JPH0417358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、機台の一側で回転する丸刃に沿つ
て機台上を往復走行するようにした肉箱を備え、
この肉箱の上部に、左右一対の上押えフレームの
間にそれぞれローラを挿通した回転駆動軸を挿抜
自在に横架した上押え装置を昇降自在に嵌合させ
て、該肉箱の底部に付設されている下部コンベア
との間で材料を挟持しつつ上記ローラを回転させ
て肉箱の前端面から送り出すようにした食肉スラ
イサーの上押え装置に関する。

従来の技術 上押えフレームの間に取り付けられているロー
ラがそれを挿通している回転駆動軸を抜き出すこ
とによつて上押えフレームから分解できるように
構成した食肉スライサーの上押え装置には、例え
ば実開昭60−142099号公報あるいは実願昭61−
33584号がある。

考案が解決しようとする問題点 上押えフレームに対してローラを着脱自在に装
着するようにした上押え装置は、上押えフレーム
の内幅に比べてローラの長さを短くして、ローラ
の両端面と上押えフレームの内面との間に余裕を
持たせることによつてローラの着脱操作がスムー
ズに行えるように構成されている。しかしなが
ら、食肉スライサーの運転中に肉箱と一体に上押
え装置も往復するものであるから、上記余裕間隙
内を上押えのローラが横ゆれし、上押えフレーム
の内面に衝突するので、運転時の騒音原因の一つ
になつていた。この衝突を回避するためにローラ
の周囲から止めねじをねじ込んでローラを回転駆
動軸に固定するようにしたものもあつたが、それ
らは着脱時に工具の使用が必要になつて作業性を
低下させる。また、止めねじおよびねじ孔の清掃
が行き届き難いという衛生上の欠点ともなつてい
た。そのために、ローラの着脱操作性を損ねるこ
となく衝突による騒音の発生を防止するように上
押え装置を改良することが望まれていた。

問題点を解決するための手段 そこで本考案は、機台の一側で回転する丸刃に
沿つて機台上を往復走行するようにした肉箱を備
え、この肉箱の上部に、左右一対の上押えフレー
ムの間にそれぞれローラを挿通した回転駆動軸を
挿抜自在に横架した上押え装置を昇降自在に嵌合
させて、該肉箱の底部に付設されている下部コン
ベアとの間で材料を挟持しつつ上記ローラを回転
させて肉箱の前端面から送り出すようにした食肉
スライサーの上押え装置において、前記上押えフ
レームの内面とそれに対向する前記ローラの端面
とのいずれか一方に、ゴム等のクツシヨン材で形
成した消音緩衝体を取り付けたことを特徴とする
食肉スライサーの上押え装置を提供するものであ
る。

作 用 上記のように本考案上押え装置は、上押えフレ
ームの内面とそれに対向するローラの端面とのい
ずれか一方に消音緩衝体を設けているので、ロー
ラの嵌め込みの余裕を形成するための間隙内でロ
ーラが横ゆれしても上押えフレーム内面との衝突
時の振動が上記消音緩衝体に吸収されて騒音の発
生が防止できる。また、上記消音緩衝体は、その
取り付けによつて上記余裕を狭くするがゴム等の
クツシヨン材で形成しているので、金属同士の接
触の場合のような硬い接触にはならず、その弾性
の範囲内でローラの通過を許容するので、ローラ
の着脱操作性はほとんど低下しない。

