JPH0420426Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、使い捨てオムツに関する。

〔従来技術とその問題点〕 近年、オムツカバーを必要としない使い捨てオ
ムツが実用に供されている。一般にかかるオムツ
は、不織布などの透水性トツプシートと、プラス
チツクフイルムなどの不透水性バツクシートと、
これらシート間に介在固定した吸収体と、これら
シートにより形成されるサイドフラツプ中の縦方
向に配置した伸縮部材とからなり、かつ、その腰
回り両側部に感圧性テープフアスナーを備えてい
る。

しかるに、従来のかかるテープフアスナーは、
ロール状に巻回してある感圧性テープを幅方向に
切断して形成するため、その切断端、特に鋭角な
隅部が柔らかな赤ちやんの肌を傷付けてしまうこ
とがある。さらに、テープ基材は、樹脂含浸紙に
粘着剤を塗布したものや、紙と不織布との複合シ
ートに粘着剤を塗布したものが主流を占めている
ため、引張・引裂強度が低く、使用時に引きちぎ
られたりすることがあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の目的は、かかる従来技術の欠点を解消
することができるテープフアスナーを備える使い
捨てオムツを提供することにある。

その目的を達成するための本考案は、図面に示
すとおり、使い捨てオムツの腰回り両側部のトツ
プシート３の上面に固定した使い捨て用オムツの
感圧性テープフアスナー６を備える使い捨てオム
ツを対象とする。

テープ片７は、坪量７〜100ｇ／m²の不織布１
３の両面に15〜35μｍのプラスチツク層１４を一
体に設けて構成するとともに、テープ片７の両端
部の少なくとも隅角部を円弧状に形成してある。
テープ片７はその一端部下面に設けた粘着剤層８
でトツプシート３の上面に固定してある。トツプ
シート３部分は、吸収体４の外側縁からバツクシ
ート２部分とともに外方へ延出してこれら部分を
互いに一体に接合してある。テープ片７の前記一
端部の上面に剥離層９を設け、粘着剤層８の外端
８ａまたはその近傍でテープ片７を内方へ折り返
してある。剥離層９と対向接触するテープ片７の
内面に粘着剤層１０を設けてある。前記一端部の
反対側であるテープ片７の他端部を非粘着部１２
としてある。

〔実施例〕

第１図において、使い捨てオムツの一例を示し
てある。オムツ１は、プラスチツクフイルムなど
の不透水性バツクシート２と、不織布などの透水
性トツプシート３と、粉砕パルプを主材とする吸
収体４と、バツクシート２とトツプシート３とに
より形成される両サイドフラツプ中の縦方向に配
置した伸縮部材５とからなり、かつ、背側部にお
ける腰回り両側部に感圧性テープフアスナー６を
備えている。

第２図〜第４図に示すように、テープフアスナ
ー６は、細長いテープ片７を含む。テープ片７
は、その一端部の下面に設けた粘着剤層８でトツ
プシート３の上面に固定してある。テープ片７の
一端を固定したトツプシート３部分は、吸収体４
の外側縁からバツクシート２部分とともに外方へ
延出し、該部分と一体に接合してある。したがつ
て、該両部分の間には吸収体が介在していない
が、こうしてあることが、トツプシート３部分の
上面に対するテープ片７の一端部の所要固定強度
を得るうえで重要である。かりにテープ片７の一
端部を固定したトツプシート３部分の下面に吸収
体４が位置していると、該トツプシートと該吸収
体とが接着剤で接合していても、該トツプシート
は一般に引張・引裂強度の低い不織布などからな
るうえ、該吸収体は一般に粉砕パルプを主材とし
崩れ易いものからなつていて該トツプシートとの
接合強度がきわめて低いので、テープ片７の使用
にあたつて、これを引つ張つたとき、その一端部
を固定した該トツプシート部分が破損し、該テー
プ片が外れるおそれがあるからである。また、テ
ープ片７は、その一端部の上面に剥離層９を設
け、粘着剤層８の外端８ａまたはその近傍で内方
に折り返し、該剥離層と接触する内面（展開状態
では上面）に粘着剤層１０を設けてある。テープ
片７の折り返し線、すなわち、折り返し状態での
外側端７ａはバツクシート２部分とトツプシート
３部分の外側縁から突出していないことが好まし
い。

