JPH04212059A - クロマトグラフのスペクトル・データ処理方法 - Google Patents

クロマトグラフのスペクトル・データ処理方法

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JPH04212059A
JPH04212059A JP1831891A JP1831891A JPH04212059A JP H04212059 A JPH04212059 A JP H04212059A JP 1831891 A JP1831891 A JP 1831891A JP 1831891 A JP1831891 A JP 1831891A JP H04212059 A JPH04212059 A JP H04212059A
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sample
spectrum
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JP1831891A
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Hans-Juergen Paul Sievert
ハンス・ジョーゲン・ポール・シエベルト
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    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
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    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/86Signal analysis
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は一つまたはそれ以上の化
学化合物を含む混合物の分析に関するものである。詳細
には、本発明はこのような混合物の特性化するためのク
ロマトグラフ装置および分光光度計によって提供される
データの分析に関するものである。さらに詳細には本発
明はスペクトルおよびクロマトグラフのデータに基づい
て個別の化合物(chemical  compoun
d)(chemical  compound)を識別
する(distinguish)ための方法および装置
に関するものである。 【0002】 【従来技術とその問題点】幾つかの化合物から成る混合
物が現代社会において非常な重要性を持つようになった
ことはほとんど疑問の余地がない。このような混合物の
性質と効力は農業、製造業、科学研究および医学などの
分野においていつも関心をもたれている。実際、人体は
化学的混合物が存在しなければほとんど機能することが
できない。したがって、例えば人体あるいは他の化学反
応系において見出される化学的混合物中の成分の同定お
よび濃度を測定することが医学その他の技術の目的であ
ることが多い。この種の分析には数多くのアプリケーシ
ョンがあり多様な製品の品質管理計画や医学的診断技術
の主要な基準を提供する。 【0003】恐らく少なくとも一つの化合物の混合物を
分析するための最も一般的な方法は、各化合物を単離し
て特性化することを必要とする。クロマトグラフィーは
このような単離を行うための一つの手段を提供する。実
質的にすべてのクロマトグラフによる分離においては、
複数の化合物から成る混合物を含む移動相が固定相(s
tationary  bulk  stationa
ry)を通過する。ガスおよび液体クロマトグラフィー
は移動相として夫々ガス、液体が使用される技術の例で
ある。ガスおよび液体クロマトグラフィーの両方につい
ての幾つかの変形が当核技術分野で知られている。所与
の変形からの選択は行われる特定の分離と密接な関係が
あ。例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は
液体移動相が高い圧力の影響下で固定相を通過する技術
であるが、比較的高分子量で分離が困難な化合物の分離
および分析に用途がある。 【0004】HPLCまたはその他の種類のクロマトグ
ラフィーによって分離された化合物は通常は次に1つま
たはそれ以上の化合物に応答する検出器を通過する。フ
レームイオン化、熱伝導、紫外(UV)/可視装置は通
常使用される検出器の一例である。当業者にとっては明
らかなように、紫外線検出器は所与の化学種が約200
〜約400nmの波長を有する電磁波を吸収する度合を
測定するものである。また、化合物に対する検出器の正
の応答は、通常はピークと呼ばれることも当業者にとっ
て周知である。混合物の単離された各成分に対する検出
器の応答は、通常、紙や磁気媒体等上に記録される。ピ
ークの連続的な集り(sequential  ass
emblage)を記録したものはこの技術分野ではク
ロマトグラムとして知られている。 【0005】複数の化合物から成る混合物は通常はその
混合物の特徴を表わすクロマトグラムを生成する。しか
しながら、所与の混合物によって生成された特定のクロ
マトグラムは前記クロマトグラムが発生した条件に大き
く依存する。当業者には明らかなように、クロマトグラ
ムに影響を及ぼす原因は溶離剤として使用される溶媒、
クロマトグラフ・システムに用いられる圧力、使用され
る固定相の種類そしてクロマトグラフ装置そのものの種
類等が含まれている。 【0006】クロマトグラムは混合物の特徴の度合いで
あるため、クロマトグラムはこのような混合物を他の混
合物と識別するために比較されることが多い。例えば、
クロマトグラムから誘導された保持時間はこのような識
別のための1つ基準(basis)を提供する。保持時
間はクロマトグラフ分析の対象となる混合物の個別の化
学成分を分離および検出するために必要な時間的間隔を
示し、そしてこれらは分析の開始から測定される。個別
のピークの高さと面積は二つの化学混合物を比較するた
めのもう一つの基準を提供する。このようなデータに基
づく比較分析は分析された混合物が多くの個別化合物を
含む場合にはより複雑になることが理解できるし、対象
となるクロマトグラムを生成する条件が変動するとさら
に複雑になる。したがって、このような分析は他の独立
した分析方法と組合せる場合にのみ不明確でないと考慮
されていることが多い。 【0007】したがって、クロマトグラフのデータ分析
はしばしば他の技術と組合されるか、または他の技術に
取って代られる。そのような技術の一つは赤外線、UV
、可視光線あるいは他の形態の電磁放射の1つまたはそ
れ以上の周波数に露出させ、分離した化合物の応答を測
定することを含む。例えば、紫外線スペクトルのデータ
はHPLCシステムにおいて分離された化合物に関する
構造的な情報を提供することができる。しかしながら、
残念ながら紫外線スペクトル・データの解析は例えば赤
外線スペクトル・データの解析よりも困難である。 このような難点はスペクトル・データの解析は従来より
混合物の溶離中に選択されたスペクトルの目視による判
定(evaluation)と比較に基づいてきたとい
う事実によって妥協(compounded)されてい
た。UVスペクトルのこのような比較技術は、従来より
スペクトル・プロフィルのいくつかの点だけを用いて同
定を確認していた。 【0008】しかしながら、かなり最近の全域スペクト
ル(full−spectrum)・フォトダイオード
・アレイUV検出器の導入は今までのUVスペクトル分
析を大きく変化させた。ダイオード・アレイ分光光度計
はオンライン・スペクトルを生成し、紫外領域および/
または可視領域にわたってデジタル形式でスペクトルを
迅速に収集することができる。これらの装置は、HPL
Cシステムに接続される際、ガスクロマトグラフィーま
たは他の種類の分離には適さない錯体混合物の分析等に
対して強力なツールを提供する。例えば、液体クロマト
グラフィーの移動相の組成を同じ化学的混合物に対して
変化させ、クロマトグラフ装置から溶出される化合物成
分の順序を変化させる(実際にしばしば変化する)こと
が可能であることは当業者にとって周知である。これら
の化合物に関するピークが記録される順序もそれに対応
して変化する。対象となるピークを同定するためには、
溶媒によってその溶離が変化することをピークのトラッ
キングが重要である。原理的には、ダイオード・アレイ
検出器の使用はこのことを容易にすることができる。 【0009】しかしながら、ダイオード・アレイUV検
出は制限がないわけではない。例えば、ピークはオーバ
ーラップすることがしばしばあり、各UVスペクトルは
時々唯一の同定を与えるほど十分な差がなくなることが
ある。加えて、ダイオード・アレイ検出器は、通常、単
一のクロマトグラフ分析から大量の情報を生成するので
、手動で、相互作用のあるデータの削減方法はかなり時
間を費すことがわかり、不完全で不正確である。その結
果、ダイオード・アレイ装置の開発は、UVスペクトル
・データを解析するための数学的な技術の開発を促進し
た。このような数学的方法はピークの分離(decon
volution)によって、そしてパターン認識技術
によってダイオード・アレイのデータの使用を拡げるた
めに用いることができる。 【0010】したがって、化学化合物および混合物の分
析におけるダイオード・アレイUV検出器の実現化に当
該技術分野で大きな関心が向けられてきた。このような
技術のほとんど全部の目的は、既知化合物の同様なデー
タをもつ大きなライブラリとそのスペクトルデータを比
較することによって未知化合物を同定することであった
。このフォーマットに従う同定方法は順方向検索(fo
rwardsearches)として知られている。 【0011】しかしながら、未知のサンプル中に存在す
ると予測されているかあるいは異なる化合物か混合物を
識別することが期待される予め決められた数の既知成分
を確認するためにスペクトルデータの逆方向検索(re
verse  searches)を行うことも有益で
ある。逆方向検索スペクトル分析は、特定の成分が所与
のサンプル中に存在することが必要であり、しかも他の
付加的成分の存在は望ましくなく、極めて重大となる製
造された化学薬品の品質管理などの領域で利用すること
ができる。 【0012】 【発明の目的】本発明の目的は化合物よりなる二つの複
数の化学化合物から成る混合物を識別するための方法を
