JPH04171610A - 絶縁電線 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、特に耐湿熱性、耐冷媒性に優れた絶縁電線
に関する。

〔従来の技術〕

冷蔵庫、冷凍機等の冷媒圧縮機用モータは、フロン−１
１、フロン−１２、フロン−２２などの冷媒の雰囲気下
で運転される。このため、このモータの巻線には、耐冷
媒性が要求されるとともに冷媒と併用される冷凍機油に
対する耐久性も要求される。

このような要求を満す絶縁電線としては、従来ポリイミ
ド線、ポリアミドイミド線、ポリエステルイミド線、ポ
リエステルアミドイミド線などが用いられる。

ところで、近時地球環境保全の点からフロン−１１、フ
ロン−１２の使用か削減、廃止の方向で進んでおり、そ
の代替の冷媒としてフロン−１３４ａか有力とされてい
る。このフロン−１３４ａと併用される冷凍機油として
は、ボリアルキレングリコール系油か候補となってるか
、ポリアルキレングリコール系油は吸水性が大きく、約
１〜２％の水分を吸収する。

よって、代替冷媒フロン−１３４ａとポリアルキレング
リコール系冷凍機油との併用系における絶縁電線には、
耐冷媒性と耐湿熱性が併ゼで、要求されることになる。

このような観点から、ポリイミド線、ポリアミドイミド
線は耐冷媒性、耐湿熱性はともに優れているが、高価で
ある難点がある。また、ポリエステルイミド線、ポリエ
ステルアミトイミト線は、ともに分子内にエステル結合
を有するため加水分解されやすく、耐湿熱性に劣る欠点
かある。

一方、従来耐湿熱性か良好とされているポリアミドイミ
ド／ポリエステルイミド線も、ポリエステルイミドか上
述のように加水分解性を有しているため、含有水分量か
多くなるフロン−１３４ａ／ポリアルキレングリコール
系泪］系では、やはり耐湿熱性か不足する問題がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

一３＝ よって、この発明の課題は、新しいフロン−１、３４，
ａ　／ポリアルキレングリコール系冷凍機ＭＩ系におい
ても十分な耐冷媒性、耐湿熱性を発揮する絶縁電線を提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

かかる課題は、フェノキシ樹脂１００重量部にブチル化
メラミン樹脂２０〜５０重量部を配合した樹脂組成物か
らなる絶縁層を設けることで解決される。

以下、この発明の詳細な説明する。

第１図は、この発明の絶縁電線の例を示すもので、図中
符号１は導体である。この導体１の外周には、絶縁層２
が被覆され、この絶縁層２」−には保護層３かさらに被
覆されて、絶縁電線とされている。

絶縁層２は、エポキン樹脂１００重量部にブチル化メラ
ミン樹脂２０〜５０重量部を配合した樹脂組成物から構
成されている。

ここでのフェノキン樹脂は、ビスフェノール八とエピク
ロルヒドリンとの縮合生成物であり、分千円にエステル
結合を持たないもので、かつ分子鎖中に３％以上の活性
ＯＨ基を含み、少なくとも２万以上の平均分子量を有す
るものが用いられる。

平均分子量か２万未満では絶縁層２の可撓性が不足して
実用性に欠ける。

このフェノキシ樹脂１００重量部に対してブチル化メラ
ミン樹脂か２０〜５０重量部の範囲で添加される。この
ブチル化メラミン樹脂は、フェノキシ樹脂の架橋剤とし
て機能するもので、ｎ−ブチル化メラミン樹脂およびイ
ソ−ブチル化メラミン樹脂のいずれでも用いられる。こ
のブチル化メラミン樹脂の添加量が２０重量部未満では
絶縁層２の耐熱性、耐湿熱性が十分に得られず、５０重
量部を越えると可撓性が低下して不都合となる。

このようなフェノキシ樹脂およびブチル化メラミン樹脂
からなる樹脂組成物は、シクロヘキサノン、ソルベント
ナフサなどの溶剤に溶解されて樹脂分１０〜４０重量％
のワニスとされ、導体１上に常法により塗布、焼付けさ
れて絶縁層２とされる。

絶縁層２の厚さは、通常１０−１００μだの範囲とされ
るが、特にこの範囲に限定されるものではない。

また、保護層３としては、種々の樹脂を用いることがで
きるが、なかでも熱硬化ホルマール樹脂あるいはポリア
ミドイミドからなるものが好ましい。

ここでの熱硬化ホルマール樹脂とは、ポリビニルホルマ
ール樹脂をベースポリマーとし、これに硬化剤としてメ
ラミン樹脂、インシアネート樹脂、フェノール樹脂を配
合した樹脂組成物からなるものである。

このような熱硬化ホルマール樹脂あるいはポリアミドイ
ミドからなる保護層３は、これらの樹脂組成物をシクロ
ヘキサノン、ソルベントナフサなどの溶剤に溶解して樹
脂分１０〜４０重量％のワニスおし、絶縁層２上に常法
により塗布、焼き付けすることによって形成される。こ
の保護層３の厚さは、通常１０−１００μｍ程度とされ
る。

保護層３として、熱硬化ホルマール樹脂を用いたもので
は、耐摩耗性が良好となり、機械的強度も高いものとな
る。またポリアミドイミドを用いたものでは、耐熱性か
より高いものとなる。

