JPH04180578A - グラスライニング機器の局部補修方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は苛酷な腐蝕環境で使用するグラスライニング製
の化学反応器、貯槽、配管部品およびほうろう物品など
、鉄素地上にガラス質被覆　　−を施した機器のライニ
ングガラス層に発生した局部的な破損部を局部的に補修
する方法に関する。

（従来の技術） 前記の機器のライニングガラス層の破損部に無機質保護
被覆を密着形成させる有効な補修方法として、金属アル
コキシドや金属塩類の水溶液の補修剤を破損部に適用し
そのゾル化、ゲル化を経て固化させその間の反応により
ガラスを形成する補修方法が各種捷案されている。この
種の補修方法は、補修剤の著しい収縮を伴うので、ガラ
ス補修層を無浸透性とし、その厚さを約１ＩＩＩ１１の
周囲の健全ライニングガラスと同じになるまでにするに
は、反覆施工の必要があり施工回数が多くなる。先願の
特願平２−１１２３　　・ｅ７−）７８号は先ず無機質
シート剤を補修剤により破損部に貼り付けた上で補修剤
の塗布食浸による補修を施工するので、所要補修剤量は
少なく、施工回数も少なくなる。

（発明が解決しようとする課題） 前記特願の補修方法によって形成した補修部はＪＩＳＲ
４２０１に規定されたグラスライニングの各種試験に合
格し、うち密着試験にも合格しているが、その数値は低
く、健全グラスライニング層のそれに較べて約１７１０
の程度である。

そこで、補修施工を完了したグラスライニング機器を再
使用する際、優れた滑沢性を持たない補修部の面上に付
着物が多くなる傾向があり、これを例えば高圧水のジェ
ット吹付によるグラスライニング面の別途洗浄操作を行
うと、高圧水ジェットの強い機械的衝撃力により補修部
が剥離したり傷がついたりすることがあり、この点での
耐久性が懸念される。従って補修部の密着性を向上させ
信顧性を高めることは解決を要する問題点である。

（課題を解決するための手段） 前記問題を解決するため、本発明においては、補修部に
形成したガラスの密接着状態による密着力よりはるかに
強く、機械的結合に較べても決して遜色のない高度の密
着力を発揮させるため、磁力を利用し、残留磁気の非常
に大きく耐蝕性にも優れた稀土類磁石を使用する。稀土
類磁石は強磁性のフェライト磁石に較べても約２０倍の
磁力を有し、鉄面に付着させた場合のその結合力は引離
すことが困難で、ずらせて移動させることが漸く可能な
程度である。

この特質を利用し、稀土類磁石を成形可能な大きさの範
囲内の板状に形成し、グラスライニング機器のライニン
グガラス層に生じた局部的な破損部を研磨により適切な
面領域の形状に整形し、この面領域に露出した鉄素地面
に稀土類磁石板を面領域の形状に合わせて取付かせる。

そののち、破損部面領域内の間隙、間隔に対し、金属ア
ルコキシドや金属塩類のゾルゲルガラス水溶液の補修剤
を含浸塗布し、ライニングガラスの転移点以下の温度に
熱処理して反応固化させてガラス化し、この操作を反覆
してガラス補修部を形成するとともに、稀土類磁石板を
一体に固結して補修する。補修剤としては代表的には、
シリコンテトラエトキシド２０ｇ’、８５％リン酸１ｇ
１、エタノール２０ｇｒ、水２０　ｇ’の水溶液を２５
°Ｃで１時間撹拌混合してつくる。

本発明による補修方法を第１図の補修完了後の模式的な
補修局部の縦断面図により示せば次のとおりである。グ
ラスライニング機器の鉄素地（１）上のライニングガラ
ス層（２）に住じた局部的な破損部はそれを含む面領域
を研磨してまわりに健全ライニングガラス層を残して整
形し、面領域の露出した鉄素地面（１ａ）に稀土類磁石
板（３）を面領域の形状に合わせて取付かせる。残る間
隙部分には前記の補修剤施工を行って補修剤補修部（４
）とする。補修剤は核部のすべての間隔、間隙、細隙を
填陳し、稀土類磁石＃１ｉ（３）に結合して固定し、周
りの健全うイニングガラス層（２）と結合して一体化し
た補修部が完成される。

稀土類磁石板は製造上の理由で４（１ｍｍ角以上の寸法
につくることが困難である。ライニングガラス層破損部
の整形面領域がこれより広域面積であったり曲面部であ
ったりする場合には、第２図に示すように、複数の稀土
類磁石板の小板片（３Ａ）をならべて取付かせ、面域の
カバーを可能にしあるいは曲面への着座性を改善して補
修剤の補修施工を行う。補修小板片（３Ａ）と鉄素地と
の界面に浸透し、小板片間の目地を埋めて補修剤補修部
（４）となるため、稀土類磁石極小板片の固定状態は安
定される。

これらを総合して本発明のグラスライニング機器の局部
補修方法は、構成上、グラスライニング機器のライニン
グガラス層に住した破損部を補修するため、破損部を含
む面領域のライニングガラス層を研磨除去して整形し、
機器の鉄素地面を露出させ、単数あるいは複数の稀土類
磁石板を整形面域の形状に合わせて露出鉄素地面に磁力
により接合し、のち稀土類磁石板を含む面領域内の間隙
に対し金属アルコキシドや金属塩類のゾルゲル水溶液補
修剤を塗布食浸させ該部ライニングガラスの転移点以下
の温度に加熱処理して補修剤を反応固化ガラス化させる
過程を反覆施工することにより面領域の填隙および稀土
類磁石板の固定を行わせるようにしたことを特徴とする
。