提供することにある。 【0013】本発明の他の目的はクロマトグラフのデー
タに基づいて化合物よりなる二つの混合物を識別するた
めの方法を提供することにある。 【0014】本発明のさらに他の目的はスペクトル・デ
ータに基づいて化合物よりなる二つの混合物を識別する
ための方法を提供することにある。 【0015】本発明の他の目的はこれら混合物に含まれ
る各化合物成分を単離および比較することによって前記
の二つの混合物を識別するための方法を提供することに
ある。 【0016】本発明のまた別の目的はクロマトグラフお
よびUVスペクトルのデータに基づいて二つの化合物を
識別するための方法を提供するにある。 【0017】 【発明の概要】本発明は、混合物から単離された化合物
に関するクロマトグラフおよび分光光度計のデータを分
析することによって、複数の化学化合物を含むなる第1
の混合物を複数の化学化合物を含む第2の混合物から識
別するための方法および装置に関する。本発明では、化
合物と相関関係を有するスペクトルのマッチング係数(
match  factor)とピーク・スコア(pe
ak  score)を提供する。これらのマッチング
係数とピーク・スコアは、混合物間の類似性を示すサン
プル・スコアを計算するために用いられる。 【0018】本願発明の好適な一実施例では、クロマト
グラフィーを用いて第1および第2の混合物の化合物を
単離し、単離した各化合物成分を1またはそれ以上選択
された波長の紫外放射に一回またはそれ以上露出させ、
各紫外線照射時に、単離された各化学化合物の吸光度を
記録する。そして、単離された化学化合物のそれぞれの
吸光度は最初のデータセットとして処理手段に供給され
る。処理手段によって実施されるその後のステップは、
第1のデータセットに一般マッチング関数を適用するこ
とによって少なくとも一つの一般マッチング係数を提供
し、第1のデータセットに平均化関数を適用することに
よって各選択波長における単離された各化合物に対して
平均吸光度を提供し、第1のデータセットおよび平均吸
光度にオートマッチング関数を適用することによってオ
ートマッチング係数を提供し、第1のデータセットおよ
び平均吸光度にクロスマッチング関数を適用することに
よってクロスマッチング係数を提供し、一般マッチング
係数にマッチング識別因子を適用することによってマッ
チング識別因子を提供することを含む。そして、単離さ
れた化合物についての保持時間、ピーク面積およびピー
クの高さを含む第2のデータ・セットを処理手段へ供給
する。処理手段によって実施される後続のステップは、
第2のデータ・セットに保持時間偏差関数を適用するこ
とによって保持時間偏差を提供し、第2のデータ・セッ
トにピーク面積偏差関数を適用することによってピーク
面積偏差を提供し、第2のデータ・セットにピーク高さ
偏差関数を適用することによってピーク高さ偏差を提供
し、ピーク面積偏差およびピーク高さ偏差に面積および
高さの偏差機能を適用することによって面積および高さ
の偏差を提供し、階層指定手順(hierarchic
al  assignment  procedure
)を適用することによってピークを指定し、マッチング
偏差、保持時間偏差および面積と高さの偏差にピーク・
スコア関数を適用することによって単離された化合物に
ついての少なくとも一つのピーク・スコアを提供し、処
理手段によりピーク・スコアにサンプル・スコア関数を
適用することによって少なくとも一つのサンプル・スコ
アを提供し、および少なくとも一つのサンプル・スコア
に基づいて、第2の化合物混合物から第1の化合物混合
物を識別することを含んでいる。 【0019】 【発明の実施例】本発明は、個別の化合物および単離可
能な混合物に関する数多くの状況に応用することができ
る。例えば、本発明は比較する両方の化学種が未知であ
る場合、好ましくは一つの化学種がよく知られており他
の化学種が未知である場合において実施される。一つの
化学種についての収集された補正データのライブラリが
利用可能であることは特に好ましい。比較される化学種
の両方に関するクロマトグラフのデータが利用できるこ
とも好ましい。クロマトグラフのデータは保持時間、ピ
ーク面積およびピークの高さが含まれる。 【0020】本発明によれば、複数の化合物を含む混合
物は最初にそれぞれの成分に分離される。このような分
離を行うための好ましい手段はクロマトグラフ使用によ
るものである。液体クロマトグラフが好適であるが、ど
のような型式のクロマトグラフも本発明の実施に利用す
ることが可能である。本発明に従って分析される混合物
の複数の化合物を分離するために高性能液体クロマトグ
ラフ(HPLC)を使用することが特に好ましい。 【0021】分離された化合物は1つまたはそれ以上の
選択された波長の紫外線放射に少なくとも一回は露出(
expose)され、各露出時の分離された化合物の夫
々の吸光度を記録する。このような露光(exposu
re)により得たデータの信頼性はこのような露光が行
われる回数と使用する波長の数値と共に向上する。 【0022】記録されると、このデータは処理手段へ与
えられる。本発明の実施に適した処理手段は、例えばヒ
ューレット・パッカード・カンパニー製のHP9000
Series300Pascal  Workstat
ion(Chem  Station)または命令をコ
ンパイルし実行する能力を有する任意の等価なコンピュ
ータなどの計算装置より構成されている。こらの命令は
パスカルまたは本発明に用いられるアルゴリズムを実行
する能力を有する任意の等価な言語などのプログラム言
語で与えられなければならない。処理手段は、さらに、
キーボードなどの入力デバイスとビデオ・ディスプレイ
またはプリンタなどの出力デバイスを含む。好適な処理
手段は、また磁気ディスクまたはテープなどの1つまた
はそれ以上のデータ記憶デバイスを含む。処理手段はま
たOS(オペレーティング・システム)または適切なプ
ログラム言語のソースコードを発生させるためのプログ
ラミング環境と、コンパイラまたはこのようなソースコ
ードを実行可能なプログラムに変換する他の手段と共に
含む。 【0023】データは記録された通りに正確に処理手段
に供給されるか、当業者にとって周知の様々な手段によ
って準備されるか前処理される。このような準備または
前処理の例は、波長キャリブレーション(calibr
ation)平滑化(smoothing)及び高速フ
ーリエ変換等のデータの変換などがある。 【0024】本発明では、処理手段によって実行される
アルゴリズムが開示されている。好適な一実施例では、
このようなアルゴリズムは十分に特徴づけられたキャリ
ブレーション標準(characterized  c
alibration  standards)から入
手可能なスペクトルおよびクロマトグラフ・データに基
づいてHPLC分離において成分を同定するときに経験
する問題に関するものである。これはスペクトルのマッ
チング係数(spectral  matchingf
actors)の測定に関する。例えば、スペクトルの
マッチング係数は以下のように定義される。 (1)MFS =1000(1−r2 )ここでは、M
FS はスペクトルのマッチング係数を表わし、rは式
(2)で示される相関係数である。 【式1】 ここでは、xおよびyはそれぞれ同一波長における比較
スペクトルから得られた吸光度であり、Σは総和関数で
あり、nfは選択された波長の数である。他のスペクト
ル・マッチング関数、例えば下に示す関数も本発明に使
用することができることは当業者にとって明らかである
。 (3)MFS =1000・r2  【0025】スペクトル・マッチング係数は完全なマッ
チング(突合わせ)(matching)の場合の0か
ら相関が欠損している場合の1000までの範囲にある
。一般のマッチング係数、オートマッチング(auto
match)係数およびクロスマッチング(cross
match)係数は、スペクトル・マッチング係数の一
例である。例えば、一般のマッチング係数(MFg )
の決定において、rは第1および第2の化学化合物に関
する個別のスペクトルの吸光度間の相間より求められた
相関係数である。 【0026】当業者では明らかなように、前述の一般的
マッチング係数に関する一つの問題は、正のマッチング
(positive  match)と負の(nega
tive)マッチングを区別するための有意の制限値が
ないことである。 【0027】第1および第2の化合物についてスペクト
ルの複数のコピーを得た後、ある特定の選択されたマッ
チングのスペクトル・マッチング係数を比較する。例え
ば第1の化合物の個別スペクトルのすべてのマッチング
に対するマッチング係数をその化合物の平均スペクトル
と比較する。加えて、第2の化合物の個別スペクトル全
てのマッチングに対するマッチング係数をこの化合物に
対応する平均スペクトルと比較する。このような個別ス
ペクトルと平均スペクトルの比較は、本願発明において
はオートマッチング関数として知られており、このよう
にして得られたマッチング係数をオートマッチング係数
(Ma)としている。 【0028】本発明の一実施例によれば、次にクロスマ
ッチング係数は、(1)第2の化合物の平均スペクトル
に対して第1の化合物の個別スペクトル全てをマッチン
グさせ、(2)第1の化合物の平均スペクトルに対して
第2の化合物の個別スペクトル全てをマッチングさせる
ことによって得られる。一つの化合物の個別スペクトル
を他の化合物の平均スペクトルと比較することによって
得られるマッチング係数をクロスマッチング係数(Mx
 )としている。 【0029】オートマッチングおよびクロスマッチング
からの結果を分析するに際、既知のtテスト(stud
ent’s  t−test)が利用することができる
。 本発明で用いるtテストは、オートマッチング係数の平
均値とクロスマッチング係数の平均値間の差(D)値か
ら求める。tテストは、このD値は重要で、すなわち2
つの平均値が異なるという確率を与える。これらの平均
値が異なる場合には、第1の化合物および第2の化合物
は異なる化学種を表すものであると確信することができ
る。 【0030】一実施例では、マッチング識別関数(ma
tch  discrimination  func
tion)は次のように定義される。 (4)MTdis =D/T(DF,prob)ここに
おいて、MTdis はマッチング識別因子(disc
riminator)、Dはオートマッチング関数とク
ロスマッチング関数から導き出された平均マッチング係
