JPH0419979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、すべり軸受の分解あるいは組立時
に回転軸を支持できるようにした回転電機に関す
るものである。

従来、この種回転電機の支持方法として第１図
に示すものがあつた。図において、１はフレー
ム、２はこのフレーム１に取付けられた負荷側の
フレームカバー、３は同じく反負荷側のフレーム
カバー、５はフレーム１に取付けられた負荷側下
部ブラケツト、４は下部ブラケツト５に取付けら
れた負荷側上部ブラケツト、７はフレーム１に取
付けられた反負荷側下部ブラケツト、６は下部ブ
ラケツト７に取付けられた反負荷側上部ブラケツ
ト、８は負荷側下部ブラケツト５に支持された負
荷側軸受、９は反負荷側下部ブラケツト７に支持
された反負荷側軸受、１０は負荷側軸受８及び反
負荷側軸受９に支承された回転軸、１０Ａはこの
回転軸１０が負荷機械（図示せず）と直結される
突出軸端部、１１は反負荷側軸端１０Ｂを覆う保
護カバーである。

１６は固定子、１７は空隙Ａを介して固定子１
６と対向した配設された回転子である。

ここで第２図及び第３図によつて反負荷側軸受
部の詳細構造を説明する。この軸受９は二分割形
のすべり軸受であつて、第３図に示すように回転
軸１０の中心線で上下に二分割され、上半部９ａ
と下半部９ｂとで構成されている。同様にブラケ
ツトも上下に二分割され、上部ブラケツト６と下
部ブラケツト７とが組合されて一体となつてい
る。１５は潤滑油を軸受９に導くオイルリングで
ある。負荷側軸受部も反負荷側軸受部と同様に構
成されている。

次に反負荷側軸受の分解方法について第２図な
いし第４図によつて説明する。回転電機の停止を
確認した後、まずフレームカバー３及び保護カバ
ー１１を取外し、次いで上部ブラケツト６を取外
す。次に軸受上半部９ａを上方に持上げて取外
す。

ここで、フレームカバー３がなくなつた回転電
機の上半部開口部分からロープ１４を回転電機内
に入れて、軸受部より内側において回転軸１０に
ロープ１４を掛ける。ロープ１４をホイスト等で
吊つて回転軸１０を空隙Ａより小さいごくわずか
の高さ（例えば１mm程度）だけ上方に持ち上げて
支持する。このとき、回転軸１０の他端は、負荷
側軸受８で支持される。この場合、ロープ１４は
フレーム１の側面に沿わせて折曲げるようにして
斜めに吊り上げられる。

このように回転軸１０を上方に少しだけ持上げ
て、回転軸１０の下側と軸受下半部９ｂとの接触
部Ｂに隙間を作つておいて（回転軸の重量を軸受
下半部に加えない状態にしておいて）、第４図に
示すようにＣの位置にある軸受下半部９ｂにＤの
ように力を加えて、回転軸１０を中心にＥ方向に
回動させて、Ｆのように回転軸１０の上側に位置
させてから、（なお、オイルリングは１５ａのよ
うな状態となる。）この軸受下半部９ｂを取外す。
このようにしてから軸受の点検等を行う。

次に負荷側軸受８を分解するには、フレームカ
バー２、上部ブラケツト４及び軸受８の上半部を
取外す。その後、回転軸１０の突出軸端部１０Ａ
をロープ１４もしくはジヤツキで支持し、軸受８
の下半部を取外す。

軸受の組立の場合も、回転軸１０をロープ１４
等で支持しておいて、軸受下半部を上側から下側
に回して挿入し下部ブラケツトに載せる。次にロ
ープ１４を外してから軸受半部、上部ブラケツト
等を取付ける。

なお、いずれか一方の軸受の分解又は組立の場
合、その軸受側のみでなく、回転軸の両端部をロ
ープ等で支持して、回転軸を水平にして行つた方
が作業がやりやすい。

従来の回転電機は以上のように構成されている
ので、反負荷側軸受の分解又は組立の際、回転電
機内部の回転軸に直接ロープ１４をかけて吊り上
げなでればならず、この際図のようにロープ１４
をフレームの側面に沿わせて折り曲げるようにし
て斜めに回転軸を吊り上げることが必要で、作業
性の点及び安全上好ましくないなどの欠点があつ
た。

