JPH0862384A - 沸騰水型原子炉の線量低減方法 - Google Patents

沸騰水型原子炉の線量低減方法

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JPH0862384A
JPH0862384A JP6195129A JP19512994A JPH0862384A JP H0862384 A JPH0862384 A JP H0862384A JP 6195129 A JP6195129 A JP 6195129A JP 19512994 A JP19512994 A JP 19512994A JP H0862384 A JPH0862384 A JP H0862384A
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JP
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radioactive
reactor
water
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metal oxide
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JP6195129A
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Hideyuki Hosokawa
秀幸 細川
Makoto Nagase
誠 長瀬
Teruo Hara
照雄 原
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【構成】沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器に接続し、放
射性物質を含む冷却材を通過させる配管,ポンプ,バル
ブの構造部材の接水部表面に対して、バフ研磨した後、
電解研磨を行い、この表面へコランダム構造を持つ金属
酸化物からなる皮膜を形成させ、更に、沸騰水型原子炉
の圧力容器内の構造材接水表面の全面もしくは一部に対
して放射性物質を含む冷却材と接触する前、もしくは放
射性物質の除去直後に、スピネル構造を有する金属酸化
物の層を形成させて炉水中の放射性物質濃度を低減さ
せ、他の配管等の構造材への放射性物質の付着量の低減
をはかり放射性物質の表面への付着を抑制する。 【効果】保守,点検従事者の被曝線量の軽減に寄与でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉に係り、
特に、原子炉圧力容器に接続し、且つ放射性物質を含む
冷却材を通過させる配管における放射性物質の付着抑制
による構造材の表面線量低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉の一次冷却水系に使用さ
れている配管等の構造材はステンレス鋼,ステライト鋼
等で構成されている。これらの接水部金属材料は高温水
に長時間接触することで腐食を受け、冷却水中に腐食生
成物として溶出あるいは放出される。冷却水中に溶出し
た金属イオンや金属化合物粒子は冷却水を介して炉心内
に持ち込まれ、そのうちの一部は燃料被覆管表面に酸化
物として付着する。付着した金属元素は燃料からの中性
子照射を受けて原子核反応を起こす。その結果、コバル
ト60,コバルト58,クロム51,マンガン54、等
の放射性核種を生成する。これらの放射性核種は大部分
が酸化物の形態で燃料被覆管に付着したままであるが、
その一部は再び炉水中に溶出したり、クラッドと呼ばれ
る不溶性固体として炉水中に再放出されたりする。これ
ら放射性物質の一部は炉水浄化系によって取り除かれる
が、そこで取り除かれなかったものは一次冷却水系を循
環しているうちに構造材の接水部表面に付着する。この
ため構造材表面の表面線量が上昇し、定期検査作業時の
従事者の放射線被曝が問題となってくる。
【0003】このため、構造材の表面線量を低減する方
法として、構造材に付着した放射性物質を機械的に取り
除く方法が検討され、実施されている。この方法による
と構造材の表面線量を一時的に減少させることはできる
が、原子炉の運転再開と共に再び表面線量の上昇が見ら
れる。また機械的な除去だけでは取り除けない付着放射