テープ片７は、一端部（固定端部）と他端部
（自由端部）を円弧状１１に形成し、後者を非粘
着部１２としてある。円弧状１１のアールは５〜
50mmが好ましく、この範囲外では赤ちやんの肌に
対する傷付け防止効果が充分に期待できない。し
かし、図示例のように、テープ片７の自由端部の
全体を円弧状に形成することなく、少なくとも該
自由端部の隅部を円弧状に形成してあれば良い。
非粘着部１２の幅Ｗは２〜40mmが好ましい。

第５図に示すように、テープ片７は、坪量７〜
100ｇ／m²の不織布１３の両面に厚さ15〜35μｍ
のプラスチツク層１４をラミネート法、ヒートシ
ール法等の適宜手段で接合一体化することにより
形成してある。両者の接合は、鎖線連続模様やピ
ンポイント散点模様等のパターン接着による部分
接合が好ましく、非接着部に形成される自由空間
が柔軟性、感触性および美観の向上効果をもたら
す。

不織布１３は天然繊維または合成繊維系のもの
が用いられる。プラスチツク層１４の素材として
は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフイン系の他に、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステルなどが用いられるが、ポリオレ
フイン系が好ましく、とりわけ、密度0.915〜
0.925の低密度ポリエチレンの使用は、テープ片
７に適度な風合いと自己支持性を与えるので好ま
しい。不織布とプラスチツク層とのヒートシール
性を良くするには、それらには同系の素材を用い
ることが好ましい。

前記剥離層９は、シリコーン系樹脂、フツ素樹
脂、長鎖アルキル系樹脂などの低接着性樹脂を塗
布することにより形成することができる。

なお、以上の構成を有するテープフアスナー
は、使用に際して、非粘着部１２を摘持して粘着
剤層１０面を剥離層９から剥離し、オムツ１の前
側部における腰回りに固定することにより、オム
ツを組み立てることができる。

ちなみに、近年、この種のテープフアスナーに
おいては、その再使用を可能ならしめるため、前
記粘着剤層１０に第２の粘着テープを重ね合せた
ものが実用に供されているが、該第２の粘着テー
プを用いる場合、その端部をも前記テープ片７の
それのごとく円弧状に形成しても良い。

〔効果〕

本考案のテープフアスナーは、以上のように、
その基材であるテープ片の両端部の少なくとも隅
部を円弧状に形成してあるので、柔らかい赤ちや
んの肌を傷付けることがないものである。

テープ片を不織布とこの両面に接合したプラス
チツク層とで構成してあるから、適度な風合いと
自己支持性に優れるので、赤ちやんの肌への傷付
けをより確実に防止することができるとともに、
オムツに装着時の取り扱いが良好となるものであ
る。

テープ片の一端部を固定したトツプシート部分
をバツクシート部分と一体に接合してあるから、
テープ片のトツプシート部分の上面に対する所要
固定強度を得ることができ、トツプシートの強度
が比較的低くても、使用中にテープ片の一端部が
トツプシート部分の上面から離脱することもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のテープフアスナーを適用した
使い捨てオムツの展開平面図、第２図はテープフ
アスナーの折り返し状態における断面図、第３図
はテープフアスナーの展開図、第４図はテープフ
アスナーの長さ方向に沿う断面図、第５図はテー
プ片の基材の積層状態を略示する断面図である。 ６……テープフアスナー、７……テープ片、１
０……粘着剤層、１１……円弧状、１２……非粘
着部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 使い捨てオムツの腰回り両側部のトツプシート
   ３の上面に固定した感圧性テープフアスナー６を
   備える使い捨てオムツにおいて、 テープ片７を坪量７〜100ｇ／m²の不織布１３
   の両面に15〜35μｍのプラスチツク層１４を一体
   に設けて構成するとともに、テープ片７の両端部
   の少なくとも隅部を円弧状に形成してあり、 テープ片７をその一端部下面に設けた粘着剤層
   ８でトツプシート３の上面に固定し、そのトツプ
   シート３部分を吸収体４の外側縁からバツクシー
   ト２部分とともに外方へ延出してこれら部分を互
   いに一体に接合してあり、 テープ片７の前記一端部の上面に剥離層９を設
   け、粘着剤層８の外端８ａまたはその近傍でテー
   プ片７を内方へ折り返してあり、 剥離層９と対向接触するテープ片７の内面に粘
   着剤層１０を設け、前記一端部の反対側である他
   端部を非粘着部１２としてある。 ことを特徴とする前記オムツ。