JPH0418850Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案はオフセツト輪転印刷機から外された交
換式印刷ユニツトを載置する印刷ユニツト交換台
車に関するものである。

［従来の技術］ 連続伝票等を印刷するオフセツト輪転印刷機に
おいては、伝票の天地サイズの変更に対応できる
ように、印刷版胴およびブランケツト胴またはこ
れに加えて圧胴を印刷機本体から取り出し可能な
カセツト式に構成し、これらを交換することによ
り天地サイズの変更を行つている。

また、連続帳票用のオフセツト輪転印刷機にお
ける版胴は胴の長手方向に溝が設けてあり、か
つ、回転可能な小径軸を内包している。

版のセツトは、アルミ製の平版を適当な大きさ
に切断し、天地方向の両端の一部を折り曲げた版
を、版胴の溝に引つ掛け、版胴、ブランケツト胴
間に圧を加えながら、印刷機をスロー回転させ、
版を版胴に巻きつけてゆき、最後に版の他端を版
胴と内包軸との溝を合わせた部分に差し込み、内
包軸を回転させることによつて版を咬え固定する
といつた方法をとつている。

また、交換式印刷ユニツトは使用しない時は、
印刷機から取り外して機外に置いてあり、胴を手
回しで回転させながら版のセツトを行なおうと思
えばできないことはないが、この場合、片手で版
を固定する必要があるため極めて作業性が悪く、
特に版の左右幅が広くなるにつれてセツトしずら
くなるばかりか版の破損を招くこともある。

このため、機外での版のセツト時に使用する携
帯式の固定装置もあるが、独立した単体装置であ
るため、機外での版セツト毎に装置の取り付け、
取り外しをする必要があるので使い勝手が良くな
いものであつた。

［目的］ 本考案は以上の点に鑑み、オフセツト輪転印刷
機より交換式印刷ユニツトを交換する際に使用す
る交換台車に固定装置を取り付け、台車上で簡便
に版のセツトができる交換式印刷ユニツトの固定
装置付交換台車を提供することを目的とする。

［構成］ 本考案の交換式印刷ユニツト台車は、交換式印
刷ユニツトを載置したときに、交換式印刷ユニツ
トの印刷版胴の歯車か、あるいはブランケツト胴
の歯車に噛み合う固定部材と、この固定部材を交
換式印刷ユニツトの歯車に噛み合わせたり、噛み
合わせを解いたりするための着脱機構とを具備し
ている。

［実施例］ 以下本考案の実施例を図面により説明する。

第１図は本考案による交換台車の正面図、第２
図はその側面図である。

本考案による交換台車は、台車１上に昇降装置
２により昇降する昇降台３を設け、これにより印
刷機上の交換ユニツトの高さに合わせて所定の位
置にセツト可能となつており、また、昇降台３に
はレール４が敷設されている。このレール４は、
印刷機本体に設けられているレールと同様のもの
であつて、交換ユニツトはこのレール４上を移動
するようになつている。

台車１上の昇降台３のレール４に直交する一側
端にはアーム５が固定されており、アームの先端
には回動アーム６の中間部分が回動自在に軸支さ
れている。回動アーム６の上端には固定部材とな
る扇形ギヤ７が固定されており、回動アーム６の
下端は、屈伸可能な状態で押圧アーム８に連結し
ている。このようにアーム５と回動アーム６と押
圧アーム８とでリンク機構を構成しており、第３
図に示すように、レバー１２を介して押圧アーム
８を矢印Ａ方向に前後に動かすと、回動アーム６
とともに扇形ギヤ７が矢印Ｂ方向に移動し、台車
上に交換ユニツト１４を載置した場合、ブランケ
ツト胴ギヤ１５に接離し、扇形ギヤ７となつてい
る固定部材を歯車（ギヤ）１５の係脱を行う。ま
た、扇形ギヤ７が交換胴（ブランケツト胴）ギヤ
１５に噛み合う場所は、交換胴の周径が変わつて
も位置が変わらない部分にする。回動アーム６の
下部は、昇降台３に取り付けられているスプリン
グ９により昇降台３側に付勢されている。押圧ア
ーム８にはストツパ溝１０が設けられており、昇
降台３に上下移動自在に取り付けられているスト
ツパ１１と係合するようになつている。

このように構成された交換台車を用いて、印刷
機のブランケツト胴と版胴とを有する交換式印刷
ユニツト１４を交換する場合を説明する。

まず、印刷機上の交換ユニツト１４の高さに合
わせて、昇降装置２により昇降台３を上昇させ、
印刷機のレールと交換台車のレール４との位置を
合わせてセツトする。印刷ユニツト１４を印刷機
から交換台車側へレールに沿つて移動させ、スト
ツパネジ１３により交換ユニツト１４を昇降台３
上に固定し、台車１にて運搬し、ユニツト交換を
し、再度台車で運んで印刷機にセツトし、ユニツ
トの交換が終了する。

交換台車上の交換ユニツト１４の版のセツトを
するために交換ユニツト１４を固定する時は、レ
バー１２を手または膝で押してアーム８を前方へ
移動させると、回動アーム６を介して扇形ギヤ７
が交換ギヤの側へ倒れて行き、扇形ギヤ７とブラ
ンケツト胴ギヤ１５とが噛み合う。この位置で押
圧アーム８に設けた溝１０にストツパ１１が落ち
込み、この状態が保持され、第３図に示すよう
に、ギヤを介して連結しているブランケツト胴、
版胴は完全に固定される。

固定状態を解く場合には、ストツパ１１を上げ
て溝１０から外すとスプリング９の復元力により
回動アーム６が押し戻され、扇形ギヤ７は、ブラ
ンケツト胴ギヤ１５から離れて固定状態は解かれ
る。

この実施例では固定部材として扇形ギヤを使用
したが、ギヤを固定しうるものであればなんでも
良く、アームの取付方法を変更してペダル式にし
て足で押すことにより装置の着脱を行つても良
い。また、固定部材は交換式印刷ユニツトのブラ
ンケツト胴ギヤ１５と噛み合うように構成してい
るが、アームの構成を変更して版胴ギヤ１６と噛
み合うように構成することもできる。

［効果］ 以上のとおり、本考案の固定式交換台車によれ
ば、印刷機外で版替えが効率良く台車上で行うこ
とができ、かつ、そのまま交換胴の交換をも行う
ことで、切り替え時間の削減、作業性の向上が計
れ、版を損傷させることが皆無となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による固定装置付交換台車の正
面図、第２図は、台車上に交換式印刷ユニツトを
載置した場合の固定装置付交換台車の側面図、第
３図は固定部材を交換式印刷ユニツトの歯車に噛
合した場合の固定装置付交換台車の側面図、であ
る。 １……台車、２……昇降装置、４……レール、
５……固定アーム、６……回動アーム、７……扇
形ギヤ（固定部材）、８……押圧アーム、９……
スプリング、１０……ストツパ溝、１１……スト
ツパ、１４……交換式印刷ユニツト、１５……ブ
ランケツト胴ギヤ、１６……版胴ギヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷版胴、ブランケツト胴等からなる交換式印
   刷ユニツトを運搬する交換台車上に、前記交換式
   印刷ユニツトを積載した時に交換式印刷ユニツト
   の印刷版胴の歯車またはブランケツト胴の歯車の
   いずれか一方の歯車と噛み合う固定部材を、前記
   交換式印刷ユニツトの歯車に対して着脱自在に設
   けたことを特徴とする交換式印刷ユニツトの固定
   装置付交換台車。