JPH0417673Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ヒユーム管等の地中埋設管を掘削推
進しつつ埋設するための管埋設装置のカツター装
置に関するものである。

［従来の技術］ 管埋設装置の概要を説明すると、管埋設開始場
所にピツトを掘り該ピツトに埋設装置本体を設置
する。装置本体は管埋設方向に移動可能であり、
脱着可能に取付けたオーガ及び該オーガ先端に取
付けたカツターを回転する。カツター及びオーガ
先端部はカツターヘツドに囲まれており、カツタ
ーヘツドの外径は埋設管外径に等しく、カツター
ヘツドの先端で穴周辺を切崩し穴形状を整える。
前記オーガ及びトラフパイプは継足可能で該オー
ガを介しカツターを回転させつつ装置本体を移動
させて掘削する。而して、掘削長が埋設管の単位
長さ進んだところで管単位長さだけ埋設装置本体
が後退し埋設管を継足すると共にオーガ、トラフ
パイプを継足し前記作動を繰返しつつ管を埋設す
るものである。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、斯かる管埋設装置におけるカツ
ターは、礫層を掘削し得るようには設計されてい
ないので、大きな礫が前面にあると、それから逃
げるようにしてカツターヘツド全体が掘進軌道か
らずれてしまう問題があつた。

本考案はこのような実情に鑑み、礫層の掘削で
も逃げることなく安定して作業が行えるようにし
た管埋設装置のカツター装置を提供しようとする
ものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、前記目的を達成するため、カツター
面板のカツター軸根本部分に球面部を形成し、該
球面部に球面軸受を嵌合せしめ、該球面軸受を、
カツターヘツド内に固定した保持フレームにより
保持させ、又前記カツター面板の軸心部に先端ビ
ツトを取付けると共に、該先端ビツトの外周位置
に、複数のコーン状歯型ビツトを回転自在に取付
け、更に前記カツター面板のビツト間位置にズリ
取込口を開口して成り、且つ前記各歯型ビツト
を、切羽対向面側では頂点部より大径部が垂直面
から後退するようにし、カツター軸心対向面側で
は頂点部より大径部がカツター軸心側へ近付くよ
うな配置構成としている。

［作用］ 歯型ビツトは自転しながら公転し礫を破砕す
る。破砕されてビツト間に送られた礫は更に細か
く破砕される。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図に示す如く、埋設管の外径と
同じ外径を有する外筒１の先端内側に円板状のカ
ツター面板２を設け、該カツター面板２のカツタ
ー軸３の根本部分に球面部４を形成すると共に、
該球面部４に球面軸受５を嵌合し、且つ該球面軸
受５を保持フレーム６により保持して、該保持フ
レーム６を外筒１の内面にボルト７により固定
し、保持フレーム６と外筒１との間にズリ流入口
８を例えば３個所形成する。保持フレーム６の後
側には、後方のトラフパイプに継足し可能であつ
て、先端側トラフパイプを兼ねる内筒９を外筒１
と同心状に一体に設け、外筒１と内筒９とによつ
てカツターヘツド１０を構成する。内筒９内に
は、後方のオーガにスプライン方式で接合可能な
先端側オーガ１１を設け、該先端側オーガ１１を
カツター面板２の軸３の端部にボルト１２により
連結し、且つ先端側オーガ１１を保持フレーム６
の後面に当接させるようにする。

又、球面軸受５と保持フレーム６には、球面軸
受５と球面部４との間に連結するグリース通路１
３を設け、給脂口１４からグリース通路１３に向
けグリースを圧送し続けて、球面軸受５と球面部
４との間及び保持フレーム６と先端側オーガ１１
との当接部１５を潤滑し、循環後のグリースを保
持フレーム６の前面とカツター面板２との間のラ
ビランスシール１６及び先端側オーガ１１と保持
フレーム６の後面との間のラビリンスシール１７
から押出して、球面軸受５へのズリの流入を防止
するよう構成する。