数の差、DFは第1および第2の化合物の個別スペクト
ルの数から計算される自由度であり、T(DF,pro
b)は応用の自由度が与えられたときにt値が異なるこ
とより2つの平均値に差が生じる確率(prob,%)
の所望の度合に要求されるt値である。前記の確率は9
9%であることが好ましい。当業者には理解されるよう
に、MTdis は幾つかの要因、例えば使用するスペ
クトルのデータ・ポイントの数、個別スペクトルに存在
するノイズ、マッチングの前にスペクトルに加えられる
前処理、および、もちろん二つの比較される化合物間の
類似度に依存する。もちろん、MTdis が1に等し
い場合、第1の化合物と第2の化合物が異なる実際の確
率は所望の確率に等しい。MTdis が1よりも小さ
い場合には、実際の確率は望ましい確率よりも小さく、
MTdis が1よりも大きい場合には、実際の確率は
望ましい確率よりも大きい。 【0031】本発明によれば、所与の標準においては固
定のMTdis を導出するように意図される。このよ
うな誘導により、完全な統計的分析を必要とすることな
く標準スペクトルと未知スペクトルにおける個別のマッ
チングの有意であるテストをすることができる。 【0032】所与のスペクトルマッチング係数が0に等
しくない場合には、二つのスペクトル間の相関によって
生じる残差(residual  resulting
)の分析によってそのマッチング係数の特性を示す他の
値を得ることができる。記録された各波長についてのス
ペクトルXの相関値からスペクトルYについての吸光度
の値を推定するように「ベストフィット回帰ライン」(
best−fit  regression  lin
e)がスペクトルXとYの相関について計算されるなら
ば、各波長の残差がスペクトルYの実際の吸光度とスペ
クトルXとの相関から推定されるスペクトルYの実際の
吸光度と見本Yの値との差によってが正または負差であ
ることは当業者では十分に理解されることである。増加
する波長の関数として研究するときには、残差は0の上
下に(正または負に)変動する。 【0033】二つのスペクトルが体系的に異なるならば
、残差は回帰ラインをゆっくりと横切るように移動する
傾向がある。他方、残差が回帰ラインの付近でランダム
に分布しているならば、まだマッチング係数で、ノイズ
のみによって不明りょうなスペクトル・マッチングを示
すこととなる可能性がある。したがって、本発明の一実
施例によれば、交差数(crossover  num
ber,CN)は次のように定義される。 (5)CN=C/(N−1) ここにおいて、Cは増加する波長によってソートされる
際、残差の符号が変わる回数、Nはマッチングに用いら
れるスペクトル・データ・ポイントの数である。CNの
最大値は1であって、CNは決して0に極めて接近する
ことはあり得ない。CNがより高い値であると、所与の
スペクトルマッチング係数における0からの偏差は、ラ
ンダムなノイズ起因するもので、比較するスペクトルの
体導的な差に起因するものではないことを意味する。ス
ペクトルXとYを交換して前記の交差数を誘導すること
も可能である。このように、決して同じ特徴を示すこと
がない僅かに異なる値を得る。 【0034】相関手順は、同一波長における吸光度の数
値を利用するので、波長において誤差を有するスペクト
ルの比較は誤まったマッチング係数を導き出す結果とな
る可能性がある。だから、比較する二つのスペクトルに
ついての波長の指定(assignment)が正確で
あることは、スペクトル・マッチング係数を決定すると
きに特に好ましい。正確な波長指定を提供するための一
つの手段は、問題となる二つのスペクトルを得るために
用いる条件と同一の、移動相、カラム、ハードウェア・
キャリブレーションおよび測定器などの条件のもとで同
じ標準に基づいてスペクトルを得る。このようなスペク
トルのとりかたは内標準(internal)を使用す
ることにより達成することが可能である。 【0035】このようにして得られた標準スペクトルは
次に他の関連スペクトルのキャリブレーションを行うた
めに用いられる。他のスペクトルに対応してスペクトル
の左または右にシフトする波長変動の関数として二つの
標準スペクトルにおけるスペクトル・マッチング係数を
分析することによって、波長指定の差を実験的に決定す
ることができる。図1a、図1b、図1cに示されるよ
うに、最大のマッチング係数は、二つの未知スペクトル
間の波長の不正確さを補正するために必要な波長シフト
において得られるべきである。各UV吸光度を、その表
示、絶対値として利用することができると同時に本発明
の一実施例では、測定した際の波長と関連して知られて
いる分散によって各吸光度の値を逆に重みづけ(wei
ghting)して相関を任意に実施することができる
。このような手順によって信頼できないとして知られる
スペクトル領域をより少ない重みづけでマッチング・プ
ロセスの再現性を改善することができる。 【0036】一般マッチング係数、オートマッチング係
数およびクロスマッチング係数を個別に、あるいは互い
に関連させて利用することにより化合物を特定の目的の
ために識別することができる。例えば、一般マッチング
係数だけで二つの化合物間の類似の度合を示すには十分
であることもある。他の場合には、一般マッチング係数
だけでは決定的ではなく、化合物を効果的に識別するた
めにはオートマッチング係数かクロスマッチング係数、
あるいはその両方を考慮することが必要なこともある。 【0037】本発明の実施例においては、本発明は未知
サンプルにおいて所与の標準に対してピーク毎に基づい
て(peak−by−peak  basis)最良の
マッチングを決定するためにUVスペクトル・データと
ともにクロマトグラフによるデータを分析する方法をも
提供する。この点に関して、パラメータ、すなわち保持
時間偏差(RTdev )、ピーク面積偏差(ARde
v )、ピーク高さ偏差(HTdev )および面積と
高さの偏差(AHdev )は以下の関数によって定義
される。 (6)RTdev =|RT1 −RT2 |/RTl
im (7)ARdev =|AR1 −AR2 |/
ARlim (8)HTdev =|HT1 −HT2
 |/HTlim (9)AHdev =(ARdev
 +HTdev )/2ここにおいて、サブスクリプト
1および2はそれぞれ期待データと実際のデータまたは
任意の二つの化合物に対応するデータを示しており、l
imは示された量に対する実験的に、そうでなければ定
義された制限された変動性を示す。 【0038】したがって、ピーク指定アルゴリズムは、
組にされてさらに分析される化合物に対応するピークを
選択するために様々のパラメータを使用する階層方法(
hierarchical)を用いる。本発明の一実施
例においては、マッチング識別因子を増加させることに
よって随意の保持時間のウインドウ内の各標準に対する
すべての未知ピーク候補が評価される。もし最小のマッ
チング識別因子を有するピーク候補と次に大きいマッチ
ング識別因子を有するピーク候補が1以上異なるならば
、最小のマッチング識別因子を有するピーク候補は正の
同定と考えられる。この差が1以下の場合には、もし次
に大きい保持時間偏差が1以上異なるならば、次に、保
持時間偏差が考慮され、最小の保持時間偏差を有するピ
ークが正のマッチングであると考えられる。もし保持時
間偏差の分析より統計的に有意な結果を得られない場合
、面積および高さの偏差について同様にして分析する。 もしこの点で正の同定に到達しなかったならば、CNは
最大のCNを有する候補がマッチングとして選択される
。 【0039】標準スペクトルと未知スペクトルとの間の
ピーク指定は方向が正確でなければならない。すなわち
各標準スペクトルは一つの未知スペクトルによってのみ
マッチングすることができ、その逆も同様成立しなけれ
ばならない。したがって、二つの異なる標準ピークが同
じ未知ピークによってマッチングされる場合には、最良
のマッチングされる未知候補を決定するために用いられ
る同じ規準に基づいて標準ピークの優先順位を本発明に
従って確立しなければならない。 【0040】好結果のピーク指定の後、標準と未知サン
プルのピークにおいてある画定した、正確な関係が成立
する。これは、標準サンプルの各ピークを未知サンプル
に対して指定するピークが多くても一つあるか、大抵は
一つもないという明確な相互関係である。その結果、ピ
ーク指定については二つの可能性があり、それは(1)
標準サンプルにおけるすべてのピークがそれらに指定さ
れる未知サンプルの一つのピークを有し、そして未知サ
ンプルはどの標準にも対応しない特別のピークを全く有
しないかまた他の別のピークのみを有すること、あるい
は(2)標準サンプルにおけるピークのすべてが未知ピ
ークに指定されるわけではなく、未知サンプルはどの標
準サンプルにも対応しない特別のピークを全く有しない
かまたは他の別のピークのみを有することである。 【0041】本願発明の一実施例では、次に良好に指定
されたピーク全ての組について、ピーク・スコア(pe
ak  score)を以下に従って計算する。 (10)PS=〔(fm ・MTdis )+(fr 
・RTdev )+(fa ・AHdev )〕/NF
ここでは、fm 、fr 、fa はマッチング識別因
子、保持時間偏差、面積と高さの偏差のための可変重み
づけ係数(weighting  factors)で
、NFは経験的に導き出された正規化係数で、使用する
パラメータの数に等しく典型的には3である。 【0042】所与のピーク・マッチングにおける信頼を
さらに示すものとして、候補ピークと次に良好なマッチ
ングとのピーク・スコアの差を利用することができる。 不明確なマッチングを解明するために、あるいは比較す
る幾かのまたはすべての値を含めないために保持時間偏
差、面積と高さの偏差、および交差係数を用いる順序を
逆にすることもできる。例えば、サンプル毎に応答が変
化する可能性があることが知られているならば、応答マ
ッチングを利用しないことは最もである。一方、同じサ
ンプルを異なるクロマトグラフ条件で用いて分析するな
らば、保持時間偏差は無意味となり、面積と高さの偏差
がピークのトラッキング(追跡)に利用することが可能
になる。このような考え方はそれぞれの特定の分析およ
びそれに関する事実に密接に依存していることが理解さ
れる。 【0043】本発明の一実施例においては、アルゴリズ
ムを修正することによって未知サンプルのクロマトグラ
