JPH04210404A - 射出成形用組成物 - Google Patents

射出成形用組成物

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JPH04210404A
JPH04210404A JP41006490A JP41006490A JPH04210404A JP H04210404 A JPH04210404 A JP H04210404A JP 41006490 A JP41006490 A JP 41006490A JP 41006490 A JP41006490 A JP 41006490A JP H04210404 A JPH04210404 A JP H04210404A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
[00011
【産業上の利用分野1本発明は、射出成形用組成物に関
し、具体的には、金属や合金の粉末を射出成形後、焼結
することにより、複雑な形状の精密機械部品を生産する
際に用いられる射出成形用組成物に関する。 [0002] 【従来の技術】従来、粉末冶金法により得られていた焼
結製品は成形用組成物としての金属粉末や合金粉末をプ
レス成形して焼結する製造方法に基づいて生産されてい
る。金属粉末や合金粉末だけでのプレス成形では、三次
元的に複雑な形状を有する製品、ナイフェツジ部などの
薄肉部を有する製品は製造困難であった。 [0003]そこで、上記方法の欠点を解消しようとし
て、金属もしくは合金の粉末とバインダーからなる射出
成形用組成物を所定形状の金型に射出成形し、得られた
射出成形体を加熱して、脱バインダーしたのちに、焼結
処理を施して、金属もしくは合金の焼結製品を入手する
方法が掲示されている(例えば特開昭57−16103
号、特開昭57−26105号など)。 [0004]金属もしくは合金の粉末とバインダーを混
合して作成した射出成形用組成物から焼結製品を得るに
際しては、 (1)最終製品の焼結密度が高いこと、(
2)射出成形体例いては最終製品の重量や寸法のばらつ
きが小さいこと、 (3)射出成形体の脱バインダー性
が良いこと、 (,1)射出成形用組成物の射出成形に
おいては、製品以外の不要部分のスプル一部、ランナ一
部などを再利用し、数回以上リサイクルすることが必要
不可欠であり、このようなリサイクル性が良いこと、及
び(5)射出成形体と金型との離型性が良いことが要求
される。 [00051前記特開昭57−16103などの方法で
は、平均粒径が10ミクロン以下の金属粉末もしくは合
金粉末を使用するため、焼結密度の高い製品が得られる
ようになっている。 [0006]
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭57−161.03などの射出成形用組成物は、最
終製品のM量や寸法のばらつき、親有機物性、リサイク
ル性、金型との離型性において十分でない。 [0007]すなわち、射出成形性、言い換えると最終
製品の重量や寸法のばらつきについては、射出成形する
際、射出成形用組成物の流動性が悪く、金型への充填不
良、成形体のクラック、金型から取り出すときの破損な
どのため、成形が安定して行いにくいという問題がある
。 [0008]また、脱バインダー性に関しては、脱バイ
ンダーを終了するまでの時間が長くかかり、高い処理温
度が必要であり、成形体にクラック、膨れ、変形などの
欠陥が生じ易いという問題がある。 [0009]そして、リサイクルに関しては、リサイク
ルにより、射出成形用組成物中のバインダーの分解、蒸
発または変質が起こり、射出成形用組成物の射出成形性
が変化する結果、最終製品の寸法精度が低下し易いとい
う問題がある。 [00101さらに、リサイクル性や脱バインダー性を
改良すると他の特性が悪くなるという問題がある。 [0011]例えば、射出成形後、成形体はゲート付近
でスプル一部、ランナ一部とに切り離されるが、ゲート
方式をサイドゲート、リングゲートなどとした場合、製
品側にランナーの一部が残留するために、後処理として
、ゲートカットを行う必要がある。このゲートカットは
、製品の面でもリサイクルの面でもコストを高めること
になる。そのため、最近では、第1図に示すような、ゲ
ートカットがスムーズに行われ、後処理不要のビンポイ
ントゲート方式が採用されている。ビンポイントゲート
方式では、例えばギヤ10の金型成形の際に、ビンポイ
