JPH04194499A - メンブレン貯槽の内部支柱支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液化天然ガス、石油系の液化ガス、液体窒素
等を貯蔵するためのメンブレン貯槽に関し、特にその内
部支柱支持構値に関する。

〔従来の技術〕

従来、大型メンブレン貯槽においては、貯槽の直径の増
加に伴って屋根構造が大重量となるが、屋根自体の強度
がますます要求されるので、さらに屋根が重くなる傾向
にある。この傾向は屋根に平板状またはこれに近い形状
のコンクリート材を用いる場合に特に顕著となる。これ
を解決する手段として貯槽中央に円筒形の支柱を設け、
屋根中央を支持する手段が従来から開発されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、上記支柱の材質としては低温鋼やコンクリー
ト等が用いられるが、いずれも温度が下がるにしたがっ
て熱収縮を生じるので、貯槽内が低温液化ガスによって
冷却されると熱収縮を起こし、支柱の直径が減少する。

一方、底部メンブレンは、メンブレン材の熱収縮をひだ
の開きによって吸収するために巨視的には位置が変化し
ないのて、前記の支柱を設ける場合、支柱の熱変形によ
り相対変位が生じるようになり、したがって両者を剛に
結合することはできない。

また、両者の間を単にスライド結合とすると、地震時等
に中央支柱が横向きの力を受けた場合に支柱が移動して
しまい、構造的に成り立たない。

この点は、屋根をコンクリートとし、その内側にメンブ
レンを設置する場合に、屋根メンブレンと中央支柱との
関係にも同じように当てはまる。

さらに、中央支柱は屋根の大重量の１７３〜１／２を支
えるため、同支柱の下部には高強度の支持材を必要とし
、この目的からはメンブレン貯槽の保冷材として用いら
れる硬質ウレタンフオームでは強度が不足してしまい、
耐低温ステンレス鋼等からなる支持体を配置することに
なる。しかしながら耐低温ステンレス製支持体は熱を非
常に良く伝えるために中央支柱下部の底板が局部的に冷
却され、大きな熱応力を生じるという欠点がある。

本発明は、上述の諸問題の解決をはかろうとするもので
、メンブレン貯槽の内部に配設された中央支柱の低温収
縮を許容しながら、同支柱のメンブレンに鉤する相対変
位を防止できるようにし、さらに上記支柱に対向する貯
槽躯体において過大な熱応力が発生するのを防止できる
ようにしたメンブレン貯槽の内部支柱支持構造を提供す
ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

前述の目的を達成するため、本発明の請求項（１）のメ
ンブレン貯槽の内部支柱支持構造は、円筒形メンブレン
貯槽の内部中央に配設された円筒形中央支柱の上部また
は下部に、同中央支柱の中心から半径方向にのみ摺動可
能で円周方向への動きを拘束された支持構造体が３個以
上設けられ、同支持構造体が上記メンブレン貯槽の半径
方向におけるメンブレンのひだ相互の中間部に接して設
置されたことを特徴としている。

また本発明の請求項（２）のメンブレン貯槽の内部支柱
支持構造は、上記請求項（１）のものにおいて、上記メ
ンブレン貯槽におけるメンブレンと貯槽躯体との間に保
冷層をそなえ、上記支持構造体に接するメンブレン部分
の保冷層に、上記の支持構造体と貯槽躯体との間の荷重
伝達を行なう荷重伝達部材が設けられたことを特徴とし
ている。

〔作　　用〕

上述の本発明のメンブレン貯槽の内部支柱支持構造では
、次のような作用が行なわれる。

（１）中央支柱は、貯槽内部の冷却に伴い支柱中心に向
かって収縮するが、この動きは支持構造体が熱収縮方向
に摺動可能であるためスムーズに行なわれ、中央支柱に
もメンブレンにも力は作用しない。一方、地震等によっ
て中央支柱に横向きの力が加わると、支持構造体が円周
方向に拘束されているため、力の方向に平行な接線と円
筒支柱との接点およびその近傍における支持構造体の円
周方向の拘束により、円筒支柱が横向き力に対して支持
され変位を起こさない。

（２）中央支柱下部の保冷層に荷重伝達部材を設けるこ
とにより、下向き荷重および横向き荷重を支持すると同
時に保冷性能をあまり悪化させずに貯槽躯体の局部冷却
とそれに伴う過大な熱応力の発生とを防止する作用が行
なわれる。

〔実　施　例〕

以下図面により本発明の一実施例としてのメンブレン貯
槽の内部支柱支持構造について説明すると、第１図はそ
の要部の側部横断面図（第３図のＩ−Ｉ矢視断面図）、
第２図はその要部の中央縦断面図（第３図の■−■矢視
断面図）、第３図はその横向力に対する支持原理を示す
平面図である。

第１〜３図に示すように、低温液体を貯蔵する円筒形メ
ンブレン貯槽の耐低温材からなる底部メンブレン３上に
、中央支柱２が３個以上の支持構造体１を介して立設さ
れている。

中央支柱２は上記円筒形メンブレン貯槽の内部中央に配
設され、第３図に示すように設けられた３個以上の支持
構造体１は、中央支柱２の中心から半径方向にのみ摺動
可能で円周方向への動きは拘束されている。そして、各
支持構造体１は、第１．２図に示すように、底部メンブ
レン３におけるメンブレンひだ９．９の相互間の中央部
で底部メンブレン３に接するように設置されている。

