JPH041626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は変圧器引込用開閉器に関するもので
ある。

（従来技術） 従来、地上設置型変圧器塔は変圧器保護用のカ
ツトアウトだけを組合せたもの又はエルボコネク
タ等を使用し、地中ケーブル幹線を直接変圧器側
面に各相個々に取付け、変圧器内で２回路の幹線
を結線し、かつカツトアウトを変圧器に内蔵した
もの等が使用されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが従来は変圧器を修理する場合には幹線
の各相分のエルボコネクタ等を取外し、同エルボ
コネクタに接続された幹線を移動させなければな
らず作業が面倒であるばかりか、変圧器の取換え
作業には同箇所の幹線全停が必要であつた。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は前記問題点を解消するために成され
たものであつて、この考案の変圧器引込用開閉器
は変圧器を収納する変圧器塔の側部に対し複数回
路の分岐用気中開閉器と前記変圧器の一次側に接
続される高圧カツトアウトとを配設し、前記各分
岐用気中開閉器と前記高圧カツトアウトスイツチ
の一側端子とを共通母線にて一体接続し、さら
に、前記変圧器塔の側部には、前記各分岐用気中
開閉器に対応して案内部材を水平方向へ突設する
とともに、前記各分岐用気中開閉器の可動電極が
設けられた閉路蓋を支持する可動部材を同可動部
材の基端部に設けた摺動部材を介して前記案内部
材の長手方向に沿つて移動可能に配設し、前記案
内部材の近傍において同案内部材と直交する方向
に架設した回動軸には操作レバーに連結された揺
動レバーの一端を固着し、同揺動レバーの他端と
前記摺動部材との間を連結リンクにより連節した
ことをその要旨とするものである。

（作用） 前記構成により、変圧器を修理する場合に高圧
カツトアウトを開路することにより、変圧器側の
分岐回路は停電となり、分岐用気中開閉器側の幹
線を停電状態とする必要はなく、変圧器の修理、
取替え等が容易かつ安全にでき、又、前記分岐用
気中開閉器の開閉路動作に際しては三相一括に操
作でき、幹線ケーブルを動かす必要がなく、作業
が容易であるとともに、水平方向に入切動作が行
われるので、可動電極を支持する閉路蓋の位置に
より開閉器の入切状態が簡単に見分けられる。

（実施例） 以下、この考案を具体化した一実施例を第１図
〜第５図に従つて説明する。

第１図及び第２図に示すように変圧器引込用開
閉器は路上に設置される本体ケースＣ内に変圧器
本体Trを収納する変圧器塔１が設けられ、その
変圧器塔１の側板２の上部には各相別に高圧カツ
トアウト３が取着されている。

この高圧カツトアウト３のブツシング４は第１
図に示すように前記側板２に対し挿通取着されて
いる。同ブツシング４の中空部４ａはその中央部
に設けられた係止段部５を境に内端側には小径部
６が設けられ、外端側には大径部７が設けられて
いる。その小径部６の内端には接続金具８を介し
て第一固定電極９が固定され、その第一固定電極
９の内部にはスプリング１０を介して消孤棒１１
が設けられている。この第一固定電極９は前記接
続金具８等を介して変圧器本体（図示しない）の
一次側に電気的に接続されている。

前記係止段部５にはリング状の取付部材１１を
介して第二固定電極支持部材１２が設けられてい
る。

又、前記取付部材１１の外面側には係止部材１
３が設けられ、その係止部材１３には前記中空部
４ａの内端側小径部６内に配置される消孤筒１４
の基端部が係止されている。そして、前記第二固
定電極支持部材１２には第二固定電極１５が設け
られている。中空部４ａの大径部７の開口端には
密栓１６が着脱可能に設けられ、その外周部に設
けられたフランジ１６ａをブツシング４外端に螺
合する筒状の締付部材１７にて締付けることによ
りブツシング４に対し取着される。

限流ヒユーズＦは高圧カツトアウト３の中空部
４ａにおいてその上部電極Fa及び下部電極Fbが
前記第一固定電極９及び第二固定電極１５に対し
接離可能に装着される。

前記高圧カツトアウト３の下方には三相二回路
をそれぞれ開閉路する分岐用気中開閉器Ｓ１，Ｓ
２が設けられている。この開閉器Ｓ１，Ｓ２につ
いて説明すると、基台１８は変圧器塔１の側板２
に対し三相分固定されている。同基台１８には前
記高圧カツトアウト３の第二固定電極１５に電気
的に接続される母線１８ａが埋設固定され、基台
１８の外側面にはほぼ円筒状をなし、各相一対の
案内筒１９ａ，１９ｂからなる案内筒１９が所定
の間隔をおいて一体に突設されている。そして、
各案内筒１９ａの内底部には前記母線１８ａに電
気的に接続される雌形の共通固定電極２０が突出
固定されている（第４図参照）。

