JPH0419081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は橋台、石油掘削用足場、建物、等の構
築物の基礎を杭打工法で構築する際に杭打機にパ
イルを支持させるために用いるパイルホルダに関
するものである。

［従来の技術］ パイルを土中に打ち込み構築物の基礎を構築す
る杭打機としては、第４図に示す如く、リーダ１
にハンマ２、パイルキヤツプ３を昇降自在に支持
させ、且つリーダ１の下端部にパイルホルダ４を
固定し、上記パイルキヤツプ３を上端に嵌め込ん
だパイル５をパイルホルダ４内を通して支持さ
せ、上記ハンマ２は、下端にアンビル２ｂを有す
るシリンダ２ａと、該シリンダ内に収納したラム
２ｃとからなると共に、燃料ポンプを有し、上記
リーダ１に昇降自在に支持させた起動装置６によ
りラム２ｃを引き上げて落下させたとき、燃料ポ
ンプからシリンダ内へ燃料を噴射させて爆発さ
せ、このときの反力によりハンマ２自体を下降さ
せてパイルキヤツプ３を下降させパイル５を打ち
込むようにしたものがある。

上記杭打機に用いられているパイルホルダ４
は、パイル５の上部を支持し、パイル５が打ち込
まれるときは該パイル５を案内させるためのもの
であるため、通常、第５図の如くパイル５と摺動
する面に、パイル外径よりも内径をやや大きくし
たゴム製の板７を張り、ボルト止めしている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、ゴム板７をパイルホルダ４の内面に
取り付けた従来の方式では、該パイルホルダ４に
パイル５を挿入するとき、ゴム板７を損傷させる
おそれがあり、又、パイル５を斜めに打ち込むと
き等では、斜めに荷重がかかるが、このときはパ
イル５がゴム板７に均一に接することができず、
案内が円滑に行えないおそれがあつた。

そこで、本考案は、かかるおそれがないように
しようとしてなしたものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、パイルホルダ本体に、複数本のロー
ラ軸の各中央部を回転軸にて支持させ、該各ロー
ラ軸の両端側にローラを嵌着させてなり、該各ロ
ーラ軸に嵌着させたローラの表面全面がパイルに
接するようにする。

［作用］ パイルは複数のローラの内側に挿入されると、
各ローラ軸の両端側に嵌着されたローラの内側が
すべてパイルの表面に接し、パイルとパイルホル
ダ本体との相対移動時に各ローラが転動し、パイ
ルを案内する。パイルに斜めに荷重がかかつて
も、円周上に配置された各ローラのローラ軸の中
央部が回転軸に支持されているので、各ローラが
パイルにならつて均一に接することができる。

［実施例］ 以下、図面に基づき本考案の実施例を説明す
る。

第１図乃至第３図は本考案の実施例を示すもの
で、パイルホルダ本体８の外側面に、ボギ軸受９
を鉛直に且つ円周方向の複数個所（図では４個
所）に配設し、該各ボギ軸受９の取り付け部分の
下方位置のパイルホルダ本体８側面に後述するロ
ーラが嵌入位置し得る切欠窓１０を形成する。
又、水平に配したローラ軸１１の中央部をボギ軸
１２の下端に支持させて、ローラ軸１１とボギ軸
１２とが逆Ｔ字をなすようにし、上記ローラ軸１
１の両端側には、それぞれコーン状のローラ１３
を小径側が内側となるようにして嵌着させ、各ロ
ーラ１３の外側にはスラストワツシヤ１４及びロ
ーラ取付リンク１５を配してローラ取付ボルト１
６で一体的に保持させる。上記逆Ｔ字形とした中
央の軸であるボギ軸１２は、前記ボギ軸受９に回
転自在に貫通させ、該ボギ軸１２の上端に、ボギ
軸受９上端面上のボギ軸座金１６を介してナツト
１７を螺合し、ボギ軸１２とともにローラ１３が
ボギ軸１２の軸心を中心として揺動できるように
する。１８はスラストブツシユである。

１つのローラ軸１１に２つのローラ１３を嵌着
することによつて全体としてほぼ鼓状となるロー
ラの内側は、パイルホルダ本体８の内側に挿入さ
れるパイル５の外側面に接する円弧面をなし、且
つパイルホルダ本体８の内面より内方へ突出させ
てあるため、パイル５の土中への打ち込みに際し
パイル５をパイルホルダ本体８内に通すときは、
各ローラ１３が転動して円滑にパイル５を通すこ
とができ、又、パイル５が打ち込まれるときは、
各ローラ１３でパイル５を案内することができ
る。

ボギ軸１２は回転できるため、パイル５に対し
て各ローラ１３をフイツトさせることができ、常
にどのローラ１３もパイル５に均一に接すること
ができ、パイル５に斜めに荷重がかかつても全ロ
ーラ１３がパイル５に接して円滑に支持し且つ案
内することができる。

［考案の効果］ 以上述べた如く、本考案のパイルホルダによれ
ば、ローラ軸の中央部を回転軸の一端で支持し、
このローラ軸の両端側にローラをはめた構造のも
のをパイルホルダ本体の円周方向複数個所に配設
し、パイル表面にローラが接するようにしてある
ので、パイルをパイルホルダ本体内に挿入すると
きも各ローラで案内されて従来のゴム板を損傷さ
せるようなことがなく、又、各ローラはローラ軸
中央部の軸が回転できることから揺動でき、常に
パイルの表面に全体が接する状態にでき、更に、
ローラ軸は両端支持でなく中央部の支持であるか
らローラの揺動式支持が容易となる、等の優れた
効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は第１図の−矢視図、第３図は第２図の−
矢視図、第４図は杭打機の全体を示す概略図、
第５図は従来のパイルホルダの部分断面図であ
る。 ４はパイルホルダ、５はパイル、８はパイルホ
ルダ本体、９はボギ軸受、１１はローラ軸、１２
はボギ軸、１３はローラを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パイルホルダ本体の外側の円周方向複数個所
   に、該パイルホルダ本体の軸心方向に回転軸を取
   り付け、該各回転軸の下端に、水平に配したロー
   ラ軸の中央部を支持させて、該ローラ軸の両端側
   にローラを嵌着させ、且つ上記ローラの内側がパ
   イルホルダ本体の内側に突出するようパイルホル
   ダ本体の側部に、ローラが嵌入できる切欠窓を設
   けたことを特徴とする杭打機のパイルホルダ。