性物質もあり、長年の運転の間に構造材の表面線量は上
昇する傾向にある。
【0004】構造材への放射性物質の付着量を低減させ
るための方法として、一次冷却水中の放射性物質の濃度
を低減させる方法も実施されている。すなわち、一次冷
却水中の金属不純物の大部分は給水系の構造材が腐食
し、腐食生成物が給水中に放出されて原子炉内に流入し
て行くために生成するものであるため、酸素又は過酸化
水素等を給水系に注入して構造材表面に酸化皮膜を形成
させ構造材の腐食量を低減し、これによって腐食生成物
の原子炉内への流入量を低減させ、中性子照射による放
射性物質の生成を減少させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法を用いても給水系をはじめとし、一次冷却系の構造材
の腐食を完全に防止することは不可能であり、一次冷却
水中に腐食生成物が放出されるのを完全に防ぐこともで
きない。このため構造材への放射性物質の付着による表
面線量上昇が依然として存在している。
【0006】しかも、給水系の構造材について腐食抑制
対策がとられているプラントでは、全付着放射性物質に
対する機械的洗浄による放射性付着物の除去割合はあま
り大きくなく、実施効果の少ないことがわかった。
【0007】また、これまでの構造材への放射性物質付
着抑制方法では一次冷却水の接水部表面に放射性物質を
付着させない対策をとってきた。このため本来原子炉圧
力容器の内部に留まっていれば大きな影響の少ない放射
性物質までも燃料被覆管以外の圧力容器内構造材の接水
部表面に付着せず、一次冷却水を介して圧力容器外へ出
て行き、再循環配管等の定期検査時の被曝箇所となると
ころで付着してしまうという問題があった。
【0008】本発明の目的は、これらの課題に対処する
ため、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器に接続し、且
つ、放射性物質を含む冷却材を通過させる配管等の構造
材接水部に付着する放射性物質の量を低減することで表
面線量を低減し、保守,点検従事者の被曝線量の軽減に
寄与することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器に接続
し、放射性物質を含む冷却材を通過させる配管,ポン
プ,バルブ等の接水部の表面の全面もしくは一部に対し
て、機械研磨した後、電解研磨を行い、この表面へコラ
ンダム構造を持つ金属酸化物からなる皮膜を形成させ、
原子炉圧力容器内の構造材接水表面の全面もしくは一部
に対して放射性物質を含む冷却材と接触する前、もしく
は放射性物質の除去直後に、スピネル構造を有する金属
酸化物の層を形成させた。
【0010】
【作用】燃料被覆管外表面で生成した放射性物質は、そ
の一部がやがて溶解して放射性イオンとなって炉水中へ
溶出して行く。溶出した放射性イオンは炉水を介して炉
水再循環系や炉水浄化系等へ拡散して行く。こうして広
がって行った放射性イオンは、これと接している金属構
造材表面の酸化皮膜の成長に伴って、酸化皮膜の構成元
素として取り込まれてしまう。保守,点検作業時の従事
者の被曝の原因となる放射性元素はコバルト60やコバ
ルト58,マンガン54等の二価の金属イオンがその大
部分を占めている。これら放射性二価金属イオンの構造
材表面への付着析出反応は炉水中に存在する鉄イオンと
の反応による次のようなフェライト形成反応
【0011】
【化1】
【0012】(Mは鉄以外の金属を表す)と、構造材の
酸化皮膜を形成するヘマタイト、あるいはマグネタイト
と二価金属イオンとのイオン交換反応
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】により起こる。このような付着析出反応は
放射性イオンを含む一次冷却水と接する構造材表面全体
で起こるが、保守,点検作業従事者の被曝線量の原因と
なるのは炉水再循環系や炉水浄化系等の原子炉圧力容器
外の配管,ポンプ,バルブ等へ付着析出した放射性イオ
ンである。したがって原子炉圧力容器の接水表面や原子
炉圧力容器内にある一次冷却水と接触している機器、例
えば、燃料集合体やシュラウド等に放射性イオンが付着
しても作業従事者の被曝線量の上昇にはあまり影響しな
い。
【0016】そこで本発明は原子炉圧力容器の接水表面
