JPH0417765Y2 - - Google Patents

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JPH0417765Y2
JPH0417765Y2 JP1986116706U JP11670686U JPH0417765Y2 JP H0417765 Y2 JPH0417765 Y2 JP H0417765Y2 JP 1986116706 U JP1986116706 U JP 1986116706U JP 11670686 U JP11670686 U JP 11670686U JP H0417765 Y2 JPH0417765 Y2 JP H0417765Y2
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retainer
valve
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aluminum alloy
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Description

【考案の詳細な説明】
(考案の属する技術分野) この考案は、内燃機関の動弁機構に使用される
バルブスプリングリテーナに関する。 (従来技術と問題点) バルブスプリングリテーナ(以下、単にリテー
ナと呼ぶ)は、内燃機関の動弁機構に使用され、
バルブの一端に固定されている。 カム機構によつてバルブを開閉する場合、バル
ブをカムに押しつけて、カムに追従させるための
荷重が必要である。そのため、一般にコイルバネ
が使用されている。バルブが開いているときは、
このバルブスプリングの圧縮力Fが、リテーナを
介して動弁系の各部品に働いている。 もし、圧縮力Fが不足すると、各部品はカムか
ら浮き上がり、カムとは異なる運動を始める。圧
縮力Fを十分に保つためには、動弁系の慣性力を
小さくすることと、バルブスプリングの圧縮力F
を大きくすることである。慣性力を小さくするた
めには、動弁系の各部品を軽くするか、回転数を
低くする必要がある。 したがつて、エンジンの高速回転化の要求に対
応するためには、動弁部材の慣性重量の軽量化を
行うことが特に有効である。 従来から、リテーナは鋼製のものが使用されて
いる。重量軽減のため薄肉化などの改善がなされ
ているが、比重の大きい鋼製リテーナではその効
果は充分なものではない。 リテーナ本体を、高強度アルミ合金などで作成
すれば軽量化を図ることができる。しかし、スプ
リングに接触する部分が長時間の使用で摩耗し、
そこから割れが生ずる恐れがある。この摩耗を低
減するため、高強度アルミ合金基地中に耐摩耗性
硬質粒子を分散させて使用する方法が考えられる
が、この方法は、耐摩耗性は向上するものの、そ
の分散した硬質粒子による切欠き効果のため強度
の低下を生じ、耐久性が劣るという問題がある。 (問題点を解決するための手段) この考案は、バルブスプリングリテーナにおい
て、高強度アルミ合金製リテーナ本体1と、スプ
リングに接触する当り面に硬質粒子が2〜10容量
%分散している耐摩耗性アルミ合金製部材2とが
組合されている二層構造のバルブスプリングリテ
ーナを提供することで上記のような問題点を解決
している。 リテーナ本体に使用するアルミ合金部材として
は、高強度アルミ合金、たとえば、JISA7075合
金のような、Al−Zn−Mg系合金、あるいは、Si
9〜15重量%、Cu 2〜8重量%、Mg 0.2〜2.0
重量%、残Alからなる合金が適している。 スプリングと接触する部分には高シリコンアル
ミ合金、たとえば、Si 11〜20重量%、Cu 2〜
8重量%、Mg 0.2〜2.0重量%、残Alからなる合
金に、硬質粒子を分散させて用いる。 このようなAl合金は、晶出シリコンを微細粒
子にすることで耐摩耗性および機械的強度を改善
することができる。微細な晶出シリコン粒子が均
一に分散しているAl−Si合金は、アトマイズ法
によつてSi粒子を微細化させた合金粉末を、押出
し加工によつて成形して得ることができる。アト
マイズ法は、鋳造法に比べて冷却が急速であるた
め、晶出シリコンが極めて微細に分散した合金粉
末となる。 リテーナ本体の組成について以下に述べる。 リテーナ本体には、運転中にスプリングおよび
コツタからの応力が働くため、ある程度引っ張り
に強い合金が必要である。JIS7075のようなAl−
Zn−Mg系合金は、T6処理を行うと、引っ張り
強さが50〜60Kg/cm2となり、運転中の応力に十分
耐えることができる。また、Si 9〜15重量%、
Cu 2〜8重量%、Mg 0.2〜2.0重量%、残Alか
らなる合金も、充分な引っ張り強さを有する。こ
の合金に含まれるSiは、基地強化に寄与する。Si
の含有量が多い程基地の硬度は高くなるが、あま
り多くするとかえつて基地を脆化させる。十分な
機械的強度を得るためには15%以下にすることが
望ましい。また、9%未満では基地強化の効果は
少なく、長時間の使用で破壊してしまう恐れがあ
る。 Cuは時効硬化によつて基地を強化する。Cuの
含有量が増加すると、熱膨張係数が低下するが、
8%を越えるとCu2Alの粗大な金属間化合物が晶
出して基地を脆化させ、機械的強度が低下し、さ
らに耐食性も低下する。したがつて、Cuの含有
量は、時効硬化のあらわれる2%以上とし、基地
の強度から8%以下が望ましい。 MgはCuと同様に時効効果の作用によつて基地