フのピークが実際には一つ以上の成分を含んでいる可能
性が説明される。このような実施例において、各候補ピ
ークは多成分分析法を用いてあらかじめ選択された保持
時間ウインドウ内に生じる標準ピークすべての存在を確
認する。一つを除いてすべての標準ピークは測定された
濃度における未知スペクトルから差し引かれ、その結果
得た補正スペクトルを前述のように残った標準ピークに
対してマッチングを行なう。 【0044】一旦、ピーク・スコアが定義されると、サ
ンプル・スコア(sample  score,SS)
は次のように画定される。 (11)SS=〔ΣPS+(P1 ・EP)+(P2 
・MP)〕/N ここにおいて、個別のピーク・スコアは未知と良好にマ
ッチングするすべての標準ピークを加算し、EPは標準
中に存在しない別のピークであって係数P1によって重
みづけされたものであり、不明ピーク(missing
  peak,MP)はペナルティ・スコアP2 によ
って重味づけされており、そしてNは予想される標準ピ
ークの合計数である。サンプル・スコアに対する合理的
な信頼性の制限に到達するために十分に特性化された基
準物質のサンプル・スコアを分析することができる。未
知サンプルのスコアを次に比較し、標準との類似性をサ
ンプル・スコアの差によって示すことができる。 【0045】本発明のHPLCによって生成されるクロ
マトグラムに適用して説明しているが、ここに記載する
理論および方法は他の公知の方法、例えばガスクロマト
グラフィーやHPLC以外の液体技術、例えばキャピラ
リ・ゾーン電気泳動法などによって生成されたクロマト
グラムにも同等に適用することができる。 【0046】また、本発明を実施に伴うスペクトル・デ
ータは、UV、可視光線、蛍光、赤外線、ラマン、原子
吸光、核磁気共鳴およびマススペクトル等の様々なデバ
イスから誘導されるものを意図している。任意のこのよ
うな分光デバイスには、再現性のある波長を有する電磁
放射を提供することが好ましい。紫外放射線の一般的に
高い再現性と、一つのUV波長における吸収が隣接する
波長における吸収と関連するという一貫した特徴を有す
ることにより、UVデバイスを使用することは特に好ま
しい。これは、例えば核磁気共鳴スペクトロスコーピー
において経験されるディスクリートな帯域を持つスペク
トルと対照的である。 【0047】本発明のその他の目的、利点および新規な
特徴は、組換え体DNA誘導ヒト成長ホルモン(rec
ombinant−DNA−derived  hum
angrowth  hormone,r−hGH)の
トリプシンによる消化からのペプチド・フラグメントの
同定に関する具体的な例を以下に詳述することにより、
当業者には明確になるであろう。1990年のJour
nal  of  Chromatographyの4
99号  第221頁に記載されている論文を参照され
たい(「AutomatedEvaluation  
of  Tryptic  Digest  From
  Recombinant  Human  Gro
wth  Hormone  UsingUltrav
iolet  SpectraNumeric  Pe
ak  Information」)。 【0048】r−hGHのトリプシンによる消化物の調
製 【0049】1.0mgのr−hGHに50μlの冷却
した過ギ酸(9割(parts)の88%ギ酸と1割の
30%過酸化水素)を添加し、この混合物を0℃で1時
間反応させることによってr−hGHのサンプルを酸化
させた。 【0050】サンプルは100mMの酢酸ナトリウム、
10mMのトリス塩基および1mMの塩化カルシウムを
含む緩衝溶液中で1対100のトリプシン(トリプシン
対r−hGHの重量化)を添加してpH8.3で37℃
において0から2時間の時間で消化させた。サンプル1
ml当り100μlのリン酸を添加し(pH3以下)全
て合わせて4時間後には酸性化させて、直ちに分析また
は2〜8℃で3日間貯蔵した。4時間後にはr−hGH
の消化は完了した。 【0051】HPLCによる分離 【0052】HPLCによる分離はヒューレット・パッ
カード・カンパニー製の1090MHPLCシステムを
用いて行った。このシステムは、DR5ポンピングシス
テム、自動注入およびサンプリングシステム、加熱カラ
ム・コンパートメントおよびダイオードアレイ検出器等
を備えており、HP79994A  ChemStat
ionによって制御される。 【0053】トリプシン・フラグメントを分離するため
に二つのグラジエント・システムを使用した。システム
Iはトリフルオロ酢酸(TFA)の0.1%の水溶液を
溶媒Aとし、溶媒Bとしてアセトニトリル中に0.8%
溶解させたTFA溶液を使用した。オーブン設定温度を
40℃とし、1ml/分の流量で0〜120分間におい
てBを0%から60%のリニアなグラジエントでおこな
った。システムIIは溶媒AとしてpH2.85の50
mMのリン酸ナトリウムの水溶液を、溶媒Bとしてアセ
トニトリルを使用した。オーブンの設定温度を40℃と
し、1ml/分の流量で120分にわたって溶媒Bを0
%から40%のリニアなグラジエント・プロファイルで
おこなった。両方のグラジエント・システムでは、Al
ltech  Associates製の、粒子径5μ
m、ボア100゜Aのシリカゲルが充てんされた15c
m×0.46cmのNucleosilC18逆相カラ
ムを使用した。図2はTFAグラジエント・システムに
よって分析されたr−hGH基準標準から誘導されたト
リプシン・ペプチド混合物の典型的なクロマトグラムを
示す。 【0054】データ処理 【0055】すべての分析について、スペクトルは20
0〜350mmの範囲にわたって1秒間隔で得た。さら
に、クロマトグラフ信号は、どの場合にも基準波長を3
50nmとして220、230、254、274、28
0および292nmの波長で記録した。生(raw)デ
ータを磁気媒体に貯蔵し、ビルド・インされているスペ
クトル・ライブラリ機能および、付加的評価ソフトウェ
アを用いるChemStationで処理した。前記の
評価ソフトウェアはChemStationで使用可能
な高レベルのコマンド言語を利用してこの目的のために
つくられたものである。 【0056】スペクトル・マッチング 【0057】二つのUVスペクトルの数学的各点におけ
る(point−by−point)が比較(COMP
ARE)コマンドを備えたChemStationで実
行した。この比較は図4a、図4bに示されており、ペ
プチドのスペクトルT13、T14を比較している。各
波長において二つのペプチド・スペクトルについての吸
光度の値が横座標および縦座標にプロットされており、
図4bに示されるようにその結果得た散布図に線形回帰
を使用している。相関係数の二乗に1,000を掛けた
ものを二つのスペクトルに対するマッチング係数として
定義している。図4aに示されている二つのペプチドが
芳香族アミノ酸残基の性質において異なり、この残基は
T13についてはフェニルアラニンでありT14につい
てはチロシンである。これらのスペクトルは目視による
比較の場合でさえも明瞭に異なり、したがってマッチン
グ係数は919という低い数値を有する。 【0058】図3a、図3b、3cは、T13を芳香族
アミノ酸を全く含まないペプチド・フラグメントT12
と比較するときに、マッチング係数がどのような影響を
受けるかを示している。対応するスペクトルは非常によ
く似ており、マッチング係数は997(図3b参照)ま
で増加して同等のスペクトルに期待される値に近づく。 【0059】スペクトル・キャリブレーション・ライブ
ラリのコンパイル 【0060】r−hGHのトリプシン・マップにおける
様々なフラグメントの標準スペクトルのライブラリを次
にコンパイルした。この目的のため、基準標準を4回注
入し、グラジェント・システムI(TFAベース)およ
びII(リン酸塩ベース)と共に分析した。そして結果
得られたデータファィルを処理した。 【0061】220nmにおけるシグナルの積分後、す
べての積分したピークに対して頂点スペクトル(ape
x  spectra)を同定した。それらのスペクト
ルはピークのどちら側かの二つのベースライン・スペク
トルから内挿した基準スペクトルを差引くことによって
溶媒バックグラウンドについて補正した。その結果得ら
れたピークスペクトルを次にライブラリ・ファイルに記
憶させ、これは所与のサンプルのスペクトル特性をすべ
て含むことによりサンプル・ライブラリと呼ぶ。 【0062】用いた2点基準補正はグラジエント・シス
テムIの場合には特に重要である。なぜなら、それはT
FAではグラジエント・エルーション過程中にアセニト
リルの濃度が増加するにつれてスペクトル特性に著しい
変化が起るためである。図5a、5bは、フラグメント
T9の未補正の上昇傾斜(upslope)、下降傾斜
(down  slope)、頂点スペクトルが標準T
9スペクトルとどのように著しく異なるかを示すもので
ある。図5bに示されるようにベースライン補正の後で
は、これらの三つのスペクトルはいずれも標準スペクト
ルに密接にマッチングしていた。 【0063】次に、第1の標準から各ピークの頂点を中
心とする±0.5分の保持時間ウインドウを、他の三つ
の各標準から最もよくマッチングするスペクトルを見出
すために利用した。四つの標準のすべてに共通なスペク
トルを次に平均化、正規化、平滑化を施し、キャリブレ
ーション・ライブラリと呼ばれる新規なスペクトル・ラ
イブラリへ移動させた。トリプシン・マップの各ピーク
については、このライブラリ・ファイルはUVスペクト
ルと、面積、高さ、保持時間およびスケーリング係数(
scaling  factor)の値を含み、すべて
の値は四つの標準実行の平均に基くものである。Col
d  Spring  Harbor  Sympos
iumの第95頁に記載されたW.S.Hancock
らによる論文では、トリプシン・フラグメントは、アミ
ノ酸分析および高速原子衝撃質量分光法によって決定し
ている。最初のトリプシン・フラグメントの前および最
後のトリプシン・フラグメントの後に溶離されるピーク
のライブラリ・エントリ(entry)および全面積ま
たは全高さの1%以下の面積または高さを有するピーク
のエントリは除外した。上記の論文では、マイナーなピ
ークの大部分はr−hGHと関係するものではなく、お
そらくトリプシンから誘導される、あるいはベースライ
ン・ノイズまたは溶媒不純物などの他の干渉による非特