実施例 以下に本考案の実施例を図面について説明す
る。

図において、Ｂは機台の一側で回転する丸刃に
沿つて機台上を往復走行する従来公知の食肉スラ
イサーの肉箱、Ｃは肉箱Ｂの底部に付設した従来
公知の下部コンベア、１は肉箱Ｂの中央上部に支
点軸２を有して肉箱Ｂ内へ昇降自在に嵌合する上
押え装置、３は第２図に示すように左右一対をな
し、上面をステー４で互いに連結された上押えフ
レーム、５は上押えフレーム３の内面に互いに平
行に装着されたローラ、６はそれぞれローラ５を
挿通して両端をそれぞれ上押えフレーム３に軸受
けされた回転駆動軸で、それぞれ第２図の右手方
向へ抜き出すことによりローラ５の着脱を可能に
している。７は各回転駆動軸６の外端に取り付け
た指掛け用の環体、８は上端を上押えフレーム３
にヒンジされて各回転駆動軸６の外端を側面から
開閉自在に覆う蓋板、９は蓋板８を上押えフレー
ム３に掛止する止め金、１０は各回転駆動軸６の
内端に形成したスプライン形の軸継手部、１１は
この軸継手部１０を嵌合する同形の内面１２を具
えて上押えフレーム３に軸受けされた上押え駆動
用のスプロケツト、前記各ローラ５は一端に上記
スプロケツト１１の内面１２と同形の軸継手１３
を具えて各回転駆動軸６の軸継手部１０をそれぞ
れ嵌合することによりスプロケツト１１に従動回
転し、下部コンベアＣとの間で挟持する材料を肉
箱Ｂの前端面ｂから送り出す。１４は各ローラ５
の端面と上押えフレーム３との間に形成したロー
ラ着脱用の嵌め込みの余裕である。この余裕１４
は一般に、各ローラ５の長さ方向の対角線が上押
えフレーム３の内面の幅と同等以下になるように
してローラ５が斜めになつても上押えフレーム３
の間に脱着できるように短く形成されているため
に生ずる。１５は各ローラ５の両端面に取り付け
られて上記余裕１４内に小半球形に突出するゴム
等のクツシヨン材で形成した消音緩衝体である。
この消音緩衝体１５は本考案の実施に際し、ロー
ラ５の端面と対向する上押えフレーム３の内面に
設ける場合もある。

上記のように構成したこの上押え装置は、肉箱
Ｂの往復と共に各ローラ５が上押えフレーム３と
の間に形成した嵌め込みの余裕１４内を走行時の
慣性で左右に移動して上押えフレーム３の内面に
衝突しようとすると、消音緩衝体１５がその衝撃
を吸収し緩和する。また、ローラ５を着脱する場
合に斜めになつたときでも消音緩衝体１５が弾性
的に歪んでローラ５をクリヤーさせる。

考案の効果 前記のように構成し、上記のように用いられる
ようにした本考案によれば、上押えフレームの内
面とそれに対向するローラの端面とのいずれか一
方に設けた消音緩衝体がローラの嵌め込みの余裕
内で移動するローラと上押えフレームの内面との
衝突を緩和するので騒音発生の少ない食肉スライ
サーの使用ができる。また、上記余裕内に突出す
る消音緩衝体は、着脱の際にローラが斜めになつ
て消音緩衝体が閊えた場合でもその弾性の範囲内
でこれをクリヤーできるので、上記余裕に基づく
ローラの着脱操作性がほとんど損なわれないとい
う実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
その一部切欠側面図、第２図は上送り装置部分の
一部縦断面図である。 Ｂ……肉箱、ｂ……前端面、Ｃ……下部コンベ
ア、１……上押え装置、２……支点軸、３……上
押えフレーム、４……ステー、５……ローラ、６
……回転駆動軸、７……環体、８……蓋板、９…
…止め金、１０……軸継手部、１１……スプロケ
ツト、１２……スプロケツト内面、１３……軸継
手、１４……余裕、１５……消音緩衝体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台の一側で回転する丸刃に沿つて機台上を往
   復走行するようにした肉箱Ｂを備え、この肉箱Ｂ
   の上部に、左右一対の上押えフレーム３の間にそ
   れぞれローラ５を挿通した回転駆動軸６を挿抜自
   在に横架した上押え装置１を昇降自在に嵌合させ
   て、該肉箱Ｂの底部に付設されている下部コンベ
   アＣとの間で材料を挟持しつつ上記ローラ５を回
   転させて肉箱Ｂの前端面ｂから送り出すようにし
   た食肉スライサーの上押え装置において、前記上
   押えフレーム３の内面とそれに対向する前記ロー
   ラ５の端面とのいずれか一方５に、ゴム等のクツ
   シヨン材で形成した消音緩衝体１５を取り付けた
   ことを特徴とする食肉スライサーの上押え装置。