を強化するが、含有量が多くなるにしたがつて熱
膨張系数を上昇させるので好ましくない。Mgの
含有量は、0.2〜2.0%が望ましい。 つぎに、スプリングと接触する高シリコンアル
ミ合金について述べる。 過共晶Al−Si合金の初晶Siは、硬度Hmv700〜
1000で他の共晶部分より硬い。前述のアトマイズ
法によつて得られた微細な晶出Si粒子は、基地の
機械的強度と耐摩耗性の改善に効果がある。 Siの量が11%未満では初晶Siに晶出が少なく耐
摩耗性改善の効果が少ない。また、20%を超える
とかえつて基地を脆化させ、さらに押出し加工性
も悪くなる。 Cu,Mgなどの金属は、高温で安定な微細な金
属間化合物を生成し、基地の機械的強度の改善に
寄与する。この目的のためには、これらの1種ま
たは2種を使用するが、その合計が10%を超える
と、かえつて押出し加工性、被削性を低下させ
る。 合金基地中に分散している硬質粒子は、それ自
身が硬質で耐摩耗性に優れていることと、硬質粒
子が他の部分に対して凸部を形成しているため、
硬質粒子による第一摺動面と、他の部分による第
二摺動面との間の保油作用により、耐摩耗性の改
善に優れた効果を示す。 硬質粒子としては、金属窒化物、金属炭化物、
金属酸化物などを用い、たとえば、窒化珪素、炭
化珪素、アルミナなどを使用する。硬質粒子は容
量%で3〜25%分散する。分散量が3%未満で
は、耐摩耗の効果は少なく、25%を越えると基地
が脆弱となる。 (実施例) リテーナ本体用として、表1(A)からなるア
トマイズ合金粉末を作り、これを成形ゴム型中に
充填し、1.6ton/cm2の加圧力で成形して、φ45mm、
長さ90mmのビレツトを作成した。 スプリングと接触する部分として、表1(B)
からなるアトマイズ合金粉末を作り、これに、粒
径20μmの窒化珪素粉末を5容量%分散させた。
【表】 次に、成形金型の中心に前述のリテーナ本体用
ビレツトを置き、その周囲に表1(B)のアトマ
イズ合金粉末を充填して加圧成形し、φ50mm、長
さ90mmのビレツト材を作成した。このビレツト材
を内径60mmのコンテナに入れ、450℃で熱間押出
しを行つて、押出し比14.06、φ16mmの押出し棒を
作成した。 この押出し棒を適当な長さに切断し、450℃で
鍛造を行つて、目的の本考案リテーナを作成し
た。 これとは別に、JIS7075製のリテーナ本体と、
表1(B)の合金を組合せたリテーナを同様の方
法で作成した。 尚、いずれのリテーナもT6処理を施して引つ
張り強度を高めてある。 (摩耗試験) 上記で得られた各リテーナを、4気筒のエンジ
ンヘツドに組込み、6600回転、油温130℃で1000
時間のモータリングテストを行ない、リテーナの
摩耗量を測定した。 (効果) 第2図に示す測定結果から、油温130℃で1000
時間のモータリングテストを行つても、摩耗量は
鋼製のリテーナとほぼ同等であり、本考案リテー
ナは充分耐摩耗性のあることが確認できる。ま
た、いずれのリテーナも割れやクラツクは全く発
生せず、強度も充分であることが確認できた。さ
らに、本考案リテーナの重量は、鋼製のものにく
らべて約1/2であるため、エンジンの高回転化
の要求にも対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案リテーナの断面を示す図、第2
図はモータリングテストの結果を示す図、第3図
はリテーナの使用状態を示す一部断面図である。 図中、1……リテーナ本体、2……耐摩耗性部
材、31……リテーナ、32……コツタ、33…
…スプリング。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 内燃機関の動弁機構に用いられるバルブスプリ
    ングリテーナにおいて、該バルブスプリングリテ
    ーナが、高強度アルミ合金粉末を素材とする本体
    と、アトマイズアルミ合金粉末に硬質粒子を加え
    た混合粉末を素材とするスプリング当り面とを有
    し、両素材を加圧・押出・鍛造成形により所望形
    状とさせ且つスプリング当り面と本体との二層構
    造とさせたバルブスプリングリテーナ。
JP1986116706U 1986-07-31 1986-07-31 Expired JPH0417765Y2 (ja)

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JP1986116706U JPH0417765Y2 (ja) 1986-07-31 1986-07-31

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JP1986116706U JPH0417765Y2 (ja) 1986-07-31 1986-07-31

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JPS6324311U JPS6324311U (ja) 1988-02-17
JPH0417765Y2 true JPH0417765Y2 (ja) 1992-04-21

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JP1986116706U Expired JPH0417765Y2 (ja) 1986-07-31 1986-07-31

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