領域38及びp型コンタクト領域40
とを電気的に分離するためである。また、本実施例の光
半導体装置の製造方法も、半導体材料が異なるだけで上
記第7の実施例の場合とほぼ同様であるが、p型InP
層74及びi型InP層88の選択的エッチングにおい
ては、ブロム・メタノールを用いた。
【0053】本実施例によれば、TBQ構造76の積層
面に対して平行及び垂直な方向に電界を同時に印加する
ことができるため、上記第3及び第6の実施例の効果を
相乗した効果を発揮することができる。本発明は上記実
施例に限らず種々の変形が可能である。例えば、上記第
3、第6、第7又は第8の実施例に、上記第2又は第5
の実施例のような金属薄膜を形成してファブリペロエタ
ロンとしてもよい。
面に対して平行及び垂直な方向に電界を同時に印加する
ことができるため、上記第3及び第6の実施例の効果を
相乗した効果を発揮することができる。本発明は上記実
施例に限らず種々の変形が可能である。例えば、上記第
3、第6、第7又は第8の実施例に、上記第2又は第5
の実施例のような金属薄膜を形成してファブリペロエタ
ロンとしてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、幅の広い
量子井戸に電子及び正孔が溜まるのを防止すると共に、
幅の狭い量子井戸に電子及び正孔が溜まるのを防止して
、光の吸収回復を早くすることができ、超高速で動作す
る光半導体装置を実現できる。また、励起光パルスの繰
返しにも高速応答することができる光半導体装置の実現
も可能となる。
量子井戸に電子及び正孔が溜まるのを防止すると共に、
幅の狭い量子井戸に電子及び正孔が溜まるのを防止して
、光の吸収回復を早くすることができ、超高速で動作す
る光半導体装置を実現できる。また、励起光パルスの繰
返しにも高速応答することができる光半導体装置の実現
も可能となる。
【図1】本発明の第1の原理を説明するためのエネルギ
ーバンド図である。
ーバンド図である。
【図2】従来の原理を説明するためのエネルギーバンド
図である。
図である。
【図3】本発明の第2の原理を説明するためのエネルギ
ーバンド図である。
ーバンド図である。
【図4】従来の原理を説明するためのエネルギーバンド
図である。
図である。
【図5】本発明の第3の原理を説明するためのエネルギ
ーバンド図である。
ーバンド図である。
【図6】本発明の第3の原理を説明するためのエネルギ
ーバンド図である。
ーバンド図である。
【図7】本発明の第1の実施例による光半導体装置を示
す図である。
す図である。
【図8】図7の光半導体装置の吸収率変化を示すグラフ
である。
である。
【図9】従来の光半導体装置の吸収率変化を示すグラフ
である。
である。
【図10】本発明の第2の実施例による光半導体装置を
示す図である。
示す図である。
【図11】本発明の第3の実施例による光半導体装置を
示す図である。
示す図である。
【図12】本発明の第4の実施例による光半導体装置を
示す図である。
示す図である。
【図13】図12の光半導体装置の吸収率変化を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図14】従来の光半導体装置の吸収率変化を示すグラ
フである。
フである。
【図15】本発明の第5の実施例による光半導体装置を
示す図である。
示す図である。
【図16】本発明の第6の実施例による光半導体装置を
示す図である。
示す図である。
【図17】本発明の第7の実施例による光半導体装置を
示す図である。
示す図である。
【図18】本発明の第8の実施例による光半導体装置を
示す図である。
示す図である。
2…第1の物質層
4…第2の物質層
6…第3の物質層
8…第4の物質層
10…半絶縁性GaAs基板
12…AlGaAsバッファ層
14…AlGaAs保護層
16…TBQ構造
16a…GaAs層
16b…AlGaAs層
16c…GaAs層
18…n型コンタクト領域
20…p型コンタクト領域
22…AuGe/Au電極層
24…Au/Zn/Au電極層
26、28…金属薄膜
30…半絶縁性InP基板
32…InPバッファ層
34…InP保護層
36…TBQ構造
36a…InGaAs層
36b…InP層
36c…InGaAs層
38…n型コンタクト領域
40…p型コンタクト領域
42…AuGe/Au電極層
44…Au/Zn/Au電極層
50…n型GaAs基板
52…n型GaAsバッファ層
54…N型AlGaAs層
56…P型AlGaAs層
58…TBQ構造
58a…GaAs層
58b…AlGaAs層
58c…GaAs層
58d…GaAs層
58e…AlGaAs層
60…AuGe/Au電極層
62…Au/Zn/Au電極層
64、66…金属薄膜
70…n型InP基板
72…n型InP層
74…p型InP層
76…TBQ構造
76a…InGaAs層
76b…InP層
76c…InGaAs層
76d…InGaAs層
76e…InP層
78…AuGe/Au電極層
80…Au/Zn/Au電極層
82、84…I型AlGaAs層
86、88…i型InP層
Claims (10)
- 【請求項1】 第1の禁制帯幅を有し、励起子の存在
が可能な第1の厚さを有する第1の物質層と、前記第1
の禁制帯幅より大きい第2の禁制帯幅を有し、電子及び
正孔のトンネリングが可能な第2の厚さを有する第2の
物質層と、前記第2の禁制帯幅より小さい第3の禁制帯
幅を有し、前記第1の物質層から前記第2の物質層をト
ンネリングした電子及び/又は正孔がそれぞれ存在する
第3の厚さを有する第3の物質層とが積層された積層体
を備え、前記積層体に光を照射することにより前記第1
の物質層に励起子を発生させる光半導体装置において、
前記積層体に電界をかけるための電界印加手段が設けら
れていることを特徴とする光半導体装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の光半導体装置において
、前記積層体が前記積層体の積層方向に垂直な方向に電
極にて挟まれてなる第1の電界印加手段を有し、前記積
層体の積層面に対して平行な方向に電界をかけることに
より、前記第1の物質層から前記第2の物質層をトンネ
リングしてそれぞれ反対方向の前記第3の物質層に抜け
出した励起子の電子及び正孔を前記第1の電極方向に排
出することを特徴とする光半導体装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の光半導体装置に
おいて、前記電極が、n型コンタクト領域を介してなる
n側電極とp型コンタクト領域を介してなるp側電極と
であり、前記n型コンタクト領域に前記p型コンタクト
領域より高い電圧を印加することにより、前記積層体の
第3の物質層のエネルギバンドを積層面に対して平行な
方向に傾斜させて、前記第3の物質層に存在する励起子
の電子及び正孔をそれぞれ前記n型コンタクト領域方向
及び前記p型コンタクト領域方向に排出することを特徴
とする光半導体装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の光半導体装置において
、前記積層体が前記積層体の積層方向に垂直な方向に挟