更に、カツター面板２の前面部には、カツター
軸心Ｏ部に先端ビツト１８を固設すると共に、外
周部所要個所（図では４個所）にコーン状歯型ビ
ツト１９を、歯型ビツト軸心O₁が前方へ向けて
内向きになるような状態で回転自在に設けること
によりカツターを構成し、且つカツター面板２に
は、各歯型ビツト１９間に位置するズリ取込口２
０を夫々穿設する。又、歯型ビツト１９は、切羽
対向面側では、頂点部より大径部が垂直面からわ
ずかに後退するよう傾斜配置してあり（角度θで
示す）、且つカツター軸心Ｏへの対向面側では、
頂点部より大径部がカツター軸心Ｏにわずかに近
付くよう傾斜配置してある（角度θ₁で示す）。尚、
上記θ，θ₁は夫々15°位である。尚又、先端ビツ
ト１８から水を噴射できるよう導水路（図示せ
ず）が内蔵されている。

次に作動を説明する。

埋設管及び後方のトラフパイプをカツターヘツ
ド１０の方向に押込んでカツターヘツド１０を前
進させつつ後方のオーガと接続された先端側オー
ガ１１を回転させて、カツター面板２に設けた先
端ビツト１８及び歯型ビツト１９から成るカツタ
ーをカツター軸心Ｏを中心に回転させることによ
り掘削し、該掘削されたズリをズリ取込口２０を
介しズリ流入口８から内筒９内に導いて先端側オ
ーガ１１によつて内筒９内を後方に搬送し、カツ
ターヘツド１０が所定距離前進したところで、埋
設管、後方のトラフパイプ、後方のオーガに次埋
設管、トラフパイプ、オーガを継足して行く。

掘削中、カツターが大きな礫に直面し大荷重が
働いた場合、この大荷重による掘削反力は球面軸
受５で受けることになるため、カツターや先端側
オーガ１１に芯振れが生じることがない。

又、大きな礫に直面しても、歯型ビツト１９は
自転及び公転を行うため大きな破砕力によつて効
果時に礫を破砕する。この際、各歯型ビツト１９
の切羽対向面側は、頂点部より大径部が垂直面か
ら後退するよう配置してあつて、全体的に歯型ビ
ツト１９の切羽対向面側を見ると傘状になつてい
るため、掘削軸跡から逃げないような直進性が得
られる。更に破砕された礫はズリ取込口２０、ズ
リ流入口８を介して内筒９内に導びかれるが、こ
の際、各歯型ビツトは１９のカツター軸心Ｏへの
対向面側は、頂点部より大径部がカツター軸心Ｏ
に近付くようになつているので、即ち、ズリ移送
方向に向けて絞り込み作用が与えられるようにな
つているので、ビツト間に入つた礫は更に細かく
破砕されて円滑にズリ取込口２０から取込まれ
る。

尚、本考案は前記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない限り種々変
更を加え得ることは勿論である。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案の管埋設装置のカツ
ター装置によれば、カツター面板に取付けた歯型
ビツトの切羽対向面側が全体的に見て傘状になる
ようにし、且つカツター軸を球面軸受にて支持す
るようにしたので、カツター軸心のずれがなく大
きな破砕力を発揮でき、又直進性も良く、更に歯
型ビツトのカツタ軸心対向面側がズリ移送方向に
向けて絞り込まれるような配置としてあるので、
礫を順次破砕して送ることができ、排土性もよ
い、等の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の管埋設装置のカツター装置を
示す切断側面図、第２図は正面図である。 １は外筒、２はカツター面板、３はカツター
軸、４は球面部、５は球面軸受、６は保持フレー
ム、９は内筒、１０はカツターヘツド、１１は先
端側オーガ、１５は当接部、１８は先端ビツト、
１９はコーン状歯型ビツトを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カツター面板のカツター軸の根本部分に球面部
   を形成し、該球面部に球面軸受を嵌合せしめ、該
   球面軸受を、カツターヘツド内に固定した保持フ
   レームにより保持させ、又前記カツター面板の軸
   心部に先端ビツトを取付けると共に、該先端ビツ
   トの外周位置に、複数のコーン状歯型ビツトを回
   転自在に取付け、更に前記カツター面板のビツト
   間位置にズリ取込口を開口して成り、且つ前記各
   歯型ビツトを、切羽対向面側では頂点部より大径
   部が垂直面から後退するようにし、カツター軸心
   対向面側では頂点部より大径部がカツター軸心側
   へ近付くような配置構成としたことを特徴とする
   管埋設装置のカツター装置。