（作用） 本発明方法によると、稀土類磁石板は補修剤ガラス補修
部と一体結合されて補修部を形成し鉄素地に密着して取
付いて強力な磁気結合力を発揮する。従って従来技術よ
りはるかに大きい補修部の密着性を実現できる。

また稀土類磁石はゾルゲルガラス補修層より高硬度であ
り、固定により耐衝撃性を持つため、例えば高圧水ジェ
ットによる摩耗にもよく耐える補修部を形成できる。

また補修部の密着性の強化のために比較的薄肉の鉄素地
にも機械的加工を加える必要なく、広い面域、曲面の破
損部の補修を可能とする。

（実施例） Ｉ）本発明実施例Ｉ 本発明方法を実施して得られる補修層につき、ＪＩＳＲ
４２０１に規定されたグラスライニングの密着試験を行
うため、試料と−して、厚さ６ＩＩＩ１１．８０１１Ｉ
Ｗｌ角のＳＳ４１綱仮にグラスライニングを厚さＩｎ＋
ｍに施工し、その中央部に約６０＋ｗｍ角のライニング
ガラス層の破損部をつ（す、鉄素地の露出する整形領域
とした。

稀土類磁石板として厚さ１．５＋ｍ、５０ｍｍ角のＳｍ
Ｃｏ　（サマリウム・コバルト）磁石板を磁力により接
合した。

この結合により生ずる両者間の間隙個所を補填する補修
剤として次の組成のゾルゲル水溶液を２５℃で１時間撹
拌混合して調整した。

シリコンテトラエトキシド　　２０ｇ’８５％リン酸　
　　　　　　　　　　１ｇｒエタノール　　　　　　　
　　　２０ｇ’水　　　　　　　　　　　　　　　　　
　２０ｇｒ前記間隙個所←上記補修剤を塗布し隙間に浸
透させ、３０分間風乾したのち、３５０°Ｃで１０分間
熱処理することによりガラス化させた。

上記ガラス層はまだポーラスな状態であるので、前記の
補修剤の塗布、浸透、風乾、熱処理の繰作を繰り返して
気孔隙間を充填し稀土類磁石板を固定し第１図に示すよ
うな本発明実施試料を作成した。

■）比較例 比較のため、前記の稀土類磁石板は使用せず、他の条件
は前記実施例と同様にして補修剤のガラス補修層を形成
し比較試料（Ａ）を作成した。

また前記実施例の稀土類磁石板の代わりにフェライト磁
石板を使用し、他の条件は前記実施例と同様にして比較
試料（Ｂ）を作成した。

Ｉ［Ｉ）ＪＩＳ密着試験比較結果 上記の本発明実施例試料および比較試料（Ａ）（Ｂ）　
に−）いＴ、ＪＩＳＲ４２０１に規定されたグラスライ
ニング密着試験を補修部に対し行った。その結果は次表
に示すとおりである。′ 本発明実施例において、整形領域の間隙個所以外の個所
、例えば稀土類磁石板の面に前記補修剤が塗布されるこ
とがあったが、結果的には影響がなく、塗布施工に細心
の注意を払わなくてもよいことが判明した。

■）高圧水ジェットによる剥離試験結果比較上記３試料
につき、補修部の性能評価テストとして、高圧水ジェッ
ト（ノズル出口で圧力２００ｋｇ／ｃｎＴ）の吹付けに
よる衝撃試験を行った。

その結果、比較試料（Ａ）では１時間で剥離し、比較試
料（Ｂ）では８時間で剥離したのに対し、本発明実施例
試料では８時間経過後でも剥離は生じなかった。

（発明の効果） 以上のように、本発明方法によりグラスライニング機器
のライニングガラス層に生した局部的な破損部を局部補
修すると、その補修部と鉄素地との密着力が非常に向上
し、機器寿命が延長される。

また機器の平面的部分の破損部だけでなく、広い面域お
よび曲面部の破損部も同様に補修することができ、鉄素
地が比較的薄くても機械加工を加える必要がないので機
器強度が保全される。

またグラスライニング機器の設置現場での局部補修を可
能とし、補修工事が容易で補修時間が短くて済み、この
機器を使用する生産プラントの運転休止時間を短縮でき
る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法による補修完了後の模式的な補修局
部の縦断面図、第２図は複数の稀土類磁石板片による補
修要領を示す補修局部の正面図である。 （１）・・・鉄素地、（１ａ）・・・露出鉄素地面、（
２）・・・ライニングガラス層、（３）・・・稀土類磁
石板、（３八）・・・積土＠磁石小板片、（４）・・・
補修剤補修部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　グラスライニング機器のライニングガラス層に生じた
   破損部を補修するため、破損部を含む面領域のライニン
   グガラス層を研磨除去して整形し機器の鉄素地面を露出
   させ、単数あるいは複数の稀土類磁石板を整形面領域の
   形状に合わせ露出鉄素地面に磁力により接合し、のち稀
   土類磁石板を含む面領域内の間隔に対し金属アルコキシ
   ドや金属塩類のゾルゲル水溶液補修剤を塗布食浸させ該
   部をライニングガラスの転移点以下の温度に加熱処理し
   て補修剤を反応固化ガラス化させる過程を反覆施工する
   ことにより面領域の填隙および稀土類磁石板の固定を行
   わせるようにしたことを特徴とするグラスライニング機
   器の局部補修方法。