この考案は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、回転軸１０の反負
荷側に突出した支持軸端１２を設け、この支持軸
端を介して反負荷側軸受の分解あるいは組立時に
回転軸を支持することができる回転電機を提供す
ることを目的としている。

以下、この考案の一実施例を第５図、第６図に
よつて説明する。図において、１２は回転軸１０
の反負荷側ブラケツト６，７より外方に突出して
設けた支持軸端である。１３は上部ブラケツト６
と下部ブラケツト７の側面に取付けられ、反負荷
側軸受９の防塵を行う円筒状のふさぎ板である。
なお、その他の構造は従来と同様であるので説明
を省略する。

次に動作について説明する。回転電機が運転中
は、第６図で示すように反負荷側の上部ブラケツ
ト６および下部ブラケツト７にふさぎ板１３が取
付けられて反負荷側軸受９の防塵及び安全を期し
ている。ここで反負荷側軸受９を分解組立する場
合は、回転電機の運転を停止させ、まず、ふさぎ
板１３を外した後、フレームカバー３、上部ブラ
ケツト６及び軸受上半部９ａを取外す。そして下
部ブラケツト７より外方に突出させている支持軸
端１２をジヤツキで支持するか、またはロープ１
４をかけてクレーンなどで吊り上げ、回転軸１０
と軸受下半部９ｂとの間Ｂに僅かな隙間を作つた
状態で軸受下半部９ｂを上側に回して取外す。組
立は上述と逆の手順で行う。

反負荷側軸受９の分解や再組立などが終了する
と上部ブラケツト６、フレームカバー３、および
ふさぎ板１３を取付けて第５図及び第６図の状態
にもどす。

なお、上記実施例では、負荷側軸受、反負荷側
軸受を別々に分解、組立する場合について説明し
たが、回転軸の負荷側軸端と反負荷側に突出した
支持軸端とで同時に支持することにより、軸受を
負荷側、反負荷側同時に分解、組立してもよい。

本考案の回転電機は以上のように構成したの
で、二分割のすべり軸受からなる反負荷側軸受部
を分解、組立する場合に、回転軸から突出した支
持軸端を支持することにより、作業性がよく、不
自然なロープの掛け方をしなくともよくなり、又
ジヤツキを使うことができるなど、実用的に優れ
た回転電機が得られる効果がある。特に、回転電
機の据付場所にホイストやクレーンがないところ
での分解、点検の際に、自動車用の簡単なジヤツ
キで作業ができるので、大層便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は軸受部を断面で示した従来の回転電機
の側面図、第２図は第１図の反負荷側軸受部の詳
細断面図、第３図は第２図又は第６図の−線
を断面で示す断面図、第４図は下半部軸受の取外
し中の状態を示す第２図又は第６図の−線断
面に相当する断面図、第５図はこの考案の一実施
例の回転電機を示す断面側面図、第６図は第５図
の反負荷側軸受部の詳細断面図である。 図中、１はフレーム、２，３はフレームカバ
ー、４，６は上部ブラケツト、５，７は下部ブラ
ケツト、８，９はすべり軸受、９ａは軸受上半
部、９ｂは軸受下半部、１０は回転軸、１２は支
持軸端、１３はふさぎ板、１４はロープである。
なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームの負荷側及び反負荷側にそれぞれ取付
   けられたブラケツトと、これら各ブラケツトの内
   周で支持されるそれぞれのすべり軸受と、これら
   両すべり軸受で回転軸の両端部が支持される回転
   電機において、上記回転軸の負荷側軸端部と共に
   反負荷側軸端部にも上記反負荷側のブラケツトよ
   り突出された支持軸端を備え、この支持軸端を着
   脱可能なふさぎ板でふさいでおき、上記回転電機
   の組立、分解時に上記ふさぎ板を取外し、上記支
   持軸端を支持部材で持ち上げられるようにしたこ
   とを特徴とする回転電機。