や原子炉圧力容器内にある一次冷却水と接触している機
器の全体もしくは一部にスピネル構造を有する金属酸化
物の層を設けて、そこへ炉水中の放射性イオンを取り込
むことで炉水中の放射性イオンの濃度を低減させてい
る。原子炉圧力容器外の配管,ポンプ,バルブ等への放
射性イオンの付着析出は、接触する一次冷却水の放射能
濃度に依存しているため、その濃度を低くすることで放
射性イオンの付着量を低減できる。また形成する酸化物
層をスピネル型構造とするのは、このような金属酸化物
が半導体としての性質を示し、比較的低温で点欠陥を生
じ易いため金属イオンの拡散が起こり易いからである。
スピネル型構造を有するニッケルフェライトに、原子炉
の被曝線源の主要因であるコバルト60イオンを模擬す
るための天然コバルトイオンを0.1ppb 含む280℃の
高温水を空間速度250/hrで流通させる実験をした
ところ、コバルトイオンの回収率は75%となり、高い
コバルトイオン付着性能を示した。これはスピネル型構
造を有する酸化物にはコバルトイオン等の二価イオンが
付着し易いことを示したものである。
【0017】原子炉圧力容器内部では放射性イオンの付
着を促進させ炉水中の放射性物質濃度を抑制すると共
に、炉水再循環系や炉水浄化系等の圧力容器外の配管,
ポンプ,バルブ等の構造材では放射性イオンの付着析出
をできるだけ抑制しなければならない。そのための手段
として本発明ではまず構造材表面をバフ研磨により平滑
にした後、更に電解研磨を施して構造材表面を鏡面状に
仕上げ、続いてこの鏡面状の表面に接水部最表面がコラ
ンダム構造を持つ金属酸化物からなる皮膜を形成させ
る。機械研削によって得られる表面に対して前処理無し
に電解研磨を施すと、機械研削による表面状態によって
表面の平滑度が影響を受け、期待される鏡面状態が得ら
れないこともある。そのため本発明ではこのようなこと
を防ぐために電解研磨の前処理として部材に対して微粉
末によるバフ研磨を行うこととした。これによって表面
の切削加工傷をほとんどなくすことができ、表面の凹凸
の差を0.1μm 程度以下と小さくすることができる。
このようにした部材表面に対して電解研磨を行うと、表
面の凹凸差は更に小さくなる。バフ研磨の後、電解研磨
を施したSUS316の試験片と#1500のエメリ紙で磨い
たSUS316試験片を280℃、溶存酸素濃度200ppb の
高温流水中に浸漬したところ、電解研磨した試験片の酸
化量の方が2割程度少ないという結果が得られた。この
ことから炉水再循環系や炉水浄化系等の圧力容器外の配
管,ポンプ,バルブ等の構造材の放射性イオンを含む一
次冷却水と接触する表面を、バフ研磨と電解研磨を用い
て、できるだけ平滑に仕上げることは放射性イオンの付
着析出抑制に有効であることがわかる。
【0018】またこのように電解研磨処理した試験片を
大気雰囲気中500℃から800℃で2時間程度以上置
くことにより試験片最表面にヘマタイトもしくは酸化ク
ロム(III)(Cr203)の皮膜を形成させた試験片を
作成し、これを用いて同様の浸漬試験を行ったところ、
酸化皮膜の成長が約1/9になった。なお、このとき予
め形成させた酸化皮膜の厚さは10nm程度であった。
このように酸化皮膜の成長が抑えられた原因は試験片表
面に形成させたヘマタイトまたは酸化クロム(III)がコ
ランダム構造を有する絶縁体として働くため、イオンの
透過性が非常に低く、そのため化2で示される反応が起
こりにくいものであるためと考える。また、バフ研磨と
電解研磨により表面の凹凸差をなくし平滑にしたことに
より、前処理によって生成させたコランダム構造を有す
る酸化皮膜が、皮膜成長による圧縮応力の増加に伴う皮
膜の割れ等の破壊の少ない状態で、形成できるためと考
える。
【0019】このように、原子炉圧力容器に接続し、且
つ放射性物質を含む冷却材を通過させる配管,ポンプ,
バルブ等の接水部の表面の全面もしくは一部に対して、
機械研磨した後、電解研磨を行い、この表面へコランダ
ム構造を持つ金属酸化物からなる皮膜を形成させること
でこの表面への放射性物質の付着速度を低減させること
で付着量を低減し、更に、圧力容器内の構造材接水表面
の全面もしくは一部に対して、放射性物質を含む冷却材
と接触する前にスピネル構造を有する金属酸化物の層を
形成させることで一次冷却水中の放射性物質の濃度を低
