JPH0420022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は金型に押し込まれる加熱筒内の溶融樹
脂を着色する液体顔料を供給するための射出成形
機の顔料供給装置に関する。

（従来の技術） 射出成形機では、樹脂原料を加熱筒内で可塑化
し、可塑化された樹脂をスクリユによつて金型に
押し込むことにより成形を行つており、そして樹
脂を着色する必要がある場合は、加熱筒内に液体
顔料を点滴することにより着色を行う。

第２図は従来の顔料供給装置を示すもので、１
は加熱筒で、加熱筒１にはスクリユ２が回転往復
動自在に嵌挿され、さらにこの加熱筒１の基端部
には樹脂原料を供給するためのホツパ３が設けら
れ、またホツパ３よりも先端部側には顔料供給口
４が形成され、顔料供給口４には供給筒５の一端
が嵌合されまた供給筒５の他端には液体顔料容器
６が取り付けられている。

スクリユ２にはホツパ３側から順にフイードゾ
ーンＦ、コンプレツシヨンゾーンＣおよびメータ
リングゾーンＭが形成されてあつて、樹脂原料は
フイードゾーンＦに供給される。

（考案が解決しようとする課題） 原料の可塑化時、原料は徐々に可塑化されつつ
スクリユの回転力によつて加熱筒の先端部方向に
移送されるが、この移送の間に加熱筒内の原料は
わずかではあるが加圧され、上記従来例ではこの
加圧された原料が顔料供給口４から逆流すること
があり、この逆流した原料が固化して顔料供給口
４を塞ぐため、顔料の供給が不能になるという事
態が生じていた。

本考案はかかる課題を解決するためになされた
もので、負荷圧力にほとんど無関係に吐出量が一
定のポンプを用いることにより加熱筒内の樹脂原
料が逆流しない射出成形機の顔料供給装置を提供
することを目的としている。

（問題を解決するための手段） 本考案は、フイードゾーン、コンプレツシヨン
ゾーンおよびメータリングゾーンが形成されたス
クリユを加熱筒に往復動自在に嵌挿し、該加熱筒
には前記フイードゾーンに原料を供給する原料供
給口および該供給口よりも先端部側のフイードゾ
ーンに液体顔料を供給する顔料供給口を設け、さ
らに、可塑化時の樹脂圧力に打勝つて前記液体顔
料を前記顔料供給口へ圧送するため前記顔料供給
口から顔料容器への配管に介装されて前記スクリ
ユの回転時に作動するポンプと、前記配管の顔料
供給口側に設けた原料逆流防止用チエツクバルブ
と、前記配管内の圧力を所定値以下に維持するリ
リーフ弁を設けたことを特徴としている。

（作用） スクリユ回転中の可塑化時、加熱筒内の樹脂原
料はわずかではあるが加圧されており、この加圧
された原料は顔料供給口から逆流しようとする
が、顔料は負荷圧力にほとんど無関係に吐出量が
一定のポンプにより原料の圧力に打ち勝つ圧力に
よつて圧送されるため、原料が顔料供給口から逆
流することはない。

また、スクリユが回転しないときはポンプも不
作動状態であるが、顔料供給口側に設けたチエツ
クバルブにより溶融した原料が逆流するのを防止
している。

したがつて、スクリユ回転中は加熱筒内におけ
る溶融樹脂の状態に関係なく顔料が配管を介して
顔料供給口から供給される。

それゆえ、色替え等の射出成形機の停止時にお
いて加熱筒内の樹脂が固まつた場合でも、これを
検知できないとなるとスクリユ回転と同時にポン
プが始動して顔料を供給することからポンプおよ
び配管の損傷を免れない。

しかし、本考案ではリリーフ弁を設けているの
で、固まつた樹脂により顔料供給口が塞がれる等
の障害が発生した場合でも、ポンプおよび管路を
保護することができるのであり、当然のことなが
ら厄介な顔料の飛散の後始末といつたことも未然
に防止できるのである。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面を参照しながら説明
する。