さらに、下側に位置する開閉器Ｓ１において案
内筒１９ｂの内底部には基台１８の下部に設けら
れる幹線ケーブル接続端子２１に対し電気的に接
続される雌形の分岐固定電極２２が突出固定さ
れ、上側に位置する開閉器Ｓ２において案内筒１
９ｂの内底部には基台１８の下部に設けられる分
岐側ケーブル接続端子２３に対し電気的に接続さ
れる雌形の分岐固定電極２４が突出固定されてい
る。

従つて、基台１８内にてπ分岐する分岐回路が
設けられている。

開閉器Ｓ１，Ｓ２の操作機構部は同一構成のた
め、開閉器Ｓ１の操作機構部について説明する。

第３図に示すように三相の基台１８のうち両側
方に位置する二相の基台１８の外側部にはチヤン
ネル状をなす一対の案内部材２７が前方（第１図
において右方）へ突設され、その案内部材２７の
下方位置には一対の支持部材２８が前記案内部材
２７と同方向へ突設されている。前記案内部材２
７には長手方向に長孔状のガイド孔２７ａが透設
されるとともに長手方向に沿つて可動部材２９が
配置されている。

この可動部材２９はその基端部に摺動部材とし
てのローラ３０が回動可能に軸３０ａ着されてお
り、ローラ３０は案内部材２７のＬ字状の下側部
に対して転動するようになつている。前記ローラ
３０の軸３０ａの一端は前記ガイド孔２７ａを介
して外方へ突設され、その先端部には連結リンク
３１が設けられている。又、案内部材２７の先端
部下側には可動部材２９の下面に当接して回動す
るガイドローラ３２が回動可能に軸着されてい
る。

前記両可動部材２９の先端部間には支持杆２５
が架橋され、同支持杆２５に対し各相別にエポキ
シ樹脂等からなる閉路蓋３３が固定されている。
すなわち、閉路蓋３３は各対の案内筒１９ａ，１
９ｂに対して被冠可能にかつ各相一括の左右動
（第１図において）可能に設けられている。この
閉路蓋３３内には前記固定電極２０，２２に対し
接離するコ字状に連結された一対の雄型の可動電
極３４が設けられている。

なお、開閉蓋Ｓ２においては閉路蓋３３の可動
電極３４は前記固定電極２０，２４に対し接離す
る。

前記支持部材２８間には回動軸３５が回動可能
に架橋されており、その回動軸３５の両端に固着
された揺動レバー３６はその一端が前記連結リン
ク３１に対し連結軸３６ｂを介して回動可能に軸
着されている。そして、前記揺動レバー３６の連
結リンク３１側の一端はさらに延出されてフツク
部３６ａが形成され、閉路蓋３３が閉路位置に移
動したときにフツク部３６ａが前記ローラ３０の
軸３０ａに係止するとともに、前記連結軸３６ｂ
は回動軸３５と軸３０ａとを結ぶデツドポイント
Ｘを越えた状態となり、可動部材２９が振動等に
て開路方向へ移動しないようにロツクされるよう
になつている。

一方の支持部材２８の先端部は前記回動軸３５
の取付位置よりも延出され、その延出部には操作
レバー３７が回動可能に軸３７ａ着されている。
さらにその軸３７ａには駆動レバー３８が固着さ
れ、駆動レバー３８の先端部には一端が前記揺動
レバー３６の中央部に回動可能に連結された被動
リンク３９の他端が回動可能に軸着されている。

従つて、第１図の閉路状態でこの操作レバー３
７を図示しない操作杆により第１図Ｐ矢印方向に
開路操作すると、駆動レバー３８が同Ｐ矢印方向
へ回動し、それによつて被動リンク３９を介して
揺動レバー３６が開路方向へ回動する。前記のよ
うに揺動レバー３６が開路方向に回動すると、前
記連結軸３６ｂがデツドポイントＸを越え、軸３
０ａを介して可動部材２９がＱ矢印方向へ移動す
る。なお、このとき可動部材２９のローラ３０は
案内部材２７のＬ字状の下側部に対して転動し、
又、案内部材２７に設けられたガイドローラ３２
は可動部材２９の下面に当接して回動する。