底部メンブレン３と貯槽躯体５との間には保冷層４が設
けられており、各支持構造体１に接する底部メンブレン
３の部分の保冷層４には、中空または中実の筒体として
の荷重伝達部材６が設けられて、これにより支持構造体
１と貯槽躯体５との間の荷重伝達が行なわれるようにな
っている。

支持構造体１は中央支柱２に固定されている金具７と底
部メンブレン３に固定されているアンカ８とによって構
成され、アンカ８は金具７の支柱半径方向（Ｒ方向）の
動きは許容するが、支柱円周方向（θ方向）の動きは拘
束するようになっている。そして、テフロン等のベアリ
ングプレート１０が金具７と荷重伝達部材６との間に挿
入され、金具７またはアンカ８のどちらか一方または両
方にベアリングプレート１０が固定されている。なお、
金具７とアンカ８とのθ方向の隙間は、摺動可能な範囲
で小さく形成されている。

保冷層４に組み込まれた荷重伝達部材６の材質としては
、熱伝導率が低く、かつ低温で鋼の１７５〜１／２の強
度を有するエポキン樹脂等をヘースとしたＦＲＰ材（繊
維強化プラスチツク材）が用いられる。

このメンブレン貯槽が比較的小さく中央支柱２から加わ
る荷重が小さい場合には、荷重伝達部材６は高強度の硬
質ウレタンフオームの中実筒体あるいはステンレス鋼等
の耐低温材の薄肉筒体でもよい。

また、金具７とアンカ８との関係を逆にして、金具７を
メンブレン側に固定し、アンカ８を支柱側に固定しても
よい。本実施例は支柱の下方部分について述べたが、本
発明を支柱の屋根側部分に適用する場合でも同様の構造
とすることができる。

上述の構成により、このメンブレン貯槽の使用に際して
、中央支柱２は、貯槽内部の冷却に伴い支柱中心に向か
って収縮するが、この動きは支持構造体１の金具７がア
ンカ８に沿い熱収縮方向（支柱半径方向）に摺動可能で
あるためスムーズに行なわれ、中央支柱２にも底部メン
ブレン３にも力は作用しない。一方、地震等によって中
央支柱２に横向きの力Ｆが加わると、支持構造体１の金
具７がアンカ８により中央支柱２の円周方向に拘束され
ているため、力の方向に平行な接線と円筒形中央支柱２
との接点およびその近傍における支持構造体１の円周方
向の拘束力（Ｆ　／２＋　Ｆ　／２）により、中央支柱
２が横向き力Ｆに対して支持され変位を起こさない。

また、中央支柱２の下部の保冷層４に荷重伝達、部材６
を設けたことにより、下向き荷重および横向き荷重を支
持すると同時に保冷性能をあまり悪化させずに貯槽躯体
の局部冷却とそれに伴う過大な熱応力の発生とを防止す
ることができる。

〔発明の効果〕

以上、詳述したように、本発明のメンブレン貯槽の内部
支柱支持構造によれば、次のような効果ないし利点を得
ることができる。

（１）中央支柱が貯槽内の冷却に伴って半径方向（中心
方向）に収縮する場合には、支持構造体において半径方
向への摺動が起き、相対変位が起こるので、中央支柱の
収縮が許容される。

（２）中央支柱が横向きの力を受けると、支持構造体の
作用で中央支柱の動きは止められるので、横向力が支持
構造体から荷重伝達部材を経由して貯槽躯体に伝達され
るので、中央支柱は変位しない。

（３）中央支柱から加わる荷重が大きい場合でも、荷重
伝達部材によって十分に支持され、かつ貯槽内部の冷熱
の伝わりが少ないのて、貯槽躯体の局部冷却がほとんど
なく、過大な熱応力が発生しない。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例としてのメンブレン貯槽の内部支
柱支持構造を示すもので、第１図はその要部の側部横断
面図（第３図の１−１矢視断面図）、第２図はその要部
の中央縦断面図（第３図の■−■矢視断面図）、第３図
はその横向力に対する支持原理を示す平面図である。 １・・・支持構造体、２・・・中央支柱、３・・・底部
メンブレン、４・・・保冷層、５・・・貯槽躯体、６・
・・荷重伝達部材、７・・・金具、８・・・アンカ、９
・・・メンブレンひだ、１０・・・ベアリングプレート
。 代理人　弁理士　飯　沼　義　彦

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）円筒形メンブレン貯槽の内部中央に配設された円
   筒形中央支柱の上部または下部に、同中央支柱の中心か
   ら半径方向にのみ摺動可能で円周方向への動きを拘束さ
   れた支持構造体が３個以上設けられ、同支持構造体が上
   記メンブレン貯槽の半径方向におけるメンブレンのひだ
   相互の中間部に接して設置されたことを特徴とする、メ
   ンブレン貯槽の内部支柱支持構造。
2. （２）上記メンブレン貯槽におけるメンブレンと貯槽躯
   体との間に保冷層をそなえ、上記支持構造体に接するメ
   ンブレン部分の保冷層に、上記の支持構造体と貯槽躯体
   との間の荷重伝達を行なう荷重伝達部材が設けられたこ
   とを特徴とする、メンブレン貯槽の内部支柱支持構造。