ントゲート部12、ランナ一部14及びスプル一部16
を介して矢印のように射出が行われ、これらの部分でも
射出成形用組成物が凝固する。 [0012]Lかしながら、この方式は離型性に敏感で
あるという問題を生じている。すなわち、この方式を採
用するとランナ一部14が非常に長くなり、金型から成
形体を取り出す際、成形体と金型(主として鉄系材料)
との離型性が悪いと、成形体を取り出すことができず、
成形は不可能となってしまうのである。 [0013]また、脱バインダー性を向上させるために
、例えば、特開昭59−121.150では、加工助剤
兼気孔形成剤を添加し、ている。しかし、この加工助剤
兼気孔成形剤は100〜200℃の範囲で分解、蒸発が
生じるため、混練温度150℃、射出温度150℃の操
業条件では、工程中に加工助剤兼気孔形成剤の変質が生
じることになる。その結果、リサイクルを繰り返すこと
により、射出成形時における組成物の流動性が変化し、
金型に充填される成形体の重量、寸法もリサイクルを繰
り返すごとに変化していき、ひいては、最終製品である
焼結体の寸法精度も変化し、そのため、全集団の焼結体
の寸法ばらつきは大きくなるという問題がある。 [0014]また、加工助剤兼気孔形成剤を添加した場
合は、金型との離型性は悪く、前述のように離型性に敏
感なビンポイントゲートを持つ金型には使用できないと
いう問題がある。 [0015]従って、本発明は、金属及びまたは合金粉
末を原料とする精密部品の射出形成にあたって、リサイ
クルにより製造された射出成形体の重量、寸法の変動を
著しく低減し、最終製品(焼結体)の寸法精度を著しく
向上した射出成形用組成物を提供することを目的とする
。 [0016]また、本発明は、金属及びまたは合金粉末
を原料とする精密部品の射出形成にあたって、従来の射
出成形用組成物によっては実現困難であった、脱バイン
ダー性および、金型との離型性が非常に優れた射出成形
用組成物を提供することを目的とする。 [0017]
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、前掲の課題を解決するための方策として、金属や
合金の焼結用粉末に対し、低密度ポリエチレン、パラフ
ィン系ワックス、滑剤及び界面活性剤からなるバインダ
ーを使用し、当該滑剤を飽和アルコール、多不飽和脂肪
酸、脂肪酸アミド、飽和直鎖脂肪酸及びモノ不飽和脂肪
酸からなる群から選び、更に界面活性剤を陰イオン界面
活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、エーテ
ル系脂肪族化合物、エーテル系環式化合物、エーテル系
ポリエーテル化合物、エステル系多価アルコール部分エ
ステル、ポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪酸エ
ステル、含窒素系非イオン界面活性剤から選ぶことによ
り、前記課題を解決できることを見いたいした。 [0018]すなわち、本発明の射出成形用組成物は、
基本的には焼結用粉末とバインダーとからなる射出成形
用組成物であって、前記焼結用粉末が金属および合金か
らなる群から選ばれた1種以上からなり、前記バインダ
ーが、飽和アルコール、多不飽和脂肪酸、脂肪酸アミド
、飽和直鎖脂肪酸及びモノ不飽和脂肪酸からなる群から
選ばれた少なくとも1種の滑剤と、陰イオン界面活性剤
、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、エーテル系脂
肪族化合物、エーテル系環式化合物、エーテル系ポリエ
ーテル化合物、エステル系多価アルコール部分エステル
、ポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪酸エステル
、含窒素系非イオン界面活性剤からなる群から選ばれた
少なくとも1種の界面活性剤と、低密度ポリエチレンと
、パラフィン系ワックスとからなる。 [00191更に、本発明では、焼結用粉末とバインダ
ーとの配合割合を種々変動させ、また滑剤と界面活性剤
と低密度ポリエチレンとパラフィン系ワックスとの配合
割合を種々変動させることにより、好適な射出成形用組
成物を得ることを見いたいした。 [00201すなわち、本発明の射出成形用組成物は、
焼結用粉末とバインダーとの配合割合が容積比にて30
ニア0乃至70 二30の範囲内にあると好適である。 [00211また、本発明の射出成形用組成物は、バイ
