JPH0416617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は密閉型電動スクリユ圧縮機の改良に関
するものである。

従来、この種密閉型電動スクリユ圧縮機（以下
圧縮機という）においては、実公昭53−7204号や
実開昭54−39605号にて提案されているように、
モータを圧縮機の吸込側に設け、吸込気体を前記
モータ内部を通して圧縮機の吸込口に吸込むよう
に構成することにより、該吸込気体によりモータ
を冷却している。

ところで、このような圧縮機を冷凍機に採用し
た場合には、冷媒がフレオン（例R22、R12）で
あると、本来的にこの種フレオンは洗浄作用があ
るため冷凍装置の受液器、蒸発器、配管等からゴ
ミをあつめてきてモータに付着させるので、モー
タ焼損事故を生じやすいという欠点がある。

又、アンモニア冷媒は電気絶縁抵抗が小さいた
めにモータ内部を通過させる上記圧縮機には採用
することができないという欠点もある。

更にこの種圧縮機を組み込んだ冷凍装置におい
ては、負荷の急激な変動或は起動初期に所謂液バ
ツク現象と称せられる圧縮機内への液冷媒の混入
が生じるが、液体は非圧縮性であるため圧縮機内
に混入すると圧縮機の破損事故を引きおこすこと
となる。従つて、一般的には第１図に示す如く、
蒸発器４と圧縮機１の吸込口との間に液蒸発を完
全に実施して液バツク現象を回避する為に、一時
的な液だめをするアキユムレータ５が設けられて
いる。このアキユムレータ５の存在は冷凍装置の
コンパクト化に対し支障となる他、コスト的にも
その分高価となる欠点がある。尚、図中２は凝縮
器、３は膨張弁である。

本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、いかなる冷媒であつてもモータに悪影
響をおよぼすことなく、モータを冷却すると共
に、上記アキユムレータをモータケーシングに兼
用させる構成とすることによつてコンパクトで低
兼価な密閉型電動スクリユ圧縮機を提供するもの
であり、その特徴とするところは、スクリユ圧縮
機のスクリユロータの一つのロータ軸を他のロー
タ軸より長く延長せしめ、その端部に電動機回転
子を固着すると共に、上記スクリユロータを収納
した圧縮機ケーシングの電動機側々面に、内筒と
外筒からなる密閉二重ケーシングを接続し、上記
内筒の内周面には上記回転子を囲繞する電動機固
定子を固着し、外周面にはフインを立設し、上記
内筒と外筒とのなす空間部を圧縮機の吸込口に連
通する通路とした点にある。

以下、本考案を図示の実施例に基いて詳細に説
明する。

第２図において、６は雌雄一対のスクリユロー
タ７，８を圧縮機ケーシング９に内蔵したスクリ
ユ圧縮機で、前記雄ロータ８のロータ軸１０が雌
ロータ７のロータ軸１１より長く延長して前記ケ
ーシング９端面より突出して設けられており、そ
の端部には電動機回転子１２が固着されている。

１３は前記ケーシング９端面に装着された内筒
１４と外筒１５とからなる密閉二重ケーシング
で、前記内筒１４の内周面には上記回転子１２の
外周を囲繞する電動機固定子１６が固着されてい
る。該内筒１４の外周面には適宜ピツチでフイン
１７が多数立設されている。

上記内筒１４外周と外筒１５内周とで形成され
る空間部は外筒１５に設けられた入口１９から流
入する流体の通路１８となり、圧縮機１の吸込口
２０に連通している。２０は前記流入流体が電動
機内へ侵入するのを阻止する仕切壁である。

更に、２２は圧縮機１の吸込口２０側から電動
機内への流体流入を防止するメカニカルシールで
ある。

以上のように構成してなる本考案に係るスクリ
ユ圧縮機においては、吸込気体によりモータ外周
からこれを冷却するため、吸込気体がモータ内部
に入ることがないので、ゴミの侵入等が一切なく
従つて、モータ焼損事故が生じにくくモータ寿命
の延長がはたせる他、冷凍機に採用した場合には
いかなる冷媒でも利用できる。

更に、冷凍機に採用した場合、前記二重ケーシ
ング１３内の通路１８が上記モータ冷却効果を奏
すると共にアキユムレータの作用をも効奏する。

即ち、電動機の駆動に伴う発熱が内筒１４外周
面に立設されたフイン１２に伝導され、その熱を
外筒１５入口１９から流入してきた冷媒が奪い、
モータを冷却すると共に、冷媒自身はその通路１
８内温度に応じて膨張蒸発が更に促進される。

従つて、仮りに液バツク現象が生じて、蒸発器
から液冷媒が混入してきても、前記通路１８を通
過する間に十分蒸発気化して、圧縮機内には液冷
媒が混入するということがない。

第３図は第２実施例における二重ケーシングの
説明図で、前記内筒１４外周面にフイン１７を螺
旋状に立設したもので、かく構成することにより
冷却作用並びにアキユムレータ作用を向上するこ
とができる。

第４図は第３実施例における二重ケーシングの
説明図で、前記内筒１４外周面のフイン１７に加
えて、外筒１５内周面にもフイン１７′を前記フ
イン１７と互い違いになるように立設したもの
で、通路１８の長さをより長くすることができる
ので、冷却作用並びにアキユムレータ作用がさら
に促進される。

以上詳述した様に本考案によれば、モータケー
シングをアキユムレータに兼用させることで装置
のコンパクト化と低廉化がはたせる他、モータを
外部から冷却するのでモータ内にゴミが侵入する
ことがなくモータの焼損事故が防止され、結局モ
ータ寿命の延長がはたせると共に、冷凍機に採用
した場合、フレオン、アンモニア等いかなる冷媒
でも利用できる等その奏する効果が産業界に寄与
するところ極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の密閉型電動スクリユ圧縮機を組
み込んだ冷凍装置の説明図、第２図は本考案に係
る密閉型電動スクリユ圧縮機の正面断面図、第３
図及び第４図は他の実施例における二重ケーシン
グの拡大断面説明図である。 １……圧縮機、２……凝縮器、３……膨張弁、
４……蒸発器、５……アキユムレータ、９……圧
縮機ケーシング、１２……電動機回転子、１３…
…密閉二重ケーシング、１４……内筒、１５……
外筒、１６……電動機固定子、１７……フイン、
１８……通路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) スクリユ圧縮機のスクリユロータの一つのロ
   ータ軸を他のロータ軸より長く延長せしめ、そ
   の端部に電動機回転子を固着すると共に、上記
   スクリユロータを収納した圧縮機ケーシングの
   電動機側々面に、内筒と外筒からなる密閉二重
   ケーシングを接続し、上記内筒の内周面には上
   記回転子を囲繞する電動機固定子を固着し、外
   周面にはフインを立設し、上記内筒と外筒との
   なす空間部を圧縮機の吸込口に連通する通路と
   したことを特徴とする密閉型電動スクリユ圧縮
   機。 (2) 上記フインを螺旋状に配設したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の密閉
   型電動スクリユ圧縮機。 (3) 上記外筒の内周面に内筒のフインと互い違い
   になるようにフインを立設したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記
   載の密閉型電動スクリユ圧縮機。