異的なバックグラウンドである。 【0064】TFAシステムの最終的なキャリブレーシ
ョン・ライブラリは40個のエントリを含み、そのうち
の19個は既知のトリプシン・フラグメントを表わすも
のである。最終形態におけるリン酸塩ライブラリは31
個のエントリ(entries)を含む。これらの二つ
のキャリブレーション・ライブラリは後続のすべての実
験において用いた。 【0065】異なる標準実行からのデータの相関性はク
ロマトグラフの良好な再現性に大いに依存することに注
意しなければならない。図6においては、グラジェント
・システムIIによって分析した四つの反復試験からの
クロマトグラフ・トレース(クロマトグラム)はグラジ
ェントの最終段階までさえも装置の優れた性能を示すよ
うに重なり合っている。保持時間の変動を統計的に分析
した結果、キャリブレーション・ライブラリに含まれる
すべてのピークに対する平均標準偏差は、グラジェント
・システムIおよびIIについてそれぞれ0.027分
(1.6秒)および0.021分(1.3秒)であるこ
とが示された。キャリブレーション・ライブラリの再現
性と選択性の決定 【0066】キャリブレーション・ライブラリに含まれ
ているスペクトル・データの有用性を決定するマッチン
グ係数の二つの重要な特性は、感度と選択性であるので
、ある程度の定量的な指針を得るためにこれらの特性を
系統的に研究することが決めた。TFAはモディファイ
ヤとして使用されたときにリン塩酸よりも液体クロマト
グラフ検出器およびポンプに対してより大きな問題を提
起するので、グラジェント・システムIを用いて結果を
得た。 【0067】マッチング係数の再現性は任意の二つのス
ペクトルにおける類似性に対する絶対的な制限を決定し
、その結果としてスペクトル・マッチングの感度を決定
する。二つのスペクトルはこれら2つのマッチングの平
均と標準偏差が同等のスペクトルの繰返しマッチングに
よって得たものと著しく異なる場合についてのみ異なる
と判断することができる。正の同定に対する判定基準と
してマッチング係数カットオフ(cutoff)を用い
るだけでは不十分である。所与のマッチング係数の有意
性を決定するためには、それ以上の統計的な情報が必要
である。各ペプチドの代表的なスペクトルを得るために
、11個の異なる注入から誘導されたT13あるいはT
14のスペクトルを平均した。次に、個別スペクトルの
全てをすべて、それらの各平均とマッチングし(図4c
に示したオートマッチング)、その結果得たマッチング
係数分布を、平均T14スペクトルに対して個別のT1
3スペクトルのマッチングから得られたものと比較し、
その逆も行なった(図4cに示したクロスマッチング)
。オートマッチング係数の平均とクロスマッチング係数
の平均はかなり異なる。クロスマッチング係数の918
.6という平均値は確かにその相違点をよく示している
ことがわかる。さらに重要なことは、図3cに示すよう
に各平均の上または下の三つの標準偏差の信頼区間(c
onfidence  intervals)は重なり
合わないが、大きなギャップを示している。したがって
、T13は高い信頼度をもってT14から識別すること
ができる。 【0068】図4cはT13およびT12に対するオー
トマッチング係数とクロスマッチング係数をそれぞれプ
ロットしたものを示す。これらのペプチドは平均クロス
マッチング係数の997.25というスコアから理解さ
れるようにスペクトル特性が非常に類似している。それ
にもかかわらず、オートマッチング係数とクロスマッチ
ング係数の信頼区間の間にはやはり明瞭なギャップがあ
り、極度に類似した化合物を区別することができること
を示している。統計的な用語で言えば、tテストを図4
cのデータに適用すると、t値は57であり、オートマ
ッチング係数とクロスマッチング係数について得られた
平均値が実際に異なるという確率は99.99%以上と
いう結果を得た。 【0069】T13とT14を比較するためのtテスト
(図3c)の結果は、t値が542でスペクトルが異な
る確率が100%であった。四つの脂肪族ペプチド(T
7、T8、T11、T12)の間の類似性を示すt値は
統計的に確実な差異を示すのに十分な13〜133の範
囲にあった。11という母集団の大きさでは二つの平均
値が異なる確率を99.99%以上にするためにはt値
は少なくとも6.2であることが必要なことは当業者に
とって容易に理解される。 【0070】グラジエントIを用いた四つの標準試験の
マッチング係数の再現性を分析した。これらのマッチン
グ係数は998.76〜1000.00の範囲にあり、
標準偏差は0.001以下から1.306までであるこ
とを見い出した。この結果はスペクトルの同定のために
はマッチングの非常に厳重な判定規準を使用できること
を示した。ピーク濃度が低下するにつれてマッチング係
数の変動性が増大するし、r−hGHからのトリプシン
・フラグメントの相対濃度はほぼ一定であるので、一定
のマッチングしきい値を用いるよりもキャリブレーショ
ン・ライブラリ中のエントリについての個別のマッチン
グ判定規準を明確にするように決定した。正のマッチン
グと考えるためには未知スペクトルは所与の標準につい
ての平均マッチング以下の三つの標準偏差のしきい値以
上のマッチング・スコアを持っていなければならない。 これにより、正確なマッチングのみ指定(assign
)される確率は99.8%であった。 【0071】キャリブレーション・ライブラリの選択性
を確立するために、キャリブレーション・ライブラリ中
の各標準を代表的なサンプル・ライブラリからのあらゆ
るエントリとマッチングし、潜在的なミスマッチングの
数を決定した。該ミスマッチングをあらかじめ確立され
た信頼性の制限内のマッチング係数を有する一つ以上の
マッチング候補が見出される標準エントリとして定義す
る。幾つかの実施例によれば、所与の標準近辺の保持時
間ウインドウを画定し、検索候補の数を制限することに
よって選択性を著しく向上させることができる。例えば
、±1分の保持時間ウインドウを用いた場合、僅か3つ
の標準についてだけ不正確なマッチングを見つけた。 これらミスマッチングはすべて3〜6ミリ吸光度単位(
mAU)のピーク高さを有するマイナーなピークであり
、既知のr−hGHのトリプシン・フラグメントに相当
するものは一つもなかった。±0.5分のウインドウで
は、ミスマッチングは見出されなかった。したがって、
適切な保持時間ウインドウを選択するとr−hGHのキ
ャリブレーション・ライブラリはあらゆるフラグメント
の正確な同定を可能にするというように結論することが
できる。 【0072】標準のChemStationソフトウェ
アおよびこれと同様な性質を有するピーク認識は保持時
間にのみ基づくクロマトグラフのデータ処理のための他
の市販されるソフトウェア等の従来からのピーク同定を
行うキャリブレーション手法によれば、±0.5分の保
持時間ウインドウ内で、5〜8個の標準に対してミスマ
ッチングが発生する結果となった。ウインドウが±1分
にまで増加すると、ほとんどすべての標準がミスマッチ
ング・ピークを示した。 【0073】ピークスコアの定義およびそのアプリケー
ション 【0074】クロマトグラフの条件は常に安定であると
は限らないので隣接するピーク間の分解能が変化したり
、あるいはトリプシン・マップに新しいピークが現れる
ことがある。このような不安定性はスペクトル・マッチ
ングを用いた場合でも未知ピークの正の同定を困難にす
る。しかしながら、本願実施例からわかるようにピーク
・スペクトルの他に各ピークについて他の定量的な情報
が入手できるし、標準と未知ピークとの間の各マッチン
グに対して同様なスコアを指定する方法が確立された。 図7はこのようなスコアを構成するために役立つ様々な
パラメータの変動性を示している。相対標準偏差に基づ
いて、マッチング係数に最大の信頼を置くことができる
ことは明白である。保持時間情報とピークの面積および
高さは、それぞれマッチング係数の偏差と比較して1桁
および2桁大きい偏差を示している。 【0075】図7における統計的な情報から、ピーク・
スコアは経験的に次のように導き出すことができる。 (12)PS=〔10・MTdis +RTdev +
0.1(ARdev ・HTdev )〕/11.2こ
こにおいて、非現実的に高いデルタ値を避けるために以
下の最小値を決定した。即ち、MTdis について0
.1、RTdev について0.05分、ARdev 
およびHTdev について1%である。このようにし
て、式(12)はスペクトル・マッチングはピーク認識
のための最も重要なパラメータであって、このため大き
く重みづけされる事実を説明している。たとえ他のすべ
てのパラメータが完全なマッチングを示したとしても、
マッチング係数の大きな偏差は問題のピークが間違って
同定されたことを示すものである。11.2というスケ
ーリング係数は全ての重みづけ係数の合計であり、単位
重み当たりのピークスコアを正規化したものである。 【0076】定義によれば、完全なピーク・スコアは0
であり、スコアが1のときには正のマッチングを見のが
さない確率が99.8%であるが、通常は標準と未知と
の間に多少の類似性を示すものである。キャリブレーシ
ョン・ライブラリを構成するために使用する四個のサン
プル・ライブラリのすべてのエントリに対するピーク・
スコアは0.002〜0.465の範囲にあり平均スコ
アは0.051であった。スコアは制限がないので、2
またはそれ以上のスコアが全体にミスマッチングされた
ピークを示すことが、幾分独断的に決定されている正の
マッチングがスコア2という結果になる確率は0.00
0002%以下であることは、当業者充分理解されるで
あろう。 【0077】サンプルスコアを使った消化の自動評価【
0078】キャリブレーション・ライブラリからのピー
クが未知サンプルの所与のピークによっていかによくマ
ッチングされるかを知った後、次のステップは未知サン
プル中の全てのピークと、一つのキャリブレーション・
サンプル中のピークにおける全体的な類似性を説明する
採点方法を確立することである。以前に定義されたサン
プル・スコアは、見逃したキャリブレーション・ピーク
およびサンプル中に見出された余分のピークの計算も考
慮に入れる。その上、スコアをキャリブレーション・ラ
イブラリ中のエントリ数とは独立するように正規化する
。ライブラリが修正されると正規化が問題になる。2以
上のピーク・スコアをミスマッチングとして定義してき
たが、すべてのピーク・スコアは見逃されたピークとミ
