JPH04180543A - 析出硬化型ステンレス鋼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、優れた耐食性および強度を有するとともに
、靭性を向上させた析出硬化型ステンレス鋼に関するも
のである。

［従来の技術］ 周知のように、Ｃｒを多量に添加したステンレス鋼は、
他の鉄鋼材料に比べて耐食性が優れており、腐食環境下
で、広く使用されている。

ところで、　Ａ２にステンレス鋼は、マルテンサイト系
を除いて、引ダ長強度は４０〜６０　Ｋｇ／ｍｍ’程度
であり、引張強ｔｆが５　Ｑ　Ｋｇ／ｍｍ’−１００Ｋ
ｇ／ｎ＋ｍ’程度、あるいはこれ以上の高強度鋼に比べ
て、強度の点で劣っている。また、マルテンサイト系ス
テンレス鋼は、高い強度を有するものの、耐食性の点で
は、他のステンレス鋼に比べ大きく劣っている。

これらのステンレス鋼に対し、耐食性の犠牲をできるだ
け小さ（して、強度を向上させた材料が望まれ、その結
果、時効硬化を利用して強度を向上させた析出硬化型ス
テンレス鋼が開発されている。その−例であるマルテン
サイト系析出硬化型ステンレス鋼は、優れた強度と耐食
性を有しており、引張強度がｌ　４０　Ｋｇ７ｍｍ２以
上で、耐食性も１８−８ステンレス鋼と同等のものが開
発されている。そして、このステンレス鋼は、上記特性
を生かして、特に耐食性が必要で、なおかつ強度が必要
な部材の材料として有効に利用されている。

［発明が解決しようとする課題］ 上記したように、析出硬化型マルテンサイト系ステンレ
ス鋼によれば、強度の点で他の高強度鋼と比へても遜色
のへい、十分に満足できる特性が得られている。しかし
、シャルピー市撃値で代表される靭性値においては、他
の高強度鋼に比べて、その値はかなり低く、強靭性の点
で劣っている。

このため、使用条件の厳しい構造鋼への採用や大きな衝
撃的外力を受ける用途への利用は困難であり、使用分野
が制限されて、利用の促進を図ることができないという
問題点がある。

この発明は、上記課題を解決することを基本的な目的と
し、析出硬化型ステンレス鋼として本来有する耐食性お
よび強度を損なうことなく、靭性を向上させて、使用分
野の拡大を可能とした析出硬化型ステンレス鋼を提供す
るものである。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本願発明の析出硬化型ステン
レス鋼は、重量％で、（：ｒ：１２．５〜１３．５％、
Ｎｉ　　：　７．５〜８．６％、Ｍｏ：２．０〜２．５
％、Ｃｏ：０．９〜３．５％を含有し、さらに、ｌ　　
：０．７５〜１，３％、Ｔ１　：０．３〜０．９％の１
種または２種を含有し、残部がＦｅおよび不可避的不純
物からなることを特徴とするものである。

以下に、上記成分の添加量の範囲限定理由を述べる。

Ｃｒの添加量は、十分な耐食性を得るために、１２．５
％以上とし、また、δ−フェライトの発生を抑制して、
脆化を防止するために１３．５％以下とする。

Ｎ１は、耐食性を補佐し、さらに靭性を向上させるため
に、７．５％以上添加する。また、その添加量は、マル
テンサイト変態点の低下と、残留オーステナイトの生成
を抑えるために、８．６％し叉下とする。

また、引張強度を向上させるために、Ｍｏを２．０％以
上、Ｃｏを０．９％以上添加するが、脆化を防止するた
めに、その添加量は、Ｍｏで２．５％以下、Ｃｏで３．
５％以下とする。

さらに、強度を向上させるために、Ａｌを０゜７５以上
、Ｔ１を０．３％以上添加するが、脆化を防止するため
に、Ａｌは１．３％以下、Ｔ１は０．９％以下の添加量
とする。

なお、上記ステンレス鋼に含有される不可避的不純物と
しては、Ｃ：０．０５％以下、Ｓｌ　：０．１％以下、
Ｍｎ：Ｏ，１％以下、Ｐ：Ｏ，０１％以下、Ｓ：Ｏ，０
１％以下、Ｎ：Ｏ，０１％をイ列ホすることができる。