第１図において、１０は加熱筒で、加熱筒１０
にはスクリユ１１が回転往復動自在に嵌挿されて
いる。スクリユ１１にはフイードゾーンＦ、コン
プレツシヨンゾーンＣおよびメータリングゾーン
Ｍが形成され、加熱筒１０の基端部に設置された
ホツパ１２からの原料はスクリユ１１のフイード
ゾーンＦに供給されるようになつている。

加熱筒１０におけるホツパ１２よりも先端部側
のフイードゾーン内には顔料供給口１３が開設さ
れている。この顔料供給口１３の直径は通常１〜
２mmである。顔料供給口１３には配管１４の一端
が接続され、この配管１４の他端はポンプ１５に
接続されている。そしてポンプ１５には配管１４
によつて顔料が入つた顔料容器１６が接続されて
いる。ポンプ１５としては顔料を70Kg／cm²以上の
圧力で圧送できる高圧ポンプを用いる。１７はポ
ンプ１５を駆動するモータである。

ポンプ１５と顔料供給口１３との間における配
管１４には側路１８が形成され、この側路１８に
リリーフバルブ１９が介装されている。

このリリーフバルブ１９は、色替え等の射出成
形機の停止時において加熱筒内の樹脂が固まつた
場合に顔料供給口１３を詰まらせたり、あるいは
配管１４内に樹脂や顔料が堆積することによつて
配管１４内の圧力が異常に上昇したときに動作
し、配管１４内の圧力を顔料容器１６に逃がすた
めのものである。

２０は顔料供給口１３の近辺において配管１４
に介装されたチエツクバルブである。ポンプ１５
はスクリユ１１の回転時のみ作動し、スクリユ１
１の回転時以外は停止するため、ポンプ１５の停
止時に加熱筒１０内の原料が逆流することがあ
る。チエツクバルブ２０はこの逆流を防止するた
めのものである。

つぎに上記構成に係る装置の作用について述べ
る。スクリユ１１を回転させ、ホツパ１２から原
料をスクリユ１１のフイードゾーンＦに供給する
と、原料はスクリユ１１の回転力によつて可塑化
されつつコンプレツシヨンゾーンＣからメータリ
ングゾーンＭへと移送される。

他方、顔料容器１６内の顔料はポンプ１５によ
つて吸引され、顔料供給口１３に圧送され、加熱
筒１０内に点滴される。

加熱筒１０内へはある圧力によつて原料が供給
されるため、原料は顔料供給口１３から流出しよ
うとするが、顔料はポンプ１５によりこの原料の
供給圧力に打ち勝つ圧力によつて圧送されるた
め、原料は顔料供給口１３から流出することがな
い。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案はポンプおよびリ
リーフ弁を設けるだけでスクリユ回転時に顔料を
負荷圧力にほとんど無関係に圧送し、かつリリー
フ弁の設定圧で顔料供給口等の異常を検知でき
る。このため、本考案はスクリユの位置を検出し
所望のストローク工程に合わせて着色剤の供給を
制御するための検出手段や他の複雑な構成部品を
用いることなく簡単な構成で加熱筒内の原料の逆
流を防止するとともに適切な顔料供給を行うこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る射出成形機の顔料供給口
の断面図、第２図は従来の顔料供給装置の断面図
である。 １０……加熱筒、１１……スクリユ、１２……
ホツパ、１３……顔料供給口、１４……配管、１
５……ポンプ、１６……顔料容器、１９……リリ
ーフバルブ、２０……チエツクバルブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フイードゾーン、コンプレツシヨンゾーンおよ
   びメータリングゾーンが形成されたスクリユを加
   熱筒に往復動自在に嵌挿し、該加熱筒には前記フ
   イードゾーンに原料を供給する原料供給口および
   該供給口よりも先端部側のフイードゾーンに液体
   顔料を供給する顔料供給口を設け、 さらに、可塑化時の樹脂圧力に打勝つて前記液
   体顔料を前記顔料供給口へ圧送するため前記顔料
   供給口から顔料容器への配管に介装されて前記ス
   クリユの回転時に作動するポンプと、前記配管の
   顔料供給口側に設けた原料逆流防止用チエツクバ
   ルブと、前記配管内の圧力を所定値以下に維持す
   るリリーフ弁を設けたことを特徴とする射出成形
   機の顔料供給装置。