スマッチされたピークが同じピーク・スコアを有するよ
うに2に頭切り(truniated)する。特別のピ
ークに対する1のペナルティ・スコアはこの点では全く
経験的なものであり、他の可能なアプローチはペナルテ
ィに別のピーク寸法を反映させることである。 【0079】完全なサンプル・スコアは正確に0として
容易に定義されると同時に合格スコアと不合格スコア間
の制限を構成する判定規準に関して決定が行われなけれ
ばならない。有意な制限は異なる多くの成長ホルモンお
よびトリプシンによる変動性とクロマトグラフの全般的
変動性を考慮するために基準標準の典型的なサンプル・
スコアの統計分析を通じて画定しなければならない。 【0080】図8の(A)では、キャリブレーション・
ライブラリを構成するために使用した四個のサンプル・
ライブラリ(サンプル1,A〜D)および、同じ基準標
準から得られたが異なる量を注入した追加サンプル(サ
ンプル2,3,A〜D)のサンプル・スコアを示す。予
想されたように、100Mgで注入されたキャリブレー
ション・サンプル(サンプル)自体は0.076または
それ以下の非常に良好なスコアを示し、その平均値は0
.050であり、四つの反復試験の間には著しい類似性
が認められた。 【0081】50Mgの注入(サンプル2)のサンプル
・スコアが平均値0.798まで増加したことは、部分
的にはクラマトグラフ条件におけるドリフトに起因する
ものであり、その結果として幾つかのピークについて分
解能の変化が起きたものである。共溶離フラグメントT
14aとT14cが二つのピークに分離して、それぞれ
キャリブレーション・ライブラリに含まれていた複合ス
ペクトルとは異なるスペクトルを有していた。部分的に
分解されたピーク対T11とT10c2(図2)は全く
分離されなかった。その結果どのフラグメントも同定す
ることができない。また、最低濃度のフラグメント(T
19)はこの比較的小さいサンプルサイズでは検出され
なかった。 【0082】200Mgの注入(サンプル3)は0.4
43の平均スコアを示し、100Mgのサンプルと50
Mgのサンプルの中間の数値だった。50Mgの注入に
よって生ずる同じ問題のピークからサンプル・スコアの
増加が起る。50Mgおよび200Mgの注入の両方に
おいて、見逃された付加的な標準ピークはすべて未知の
小さいピークであった。これは、サンプルに関してこれ
らの同定されないピークの重要性はさらに詳細に究明さ
れる必要がある。 【0083】リン酸塩グラジエント・システム(グラジ
エント・システムII)について同様なデータを図8の
(B)に示す。また、四つのキャリブレーション・サン
プル(サンプル1)は0.064かそれ以下の非常に低
いスコアを示し、スコアの平均値は0.036である。 基準物質を含むが、異る時間で分析した別のサンプル(
2)では、0.671と比較的高いスコアを示している
。このスコアはグラジエント・システムIにより基準物
質を50Mgおよび200Mg注入したものについて得
られたスコアの範囲内にある。さらに精密に検査した結
果、ここにおいてもピーク分解能の変化がサンプル・ス
コアに悪影響を及ぼすことが分った。 【0084】標準サンプルと異なることが知られている
サンプルについて得たサンプル・スコアの種類について
データを提供するために、トリプシンによる消化の前に
酸化したr−hGHのサンプルを潜在的な劣化経路を予
測するために分析した。図8の(B)に示すサンプル3
,A〜Dにおいて明らかなように、1.692という平
均サンプル・スコアは基準物質について得られるスコア
よりもかなり高く、酸化r−hGHと天然のr−hGH
との間の差を反映している。さらに、四つのサンプルに
ついての再現性は非常に良好で、酸化されたサンプルの
反復注入における類似性を示す。 【0085】この理論的なスコアを従来の目視的方法に
よる評価と関係づけるために、図9には酸化されたr−
hGH消化物のクロマトグラムを示している。酸化によ
って消失したピークおよび新しいフラグメントとして現
われ、天然のr−hGHには見られなかったピークは明
確にラベル化することができる。 【0086】このように、図9のクロマトグラムは矢印
で示される標準フラグメンテーション・パターンとはか
なり異なることは明白であるが、本発明は不正確なピー
ク・マッチングの可能性を減少させる上である程度の明
瞭な以下の利点を提供する。(1)全体的な評価手順は
オペレータの介在の必要なしに最終サンプル・スコアの
取得を自動化することができる。(2)採点手順は完全
にディジタルでおこなわれ、したがって観測者による偏
向がない。 【0087】図10〜13では、本願発明に用いられる
アプリケーションを説明している。入力プログラムある
いはサブプログラムに供給される場合、該入力はオペレ
ータにより会話型(interactive)モードで
供給することができるか、または適切な情報を含むファ
イルから直接に取出すことがてきることを理解すべきで
ある。 【0088】サブプログラム−ライブラリ作成(図10
)では本発明に記載された二つのデータ・セットに対し
て生(raw)データの減少(reduction)を
実施する。ステップ101において、ユーザによる入力
で、入力ファイル、出力ファイル、波長選択、積分(i
ntegration)パラメータ等の名称となるこの
サブプログラムが指定される。 【0089】ステップ102で検索したファイルはダイ
オードアレイ検出器によって生成された情報に適切な波
長および時間の関数としての吸光度データを含む生デー
タ・ファイルである。このようなフォーマットは原則と
してファイル・フォーマットの翻訳(interpre
tation)のためのローレベル・ルーチンが利用で
きることを条件として、サブルーチンによって処理する
ことができる。本発明の好適な実施例では、生データの
フォーマットはヒューレット・パッカード・カンパニー
製のダイオードアレイ検出器によって作り出されたもの
である。 【0090】生データが磁気媒体から検索された後、ク
ロマトグラフのピーク応答を特徴づける適切な信号をス
テップ103でピーク・データの分析のために選択する
。典型的なピーク応答は、関心のあるすべての化合物が
特定の波長または波長範囲における吸光度を示すように
選択された特定の波長または波長範囲における時間の関
数としての吸光度である。しかしながら、記録した波長
範囲あるいはその波長の部分的範囲(subrange
)にわたって平均吸光度または最大吸光度を、所与の時
点におけるピーク応答として使用することができる。 【0091】信号を決定すると、HP  ChemSt
ation上で実施される標準積分アルゴリズムまたは
クロマトグラフのデータ処理に通常使用されるものと類
似の性質を有する他のアルゴリズムを使用することによ
って、ステップ104でサブプログラムはこの信号に対
応するすべてのピークを見い出す。ピーク発見ステップ
の結果、ピークの始端、終端、頂点(保持時間)、面積
および高さ、およびステップ105における変数Pによ
って決まる現れるピークの数を決定する。 【0092】ステップ106においては、このサブプロ
グラムの後続で生成される関連ピーク・データを後で受
入れるライブラリ・ファイルを作る。このライブラリ・
ファイルは典型的にはサンプル・ライブラリと呼ばれて
いる。次に、カウンタ(counter)をステップ1
07において値1に初期設定し、カウンタによってイン
デックスをつけられたピークの頂点スペクトルはステッ
プ108でサブプログラムによって見い出される。そし
て、適切な基準スペクトルをステップ109で選択し、
通常は、溶媒のバックグラウンドだけしか存在しないピ
ークの始端部および終端部を主として選択する。 【0093】特に隣接するピークと十分に分離されてい
ない場合、選択のための他の判断規準を用いることもあ
る。用いる基準スペクトルの数も利用されるクロマトグ
ラフ・システムの特性に従って変化する。 【0094】ステップ110においては、カレント・ピ
ーク(current  peak)のピークスペクト
ル特性を得るために、基準スペクトルが用いて頂点スペ
クトルから好ましくないバックグラウンド吸光度を取除
く。このバックグラウンド補正を構成するために幾つか
の異なるアプローチが利用できるが、好ましいモードは
頂点スペクトルの保持時間に基準スペクトルの直線内挿
を用い、頂点スペクトルから内挿スペクトルを差し引く
。もう一つのアプローチは、例えば、溶媒バックグラウ
ンドの主成分分析とそれに続く線形最小2乗減算(li
near  least  square  subt
raction)を含む。 【0095】ステップ111においては、サブプログラ
ムの範囲外であらかじめ決められた一定の波長の量で波
長軸を左右にシフトさせることによってピーク・スペク
トルに光学的波長キャリブレーションを実施することが
できる。このバックグラウンド補正は、異なる装置から
異なるサンプルのデータまたは同じ装置で長時間にわた
って誘導する場合には、一義的に重要である。 【0096】ステップ112においては、ピーク・スペ
クトルに可能な数理的処理を幾つでも適用することがで
きる。このような処理の例は、平滑化(smoothi
ng)、より高い桁の偏差形成、より良好な分解能を得
るための波長軸のスプライニングまたはスペクトルの任
意の変換などである。 【0097】ピーク・スペクトルはステップ113にお
いてサンプル・ライブラリに移動され、積分ステップ(
104)中に決定したカレント・ピークの他のピーク・
データをステップ114に移動させる。最後に、ステッ
プ115ではカウンタをインクリメントし、ステップ1
16におけるピークPの数をチェックする。もし他のピ
ークを処理する必要があるならば、サブプログラムはス
テップ108に戻り、そうでなければサブプログラムの
実行を終了する。 【0098】ライブラリ比較サブプログラム(図11)
は各サンプルについてのサンプル・ライブラリの形でサ
ブプログラムに与えられる任意の二つのサンプル間の詳
細なマッチングの大部分を行う。このサブプログラムの
実行に際して、第1のサンプルは第2のサンプルによっ
てマッチングされるべき基準サンプルまたは標準サンプ
ルと考える。しかしながら、第1のサンプルは第2のサ
ンプルと同様に完全な未知のものでも可能である。サン
プル・ライブラリはまた、ライブラリ作成サブルーチン
によって処理したサンプルの単一の分析から得られたデ
ータか、あるいは同じサンプルの多数の分析から得られ