減させることによっても圧力容器外の構造材接水表面へ
の放射性物質の付着量を低減させ、両者の相乗効果によ
る放射性物質の付着低減によって、保守,点検従事者の
被曝線量の軽減に寄与することができる。
【0020】
【実施例】図1に本発明による原子炉構成部材の表面処
理の手順の概略を示し、以下にその具体的方法を示す。
【0021】図2では、図1の圧力容器内部部材に対す
る表面処理を施した例として、燃料集合体表面の断面図
を示す。燃料集合体は燃料被覆管の束をチャンネルボッ
クス21で覆ったもので、本発明ではその接水部外表面
にマグネタイトから成る層22を形成させる。この層を
形成させる方法には物理蒸着や化学蒸着と呼ばれるCV
D法、あるいは溶射法があげられるが、ここでは最も実
施し易いマグネタイトの懸濁液を用いる工程を図3を用
いて説明する。まず、粒径が0.1μm 以下のマグネタ
イト微粒子を、燃料集合体の浸漬槽31に分散させてマ
グネタイトの懸濁液をつくる。次にこの懸濁液に完成し
た燃料集合体32を浸漬した後、加熱炉33に入れて乾
燥し、表面に付着したマグネタイトの層を焼結させる。
この方法によると燃料集合体の製造工程に変化を加える
ことなく、簡単なマグネタイト付着工程を加えるだけ
で、目的のスピネル構造を有する金属酸化物層を形成さ
せることができる。また、図4で示すように、鉄微粒子
の溶射によってもマグネタイト層の形成ができる。燃料
集合体41のチャンネルボックス表面および下部タイプ
レート表面に対して、鉄微粒子の溶射ノズル42から鉄
微粒子を赤熱状態で溶射し、そこへ水蒸気ノズル43よ
り水蒸気を導入して、燃料集合体表面に付着して間もな
い高温状態の鉄と反応させてマグネタイトを形成させ
る。この方法の特徴は希望する部位にのみマグネタイト
層を形成させることができる点にある。例えば、実施例
のように、チャンネルボックスの外表面にのみマグネタ
イト層を形成させ、燃料被覆管表面には付けないように
することで、燃料の中性子経済や被覆管の熱伝導率や健
全性への影響をなくすことができる。以上の実施例では
燃料集合体についてのものであったが、燃料集合体にマ
グネタイト層を形成させて炉水中の放射性物質を付着さ
せることの利点は、燃料集合体が取り替えを必要とする
ことにある。マグネタイト層を形成させた燃料集合体を
炉心に装荷して使用して行くと時間と共にマグネタイト
層へ放射性物質が付着析出して行くが、やがて燃料の取
り替え時期が来ると、放射性物質を含んだマグネタイト
層を持つ燃料集合体は取り出されて、新たなマグネタイ
ト層を有する燃料集合体が装荷されるため炉水中の放射
性物質濃度の低減への寄与が大きい。また他の実施例と
してマグネタイトの焼結ペレットあるいは単結晶を、こ
れらのものが流出しないようにした、炉水を通過させる
ことのできるホルダに入れ、これを燃料取り替えの時に
圧力容器内へ入れて、次回の燃料取り替えの時に放射性
物質を付着した古いマグネタイト焼結ペレットあるいは
マグネタイト単結晶を新しいものに交換する。この方法
によっても実施例と同様な効果を得ることができ、一次
冷却水中の放射性物質濃度を低減できる。
【0022】次に、炉水再循環系や炉水浄化系等の図1
で示した圧力容器外の配管,ポンプ,バルブ等の構造材
の一次冷却水接水部の表面処理の実施例に関して、配管
を例として述べる。これら圧力容器外の機器に関しては
炉水中放射性物質の付着をできるだけ抑制するような表
面処理が必要である。そこでまず始めに、配管内面をバ
フ研磨用のグラインダで研磨し、その後、この配管を図
5に示すような電解液52を満たした電解槽51に浸漬
し、配管内部に管壁と接触しないように陰極53を挿入
し、配管を陽極と接続する。あるいは電荷研磨の操作は
図6に示したような方法によって行うこともできる。す
なわち、O−リングによって配管65内面に密着してい
る底蓋61と、同様にして配管内面に密着している上蓋
62の間に電解研磨溶液66を満たし、上蓋を通して陰
極63を挿入し、配管65を陽極64と接続するという
ものである。そして電流を流しながら底蓋,上蓋,陰極
のセットを移動させることによって配管内面を電解研磨
できる。図6の様な比較的小型の装置を用いることで、
電解研磨処理を、付着した放射性物質の除去,洗浄を行
った直後の配管に対しても実施することができる。この
ように、電解研磨を行って表面を平滑にした配管を大気
