JPH0419405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、石油給湯器機等に用いられる縦型煙
管式熱交換器の改良に関する。

［従来の技術］ 従来、石油給湯器機等に用いられる縦型煙管式
熱交換器１は、第８図及び第９図に示す如く、燃
焼室２の上部に縦長円筒状の水室３が形成され、
該水室３に、燃焼室２と連通する複数本の煙管
４，４……が上下方向へ貫設されたものである。
平面視状態における煙管４，４……の配設位置
は、水室３をＡ，Ｂ側に二分する直径方向Ｃへ煙
管４の複数本が直列状に配設されると共に、Ａ，
Ｂ側に煙管４の複数本が並列状態に配設されてい
る。前記水室３には、内壁面３ａに直径方向Ｃへ
給水口５が開設されていると共に、給水口５と反
対側の上方位置に測温器６が突設され、更に天井
に出湯口７が開設されている。

［本考案が解決しようとする問題点］ しかし、従来の縦型煙管式熱交換器には、次の
如き欠点があつた。

(a) 給水口５から供給された水は、煙管４に衝突
して、その大部分が煙管群Ｄの外側周域に分散
され出湯口７へ向つて上昇する。そのため、熱
交換の大部分は煙管群Ｄの外周に配された煙管
４，４……とで行なわれ、煙管群Ｄの内側に配
された煙管４，４……での熱交換は非常に少な
い。その結果、煙管群Ｄを多数の煙管４，４…
…で構成したにも拘らず、総合的な熱交換効率
は非常に悪い。

(b) 煙管群Ｄの内側に配された煙管４，４……
は、水との熱交換率が非常に低いため、煙管内
を流れる高温ガスで異常加熱される。その結
果、これら煙管４，４……の寿命が非常に短
い。

［問題点を解決するための手段］ 前記問題点を解決するための手段は、燃焼室の
上部に縦長円筒状の水室が形成され、該水室に、
燃焼室と連通する煙管の複数本が上下方向へ貫設
された縦型煙管式熱交換器において、前記水室は
直径方向に貫通縦断する流水域で二分され、流水
域を除く二分領域に前記煙管が配され、前記水室
には、前記流水域に向つて給水口が開設されてい
ると共に、該給水口と反対側で且つ給水口より高
い位置に、前記流水域を臨んで測温器取付口が開
設されていることである。

［作用］ 給水口から水室に流入した水は、流水路及び煙
管群の外側周域に分散され、煙管間〓域の夫々に
に万遍無く流入する。測温器取付口が流水域を臨
むように開設されているので、流入域に測温器を
挿入することができる。

［実施例の説明］ 以下、本考案に係る縦型煙管式熱交換器（以
下、「本案熱交換器」という）を第１図乃至第３
図に示す実施例に基づいて説明する。

第１図は本案熱交換器の一部を横断面した平面
図、第２図は本案熱交換器を縦断面した正面図、
第３図は本案熱交換器の右側面図である。

本案熱交換器１１は、円筒状の外ケーシング１
７（例えば、外径Ｅ＝200〜300mmφ）と、外ケー
シング１７の下方に内嵌された円筒状の内ケーシ
ング１８とよりなり、内ケーシング１８の内部に
燃焼室１２が形成されていると共に、燃焼室１２
の上方にメインの水室１３が形成され、更に内ケ
ーシング１８の外周にサブの水室１９が形成され
ている。水室１３は、第１図に示す如く、直径方
向Ｆに貫通縦断する流水域２０（例えば、厚みＴ
＝20〜30mm）で二分され、流水域２０を除く二分
領域に、複数本の煙管１４，１４……が上下方向
へ貫設されている。各煙管１４は、第２図に示す
如く、下開口部を燃焼室１２に臨ませると共に、
上端開口部を外ケーシング１７の上方外側に臨ま
せてある。外ケーシング１７には、水室１３の下
方寄り位置に流水域２０に向つて給水口１５が開
設されていると共に、該給水口１５と反対側で且
つ給水口１５よりH₂寸法だけ高い位置に、流水
域２０に臨んで測温器取付口２１が開設されてい
る。H₂寸法は、水室１３における給水口１５か
ら天板までの高さ寸法H₁の０〜２／３の範囲と
するのが好ましい。外ケーシング１７及び内ケー
シング１８には、測温器取付口２１の開設側に、
バーナー取付け口２２を開設してある。測温器取
付口２１とバーナー取付口２２を同一側に開設す
ることは、この開設側をメンテナンス側とするこ
とにより、保守点検のための作業能率を向上させ
ることができる。外ケーシング１７の天井又は側
部上方には、出湯管２３が延設されている。