ンダーが、15〜70重量%の低密度ポリエチレン、1
0〜80M量%のパラフィン系ワックス及び0.5〜4
0重量%の滑剤及び界面活性剤とからなると好適である
。 [0022]
【作用】本発明では、射出成形における脱バインダー性
や離型性を改良する因子を射出成形用組成物の組成およ
び配合割合に求めて、成形性を制御している。 [00231本発明で用いられる焼結用粉末としては、
鉄やステンレス鋼などの鉄系合金、ニッケル、コバルト
などの金属及びこれらの金属を主成分とする合金などの
うちの1種以上よりなるものを挙げることができる。 [0024]低密度ポリエチレンとしては、公知のもの
をいずれも使用できるが、JISK7210に規定の方
法により測定される流動度が100〜300g/l、0
分である低密度ポリエチレンが、射出性形成および脱バ
インダー処理の初期における成形体の強度と形状保持性
が勝れている点で特に好ましい。 [0025]低密度ポリエチレンの流動度が100g/
10分未満では、射出成形性が相対的に低くなる。また
、流動度が300g/10分を超えても、射出成形体の
強度と形状保持性が相対的に低くなる。 [0026]パラフイン系ワツクスは、公知のものでよ
いが、JIS  K7206によって測定した軟化点が
50〜90℃のものが好ましい。 [0027]パラフイン系ワツクスの軟化点が50℃未
満であると、射出成形時のサイクルタイムが長くなった
り、軟化しやすいために、成形時のハンドリングが難し
くなるなどの不都合を生じる。逆に、軟化点が90℃を
超えると、熱分解点が上がり、脱バインダー性が低下す
る。 [0028]滑剤は、金型と射出成形用組成物間の接着
強度を低減させ、離型性を向上させるものであり、さら
に焼結用粉末とバインダー(パラフィン系ワックスとポ
リエチレン)との間の潤滑剤として働き、界面の摩擦を
著しく低減し、混練時のトルクの低減、射出成形用組成
物の流動性の向上をはかり、その結果安定した射出成形
作業が得られる。滑剤の使用割合は各射出成形用組成物
によって異なる。 [0029]滑剤は、融点が50℃以下で、かつ沸点が
200℃以上であることが望ましい。滑剤の融点が50
℃より高いと、金型との接着強度および摩擦係数を低減
できず、射出成形後、金型から取り出すときに、金型と
の離型性を悪化させるおそれがある。また、滑剤の沸点
が200℃未満であると、混練及び射出成形の工程中に
滑剤が蒸発し、組成物の粘性係数が変動し、その結果成
形体の重量が大きく変化し、製品の寸法制度が悪くなる
。 [00301滑剤の中で飽和アルコールは、CaH2m
+10Hの化学構造を持つもので、市販品をそのまま用
いることができる。本発明に使用できる飽和アルコール
の代表例としてカプリルアルコール、カプリリルアルコ
ール等を挙げることができる。 [00311また、多不飽和脂肪酸はC= H2−11
02Hの化学構造を持つもので、市販品をそのまま用い
ることができる。多不飽和脂肪酸の代表例として、リノ
ール酸、リルン酸等を挙げることができる。 [00321また、脂肪酸アミドは市販品をそのまま用
いることができる。脂肪酸アミドの代表例として、カプ
リルアルコール、カプリリルアルコール等を挙げること
ができる。 [0033)また、飽和直鎖脂肪酸はC−H2−1C0
2Hの化学構造を持つもので、市販品をそのまま用いる
ことができる。飽和直鎖脂肪酸の代表例として、カプリ
ン酸、カプリル酸、エナンI・酸、カプロン酸、ペラル
ゴン酸、トリデカン酸等を挙げることができる。 [0034]また、モノ不飽和脂肪酸は、C−H2−I
C02Hの化学構造を持つもので、市販品をそのまま用
いることができる。モノ不飽和脂肪酸の代表例として、
リンデル酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、シーマリン、
オレイン酸、ゴンドラ酸等を挙げることができる。 [00351界面活性剤は、金型と射出成形用組成物間
の接着強度を低減させ、離型性を向上させるものであり
、さらに焼結用粉末とバインダー(パラフィン系ワック
スとポリエチレン)との間の潤滑剤として働き、界面の
摩擦を著しく低減し、混線時のトルクの低減、射出成形
用組成物の流動性を向上する。界面活性剤の使用の結果
、安定した射出成形作業が得られる。尚、界面活性剤の
使用割合は各射出成形用組成物によって異なる。 [0036]界面活性剤は、融点が50℃以下で、かつ