たデータを含むことができ、後者はライブラリ作成サブ
プログラムによって生成されたサンプル・ライブラリか
らの標準ライブラリ作成サブプログラムによって相関さ
れるものである。 【0099】ステップ201においては、このサブプロ
グラムに適切なユーザ・パラメータが要求される。ユー
ザ・パラメータは、用いるサンプル・ライブラリの名称
およびマッチング工程の特徴を記述するパラメータを含
む。 【0100】ステップ202においては、第1の(基準
)サンプル・ライブラリを磁気媒体から検索し、L1と
呼ぶ。このライブラリに記憶されるピークの数を決定し
、ステップ203における変数P1を指定する。 【0101】ステップ204および205は、第2のサ
ンプル・ライブラリについて前述の二つのステップを繰
返し、ライブラリの名称をL2に、そしてピークの数を
P2と指定する。 【0102】ステップ206は保持時間補正よりなり、
これによって基準サンプルにおいて確定され、基準サン
プル・ライブラリに貯蔵された保持時間で起きることが
予測される基準ピークを第2のサンプルにおいて実際に
得た保持時間に対して比較する。第2のサンプルの保持
時間に対して適切な補正が行われると第1のサンプルの
保持時間に対応する。種々の可能な手順のどの一つでも
この補正工程で使用することができ、これらのうちで最
も単純なものは予測される保持時間と実際の保持時間と
の間の部分的線形適合(piecewise  lin
earfit)である。この補正が必要ではないことを
当業者にとって容易に認識することができる。ステップ
207においては、第1および第2のサンプルのピーク
面積とピーク高さをいくつかの方法で正規化する。二つ
の可能な方法は、いずれかのサンプルのすべてのピーク
の全面積および高さに対して、これらのパラメータに対
して任意に選択された一定値を得るためにすべてのピー
クをスケールする正規化、あるいは選択された基準ピー
クの面積および高さに対して正規化する方法であり、正
規化とはこれらの基準ピークについて任意の選択された
一定値を得るためにすべてのピークが比較されることを
意味する。二つのサンプルに適用されたクロマトグラフ
による分離の特性に応じて、このステップは必ずしも必
要ではない。 【0103】次に、ステップ208において二つのカウ
ンタを初期設定し、現在マッチングされるべきピークの
ためのカウンタを1に設定し(i)、他のカウンタ(k
)はマッチング値のテーブル中に記憶される最大10個
までのカレント・ピークに対して見い出されたマッチン
グの数を計数する。 【0104】ステップ209においては、現在iと指標
されたピークについての関連ピーク・データをL1から
検索し、カレント・ピークの保持時間を中心とする保持
時間ウインドウをステップ210において構成する。こ
の保持時間ウインドウは第1および第2のサンプルの分
離に用いられるクロマトグラフ・システムの認識によっ
て決定され、第1のサンプルの分析によってかかる全時
間まで延長することができる。第2サンプルのピークの
ための第2のピーク・カウンタ(j)はステップ211
において1に初期設定し、jと指標されたピークについ
てのデータをステップ212においてL2から検索する
。ステップ213において、ピークjがステップ210
において規定された保持時間ウインドウ内にあるかどう
かを試験する分岐点が設定されている。もしそうでなけ
れば、ステップ221まで行くように制御される。そう
でなければ、サブプログラムはステップ214へと続き
、ここではL1中のピークiおよびL2中のピークjか
らのデータについてMTdis およびCNを計算する
。 【0105】MTdis およびCNの計算は、各ピー
クに利用できる情報量、例えば、第1または第2のサン
プル、あるいはその両者についての多数の、または平均
の、または個別のスペクトル等に依存し、本願明細書の
他の部分に記載された幾つかの異なる方法で行うことが
できる。ステップ215においては、式(4)〜(8)
において定義された偏差のどれか一つのあるいは全部を
L1内のピークiとL2内のピークjについての適連す
るデータから計算出する。 【0106】次に、ステップ216においては、見い出
されたマッチングの数(k)をマッチングの最大数に対
して比較し、このマッチング数(k)は定数10を任意
に設定するが他の任意の有意な数値に変更することがで
きる。もし10位下のマッチング数が見い出されたなら
ば、マッチング・カウンタはステップ219においてイ
ンクリメントされる。そうでなければ、カレント・ピー
クに対するマッチングは現在記憶されているどれよりも
良好であると考えられる。最低のスコアを有するマッチ
ングはステップ218において削除され、実行はステッ
プ220へ進行する。そうでなければ、ステップ221
に移されるよう制御される。 【0107】ステップ220においては、ステップ21
6の二つの分岐(branches)およびステップ2
17のイエス分岐は再び収れんし、カレント・ピークに
ついてのマッチング情報が適当な位置のマッチング・テ
ーブルに挿入される。 【0108】ステップ221においては、L2における
カレント・ピークのためのカウンタjをインクリメント
し、ステップ222においてL2におけるピークの総数
P2に対して試験をおこなう。もしjがP2を超えるな
らば、サブプログラムはステップ223へと続き、そう
でなければ、L2からの次のピークをステップ212へ
戻り、処理する。 【0109】ステップ223においては、L1内のピー
クのためのカウンタiをインクリメントし、ステップ2
24においてL1内のピークの総数P1に対して試験す
る。もしiがL1を超えるならばサブプログラムをステ
ップ225へと続行させ、そうでなければL1からの次
のピークをステップ209へ戻らせ、処理する。 【0110】ステップ225においては、L1内のすべ
てのピークとマッチング・テーブルにおけるすべてのマ
ッチングとの間で、本発明に記載する階層指定手順(h
ierarchical  assigument  
procedure)によってすべての矛盾を解決する
ようにピーク指定(peak  assignment
)を行なう。L2からの1以下のピークをL1の各ピー
クへ指定し、L2からのピークをL1からの一以上のピ
ークへ指定することはない。 【0111】いったんピーク指定が完了すると、式(1
0)において定義されたピーク・スコアPSを段階22
5で見い出したマッチングされたピークの各対について
、ステップ226で計算し、サブプログラムを終結する
。 【0112】すべてのピークについてのデータ・セット
1および2、および個別ライブラリからのオリジナル・
データから得た統計的情報を含む標準ライブラリに到達
するために、標準ライブラリ作成プログラム(図12)
が一つまたは幾つかのサンプル・ライブラリからのデー
タを相関するために用いる。 【0113】ステップ301においては、ユーザ入力が
要求されており、変数Lに指定される。ユーザー入力は
ファイルの名称、処理するサンプル・ライブラリの数な
どの情報を含んでいる。 【0114】次に、ステップ302においては、相関に
おいて利用されるテンポラリ・スクラッチライブラリ、
TEMPを作成する。このライブラリは最初に第1のサ
ンプル・ライブラリ内のすべてのピークに関するピーク
・データを含んでいる。 【0115】ステップ303において、カウンタを2に
初期設定し、ステップ304において、サンプル・ライ
ブラリの総数Lに対して試験する。もしカウンタがLを
超えるならば、相関工程は完了しステップ313で、統
計的な処理が開始される。そうでなければ、サブプログ
ラムはステップ305に進行する。 【0116】ステップ305においては、jと指標づけ
されたカレント(current)ライブラリを、前述
のサブルーチン「ライブラリ比較」を使用してTEMP
と比較する。ライブラリ比較を援用すると基準ライブラ
リとしてのTEMP中のピークとカレント・サンプル・
ライブラリ中のピークとの間の指定を行うこととなる。 もしライブラリ比較によって戻されたピーク・スコアが
ユーザによって選択されたしきい値を超えるならば所与
のピークの対の間のピーク指定は正と考えられる。TE
MPからのピークに指定されなかったカレント・ライブ
ラリ内のピークは、ステップ306におけるすべての関
連ピーク・データとともに取除く。 【0117】ステップ307では、第2のカウンタjを
iの現在値よりも1小さい値に初期設定する。ステップ
308からステップ311は、現在のサンプル・ライブ
ラリ内のピークによってマッチングされなかったTEM
P中のすべてのピーク、あるいはすでに処理されたすべ
てのサンプル・ライブラリ内に相当するピークを削除す
る。したがって、ステップ311の後で、現在までのす
べてのサンプル・ライブラリおよびライブラリTEMP
は、1対1の基準ですべて相関関係があるピークの同じ
数を含んでいる。 【0118】もしステップ308における試験が0以上
であれば、サブプログラムはステップ309に進み、こ
こではTEMP中のマッチングしなかったピークに対応
するすべてのピークをjと指標されたサンプル・ライブ
ラリにおいて削除する。ステップ310においては、j
は減少し、jの試験が0になるまで実行はステップ30
8に戻る。この場合にはサブプログラムはステップ31
1へと続く。この時点において、サブプログラムはステ
ップ311におけるTEMP自体からのマッチングされ
なかったピークを削除し、ステップ312においてカウ
ンタiをインクリメントさせてステップ304に戻る。 【0119】ステップ313より、相互に関連するすべ
てのサンプル・ライブラリの統計的な処理が開始される
。もし試験がすべてのライブラリが処理されてしまった
(すなわち、カウンタiがLの数値を超える)ことを示
すならば、プログラム制御はステップ304からこのス
テップに移される。 【0120】ステップ313においては、TEMPおよ
びすべてのサンプル・ライブラリ中に残るピークの数を
決定し、変数Pに指定する。後続の処理ステップによっ
て生成されるデータを受入れるために、ステップ314
において新しいライブラリ・ファイルを作成する。この
ファイルは、サブプログラムによって作成される標準ラ
イブラリである。カウンタiをステップ315において
再び1に初期設定し、1と指標をつけられたピークにつ
いてのピーク・スペクトルを各サンプル・ライブラリか
らステップ316における標準ライブラリへ移す。平均