次に、本案熱交換器１１を用いた給湯設備の実
施例を、第４図乃至第７図に基づいて説明する。
給湯設備３０は、基盤３１の上に、本案熱交換器
１１を用いた石油給湯器３３と風呂釜３２とを併
設してある。石油給湯器３３と風呂釜３２との配
置関係は、第６図に示す如く、長方形の基盤３１
の内隅部寄りに石油給湯器３３を設置すると共
に、該内隅部に対して対角状の内隅部寄りに風呂
釜３２を設置し、基盤３１上において石油給湯器
３３と風呂釜３２とが互い違いに入込む領域Ｇを
形成してある。このように、入込み領域Ｇを形成
することは、基盤３１の奥行寸法Ｌを小さくする
ことが可能となり、給湯設備３０をコンパクトに
することができる。石油給湯器３３は、第４図に
示す如く、本案熱交換器１１のバーナー取付け口
２２にバーナー３７を取付けると共に、本案熱交
換器１１の測温器取付け口２１に測温器３８を取
付けて、その測温部３８ａを流水域２０に挿入し
てある。本案熱交換器１１は、その上面が石油給
湯器排ガス路３９で覆われている（第７図参照）。
バーナー３７の燃焼ガスは、燃焼室１２で拡散し
た後、煙管１４，１４……を通つて石油給湯排ガ
ス路３９へ導かれる。本案熱交換器１１の給水口
１５より水室１３に供給された水は、煙管１４，
１４……を介して上記燃焼ガスと熱交換されて昇
温し、出湯管２３（第６図参照）から吐出する。
前記風呂釜３２は、燃焼室４３と、燃焼室４３内
に設置された熱交換器４４（第５図参照）と、燃
焼室４３へ臨んで設置されたバーナ４８とよりな
る。バーナ４８の燃焼ガスは、燃焼室４３内で拡
散し、循環水路４５，４６（第５図参照）を通じ
て熱交換器４４内を循環する浴槽内の水と熱交換
した後、風呂釜排ガス路４０へ導かれる。前記バ
ーナ３７，４８に燃焼用空気を送風するフアン４
１，４２は、風呂釜３２と後述の消音器５１との
間の高さ位置に配設され、一台のモータ４７で駆
動される。

前記風呂釜３２の上方には、消音器５１が配設
されている。消音器５１は、第７図に示す如く、
側部上方に前記石油給湯器排ガス路３９が接続さ
れ、底部に前記風呂釜排ガス路４０が接続されて
いる。消音器５１は、ケーシング５２内に筒状の
排ガス吐出路５３が内蔵され、排ガス吐出路５３
内の下端寄りに前記風呂釜排ガス路４０の終端開
口部を挿入してある。前記石油給湯器排ガス路３
９から消音器５１に供給された石油給湯器排ガス
ａは、ケーシング５２と排ガス吐出路５３との間
を下方へ流れて排ガス吐出路５３の下端開口部へ
導かれ、その内部を上昇する。前記風呂釜排ガス
路４０から消音器５１に供給された風呂釜排ガス
ｂは、排ガス吐出路５３の下端内部へ導かれ、そ
の内部を上昇する。消音器５１に、石油給湯器排
ガスａ及び風呂釜排ガスｂが同時に導かれている
ときには、両排ガスａ，ｂは排ガス吐出路５３で
集合され、集合排ガスｃとなつて外部へ排出され
る。

［本考案の効果］ 以上詳述の如く、本案熱交換器は、次の如き実
用的効果を有する。

給水口から水室に流入した水が各煙管の外周
を流れて各煙管を流れる燃焼ガスと充分に熱交
換するため、熱交換効率が飛躍的に向上する。

その結果、熱交換器全体を従来に比べて小型
にすることが可能となり、給湯設備をコンパク
とにすることができる。

各煙管の外周を水が充分に流れるため、煙管
の異常昇温はなく、煙管の寿命を従来に比べて
飛躍的に向上させることができる。

流水域に測温器を挿入できるので、水室に貯
湯された湯の低温域を測温することができる。
その結果、水室に貯湯された湯の正確な温度調
節が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案に係る縦型煙管式熱
交換器の実施例を示すものであつて、第１図は一
部を横断面した平面図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図は右側面図であり、第４図乃至
第７図は本考案に係る縦型煙管式熱交換器を用い
た給湯設備の実施例を示すものであつて、第４図
は一部断面した正面図、第５図は一部断面した右
側面図、第６図は第４図の−線断面図、第７
図は第６図の−線断面図、第８図は従来の縦
型煙管式熱交換器を示す平面図、第９図は第８図
の−線断面図である。 １２……燃焼室、１３……水室、１４……煙
管、１５……給水口、２０……流水路、２１……
測定器取付口、２２……バーナー取付口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 燃焼室の上部に縦長円筒状の水室が形成さ
   れ、該水室に、燃焼室と連通する煙管の複数本
   が上下方向へ貫設された縦型煙管式熱交換器に
   おいて、前記水室は直径方向に貫通縦断する流
   水域で二分され、流水域を除く二分領域に前記
   煙管が配され、前記水室には、前記流水域に向
   つて給水口が開設されていると共に、該給水口
   と反対側で且つ給水口より高い位置に、前記流
   水域に臨んで測温器取付口が開設されているこ
   とを特徴とする縦型煙管式熱交換器。 ２ 前記燃焼室における前記測温器取付口の開設
   側に、バーナー取付け口を開設した実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の縦型煙管式熱交換
   器。