沸点が200℃以上であることが望ましい。界面活性剤
の融点が50℃より高いと、金型との接着強度および摩
擦係数を低減できず、射出成形後、金型から取り出すと
きに、金型との離型性を悪化させるおそれがある。また
、沸点が200℃未満であると、混練及び射出成形の工
程中に界面活性剤が蒸発し、組成物の粘性係数が変動し
、その結果成形体の重量が大きく変化し、製品の寸法制
度が悪くなる。 [0037]界面活性剤の中で陰イオン界面活性剤は、
市販品をそのまま用いることができる。本発明に使用で
きる陰イオン界面活性剤の代表例としてアビチェン酸塩
、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸アルキル
エステルの硫酸エステル塩、アルキルりん酸エステル塩
、スチレン−無水マレイシ酸共重合物の部分けん化物、
ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物等を挙げるこ
とができる。 [o o 38]界面活性剤の中で陽イオン界面活性剤
は、市販品をそのまま用いることができる。本発明に使
用できる陽イオン界面活性剤の代表例としてアルキルア
ミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリエチレン
ポリアミン脂肪酸アミド塩等を挙げることができる。 [00391界面活性剤の中で両性界面活性剤は、市販
品をそのまま用いることができる。本発明に使用できる
両性界面活性剤の代表例として、2−アルキル−1−ヒ
ドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウ
ム塩、N−アルキル−N、 N−ビスポリオキシエチレ
ン硫酸エステル塩、N、 N−ジメチル−N−アルキル
−N−カルボキシアルキレジアンモニウムベタイン、N
、 N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩、N
、 N。 N、−トリアルキル−N−スルホアルキレンカルボン酸
塩等を挙げることができる。 [00401界面活性剤の中でエーテル系脂肪族化合物
はRO(CH2CH20)−Hの化学構造式を持つもの
で、脂肪アルコール、合成長鎖アルコール、アビエチル
アルコール、ラノリンアルコール等の異性体を含み、市
販品をそのまま用いることができる。本発明に使用でき
るエーテル系脂肪族化合物の代表例として、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル等を挙げることができる。 [00411界面活性剤の中でエーテル系環式化合物は
市販品をそのまま用いることができる。本発明に使用で
きるエーテル系環式化合物の代表例として、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリスチルフェニルエーテル等を挙げることができる
。 [0042]界面活性剤の中でエーテル系ポリエーテル
化合物は市販品をそのまま用いることができる。本発明
に使用できるエーテル系ポリエーテル化合物の代表例と
して、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ
ール等を挙げることができる。 [0043]界面活性剤の中でエステル系多価アルコー
ル部分エステルは、市販品をそのまま用いることができ
る。本発明に使用できるニスデル系多諦アルコール部分
エステルの代表例として、グリセリン脂肪酸部分エステ
ル、ソルビタン脂肪酸部分エステル、ペンタエリスリ1
へ一ル脂肪酸部分エステル、プロピレングリコールモノ
脂肪酸部分エステル、しょ糖分脂肪酸部分エステル等を
挙げることができる。 [0044]界面活性剤の中でポリオキシエチレン化多
価アルコール脂肪酸エステルは、市販品をそのまま用い
ることができる。本発明に使用できるポリオキシエチレ
ン化多価アルコール脂肪酸エステルの代表例として、ポ
Jオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリ
オキシエチレンソルビドール脂肪酸部分エステル、ポリ
オキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオ
キシエチレングリコール脂肪酸部分エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸部分エステル等を挙げることができる。 [00,45]界面活性剤の中で含窒素系非イオン界面