このように可動部材２９がＱ矢印方向に移動す
ると、閉路蓋３３が案内筒１９から離間し、可動
電極３４が各固定電極２０，２２，２４から開路
する（第４図参照）。

又、第４図の開路状態において閉路するには前
記と逆の方向に操作レバー３７を図示しない操作
杆により第１図反Ｐ矢印方向に閉路操作する。す
ると、駆動レバー３８が反Ｐ矢印方向へ回動し、
それによつて被動リンク３９を介して揺動レバー
３６が閉路方向へ回動する。前記のように揺動レ
バー３６が閉路方向に回動すると、軸３０ａを介
して可動部材２９が反Ｑ矢印方向へ移動する。

このように可動部材２９が反Ｑ矢印方向に移動
すると、第１図に示すように閉路蓋３３が案内筒
１９に被冠し、可動電極３４が固定電極に対し閉
路する。

さて上記のように構成された変圧器引込用開閉
器においては変圧器を修理する場合に高圧カツト
アウト３を開路することにより、変圧器側の分岐
回路は停電となるが開閉器Ｓ２側の分岐回路は前
記開閉器Ｓ２を閉路した状態としておけば、配電
線路の停電を最小限にすることができる。

また、操作レバー３７等を介して開閉路操作す
ると、閉路蓋３３が案内部材２７に沿つて移動
し、開閉器Ｓ１，Ｓ２は水平方向に入切動作が行
われるので、可動電極３４が設けられた閉路蓋３
４の位置により開閉器Ｓ１，Ｓ２の入切状態が簡
単に見分けられ、修理開始時の安全確認を迅速に
行うことができる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく、他の多回路開閉器等に具体化してもよ
い。

考案の効果 以上詳述したようにこの考案は変圧器を修理す
る場合には高圧カツトアウトを開路することによ
り、変圧器側の分岐回路は停電となるが分岐用気
中開閉器側の幹線を前記開閉器にて閉路した状態
としておけば、幹線は停電させることがなく、変
圧器の修理交換等が容易にできるばかりか三相一
括して容易に幹線を開閉路操作でき、さらに分岐
用気中開閉器は水平方向に入切動作が行われるの
で、可動電極が設けられた閉路蓋の位置により開
閉器の入切状態が簡単に見分けられ、修理開始等
の安全確認を迅速に行うことができるといつた優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した変圧器引込用開
閉器の一部切欠断面図、第２図は同じく電気回路
図、第３図は変圧器引込用開閉器の要部正面図、
第４図は開閉器の略体図、第５図は開閉器の動作
を説明するための説明図である。 １……変圧器塔、３……高圧カツトアウト、Ｓ
１，Ｓ２……開閉器、１８……基台、１８ａ……
共通母線、１９……案内筒、２０……共通固定電
極、２１……幹線ケーブル接続端子、２２……分
岐固定電極、２３……分岐側接続端子、２４……
分岐固定電極、２７……案内部材、２９……可動
部材、３０……摺動部材としてのローラ、３１…
…連結リンク、３３……閉路蓋、３４……可動電
極、３５……回動軸、３６……揺動レバー、３７
……操作レバー、３８……駆動レバー、３９……
被動リンク、Tr……変圧器、Ｆ……限流ヒユー
ズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変圧器Trを収納する変圧器塔１の側部に対し
   複数回路の分岐用気中開閉器Ｓ１，Ｓ２と前記変
   圧器Trの一次側に接続される高圧カツトアウト
   ３とを配設し、前記各分岐用気中開閉器Ｓ１，Ｓ
   ２と前記高圧カツトアウト３の一側端子とを共通
   母線１８ａにて一体接続し、さらに、前記変圧器
   塔１の側部には、前記各分岐用気中開閉器Ｓ１，
   Ｓ２に対応して案内部材２７を水平方向へ突設す
   るとともに、前記各分岐用気中開閉器Ｓ１，Ｓ２
   の可動電極３４が設けられた閉路蓋３３を支持す
   る可動部材２９を同可動部材２９の基端部に設け
   た摺動部材３０を介して前記案内部材２７の長手
   方向に沿つて移動可能に配設し、前記案内部材２
   ７の近傍において同案内部材２７と直交する方向
   に架設した回動軸３５には操作レバー３７に連結
   された揺動レバー３６の一端を固着し、同揺動レ
   バー３６の他端と前記摺動部材３０との間を連結
   リンク３１により連節したことを特徴とする変圧
   器引込用開閉器。