まれてpin接合を形成するp型半導体層とn型半導体
層とからなる第1の電界印加手段を有し、pin接合に
よって生じる内部電界により、前記積層体の第3の物質
層のエネルギバンドを積層面に対して平行な方向に傾斜
させて、前記第3の物質層に存在する電子及び正孔をそ
れぞれ前記n型半導体層方向及び前記p型型半導体層方
向に排出することを特徴とする光半導体装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の光半導体装置において
、前記積層体が前記積層体の積層方向に電極にて挟まれ
てなる第2の電界印加手段を有し、前記積層体の積層面
に対して垂直な方向に電界をかけることにより、励起子
の電子及び正孔が前記第1の物質層から前記第2の物質
層をトンネリングしてそれぞれ反対方向の前記第3の物
質層に容易に抜け出すようにすることを特徴とする光半
導体装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の光半導体装置において
、前記電極が、n型コンタクト領域を介してなるn側電
極とp型コンタクト領域を介してなるp側電極とであり
、前記n型コンタクト領域に前記p型コンタクト領域よ
り高い電圧を印加することにより、前記積層体のエネル
ギーバンドを積層面に対して垂直な方向に傾斜させて、
励起子の電子及び正孔が前記第1の物質層から前記第2
の物質層をトンネリングしてそれぞれ反対方向の前記第
3の物質層に容易に抜け出すようにすることを特徴とす
る光半導体装置。 - 【請求項7】 請求項1記載の光半導体装置において
、前記積層体が前記積層体の積層方向に挟まれてpin
接合を形成するp型半導体層とn型半導体層とからなる
第2の電界印加手段を有し、pin接合によって生じる
内部電界により、前記積層体のエネルギーバンドを積層
面に対して垂直な方向に傾斜させて、励起子の電子及び
正孔が前記第1の物質層から前記第2の物質層をトンネ
リングしてそれぞれ反対方向の前記第3の物質層に容易
に抜け出すようにすることを特徴とする光半導体装置。 - 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれかに記載の光
半導体装置において、請求項5記載の前記第2の電界印
加手段を有することを特徴とする光半導体装置。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の光
半導体装置において、前記積層体の第3の物質層中に、
前記第3の禁制帯幅より大きい第4の禁制帯幅を有し、
前記第3の物質層に存在する電子及び正孔がトンネリン
グすることのできないバリアを形成する第4の物質層が
設けられ、前記第3の物質層によって形成される量子井
戸を第1の量子井戸と第2の量子井戸とに分割すること
を特徴とする光半導体装置。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の
光半導体装置において、前記積層体の上面及び下面に金
属蒸着膜を形成したことを特徴とする光半導体装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2650991A JPH04212129A (ja) | 1990-07-03 | 1991-02-20 | 光半導体装置 |
EP91401487A EP0461042B1 (en) | 1990-06-06 | 1991-06-06 | High speed optosemiconductor device having multiple quantum wells |
US07/711,548 US5160993A (en) | 1990-06-06 | 1991-06-06 | High speed optosemiconductor device having multiple quantum wells |
DE69112288T DE69112288T2 (de) | 1990-06-06 | 1991-06-06 | Hochgeschwindigkeitsoptohalbleitervorrichtung mit mehrfachen Quantentöpfen. |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17584690 | 1990-07-03 | ||
JP2-175846 | 1990-07-03 | ||
JP2650991A JPH04212129A (ja) | 1990-07-03 | 1991-02-20 | 光半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04212129A true JPH04212129A (ja) | 1992-08-03 |
Family
ID=26364294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2650991A Pending JPH04212129A (ja) | 1990-06-06 | 1991-02-20 | 光半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04212129A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004207724A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-22 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | ヴァーティカルエミッション型半導体レーザー |
US7081639B2 (en) | 2000-06-06 | 2006-07-25 | Fujitsu Quantum Devices Limited | Semiconductor photodetection device and fabrication process thereof |
-
1991
- 1991-02-20 JP JP2650991A patent/JPH04212129A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7081639B2 (en) | 2000-06-06 | 2006-07-25 | Fujitsu Quantum Devices Limited | Semiconductor photodetection device and fabrication process thereof |
JP2004207724A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-22 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | ヴァーティカルエミッション型半導体レーザー |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010410 |