活性剤は、市販品をそのまま用いることができる。本発
明に使用できる含窒素系非イオン界面活性剤の代表例と
して、脂肪酸ジェタノールアミド、N、 N−ビス−2
−ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、1
〜リアルキルアキンオキシド等を挙げることができる。 [0046]本発明の組成物を射出成形する際には、通
常用いられている設備、装置をそのまま利用することが
でき、成形体は加熱温度80から200℃、射出圧力5
00から2000kg/cm2で成形される。 [00473成形体に含まれるバインダーは、種々の雰
囲気で脱バインダーされることになる。射出成形体の製
品率は体積比で通常25から85%の範囲であり、従っ
て残りの75から15%(おもにスプル一部、ランナー
部)が再び射出成形に使用され、同上の比率で製品とな
り、残りは再びリサイクルされる。このようなリサイク
ルは通常数回程度繰り返されることになる。 [0048]また、本発明の射出成形用組成物の粉末を
用いた精密成形品を脱バインダーする場合、酸化され易
い粉末を処理する場合は不活性ガスまたは還元性の雰囲
気下で、酸化されにくい粉末を処理する際には大気中も
しくは不活性ガス雰囲気で1.2から30℃/h程度の
昇温速度で250から300℃に加熱することにより、
脱バインダーを処理することが可能である。 [0049]従来の射出成形用組成物を用いて製品を製
造する場合には、1から10℃/hと言う遅い昇温速度
で400から550℃で高温処理することが必要であっ
たが、本発明では12から30℃/hr程度の昇温速度
で250℃から300℃という比較的低温の加熱により
、脱バインダー処理を有利に終えることが可能である。 [005ON本発明の各態様における種々の成分組成範
囲及び配合割合の限定理由を以下に説明する。 [00511焼結用粉末としての金属や合金の粉末の容
積を30〜70%とした理由は次の通りである。 [00521焼結用粉末の容積が30%未満となると、
組成物を射出成形する際に、組成物の流動性を確保しに
くくなり、射出成形が不可能になるとともに、射出成形
体における焼結用粉末の充填塵が低くなって、最終焼結
部品の密度を向上させることが困難になる。一方、焼結
用粉末の容積が70%を超えると、射出成形体の強度が
低下して、あるいは組成物の流動性が低下して、射出成
形が困難になる。 [0053]バインダーの組成範囲として、低密度ポリ
エチレンを15〜70重量%含有させた理由は次の通り
である。 [0054]低密度ポリエチレンが15重量%未満であ
ると、射出成形体の強度ならびに形状保持性が低下して
、脱バインダー処理に要する時間は短くなるものの、成
形体表面に亀裂が生じやすくなる。逆に、低密度ポリエ
チレンが70重量%を超えると、脱バインダー処理に要
する時間がいたずらに長くなる。 [0055]パラフイン系ワツクスを10〜80重量%
含有させた理由は次の通りである。 [00561パラフイン系ワツクスの重量が101量%
未満であると、組成物の流動性が低下し、射出成形性が
不十分であり、脱バインダー処理時間が長くなるととも
に、脱バインダー処理温度も高くなる。逆に、80重量
%を超えると、射出成形体の強度ならびに形状保持性が
十分でなく、成形体の取扱が不可能になりやすい。 [0057]滑剤と界面活性剤の合計を0. 5から4
0重量%と限定した理由は次の通りである。 [0058]潤滑剤と界面活性剤の合計が0− 51量
%未満であると、金型との離型性が悪くなり、ピンポイ
ントゲート方式の金型には使用できず、さらに混線時の
トルクも大きくなり、金属粉とバインダーであるパラフ
ィン系ワックスとポリエチレンを混合し、均一に混合す
ることが非常に困難になる。逆に、40重量%を超える
と、成形体の強度が低下し、射出成形後に金型から成形
体を取り出すときに成形体が破壊し易くなって、射出成
形が非常に困難となる。 [00591
【実施例] [実施例1〜6] パラフィン系ワックス
と低密度ポリエチレンと滑剤(オレイン酸)と界面活性
剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはアルキ
ルアミン酸)とから、表1に示す組成を有するバインダ
ーを作製した。尚、低密度ポリエチレンは流動度200
g/10分のものを使用し、パラフィン系ワックスは軟