但し、不可避的不純物としては、上記範囲および元素に
限定されるものではなく、要は不可避的に含有される不
純物を総称するものである。

［作　用］ すなわち、本願発明は、ＡＳＴＭ規格Ａ６ｑ３ＸＭ−１
３番の成分をベースとして、強度をさらに、向上させる
ために、Ｃｏと、ＡｌまたはＴ１の１種以上とを添加さ
せたものである。

そして、比較的多くの量を添加したＣｏは、ＡｌやＴ１
に比べると、強度向上効果は小さいが、ＡＩ　、Ｔｊの
ようなフェライト生成元素ではないので、強度を向上さ
せるとともに、添加過多によってδ−フェライトが生成
されるのを抑制する。このδ−フェライトは、材料の脆
化の一原因と考えられており、その生成は、結果として
、材料の靭性を低下させるので、極力抑制するのが望ま
しい。したがって、ＣＯの添加で６−フェライトの生成
が抑制されることによって、靭性の低下が低減される。

さらに、比較的少量添加されるＡＩ　、Ｔｉによって、
強度が向上される。なお、強度向上の点で、析出強化性
の大きなＴｊが、Ａ］よりも優れている。

このＡｌとＴ１は、フェライト生成元素であるので、過
度に添加すると、δ−フェライトの生成を促すが、上記
したＣｏと、ＡＩ　、Ｔｊの添加量を本願発明の適当な
範囲に限定することによって、δ−フェライトの発生を
できるだけ抑制して、強度を効果的に向上させることが
できる。

したがって、本願発明のステンレス鋼によれば、靭性を
低下させることなく、強度を向上させることができる。

また、ベース成分が本来有する耐食性などの優れた特性
はそのまま確保されており、耐食性、強度、強靭性のい
ずれにもおいても優れた材料が得られる。

［実施例］ 以下に、この発明の実施１列を、本発明の範囲外である
比較例と比較しつつ、説明する。なお、比較例の材料は
、ＡＳＴＭ規格Ａ６　’／　３−ＸＭ　ｌ　３番に準じ
た成分を有する析出型ステンレス鋼である。

表１に示すように、本発明鋼（試材Ｎｏ、ｌ〜５）と、
比較鋼（試材Ｎｏ、６．７）とを、真空溶解炉でそれぞ
れ溶解し、５０Ｋｇの鋼塊（径１５０ｍｍ）を溶製した
。

得られた鋼塊を、幅１３０ｍｍ、厚さ３０ｍｍの断面を
有する平板に鍛造した後、溶体化、焼入れ、時効処理の
熱処理を施して供試材とした。

上記熱処理後の供試材にて、機械的性質を知るために、
０．２％耐力、引張強度、シャルピー吸収エネルギの測
定をそれぞれ行った。

なお、シャルピー吸収エネルギは、室、温と、−４０℃
の温度でそれぞれ測定した。

得られた結果は、表２に示すとおりである。

（以下余白） 表　　　　　　　２ 表２から明らかなように、本発明鋼はいずれも、比較鋼
と同等、もしくはそれ以上の強度を有し、しかも室温及
び低温（−４０℃）の切欠き靭性も比較鋼より優れてい
る。

［発明の効果］ 以上説明したように、本願発明のキｎ出硬化望ステンレ
ス鋼によれば、析出硬化型ステンレス鋼として従来、得
られていた強度、耐食性を損なうことなく、靭性を向上
させることがてきる。その結果、ｆｒ１食性、強度に加
え、強靭性が要求される材料への使用が可能となり、使
用分野が拡大されて、利用の活発化が図られるという効
果がある。

出　願　人　　株式会社日本製ｗＡ所

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 重量％で、Ｃｒ：１２．５〜１３．５％、Ｎｉ：７．５
   〜８．６％、Ｍｏ：２．０〜２．５％、Ｃｏ：０．９〜
   ３．５％を含有し、さらに、Ａｌ：０．７５〜１．３％
   、Ｔｉ：０．３〜０．９％の１種または２種を含有し、
   残部がＦｅおよび不可避的不純物からなる析出硬化型ス
   テンレス鋼