雰囲気で600℃の状態で2時間酸化させる。するとバ
フ研磨と電解研磨を施されて鏡面状になった配管内面に
は非常に緻密で金属イオンの付着しにくいコランダム構
造を持つ酸化クロム(III)とヘマタイトから成る皮膜が
形成される。これらの表面処理は原子炉組み立て前に、
部品の段階の構成部材に対して行うことができ、従って
原子炉組立後の予備運転による予備酸化処理の時間を短
縮できる。また、電解研磨を行って表面を平滑にした配
管の内表面の温度が600℃と成るように加熱された空
気を循環させることでも同様のコランダム構造を持つ酸
化皮膜を形成できる。この方法は既に組み立てられたプ
ラントに対しても実施することができる。従って、既に
核加熱による運転を開始していて放射性物質の付着が始
まっているプラントに対しては、配管に付着した放射性
物質を除洗によって除去してから、前述した図6の様な
装置を用いて配管内表面を電解研磨処理して平滑な状態
にし、その後に加熱空気を循環させることによりコラン
ダム構造を持つ酸化皮膜を形成させることができる。こ
のように放射性物質の除去と、付着抑制皮膜の形成を同
時に行うことで、配管の表面線量を低減でき、保守,点
検従事者の被曝線量の軽減に寄与することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明では、まず、保守,点検作業従事
者の被曝の原因となる炉水再循環系や炉水浄化系等の圧
力容器外の配管,ポンプ,バルブ等の構造材の一次冷却
水接水部に、放射性物質の付着しにくいコランダム構造
を有する金属酸化物の層を形成させ、更に原子炉圧力容
器内に放射性物質の付着を促進させるスピネル構造を有
する金属酸化物を存在させることで、炉水中の放射性物
質の濃度を低減させ、続いて両者の相乗効果によって保
守,点検作業従事者の被曝線量低減に一層貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子炉構成部材の表面処理手順のフローチャー
ト。
【図2】外表面にマグネタイトの層を有する燃料集合体
のチャンネルボックスの説明図。
【図3】燃料集合体接水部へのマグネタイト懸濁液浸漬
法による酸化物層の形成方法の説明図。
【図4】鉄微粉の溶射による燃料集合体外表面へのマグ
ネタイト層の形成方法の説明図。
【図5】配管を電解研磨溶液に浸漬し、配管内面を電解
研磨する方法の説明図。
【図6】配管内面だけを電解研磨溶液に接する状態にし
て電解研磨を行う方法の説明図。
【符号の説明】
61…底蓋、62…上蓋、63…陰極、64…陽極、6
5…配管、66…電解研磨溶液。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器に接続
    し、放射性物質を含む冷却材を通過させる接水部の全体
    又は一部の表面をバフ研磨した後、電解研磨を行い、こ
    の表面へコランダム構造を持つ金属酸化物からなる皮膜
    を形成させ、圧力容器外の構造材への放射性物質付着を
    低減することを特徴とする沸騰水型原子炉の線量低減方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記原子炉圧力容器の
    内部に存在する部材の接水部表面の全体または一部にス
    ピネル構造を持つ金属酸化物からなる層を形成させて、
    炉水中放射性物質濃度を低減することで圧力容器外の構
    造材への放射性物質付着を低減する線量低減方法。
JP6195129A 1994-08-19 1994-08-19 沸騰水型原子炉の線量低減方法 Pending JPH0862384A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009216576A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 機械加工層の除去方法、原子力構造部材の残留応力改善方法及び炉心シュラウド取り替え方法
KR20210025940A (ko) * 2019-08-28 2021-03-10 한국과학기술원 방사성 물질 제거를 위한 하이브리드 시스템 및 방법

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