化点70℃のものを使用した。 [00601また、平均粒径が約5μmのカーボニル鉄
粉と平均粒径約5μmのNi粉を混合して2重量%のN
i−Feの組成を持つ混合粉を作った。この混合粉に、
表1に示す組成を有するバインダー1〜6のいずれかを
組み合わせて混合、混線を行い、ピッチ円直径201T
1m、厚さ5mm、歯数18のギヤ形状を有する焼結製
品及び機械強度測定用の板上試験片を製造した。 [00611金型は図1に示すようにビンポイントゲー
ト方式の金型である。すなわち、ギヤ10、ビンポイン
トゲート部12、ランナ一部14およびスプル一部16
に対応した形の金型が使用される。 [0062]該金型における射出成形は、射出速度10
0mm/秒で行った。射出成形体の外形は、24mmで
あった。 [0063]射出成形性は、射出成形用組成物の流動性
が悪く、金型への充填不良、成形体のクラック、金型か
ら取り出すときの破損の有無で評価した。また、離型性
は、スプル一部16の金型からの離型性で評価した。射
出成形性と離型性の結果を表4に示す。 [0064]さらに射出成形体を窒素ガス雰囲気中で加
熱して、当該成形体の脱バインダーを行い、バインダー
残量が成形体の1重量%以下になるまで脱バインダー処
理した後、脱バインダ一体の外観を観察した。その結果
を脱バインダーの加熱温度、所要時間とともに表5に示
す。脱バインダ一体はいずれも良好な外観であった。 [00651更にこれらの脱バインダ一体を1250℃
で真空中において1時間焼結処理した。得られた焼結体
の寸法を測定した。更に、スプル一部、ランナ一部など
を再利用し実施例1〜6に従って処理することを3回リ
サイクルし、得られた焼結体の寸法を測定した。これら
の焼結体の寸法のバラツキを第6表に示す。焼結体の目
標寸法は19.99〜20.01mmとした。 [0066]また、焼結体の引張強度および伸びを「粉
末冶金技術協会」標準の板状試験片により測定した結果
を表7に示す。数値は5回の試験値の平均値を示す。 [00671以上から、実施例1〜6では、成形体の外
観がよく、また焼結体の寸法にバラツキが極めて小さい
ことが判る。 [0068]  [比較例1〜21 滑剤と界1角活性
剤の合計重量の割合が本発明の範囲にないことを除いて
は、実施例1〜6と同様にして処理及び測定した。射出
成形用組成物の配合を表2に、射出成形性と離型性の結
果を表4に、脱バインダーの加熱温度と所要時間及び外
観を表5に、焼結体の寸法のバラツキを表6に、また焼
結体の引張強度および伸びを表7に示す。 [0069]  [従来例1〜3] 滑剤と界面活性剤
の代わりに本発明の範囲にない添加剤を含むことを除い
ては、実施例1〜6と同様にして処理及び測定した。射
出成形用組成物の配合を表3に、射出成形性と離型性の
結果を表4に、脱バインダーの加熱温度と所要時間及び
外観を表5に、焼結体の寸法のバラツキを表6に、また
焼結体の引張強度および伸びを表7示す。 [00701[実施例7〜111 実施例1〜6に使用
したNi−Fe粉末の代わりに表8に示される射出成形
用組成物粉末を使用して、当該粉末を実施例1と同様に
して射出成形体を得て、脱バインダー処理を行い、さら
に表8の条件で焼結し、実施例1と同様に機械的強度を
測定した。その結果を表8に示す。 [00711[従来例4〜8] 実施例7〜11と比較
するために、表8と同じ焼結用粉末を使用し、通常の粉
末冶金法による圧縮成形した後、これらの成形体を表8
と同様の条件で焼結し、実施例7〜11と同様に強度を
測定した。その結果を表9に示す。 [0072]以上の結果から、本実施例の組成物が射出
成形用として特に有効であることがわかる。 [0073] 【表1】 [実施例1〜6] [QQ74]a)ポリオキシエチレンアルキルエーテル
。 [0075]
【表2】 [比較例1〜2] (0076]a)オイレン酸、b)ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、C)アルキルアミン塩。 [0077]
【表3】 [従来例1〜3] [0078]
【表4】 [0079] *成形強度が弱い。 [00801
【表5] [00811 【表6] [0082]目標寸法: 19. 99〜20. 01
mm[0083] 【表71 [0084] 【表81  [実施例7〜111 [0085]a)ガスアトマイズ粉、b)カーボニル粉