また、絶縁層２と保護層３の膜厚の比を０．５１〜２０
．１とすることか好ましい。保護層３の膜厚かこれより
も薄いと保護機能か不足し、これよりも厚いとコスト高
となって不都合となる。

このような絶縁電線にあっては、耐熱性、耐湿熱性、耐
冷媒性、耐油性に富むものとなり、特にフロン−１３４
ａ／ポリアルキレングリコ一ル系冷凍機油混合系におい
ても、ずくれた耐冷媒性、耐湿熱性を発揮する。

以下、具体例を示して、本発明の作用効果を明確にする
。

（実施例］） 第１表に示す配合の組成物を７クロヘキサノンに溶解し
、樹脂分２０重量％のワニスを作成し、これを径１晃π
の導体」−に塗布、焼き付けし、厚さ４０μｍの絶縁層
を形成した。

第　　１　　表 （重量部） ＊　分子量；約４万、活性ＯＨ基含有率：６％この絶縁
電線について、可撓性、往復摩耗、熱軟化温度、Ｔ２Ｏ
０００Ｈｒ、ｉ；Ｉ湿熱性について試験し、その絶縁層
の特性を検討した。その結果を第２表に示す。

可撓性、往復摩耗、熱軟化温度の測定は、ＪＪＳ−Ｃ−
３００３に基ついて行い、Ｔ２Ｏ０００Ｈｒの測定はＩ
ＥＣＰｕｂ１７２に基いて行った。

また、耐湿熱性は、水分１０体積％の雰囲気下、温度１
５０°Ｃで加熱劣化させたのち、絶縁破壊型圧（ＢＤＶ
）を測定し、初期値の５０％となる日数で表わした。

第２表 第２表の結果から明らかなように、この絶縁電線の絶縁
層は、耐熱性、耐湿熱性、耐摩耗性、可撓性にす（れで
いることがわかる。

（実施例２） 実施例１におけるＮｏ、　］〜５の絶縁電線の絶縁層（
ただし、厚さは１１４ｉとした。）上にさらに熱硬化ホ
ルマール樹脂からなる厚さ９μｍの保護層を形成したも
のと、同じ＜　Ｎｏ、　１〜５の絶縁電線の絶縁層（厚
さ１１μ次）上にさらにポリアミドイミドからなる厚さ
９μＭの保護層を形成したものをそれぞれ製造し、これ
ら絶縁電線について耐冷媒試験、湿熱劣化試験を行った
。結果を第３表（保護層が熱硬化ホルマール樹脂からな
るもの）および第４表（保護層がポリアミドイミドから
なるもの）に示す。

なお、ここでの熱硬化ホルマール樹脂からなる保護層の
形成は、市販の焼付型ホルマール樹脂塗料を塗布、焼付
して行った。また、ポリアミドイミドからなる保護層の
形成は、市販のポリアミドイミドワニス（［−ｚ−４ｏ
５−２８Ｊ日立化成（株）製）を塗布、焼付して行った
。

また、耐冷媒試験は、フロン−１３４ａに１５０’Ｃで
７日間浸漬するもの（１）およびフロン−１３４８／ポ
リアルキレングリコール系冷凍機油の混合物に水分を１
．６重量％混合させた混合液中に１５０°Ｃで７日間浸
漬するもの（ＩＩ）の２種で行い、湿熱劣化試験は、１
体積％の水分量において１５０　’Ｃ１２４時気中劣化
後の絶縁破壊電圧で表した。

第３表 （保護層　熱硬化ホルマール） 第４表 （保護層・ポリアミトイミ１つ 第３，４表の結果から明らかなように、本発明の絶縁電
線は、特に耐冷媒性、耐湿熱性に優れ、新しいフロン−
１３４ａやこれとポリアルキレングリコール系冷凍機曲
との併用系においても十分使用に耐えられることかわか
る。

〔発明の効果〕

以」二説明したように、この発明の絶縁電線はフェノキ
ン樹脂１００重量部にブチル化メラミン樹脂２０〜５０
重量部を配合した樹脂組成物からなる絶縁層を有するも
のであるので、優れた耐熱性、耐冷媒性、耐湿熱性、機
械的特性等を有し、特にフロン−１３４ａ／ポリアルキ
レングリコール系冷凍油の併用系においても高い信頼性
でもって使用することかできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の絶縁電線の例を示す概略断面図で
ある。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）フロン−１３４ａとポリアルキレングリコール系
   冷凍機油との混合物に接触して用いられる絶縁電線であ
   って、 その絶縁層が、フェノキシ樹脂１００重量部に対してブ
   チル化メラミン樹脂２０〜５０重量部を配合した樹脂組
   成物からなることを特徴とする絶縁電線。
2. （２）前記絶縁層上に熱硬化ホルマール樹脂からなる保
   護層が設けられた請求項（１）記載の絶縁電線。
3. （３）前記絶縁層上にポリアミドイミドからなる保護層
   が設けられた請求項（１）記載の絶縁電線。
4. （４）前記絶縁層と前記保護層との膜厚比が０．５：１
   〜２０：１である請求項（２）または（３）記載の絶縁
   電線。