スペクトルを個別ピーク・スペクトルから計算し、ステ
ップ317において標準ライブラリに記憶させる。 【0121】各サンプル・ライブラリからのカレント・
ピークについての個々のピーク・デルタをステップ31
8において標準ライブラリに移した。これに続いて各カ
テゴリーにおいてピーク・データの平均値を求め、これ
らのデータをステップ319において記憶させる。 【0122】ステップ320においては、個別のスペク
トルおよび平均スペクトルから適切なスペクトルマッチ
ングMaをすべて計算し、ステップ321において標準
ライブラリへ移す。 【0123】次に、ステップ322においてカウンタを
インクリメントし、ピークPの総数に対して試験が行わ
れる。もしiがPを超えるならば、プログラムは完了す
る。そうでなければ、次のピークがステップ316へ戻
り、処理が施される。 【0124】サンプル・スコア、プログラム(図13)
は、同一または異なる装置において、同一または異なる
クロマトグラフ条件によって分析された任意の二つのサ
ンプル間の類似性を示す全般的なサンプル・スコアに到
達するためのものである。このような手順は、二つのサ
ンプル中に存在する同様な化合物から誘導したと考えら
れる二つのサンプルのピークを同定する。 【0125】全般的な手順は、第1および第2のサンプ
ルについて定義し反復試験の数(R1 ,replic
ates)、R2 についての生データがそれぞれ利用
可能であることを仮定している。これはこれらのデータ
がサンプル・スコアの実行と同時に生成される可能性を
妨げない。このような同時に生成されることは全体的な
サンプル採点手順を完全に自動制御することを可能にす
る。 【0126】ステップ401では、全般的なマッチング
手順に特別のユーザー入力が必要である。このような入
力は、ファイル名、ライブラリ比較のためのマッチング
判定規準、標準ライブラリ作成によるサンプル・ライブ
ラリの相関性の判定規準およびサンプル・スコアを計算
するために利用される重みづけ係数等の項目を含んでい
る。 【0127】ステップ402では、第1サンプルの特徴
を有し反復試験のためのデータを含む標準ライブラリ(
S1)を供給することができる。もしこのライブラリが
利用できるならば、プログラムの実行はステップ410
に移される。そうでなければ、ステップ403〜ステッ
プ409で標準ライブラリが作成される。 【0128】ステップ403においては、第1のサンプ
ルについての反復試験の数に関する入力が要求され、変
数R1 に指定される。次に、カウンタをステップ40
4で1に初期設定し、カウンタによって指標づけされた
第1のサンプルの反復分析のための生データをステップ
405において検索する。その時の反復試験についての
サンプル・ライブラリを作成するためにステップ406
においてライブラリ作成サブルーチンを呼出す。ステッ
プ407においてカウンタがインクリメントされ、ステ
ップ408で試験されるより多くの反復が処理されるな
らばプログラムはステップ405に戻る。そうでなけれ
ば、標準ライブラリ作成は、サブプログラム個別のサン
プル・ライブラリから標準ライブラリS1を生成するた
めの次のステップ409において呼出される。 【0129】ステップ410では、第2のサンプルの特
徴を有し、反復試験R2 についてのデータを含む標準
ライブラリ(S2)を供給することができる。もしこの
ような標準が利用できるならば、プログラムの実行はス
テップ418に移される。そうでなければ、ステップ4
11からステップ417で標準ライブラリを作成する。 【0130】ステップ411では、第2のサンプルにつ
いての反復試験の数に関する入力を必要とし、変数R2
 に指定する。次に、ステップ412においてカウンタ
を1に初期設定し、カウンタによって指標づけされた第
2のサンプルの反復試験分析についての生データをステ
ップ413で検索する。現在の反復についてのサンプル
・ライブラリを作成するため、ステップ414ではライ
ブラリ作成サブルーチンを呼び出す。ステップ415で
は、カウンタがインクリメントされ、ステップ416に
おいて試験されるより多くの反復が処理されるならば、
プログラムはステップ413へ戻る。そうでなければ、
個別サンプル・ライブラリから標準ライブラリS2を作
成させるために、次のステップ417において標準ライ
ブラリ作成サブプロぐラムを呼び出す。 【0131】ステップ418においては、ライブラリ比
較サブプログラムを用いて標準ライブラリS1およびS
2をマッチングさせる。その結果、ピーク指定のステッ
プ419の出力と第1サンプルの各ピークについてのピ
ーク・スコアを得る。個別のピーク・スコアからステッ
プ420において式(11)に基づいて総サンプル・ス
コアを算出することができる。ステップ421は適当な
装置にサンプルスコアを出力し、ステップ422におい
ては、最終レポートが作成される。このレポートは、二
つのサンプルが同一であるかどうかを決定するために、
問題にしている二つのサンプルからのサンプル・スコア
についてあらかじめ得られた再現性および信頼区間に関
する情報を関連づけることができる。この時点でプログ
ラムの実行は終了する。 【0132】 【発明の効果】以上説明するように、本願発明では、例
えば高速液体クロマトグラフによって分離された各化学
化合物成分のUVスペクトル・データを一般、オート、
クロスマッチング等のスペクトル・マッチング関数及び
バックグランド補正により正確に識別することができる
。 【0133】また、既知物質のスペクトル・テータを含
む標準ライブラリ更新しながらスペクトルの各パラメー
タの偏差及びピークのマッチング等によりピーク・スコ
ア、サンプル・スコアを求め、未知成分のスペクトル・
データを標準ライブラリと比較することにより未知成分
を同定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1a】高速液体クロマトグラフによって得たクロマ
トグラム。
【図1b】吸光度シフトが生じた図1aと同じ化学化合
物のクロマトグラム。
【図1c】図1aと図1bを補正するためのマッチング
係数を求めるグラフ。
【図2】グラジエント・システムIで分析したr−hG
Hのクロマトグラム。
【図3a】2つのペプチドのUVスペクトルを示すクロ
マトグラム。
【図3b】図3aの2つのトリプシン・ペプチド(T1
2,13)の同波長における吸光度を示す図。
【図3c】図3aの2つのトリプシン・ペプチドのスペ
クトルに対するマッチング係数を求めるグラフ。
【図4a】2つのペプチド(T13,T14)のUVス
ペクトルを示すクロマトグラム。
【図4b】図4aの2つのペプチドの同波長における吸
光度を示す図。
【図4c】図4aの2つのペプチドのスペクトルに対す
るマッチング係数を求めるグラフ。
【図5a】補正していないトリプシン・ペプチドのスペ
クトルと標準スペクトルを示す図。
【図5b】バックグランド補正を施したトリプシン・ペ
プチドのスペクトルを示す図。
【図6】グラジエント・システムIIによるトリペプシ
ン・マップの再現性を表わすクロマトグラム。
【図7】r−hGHのトリペプシンによる消化物の保持
時間,ピーク面積,ピーク高さの標準偏差及びマッチン
グ係数に示す表。
【図8】グラジエント・システムIを用いて分析したト
リプシン消化物(A)およびグラジエント・システムI
Iを用いて分析した負の酸化トリプシン消化物(B)の
サンプル・スコアを示す表。
【図9】グラジエント・システムIIを用いて酸化r−
hGHを分析したトリプシン・マップのクロマトグラム
【図10】本発明の一実施例であるライブラリ作成のフ
ローチャート。
【図11】本発明の一実施例であるライブラリ比較のフ
ローチャート。
【図12】本発明の一実施例である標準ライブラリ作成
のフローチャート
【図13】本発明の一実施例であるサンプル・スコアを
得るフローチャート。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の(イ)から(ホ)を含むクロマトグラ
    フのスペクトル・データ処理方法。 (イ)クロマトグラフによって溶離された化学化合物成
    分を1つまたは複数の波長の紫外線に露出させ、(ロ)
    前記紫外線に照射された化学化合物成分の吸光度を検出
    、記録し、 (ハ)第1と第2の化学化合物成分の前記各吸光度のデ
    ータ・セットを処理手段に送り、 (ニ)前記処理手段で前記のデータ・セットに少なくと
    も1つのスペクトラム・マッチング関数を与え、(ホ)
    前記マッチング係数に基づいて前記第1と第2の化学化
    合物成分を識別する。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記データ・セットに
    加える前記スペクトル・マッチング関数は以下にしたが
    って求めることを特徴とするクロマトグラフのスペクト
    ル・データ処理方法。 MFS =1000(1−r2 ) ここで、MFS はスペクトラム・マッチング係数、r
     は選択された波長における第1 の化学化合物成分の
    吸光度と同じ波長における第2の化学化合物成分の吸光
    度に関する相関関数。
  3. 【請求項3】請求項2において、相関関数rは以下にし
    がって求めることを特徴ととするクロマトグラフのスペ
    クトル・データ処理方法。 r=[(ΣXY)−(ΣX)(ΣY)/nf]/[{Σ
    X2 −(ΣX)2 /nf}{Σy2 −(Σy)2
     /nf}]1/2  ここで、x、yはそれぞれ同じ波長における第1と第2
    の化学化合物成分の吸光度、nfは選択した波長の数。
  4. 【請求項4】請求項2で求められた前記データ・セット
    の各スペクトル・マッチング係数とに対して各々の平均
    吸光度をマッチングさせるオートマッチング関数を用い
    るステップを含むことを特徴とするクロマトグラフのス
    ペクトル・データ処理方法。
  5. 【請求項5】請求項2で求められた前記データ・セット
    の各スペクトル・マッチング係数を異なる化学化合物成
    分の平均吸光度とマッチングさせるクロスマッチング関
    数を用いるステップを含むことを特徴とするクロマトグ
    ラフのスペクトル・データ処理方法。
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