、C)還元粉、ci) 27P−Fe粉砕粉。 [0086ff 【表9】 [従来例4〜8] [0087]a)ガスア1ヘマイズ粉、b)カーボニル
粉、C)還元粉、d) 27P−Fe粉砕粉。 [0088]
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、250〜300℃の比較的低温の加熱により、脱
バインダー処理を有利に行え、さらに成形体と金型の離
型が滑らかに行われるので、射出成形の安定性を向卜す
る。 [0089]また、本発明によれば、金属もしくは合金
の焼結用粉末を用いて良好な射出成形体を得ることがで
き、さらにゲートカット不要のビンポイントゲート方式
の金型にも使用でき、かつリサイクルによる成形体の重
量、寸法のばらつきもなく、さらに寸法ばらつきも極め
て小さい焼結体を得ることができ、その結果電子部品、
精密機械部品において要求されている寸法精度を満足す
ることができ、特に複雑形状の薄物部品などにおいて、
射出成形法による粉末冶金製品を廉価に且つ安定した状
態で供給することを可能にし、精密工業界に寄与すると
ころ大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出成形用組成物から金型により成形された直
後のギアを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ギヤ 12 ビンポイン1〜ゲート部 14 ラン・ナ一部 16 スプル一部
【図1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基本的には焼結用粉末とバインダーとから
    なる射出成形用組成物であって、前記焼結用粉末が金属
    および合金からなる群から選ばれた1種以上からなり、
    前記バインダーが飽和アルコール、多不飽和脂肪酸、脂
    肪酸アミド、飽和直鎖脂肪酸及びモノ不飽和脂肪酸から
    なる群から選ばれた少なくとも1種の滑剤と、陰イオン
    界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、エ
    ーテル系脂肪族化合物、エーテル系環式化合物、エーテ
    ル系ポリエーテル化合物、エステル系多価アルコール部
    分エステル、ポリオキシエチレン化多価アルコール脂肪
    酸エステル、含窒素系非イオン界面活性剤からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の界面活性剤と、低密度ポリ
    エチレンと、パラフィン系ワックスとからなることを特
    徴とする射出成形用組成物。
  2. 【請求項2】前記焼結用粉末と前記バインダーとの配合
    割合が容積比にて30:70乃至70:30の範囲内に
    あることを特徴とする請求項1記載の射出成形用組成物
  3. 【請求項3】前記バインダーが、15〜70重量%の低
    密度ポリエチレン、10〜80重量%のパラフィン系ワ
    ックス及び0.5〜40重量%の滑剤及び界面活性剤と
    からなることを特徴とする請求項1記載の射出成形用組
    成物。
  4. 【請求項4】前記バインダーが、15〜70重量%の低
    密度ポリエチレン、10〜80重量%のパラフィン系ワ
    ックス及び0.5〜40重量%の滑剤及び界面活性剤と
    からなることを特徴とする請求項2記載の射出成形用組
    成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1007034A3 (nl) * 1993-04-28 1995-02-21 Vito Bindersamenstelling voor poederspuitgieten.
JP2007246292A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 National Institute Of Advanced Industrial & Technology セラミックリアクター、その製造方法及び装置
JP2010037568A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Nippon Piston Ring Co Ltd 粉末射出成形体用バインダーおよび粉末射出成形体の脱脂方法

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